計測関連用語集

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詳細説明

電力測定器

読み方:

でんりょくそくていき

カテゴリー:

#電圧・電流・電力測定器

計測器としての電力計を解説した当サイトの記事「電力計の基礎と概要」では、冒頭で電力測定器の種類を、機械式電力計(アナログ式の指示計器)、ベンチトップ電力計、クランプ電力計などに分類して説明している。
広義には通信計測器の電力測定器として、無線(RF)の高周波電力計(別名:高周波パワーメータRFパワーメータ)や、光通信測定器光パワーメータもある。ただし、通常、計測器で電力測定器というと(上記のように)低周波(商用周波数)のモデルを指していて、「電圧・電流・電力測定器」などの機種群(カテゴリー)で呼称される。高周波電力計はそれ自体で1つのカテゴリーか、または「無線測定器」や「RF・マイクロウェーブ・EMC用測定器」などの項目に掲載される。光パワーメータは光の電力計だが、「光電力計」とはいわず、OPM(Optical Power Meter)と略記されることも多い(カテゴリーは「光通信測定器」ではなく、「光測定器」と呼ばれることが多い)。
現在の電力測定器の主力機種群はベンチトップ電力計であるデジタルパワーメータと、クランプセンサ(クランプ電流計)を使ったクランプ電力計の2つ。最近は特定の電気機器を評価できるように解析機能や入力チャンネル数を増やしたパワーアナライザと呼称される製品群も多い。国内の計測用電力計でシェアを2分している2社を例に、電力測定器の機種群を説明する。
横河計測ホームページの製品ページを見ると(2023年2月現在)、見出しの「パワーアナライザ/電力測定器」にはデジタルパワーメータやパワーアナライザ5シリーズが並び、同社ではオシロスコープと並ぶ豊富なラインアップである(ベンチトップ型の電力計が同社の主力製品であることがわかる)。さらにハンディ型の電源品質アナライザが1モデルあるが、これは後述のクランプ電力計である。電力測定器と並列の見出し「現場測定器」にはハンドヘルドデジタルマルチメータ温度計絶縁抵抗計(メガー)、接地抵抗計、(計装用途の)キャリブレータが掲載されている。ここにクランプ電力計と「クランプテスタ/クランプメータ」がある。クランプ電力計をさらにクリックすると、複数本のクランプが接続できるハンドヘルドのモデル「電源品質アナライザCW500」が掲載されている。「クランプテスタ/クランプメータ」をクリックすると、漏れ電流計(リーククランプテスタ)を含む約10機種のモデルがある。横河の電力測定器は長らく、横河電機・計測器事業部がベンチトップ型の高精度なモデル(クランプ入力ではなくセンサ直結型が主)をつくり、子会社の横河メータ&インスツルメンツが現場測定器(ハンドヘルドの温度計やDMM、クランプ、プロセスキャリブレータなど)と指示計器(メータ類)をつくってきた。2010年に両社は合体し現在の横河計測株式会社になったので、デジタルパワーメータ/パワーアナライザは電力測定器、クランプ電力計/プランプ電流計は現場測定器、と明確に製品群を分けている(設計・開発した技術部門が異なる)。
日置電機ホームページの製品ページには「電力計」、「プローブ」、「DMM・テスタ・現場測定器」という見出しがある(2023年2月現在)。電力計には小見出し「パワーメータ/パワーアナライザ/電力計」の下にパワーアナライザ、パワーメータ、パワーハイテスタという品名の8モデルが並ぶ(パワーハイテスタ3333が一番古く、最新モデルはPW8001パワーアナライザ)。もう1つの小見出し「電源品質アナライザ/クランプ電力計/電力ロガー」にはクランプ電力計、PQA、クランプチェッカ(クランプ電流計のようにクランプと本体が一体となった電力計)、6モデルがある。見出し「プローブ」には貫通型電流センサ11モデルと、クランプ型電流センサ(データロガーなどにつなぐ、カレントプローブ)12モデル、波形観測用電流プローブ(オシロスコープなどにつなぐ電流プローブ)8モデル、その他の20モデル(リークセンサなど)、それらの関連製品(センサ用電源など)が掲載されている。小見出し「DMM・テスタ・現場測定器」には約50モデルがあるが、小見出し「クランプメータ/クランプ電流計」には漏れ電流計を含む約25モデルがある。同社はクランプとハンドヘルドの現場測定器が得意であることがわかる。1965年に国内初のクランプメータをつくったのは共立電気計器だが、いまやクランプといえば日置電機が代名詞で、ラインアップの多さはマルチ計測器やユー・アール・ディーと並んでいる。
電力測定器といえば横河が老舗で、校正室に置かれる標準器のデジタルパワーメータは同社製品が多い。日置電機はクランプを中心に現場測定器の電力測定器(プランプ電力計、クランプ電流計)をラインアップしていたが、電源品質アナライザや(横河の牙城の)ベンチトップ型電力計を開発し、最近は横河計測とシェアを競っている。

参考記事
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