計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

148

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

アース導通試験器(あーすどうつうしけんき)

電気製品が確実にアースされているかを試験する測定器。電気安全規格関連の測定器を豊富にラインアップしている計測器メーカである、菊水電子工業の製品総合カタログ(安全機器に関する用語)には次の説明がある。「アース導通試験:基礎絶縁とアースへの保護接地で安全性を確保するように設計された機器の、保護接続の完全性(連続性)を評価する試験。」

RJ45(あーるじぇーよんじゅうご)

LANケーブルに使われているコネクタのこと。FCC (米連邦通信委員会)が定めたRegistered Jack 45の略記。8ピンすべてが信号線に繋がれた8極8芯のモジュラー式コネクタ。ANSI(米国国家規格協会)/TIAで規定された8P8Cコネクタとほぼ同じ。8P8Cはeight positions, eight conductorsの略で、プラグ部とジャック部を総称して8P8Cモジュラーコネクタとも呼ぶ。電話機のコネクタRJ11と外観が似ているがサイズやピン数が異なる。RJ11は6つの位置(ピン)のうち2つを利用する6P2C(6位置2導体、つまり信号線は2本)である。RJ45はコンピュータなどネットワーク機器の接続用(RS-232CやISDNで使用)、RJ11は電話機、ADSL、モデムなどのケーブルで使われる。

アイソレータ(あいそれーた)

(isolator) いくつかの意味がある。2つ紹介する。 1.高周波電力を1方向にだけ通す電子部品。サーキュレータに終端抵抗を接続したもの。 2.アイソレーション(isolation、絶縁)するものがアイソレータなので、絶縁する機器に「アイソレータ」と命名していることがある。たとえばUSB接続をしているケーブルの間に入れて「USBポートを絶縁することでノイズ対策し、信頼性を向上させる、小型、高耐圧絶縁」とうたう「USB2.0アイソレータ」なる製品がある。

アキシャルプローブ(あきしゃるぷろーぶ)

ガウスメータと一緒に使用する軸型のセンサー。(=同軸型プローブ)

アンテナ(あんてな)

(antena) 無線信号を送受信する機器。アンテナは通信機器であり計測器ではないが、電波関連測定器の一部、またはオプションとして必須のため、計測器の1カテゴリーに分類されている。スペクトラムアナライザ(スペアナ)の中に分類されたり、電磁界強度計やEMC(Electro Magnetic Compatibility、電磁両立性または電磁適合性)測定器に分類されたりと、どのカテゴリーに入れるかは様々である。当サイトは障害・EMI測定器のカテゴリーにほとんどを入れているが、スペアナにも(スペアナのオプションとしての)アンテナが少数、入っている。使い方としては、RF測定器の信号発生器の出力端子やスペアナの入力端子に接続される。 アンテナの主な種類は形状で分けると、ダイポール、ループ、バイコニカル、ホイップなどがある。TV受信用には八木・宇田アンテナが有名である。また衛星通信にはパラボラアンテナが使われる。ダブルリジッドガイドアンテナなどのようにEMI測定に使われるアンテナ(EMIアンテナ)も数多くある。 計測器メーカのアンリツ、ローデ&シュワルツ、キーサイト・テクノロジーなどもアンテナをラインアップしているが、専業メーカの方が製品の種類が多い。たとえばキャンドックスシステムズ(国内)やETS-LINDGREN(海外)など。

アンテナファクタ(あんてなふぁくた)

(Antenna Factor)アンテナが置かれている位置における電界強度に対して、スペクトラムアナライザの入力端子に生じる出力電圧との比のこと。アンテナ係数とも呼ばれる。測定用アンテナは周波数範囲が決まっていて、校正によってアンテナファクタが定義されている。

アンプ(あんぷ)

小さい電圧信号を大きく(増幅)する機器。和訳は「増幅器」だが、「アンプ」はもはや日本語で広い分野で頻繁に使われている。計測器としては高電圧対応の電力増幅器(パワーアンプ)や高周波対応のプリアンプなどがある。増幅する目的に応じて、それぞれ電圧アンプ・電流アンプ・電力アンプと呼ばれることもある。電力増幅器(パワーアンプ)はバイポーラ電源や交流電源などの電源の1種に分類しているメーカもある。プリアンプはRF測定器の代表であるスペクトラムアナライザの周辺機器(アクサセリ)の1つである。アイソレーションアンプは絶縁を主目的としている。

ESD(いーえすでぃー)

(Electro-Static Discharge) 翻訳すると「静電放電」。静電気を放電すること。「ESD対策(静電気対策)」などのことばがある。 身近な例では、乾燥した冬にドアノブなどの金属を触ると人体に蓄積された静電気がドア側に放電されてバチッとする。衝撃の割にはエネルギーが大きくないため事故になることはほとんどないが、半導体デバイスや電子回路を破壊するには十分な威力がある。電子機器は静電マットの上に置き、操作する人はリストバンドを装着し、人体から発生する静電気が機器に悪影響が無いようにすることが望ましい。電子部品メーカの作業工程では、静電気の帯電レベルを管理している。特にESD対策をされた区域をEPA(静電気放電保護区域)と呼ぶ。 ESD関連の計測器メーカでは春日電機があり、静電気測定器や静電気除去装置(イオナイザ)をつくっている。

EN(いーえぬ)

(European Norm)EUの統一規格(normは規範、標準の意味)。3つの組織がEN規格を策定している。電気工学の分野は欧州電気標準化委員会(CENELEC)、電気通信全般は欧州電気通信標準化委員会(ETSI)、それ以外の分野は欧州標準化委員会(CEN)。「European Standards」とも呼ばれる。EUに電気製品などを輸出するにはEN規格に準拠しないといけない。EN規格に準じた製品をつくったメーカはメーカ自身で「CEマーク」を表示することができる。マークは認証機関での取得もできるが、マーク自体に安全認証や品質証明の役割は無い。EN規格への適合証明の責任はメーカが負う。

EMI(いーえむあい)

(Electro Magnetic Interference)直訳すると「電磁妨害」。EMCの中の1つで、電子機器が外部に不要な電磁ノイズを放出していること。EMI試験のことをエミッション(emisson)という。代表的な測定器にEMIレシーバがある。

EMIアンテナ(いーえむあいあんてな)

EMI測定で使用するアンテナ。EMI(Electro Magnetic Interference)とはエミッション試験のことで、電子機器が外にどれだけの電磁波を放出しているか(電波ノイズの発生源になっていないか)を測定するもの。電波を測定するスペクトラムアナライザ、EMIレシーバの入力端子にアンテナで受信した電波が入力される。

EMIクランプ(いーえむあいくらんぷ)

EMI測定にて、試供体に妨害信号を注入したり、妨害信号を検出したりするクランプセンサ。

EMI試験器(いーえむあいしけんき)

機器から発生する電磁的エネルギーがどの程度の妨害(エミッション)を与えるかを試験する機器。EMIはElectro Magnetic Interference の略で、電磁妨害放射のこと。

EMIプローブ(いーえむあいぷろーぶ)

スペクトラムアナライザや妨害波測定器と一緒に使用する、磁界を検出するセンサー。(=近磁界プローブ)

EMIレシーバ(いーえむあいれしーば)

EMI測定(エミッション試験)で使われる、電波測定用のスペクトラムアナライザ。計測器メーカはドイツのローデ&シュワルツが業界標準で、EMIレシーバはローデ&シュワルツの製品名ともいえる。

EMS(いーえむえす)

3つの意味がある。 1.Electro Magnetic Susceptibility の略。電磁感受性(電磁妨害耐量)のこと。日本語では「電磁気妨害感受」だが、EMSと呼称されることが多い。別名:イミュニティ(immunity) 。外からの電磁気に対する耐性のこと。EMC分野の用語。 2.Electronics Manufacturing Serviceの略。電子機器の受託生産を行う企業を指す。パソコンやスマートフォン、半導体チップなどの製造で良く使われる。半導体受託生産では台湾のTSMC が世界No1シェア(推定50%以上)といわれる。半導体の設計や開発は行わず、生産に特化するメーカーのことを「ファウンドリ」と呼ぶ。逆に生産を外部委託して開発・設計に特化するメーカを「ファブレス」という。半導体の製造には最先端の機器が必要になり、多額の資金が必要なため、R&Dと生産・製造を分離した分業が進んでいる。 3.Energy Management Systemの略。工場やビルなどの、施設のエネルギー使用状況を把握し、最適なエネルギー利用になるように支援するシステム。「電力監視」や「エネルギーの見える化」とも呼ばれる。最近の温暖化対策(ゼロエミッション)やエネルギー需要の激変(2022年、ロシアのウクライナ侵攻)によって、各工場ではエネルギー・マネージメント・システムの導入が広がっている。

EMS試験器(いーえむえすしけんき)

他の機器から発生される電磁的エネルギーにどの程度の耐性(イミュニティ )があるかを試験する機器。

EMC(いーえむしー)

(Electro Magnetic Compatibility)日本語では「電磁両立性」または「電磁適合性」といわれている。EMCの試験にはEMI(エミッション)とEMS(イミュニティ)がある。

EMC試験器(いーえむしーしけんき)

機器の電磁的両立性を試験する機器。EMI試験器とEMS試験器に分けられる。EMI試験器はスペクトラムアナライザやEMIレシーバなどの電波測定器とLISN(擬似電源回路網)などで電子機器が不要な電磁ノイズを放出している度合いを調べる(別名:エミッションという)。EMS試験器はRFパワーアンプやダブルリジッドガイドアンテナなどで、電子機器に電磁波を与えて耐性を調べる(別名:イミュニティという)。つまり、電磁ノイズの発生源と、電磁ノイズに対する耐性を調べる試験器。EMIとEMSでは使用される測定器やメーカが異なるが、アンテナなどの共通の機器もある。

EUT(いーゆーてぃー)

(Equipment Under Test) 試験の対象となる機器のこと。直訳すると被試験機器、供試機器。EMC分野で使用されることが多い用語。同様の表現として、回路素子や材料の評価で使われるDUT(Device Under Test)は広く「被測定対象物」を指す用語として計測器全般で使われている。