検索用語一覧
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- VISAライブラリ(びさらいぶらり)
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VISA(Virtual Instrument. Software Architecture)は、米国のVXI plug&play Systems Allianceが管理する計測制御用通信ライブラリ仕様のこと。GP-IBだけでなく、RS-232CやUSB、TCP/IP、VXIbusなどに接続された計測器を通信媒体に関係なく同様のプログラミング手法で制御できる仕組み。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より) NI-VISA(えぬあい びさ)はNational Instruments(ナショナル・インスツルメンツ、NI)社の計測器と制御機器を扱うためのソフトウェア。 VXI plug&play 仕様 3.0 に対応した菊水電子工業の VISA ライブラリはKI-VISA である(KIはKIkusuiからとったと推測される)。
- VR(ぶいあーる)
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(Virtual Reality) 日本語では「仮想現実」、「人工現実感」と訳される。「バーチャルリアリティー」という表現もみかける。
- VIG(ぶいあいじー)
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Voltage Current Generatorの略。電圧電流発生器(電圧・電流源)のこと。アドバンテスト(現エーディーシー)のモデル5245/6246の製品カタログにSMUの機能の図解があり、「VIGとDVM(5 1/2桁)とエレクトロメータ」で構成されている。VIGやDVM(Digital Volt Meter)はタケダ理研工業(アドバンテストの旧社名)特有の表現である。通常、電圧電流発生器は英文字で略記されることはなく、VIGは同社以外では使われていない。同社も前述の製品カタログ以降にVIGという表記は見かけないが、2020年現在も同社のSMUの設計担当部署名は「開発部 VIG計測」である。
- VSIM(ぶいえすあいえむ)
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SMUの機能の1つ。電圧を印加して電流を測定する。
- VSA(ぶいえすえー)
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(Vector Signal Analyzer)キーサイト・テクノロジーの製品名(現在は製造中止)。周波数軸と時間軸の両方の波形表示ができる同社のユニークな製品。デジタル無線の黎明期にメーカなどのR&D部門では、変調信号の解析に威力を発揮した。計測器の外観は箱で、外部にコントローラ(コンピュータ)をつないで使用した。現在は無線通信に使う変調信号の解析はもっぱらシグナルアナライザ(スペクトラムアナライザ)が使われるが、1990年頃にはVSAは有効な測定器の1つであった。
- VSWR(ぶいえすだぶりゅあーる)
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(Voltage Standing Wave Ratio)電圧定在波比の略記だが、VSWRやSWRという表記の方が良く使われている。高周波の伝送に関する基本的な単語。デジタルではなくアナログの基礎用語。
- VXI(ぶいえっくすあい)
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(VME eXtensions for Instrumentation) 1987年に策定された、VMEバスに基づいた規格。 VMEバスはコンピュータのバス規格として開発された。1979年にモトローラの技術者はMPU 68000システム向けの標準バスとしてVERSAバスを開発した。後にVMEバス(VERSA Module Eurocard busまたはVersa Module Europa)と改称した。1987年にHP(ヒューレット・パッカード、現キーサイト・テクノロジー)、Wavetek(ウェーブテック、Wandel&GoltermannやActernaを経て、現Viavi)、Tektronix(テクトロニクス)、Racal Instruments(現EADS)、Colorado Data Systemsの共同でVXI規格が策定されている。VXIbus Consortiumが普及促進を図り、2004年には拡張された仕様が追加されている。 VXIシステムは大型シャーシ(最大13スロット)で構成される。VMEではモジュールはBサイズ(230×160mm)だったが、VXIでは6U/Cサイズ(230×340mm)が主流。キーサイト・テクノロジーにはE8403A(Cサイズ、13スロットVXIメインフレーム)があった(すでに生産中止)。VXI plug&play Alliance(VXIpnp)は、ハードウェアとソフトウェアの相互運用標準として、Virtual Instrument Software Architecture(VISA)を規定している。VXIpnpドライバをサポートしたアプリケーションソフトウェアとしてLabVIEW(ラボビュー、NI:National Instruments製品)とMATLAB(マットラボ、MathWorks製品)がある。VXI製品の市場は軍需とアビオニクスが多いとされている。2000年代に登場したPXIやPXIeとは市場をすみ分けていると思われる。 2000年頃に横河電機の計測器事業部門(現横河計測)はVXIのモジュール式計測器 VE7000シリーズを発売している。COMSOL(コムソル、解析用のシミュレーションソフトウェア)の国内総代理店である計測エンジニアリング株式会社は2001年に創業し、WE7000シリーズをハードウェアとしてアプリケーションを開発していた。当時は信号発生器やオシロスコープなどの基本測定器を、モジュール式計測器でラインアップしていたのは国産メーカでは横河くらいしかいなかった。2010年代にはWE7000シリーズは生産終了し、後継モデルはない。つまり国産でVXIシステムをつくるメーカはほとんどいない。菊水電子工業はVISAに対応したライブラリ(VISAライブラリ)をラインアップしている。
- VHSデータレコーダ(ぶいえっちえすでーたれこーだ)
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VHSカセットテープにデータを記録するデータレコーダ。現在はほとんど生産されていない。 VHS(Video Home System)は、日本ビクター(現JVCケンウッド)が1976年に開発した家庭用ビデオ規格で、同社の登録商標。
- VNA(ぶいえぬえー)
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Vector Network Analyzerの略記。ネットワークアナライザ(NA)の現在主流の略称。 ネットワークアナライザには従来、スカラー(※)型とベクトル型(VNA)があり、前者は下位モデルで安価、後者は上位で高額だった。最近はスカラー型が減り、ほとんどのNAがVNAになり、特別にいわないでもNAといえばVNAが多くなった。現在ではあえてVNAという必要性はないように思えるが、キーサイト・テクノロジーなどの計測器メーカは好んでVNAの表記を使っている(※※)。同社にはUSB計測器のStreamlineシリーズがあるが、VNAのラインアップが一番多い。2020年頃からnanoVNA なる計測器がamazonなどの通販で販売されている。約1万円でGHzオーダの測定ができる、カードサイズの小型・激安VNAである。ホビー向け電子工作の記事を満載している月刊誌、トランジスタ技術などにnanoVNAで実測した例が掲載されている。 (※) (scalar) 大きさのみを持つ量を指し、ベクトルに対比して使われる用語。ベクトルは大きさと向きを持っている物理量。圧力、加速度などの多くの自然界の計測量がベクトルである。特に電気信号はベクトルで表現される(電子回路理論では、数学の複素数を使った表記をされる)。VNAは大きさ(dB、デシベル)と向き(位相など)のベクトル量(実数部と虚数部の2つがある複素数)で測定できる。dBだけを測定する安価なモデルがスカラー型NAだった。昔のNAは高価な測定器だったが、技術革新によって安価なVNAが流通するようになった。 (※※) オシロスコープは1980年代にデジタル方式が開発され、従来モデルは「オシロスコープ」から「アナログオシロスコープ」に名称変更され、現在ではほとんど生産中止している。アナログモデルがなくなったのでわざわざ「デジタルオシロスコープ」といわずに「オシロスコープ」といわれることも多い。逆にいうと「オシロスコープといえばほぼデジタルオシロスコープ」を指している。NAはベクトルネットワークアナライザが主流になった現在でもあえてVNAという表記が多い。計測器は、進化の変遷(機種の歴史)を知らないと良くわからない、ニッチな世界である。なぜオシロスコープとネットワークアナライザの機種名称の表現方法が同じではないのか?正確に回答できる計測器のプロはなかなかいないと筆者は思う。
- VoIP(ぶいおーあいぴー)
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(Voice over Internet Protocol ) インターネットやイントラネットなどのTCP/IPネットワークを使って音声データを送受信する技術のこと。1990年代にインターネットが広がると、IPによる音声通話の技術が開発され、2000年代の本格的なインターネット時代にはVoIPが電話機能として確立した。 VoIPなどの音声通話の品質を測定するのがVQT(ボイスクオリティテスタ)である。アジレント・テクノロジー(現キーサイト・テクノロジー)がJ1981Bなどのモデルをつくっていた(現在は生産終了)。
- VOCモニタ(ぶいおーしーもにた)
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揮発性有機化合物(VOC)を測定する機器。(VOC=Volatile Organic Compound の略)
- VQT(ぶいきゅーてぃー)
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(Voice Qolity Tester) VoIPの音声品質を測定するボイスクオリティテスタの通称。略記のVQTは大変よく使われた。 2000年頃のインターネットが普及した時代にVoIPも導入され、その評価(アナログの音声品質を含めた評価)に使われた(現在はほぼ生産終了)。IPに音声データをのせるのがVoIPなので、デジタルデータの音声も評価した。プロトコルアナライザとVQTを併用してIP網(インターネット)を評価した。
- VGA(ぶいじーえー)
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(Video Graphics Array) IBM(※)がパソコン製品に搭載したグラフィック表示システムの名称。同システムで採用された640×480ピクセルの画素数や表示モードはPCの標準となり、PCからモニタ(ディスプレイ機器)へアナログRGB信号を出力する規格(アナログ信号のインタフェース)の名称や、コネクタ(端子)を指すことばとなった。 2000年代以降にシリアル通信による
- VCO(ぶいしーおー)
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(Voltage Controlled Oscillator) 翻訳すると「電圧制御発振器」。出力周波数が入力電圧に比例する発振器回路(または電子部品)。発振器は周期的な交流信号を生成して出力するが、VCOは、発振周波数が電圧によって決定される。電圧を変えることで周波数を変えて出力できる電子回路(部品)は、無線通信やコンピュータなど様々な電子機器で使われる。たとえばRFの分野で使われるPLL(Phase Locked Loop)ではVCOは重要な部位である。周波数変調や位相変調での用途では、ファンクションジェネレータやシンセサイザなどのアプリケーションがある。 参考用語:オシレータ、OSC
- VCOテスタ(ぶいしーおてすた)
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(VCO tester) VCO(Voltage Controlled Oscillator、電圧制御発信器)という電子回路(部品)を評価する測定器。 キーサイト・テクノロジーには4352BというVCOテスタがあった(生産中止。後継機種はシグナルソースアナライザ)。ローデ・シュワルツの位相雑音アナライザ(形名FSWPやFSPN)の品名は「位相雑音アナライザ/VCOテスタ」である。位相雑音アナライザとシグナルソースアナライザはほぼ同じ測定器である。つまり、以前はVCOテスタがあったが、現在はシグナルソースアナライザ(または位相雑音アナライザ)になっている。VCOテスタという名称がユーザにわかりやすいのでローデ・シュワルツは品名にしていると思われる。
- VCCI協会(ぶいしーしーあいきょうかい)
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電磁波妨害の自主規制を行う日本の業界団体。前身の名称「情報処理装置等電波障害自主規制協議会(Voluntary Control Council for Information Technology Equipment)」の略。
- VCB(ぶいしーびー)
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(Vacuum Circuit Breaker)日本語では真空遮断器だが、VCBと呼称されることが多い。配電盤などで使用されている遮断器。高圧や特別高圧(特高、とっこう)の配電設備に装備されている。重電メーカがつくっている。 受配電機器用の計測器をラインアップし、リレー試験器や耐電圧試験で有名な双興電機製作所にはVCBの性能を評価して劣化を確認するVCBチェッカなるモデルがある。
- V2H(ぶいつーえっち)
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(Vehicle to home)電動車(EV、PHVなど)の電力を、家庭用の電力にも使えるようにすること。VtoHという表記もある。
- V-t試験(ぶいてぃーしけん)
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(Voltage-time test) 信頼性試験を行う試験機関では、プリント配線板などの絶縁材料の「絶縁耐力の時間的安定性を評価する手法」と説明している。具体的には、絶縁破壊が発生するまでの時間を測定する、近似直線を用いて寿命を推定する、劣化促進環境下で規定電圧を印加する、などが行われる。複数の電圧で絶縁破壊に至るまでの時間を測定することで寿命(V-t)曲線を描く。絶縁耐圧試験と寿命(劣化加速)試験を合わせた方法である。パワー半導体の評価にも最近は使われることが増えている。 V-t試験は印加電圧に重点を置いているが、高温高湿試験(高温と高湿での試験)で通電(電源電圧を印加してデバイスを駆動)して電気ストレスによる劣化(絶縁性能)を調べるのがTHB(高温高湿バイアス試験)である。こちらは高温高湿(耐湿性試験)プラス電圧印加の手法である。 「固体絶縁体の破壊電圧は電圧印加時間とともに低下する」という現象をV-t特性と呼称するので、V-t試験の名称もこのあたりに由来する。ただし、電力ケーブルなどで行われる「雷インパルス耐電圧試験」でV-t特性というと、「インパルス放電開始-時間特性」を意味している。サージ防護デバイスに、一定の極性と波形で、波高値の異なる複数のインパルス電圧を印加して、放電させたときの放電開始電圧と放電開始までの時間の特性を指す。V-tは電圧-時間のことなので、冒頭で説明した試験や特性以外の意味で使われることもある。 SiCやGaNなどのワイドバンドギャップ半導体が製品化され、さらに高性能なUWBGが研究されるなど、パワー半導体の進歩、普及が進み、V-t試験と共にパワーサイクル試験に注力する試験機関もある。
- VBW(ぶいびーだぶりゅ)
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(Video Band Width)「ビデオ帯域幅」の略記。スペクトラムアナライザでは良くVBWの表記が使われる。検波回路以降の信号のノイズ成分を平均化させるためのローパスフィルタの帯域幅。当サイトの「スペクトラムアナライザの基礎と概要(基礎と概要シリーズ、2021年3月公開)を参照されたい。https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-SpectrumAnalyzer-01/