計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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Rx(あーるえっくす)

Received dataの略。有線・無線通信で受信データの略記。小文字のxはデータの意味。

アイパターン(あいぱたーん)

(Eye Pattern)デジタル信号の1/0の時間推移を重ね書きで表示した図形。通信の伝送品質評価に使う。図形が目(eye)のように見えることに由来する。アイの開口度合いから視覚的に伝送品質を確認できる。アイパターン測定器としては光サンプリングオシロスコープ(オシロ)(キーサイト・テクノロジーの86100シリーズなど)が代表モデルだったが、広帯域オシロである高速オシロが普及すると、マスクパターンがオプションで用意されることが多いため、規格ごとのアイパターン評価は高速オシロで行うようになっている。マスクパターンとは「アイの開口」が規格の範囲内にあることを、オシロの測定画面で図形で規定するもの。測定者が波形から伝送品質(ジッタなど)を確認するのではなく、測定器のオプションソフトウェアが規格に合格しているか評価する。

誤り率測定器(あやまりりつそくていき)

ビット誤り率(ビットエラーレート)を測定する機器。(=ビットエラー測定器)

ATMアナライザ(えーてぃーえむあならいざ)

ISDNサービスなどが導入された1990年代には、基幹通信網にはまだ交換機があり、ATM(Asynchronous Transfer Mode)交換技術は大変に重要だった。新しい技術に関する勧告が次々と出され、測定器も新しい勧告に基づいた仕様や機能が求められた。ATM機器にはUNI(User Network Interface)とNNI(Network Node Interface)があり、ATMアナライザはUNIとNNIでATM機器に接続し、機器の挙動などを評価した。HP(現キーサイト・テクノロジー)のE4200シリーズは走りの製品で、1995年頃に発売され、NECや富士通など多くの通信機器会社で使用された。ATMアナライザというとHPの製品名を指す時期もあった。E4200シリーズは当時のHPでは流行りだった、メインフレームとモジュールで構成するタイプで、今からすれば大型の測定器だった。当然、PCにつないで使用する。後年になると、可搬型のSDH/SONETアナライザにATMも対応した機種が主流になり、同社の37718A コミュニケーション・パフォーマンス・アナライザや、アンリツのMP1570A SONET/SDH/PDH/ATM アナライザなどのモデルが発売された。エイブルコミュニケーション(現アルチザネットワークス)はATMプロトコルアナライザという品名の製品を発売していた。これらのモデルはすべて製造中止である。

SDH/SONETアナライザ(えすでぃーえっちそねっとあならいざ)

SDH(Synchronous Digital Hierarchy)は1988年にITU-Tが制定した国際標準のデジタル伝送規格。90年代に「新同期網」と称して日本の基幹通信網に導入された。SDH装置を開発するメーカ(NEC、富士通、沖電気、日立製作所など)はアンリツか安藤電気のSDHアナライザで試験を行った。 SONET(Synchronous Optical NETwork)規格はほぼSDHと同等。SDHアナライザはSONETにも対応できるモデルが多く、SDH/SONETアナライザと称した。2000年頃まではキーサイト・テクノロジー、ワンデル&ゴルターマン、テクトロニクスなどの海外計測器メーカもつくっていたが、現在はほぼ生産中止。HPの37718A OmniBER コミュニケーション・パフォーマンス・アナライザは可搬型の1筐体で2.5Gbps (OC-48/STM-16) まで対応していた。SDH/SONETはデジタル信号を多重するための国際標準で、各国が共通規格になることで、海外との通信を効率化した。SONET で使用するフレーム形式STS(Synchronous Transport Signal、同期転送信号)は、STS-1(51.84 Mbps、OC-1)をベース信号としている。SDHのフレーム形式STM(Synchronous Transport Module、同期転送モジュール)はSTM-1(155.52Mbps、OC-3)がベース。OC-n(Optical Carrier)はANSI(米国規格協会)が標準化したデジタルハイアラーキ(SONET)の伝送レートで、51.84MbpsをOC-1と呼び、そのn倍をOC-nと表記。1990年にNECや富士通などがNTTにSDH装置を納品する際、限られた試験期間に複数台のSDHアナライザを使用するには(計測器は高額だったので)レンタルしかなかった。計測器レンタル各社にNECなどからほぼ同時期に複数台のレンタル依頼があり、各社は大口引合に右往左往した。億円単位の投資をしたレンタル会社は、その後SDHアナライザの不良資産(一度だけ貸し出したが、その後倉庫に鎮座し不稼働品となり、投資額を回収せず売却や廃棄など、未回収で終わる)を抱えることとなった。レンタル会社の購買部門が目利きを誤り、赤字商材を買ってしまった例である。

MTDM(えむてぃーでぃーえむ)

(Multimedia Time Division Multiplexer)マルチメディア時分割多重化装置。TDMは1本の回線で複数のデータを送るために開発された通信手法。デジタルデータやデジタル化された音声などを1つの伝送路を時間ごとに割り振って伝送する。1990年代に基幹通信網の使用料金がまだ高額だった頃、MTDMの導入によって企業の通信料金を安価にできる、とNEC、富士通、日立製作所、沖電気、大井電気などなどの通信装置各社が発売した。安藤電気にはAP-9216 MTDMアナライザという可搬型の計測器があった。新しい通信装置ができるとそれを試験する計測器が開発・発売された。だいたいは電電ファミリー(NTTの旧社名である日本電信電話公社の研究開発を製品化する、NTTの出入りメーカ、お抱え企業、下請けメーカ、をNTTのファミリー企業という意味でこう呼んだ)の大手通信計測器メーカであるアンリツと安藤電気が対応する計測器を開発した。

疑似呼(ぎじこ)

計測器としての「疑似呼」は交換機の試験機。交換機にたくさんの電話機がつながったとき(発呼や着呼)、交換機が正常に動作するかを試験する。多くの電話機(呼)の代わりをして交換機に負荷をかける測定器。反対に電話機などの端末の試験機は疑似交換機。日本の疑似呼メーカは電話機などの情報通信装置メーカであったアンリツ。コールシミュレータの品名でEF104などの製品があった。通常、アンリツの計測器の形名はMS2830スペアナ、MG3703信号発生器、のように頭がMではじまる。これは計測器事業部門の製品であることを示すMeasure(計測)の頭文字をとっている。コールシミュレータは電話機をつくっていた事業部門の製品なのでMでなくEで形名がはじまる。電話機や情報通信装置を手掛けてきたので、呼制御の技術が疑似呼につながった。同様にNTTに通信計測器を納入してきた安藤電気や、電話機を納入してきた岩崎通信機には、疑似呼はない。呼制御などの疑似呼の基礎技術は、後のデジタル無線通信時代のアンリツのシグナリングテスタ(呼接続試験機)につながったともいえる。

擬似交換機(ぎじこうかんき)

有線通信測定器の1種。電話機の性能試験に使われる、交換機の代わりをする測定器のこと。敷設済みのアナログの電話線を使用した、デジタル回線のインターネット通信技術であるISDN(Integrated Services Digital Network)は、TA(ターミナルアダプタ)やDSU (Digital Service Unit)という装置を経由して従来のアナログ電話機がつながった。そのため、NTTがISDNの運用を開始するとTA、DSUなどの機器の開発・試験用途でISDN擬似交換機が各社から発売された。ISDNはデータ用の「Bチャネル」(通信速度64kbps)と制御用の「Dチャネル」、アナログ電話用の銅線を利用するBRI(Basic Rate Interface、基本インタフェース、NTTのサービス名「ネット64」)と、光ファイバー回線を利用するPRI(Primary Rate Interface、1次群インタフェース、NTTのサービス名「ネット1500」、約1.5Mbps)がある。ISDN擬似交換機はBch、Dch、BRI、PRIなどが何チャンネルあるかが主な仕様である。擬似交換機の主なメーカはNTTアドンバンステクノロジ(NTT系のネットワーク構築、セキュリティなどを事業とする会社)、アドシステムズ(岩崎通信機の技術者がスピンアウトしたベンチャー計測器メーカ)、安藤電気(No.1プロトコルアナライザを作っていた有線通信測定器の雄)だった。現在はISDNは過去のものとなりつつあり(固定電話網のIP網移行によりNTTはISDNサービスを2024年に終了する)、上記3社はすべて製造中止している。現在、擬似交換機を作っているメーカは株式会社ニシヤマや甲賀電子株式会社。余談だが、上記メーカはほとんど「擬似」交換機と表記しているが。「疑似」交換機という記載も見かける。日本語としては擬似より擬似のほうが良く使われるが、LISN(擬似電源回路網)、擬似音声発生器など、計測器は「疑似」より「擬似」が多い。ただし呼制御の測定器は「疑似呼(コールシミュレータ)」である。計測の技術用語は、微小と微少、擬似と疑似のように、メーカによっても表現が違い、正確を期すのが難しい。計測器業界は村社会のため素人が理解しにくい所以である。

Cat(きゃっと)

(category)カテゴリー。LANケーブルの種類の名称。対応する規格や通信速度を規定している。たとえばカテゴリー5は100BASE-T、100Mbpsなので社内LANに多く使われている。ケーブルテスタの仕様には対応するカテゴリーが記載されている。表記は「CAT」もある。読み方は「カテゴリ」もある。

ケーブル障害位置測定器(けーぶるしょうがいいちそくていき)

ケーブルの障害位置を測定する機器。TDR(Time Domain Reflectmetry)の1種。別名、フォールトロケーター(Fault Locator)。高度経済成長期は通信インフラとして電気の通信線(銅線)の敷設が盛んだったので電気の製品を指したが、現在は光通信(光ファイバ)用のケーブル障害位置測定器としてOTDR(Optical TDR)が敷設工事・保守で活用されている。

コールシミュレータ(こーるしみゅれーた)

アンリツの疑似呼の品名。他社の擬似交換機でも同じ品名が見うけられるが、コールシミュレータといえば、アンリツの疑似呼のこと。交換機に多くの呼を与えて試験する測定器。EF101、EF104などの形名の製品があった。交換機の衰退とともにコールシミュレータも製造中止となった。

呼制御(こせいぎょ)

(Call Control)電話の発信、着信の際、通話を始めるための準備と通話が終わった後処理を制御する仕組み。IP電話などで呼制御をするために、SIP(Session Initiation Protocol)やH.323などの呼制御プロトコルが使われる。呼制御は(インターネット、IP網などの)IT用語といえる。ただし呼制御は「シグナリング」ともいわれる。現在主流の携帯電話はデジタル方式の無線で行われ、その呼制御の試験器として「シグナリングテスタ」がある。つまり、電話機の用語であった呼制御はインターネット時代のIT用語であり、デジタル無線通信用計測器「シグナリングテスタ」の用語でもある。機種例として、アンリツW-CDMAシグナリングテスタMD8480Aは、メーカ発売時の価格は約3千万円/台という大変に高額な製品だった。

心線対照器(しんせんたいしょうき)

複数ある通信線(心線)の中から、特定の心線を検出する(心線を対照する)ための測定器。工事や保守などの現場で使われる。通信線の設置工事の際、中継所の接続箇所でたくさんの心線を間違いなく接続するために必須の計測器。

スループット(するーぷうと)

(Throughput) 機器が単位時間あたりに処理できるデータ量を指す(処理能力の指標)。コンピュータ、IT、ネットワーク、通信などの分野で使われる用語。たとえば通信回線のデータ転送能力や、コンピュータの処理能力など。計測器では有線通信測定器やネットワーク関連測定器で使われる。

選択レベル計(せんたくれべるけい)

ある周波数のみのレベルを測定する機器。アナログ通信の基幹網で多用されたが、現在はほとんど生産されていない。当時はアンリツ、安藤電気、大井電気などがつくっていたが、現在は大井電気にハンドヘルド型モデルがある程度で、そのほかのメーカはみあたらない。アンリツの選択レベル計でセレモ(英語Selective Level Meterのカタカナ略記)を品名にしている代表機種があった。

Tx(てぃーえっくす)

Transmission dataの略。有線・無線通信で送信データの略記。 送信機をtransmitterと呼び、送信はTで略される。 小文字のxはデータの意味。

TDR(てぃーでぃーあーる)

測定対象(DUT)の片端からパルス信号を入力し、DUTの各場所(位置)からの微弱な反射信号を時間軸で測定する手法。和訳:時間軸反射。横軸を時間、縦軸を反射信号のパワーにすると、横軸は距離となり、入射端からのDUTの位置の状態を波形(グラフ)で観測できる。光ファイバアナライザ(光パルス試験器)のOTDRが有名だが、アプリケーションによって以下の2種類がある。応用1. ケーブルの破断点やコネクタなどの接合状態の確認をする。光ファイバの時はOTDR(Optical TDR)という。TDRは電気の場合の品名で、「フォールトロケーター(Fault Locator:欠陥の位置(fault location)を特定するもの)」や「ケーブル位置障害測定器」などの名称がある。応用2. サンプリングオシロスコープの測定ユニット。伝送路の特性インピーダンスの測定・評価には主にネットワークアナライザが使われるが、オシロスコープとTDRユニットの組み合わせで、時間領域から測定する手法もある。

データトランスミッションアナライザ(でーたとらんすみっしょんあならいざ)

アンリツの低速のエラーレート(ビット誤り率)測定器。可搬型の1筐体の誤り率測定器だが、測定ユニットを選んで装着する構成になっている。安藤電気のAE-1421データリンクアナライザはやや通信速度が遅い(2Mb/sまで対応)が同等品といえる(測定ユニットを選択する必要は無い)。

データリンクアナライザ(でーたりんくあならいざ)

安藤電気の低速のエラーレート(ビット誤り率)測定器AE-1421の品名。2Mb/sまで対応し、アンリツの同等品(MD6420Aデータトランスミッションアナライザ、10Mb/sまで対応)とほぼ同時期の2001年に発売されている。現在は製造中止。AE-1404モデムテスタの後継機種として高速モデムにも対応できる仕様で発売された、可搬型の1筐体の誤り率測定器。

デジタルトランスミッションアナライザ(でじたるとらんすみっしょんあならいざ)

安藤電気のAP-9850の品名。NTTなどの特定の通信装置の性能評価をする測定器。特殊なエラーレート測定器ともいえるが、いわゆるBERT(バート)ではない。アンリツに「データトランスミッションアナライザMD6420A」がある、似た品名だが全く違う測定器。