計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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アクイジション(あくいじしょん)

(Acquisition)Acquisitionを和訳すると「取得、獲得」。計測器ではメモリレコーダやデータロガーなどで「データ・アクイジション(計測器へのデータの取り込み)」やオシロスコープの「アクイジション・モード」というように使われる用語である。データ集録を示す「DAQ(ダック)」は「Data AcQuisition」の略記である。テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」ではスペクトラムアナライザの用語として「アクイジション:時間的に連続した整数個のサンプルあるいは信号の取込み」と解説されている。

アクイジション時間(あくいじしょんじかん)

アクイジション(Acquisition)はデータ集録機器(データロガーなど)やオシロスコープで使われる用語だが、テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」ではスペクトラムアナライザの用語として「アクイジション時間:1つのアクイジションで表される時間の長さ」と解説されている。

X-Yレコーダ(えっくすわいれこーだ)

X軸とY軸の2つに電圧信号を入力し、その相互関係の波形を記録するレコーダ。二次元で表現すると判りやすい現象を記録するのに適していて、1950年代に登場した。現在はほとんど生産されていないが、一部のメーカからは販売が続けられている。参考記事:技術情報・レポート/原理・基礎にある「記録計・データロガーの基礎と概要 」。他の種類の製品も含めて解説があるので参照されたい。https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-01/

オシログラフィック・レコーダ(おしろぐらふぃっくれこーだ)

横河電機(現横河計測)のOR1400やORM1300などの品名。メモリーレコーダ(やデジタルオシロスコープ)のように、レコーダ(やオシロ)が半導体メモリを備えたデジタル機器が主流になっていく時代に、計測用レコーダの老舗である同社がデジタル式のレコーダとして世に問うた製品群だった。現在の横河計測にはこの品名の製品は無いが、DL750からDL850、DL950へと続くスコープコーダ(同社のオシロの通称である「DL」を冠したレコーダ。同社オシロの形名はDL5000やDLM3000のように数字4桁だが、レコーダであるスコープコーダは数字3桁)にそのDNAは継続している。日置電機のメモリーハイコーダや、三栄測器(旧NECアビオニクス、現エー・アンド・デイの工業計測機器部門)のオムニエースのように、横河計測のメモリレコーダの1種である。OR1400は2001年4月1日に販売終了し、後継機種はDL850/EやDL350(2021年3月現在)。ORM1200/1300の製品カタログの表紙には「高速ユニバーサルレコーダ」と記載されている。カタログには「ORMシリーズは高速ユニバーサルレコーダの最新の進歩である。複数の絶縁アナログチャネルを装備し、ロジックチャネルもオプションで追加できる」旨が記載されていた。

オムニエース(おむにえーす)

エー・アンド・デイ社(の工業計測機器部門)のメモリレコーダの通称。ペーパレスが記録計の主流となり、メモリレコーダの主要メーカである日置電機や横河計測のモデルは紙に印刷する機能を主眼にしていない。グラフテックのレコーダも印字できる機種が廃止になっている中で、オムニエースは唯一、印刷機能にこだわっている。鉄道などの業種が主なユーザで、その意向を強く反映していると推定される。オムニエースは記録計(レコーダ)の老舗計測器メーカの三栄測器がつくった。三栄測器はNECが資本参加して、非接触温度計(サーモグラフィ)メーカのアビオニクスと統合しNECアビオニクス(日本アビオニクス)になり、レコーダやアンプなどの計測器(元の三栄測器の機種群)は分離されて、エー・アンド・デイ(体重計などの家庭用健康機器や天びんなどの計量機器、自動車検査用の試験機などのメーカ)に吸収され、現在は同社の工業計測機器部門が設計・製造・販売している(オムニエースの会社の変遷)。

カレントモニタ(かれんともにた)

クランプセンサと組み合わせてレコーダやオシロスコープに接続し、電流波形を記録・観測する機器。

感熱記録方式記録計(かんねつきろくほうしききろくけい)

(thermal recorder)サーマルヘッドの発熱で、感熱記録紙に記録するタイプの記録計。2000年代にはレコーダの種類の1つとして「感熱記録方式記録計(サーマルレコーダ)」があった。サーマルレコーダはサーマルプリンタを採用したレコーダという意味で、こちらの呼び方のほうが一般的だった。周波数応答性能が高く、数十kHz程度までの高速記録ができた。マイコンの採用で大容量メモリを搭載し、電磁オシロやペンレコーダなどのアナログ方式から、機能性が優れたメモリレコーダであるサーマルレコーダに記録計の主力は移ったが、その後にペーパーレス(印刷機能が無い)モデルが主流になり、今はほとんど生産されていない(2020年現在)。

記録計(きろくけい)

電圧信号の変化を紙やメモリに記録する測定器。別名:レコーダ。記録計には大きく2種類ある。オシロスコープがデジタル化してメモリに記録できるデジタルオシロスコープになったように、記録計もデジタル化、メモリ化して、メモリレコーダになった。日置電機は1983年にメモリレコーダの初号機8801メモリハイコーダを発売している。三栄測器(現エー・アンド・デイの工業計測機器)もオムニエースの愛称でRAシリーズを作っている(最新モデルRA3100は2020年に発売)。横河計測はDL750/850/950/350というスコープコーダシリーズがある。これらメモリレコーダとは別に、IA(インダストリーオートメーション)メーカがつくる記録計がある。DCSやPLCなどの計装機器のメーカである横河電機は、温度、流量、圧力などをセンシングして制御するために、センサからの信号を記録する各種の製品をラインアップしている。ペーパーレス、小型、遠隔操作・遠隔へのデータ送信などが特長である。工業用の記録計、チャートレコーダμR10000/μR20000やペーパレスレコーダ GX10/GX20、GP10/GP20、表示が無くユニットをスタックしてチャンネルを増やせるデータロガーのSMARTDAC+™データアクイジション システム GMなどがある。温度の計測・制御に特化したIAメーカであるチノーも、横河電機と同じような計装ユースの記録計をつくっている。日置電機、三栄測器、横河計測は、いわゆる電気計測器メーカだが、横河電機やチノーは計装(IA)メーカである(チノーは計測器である温度計もつくっている)。計測器としてのメモリレコーダと、計装ユースの工業用記録計は用途やニーズ、仕様が違う。横河には2系統の記録計があり、知らない人は、そのモデルの記録計はどちらの会社がつくっているのかわかりにくい。当サイトの技術情報・レポート/原理・基礎には2つの関連記事がある。「記録計・データロガーの基礎と概要」https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-01/、「メモリレコーダの基礎と概要」https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-MemoryRecorder-01

サーマルアレイレコーダ(さーまるあれいれこーだ)

グラフテックのメモリレコーダの品名。WR300などの感熱記録できるモデルがあったが、すべて生産終了している。WR300は4ch~16chまで5モデルあり、最大200mm幅 8ドット/mmのサーマルプリンタが標準装備だった。サーマルとは感熱記録のことで、横一列に取り付けらサーマルヘッドを発熱して感熱記録紙を発色させ、測定した波形を記録する。品名のThermal Arraycorderは、サーマル・アレイ(サーマルプリンタ)で印刷できるレコーダという意味を込めたネーミングと推定される。横河電機、日置電機に続き、グラフテックがチャートレコーダ(印字できる記録計)から撤退したため、現存するのはエー・アンド・デイの工業計測機器(旧三栄測器)のオムニエースだけとなった。グラフテックは1949年に株式会社渡辺研究所として設立、1958年に日本初のX-Yレコーダを開発した老舗の記録計メーカである。渡辺測器株式会社の社名でX-Yプロッタなどの印刷機器で有名だったが、計測器がペーパーレスになり、現在は小形のデータロガーでシェアが高い。キーエンスより後発でシェアを取り、日置電機が追いかけている。

サーマルレコーダ(さーまるれこーだ)

(thermal recorder)感熱記録紙に印刷するサーマルプリンタを搭載した記録計(レコーダ)。Thermalとは「熱の」という形容詞。より正確にはthermal recording method recorder(熱で記録する方式の記録計)である。2000年頃のメモリレコーダの代表的なタイプで、汎用性が高く、多機能で、高速な現象が捉えられたが、多機能は操作が複雑になるという欠点もあった。グラフテックにはThermal Arraycorder(サーマルアレイコーダ)という品名の製品群があり、発電所、鉄工所、鉄道などで利用された。ただし記録計のペーパーレス化(印刷機能を無くすこと)が普及し、WR300を最後に生産終了した。ほとんどの計測器メーカが現在はサーマルレコーダをつくっていない。2005年頃には複数のメーカが生産していた。当時の機種の例としては、日置電機の8807メモリハイコーダ、横河電機のOR300Eオシログラフィックレコーダ、グラフテックのWR1000、WR8500サーマルアレイコーダなどがある。サーマルレコーダは「サーマルドットアレイ方式記録計」や「サーマルドットレコーダ」という表記もされていた。

サーミスタ(さーみすた)

(thermistor)温度によって抵抗値が変化する半導体センサ。温度測定にはNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタが使われる。サーミスタは小型であるため、電子機器の温度監視や電子体温計などに使われる温度センサの1つである。

自記記録計(じききろくけい)

付属の専用センサーで温湿度を測定し、記録する機器。自記温度計とも呼ばれる。

自動平衡式記録計(じどうへいこうしききろくけい)

負帰還回路によって正確なペンの位置決めができる仕組みを持った記録計。日本では1951年に横河電機がER電子管自動平衡記録計を開発している。アナログ技術をベースにした自動平衡記録計は長年にわたって最もよく使われる記録計となり、進化の過程で大幅な小型化や長期信頼性の向上が進んでいった。参考記事:技術情報・レポート/原理・基礎の「記録計・データロガーの基礎と概要」。他の種類の製品も含めて解説がある。https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-01/

スコープコーダ(すこーぷこーだ)

横河計測のメモリレコーダ(現在のレコーダの主流の、メモリに蓄積して表示するデジタル式のレコーダ)の品名。愛称(現在は形名)は同メーカのオシロスコープ(オシロ)と同じDL。実体はレコーダだが、オシロと同じ愛称をつけたのにはメーカ内部の深い事情が推察される。横河には2系統のレコーダがある。1つは工業計器のセンサとして主に温度を記録するもの。横河電機はIA(インダストリー・オートメーション)/FA(ファクトリー・オートメーション)の会社なので、プラントや工場の温度を記録する目的のレコーダをソリューション部門がラインアップしている。特長はペーパーレスで、通信でデータを送る。本体や表示画面は無く、入力信号の種類別のモジュールを電源モジュールなどにスタック(横に重ねて付けて伸ばしていく)ようなタイプもある。工場内のデータ集録を第一の主眼にしている。同業者の代表メーカはチノーなど。2つめは計測器の主流であるレコーダ。日置電機のメモリハイコーダや、エー・アンド・デイ(旧NEC三栄)のオムニエースのような、レコーダの王道の機種群。ここに位置するのがスコープコーダで、横河電機の計測器事業部だった現横河計測がつくった。横河のレコーダというと工業計器の記録計が連想されるので、そうではなく計測器事業部が作った(計測器としての)レコーダである、と計測器事業部の看板商品のDLの名前を付けたと推定される。そのため、レコーダなのに、オシロです、という体をしていた。あるレンタル会社はDLという名前に配慮して、オシロのページにスコープコーダを掲載していた。現在のメーカHPではオシロ(波形測定器)ではなくデータロガー/データ収集(DAQ)の項目に「高速データロガー」の注釈で掲載されている。スコープコーダの前身といえる機種にオシログラフィックレコーダ(OR1400など)というオシロのような品名のレコーダがあった。このように横河の計測器部門にはレコーダとオシロの混血のような品名が見受けられる。 参考用語:メモリレコーダ、オシログラフィック・レコーダ、メモリハイコーダ、オムニエース、サーマルアレイレコーダ

DATデータレコーダ(だっとでーたれこーだ)

DAT(Digital Audio Tape)を記憶媒体として、データを記録するデータレコーダ。データレコーダは長時間記録をするために、一時期、DATデータレコーダは普及したが、記録メディアとしてのDATテープの生産中止にともない、現在はほとんど生産されていない。

打点レコーダ(だてんれこーだ)

リボンカセットで紙に記録するタイプのレコーダ。一般のレコーダとしては現在はほとんど生産されていない。

チャートレコーダ(ちゃーとれこーだ)

(chart recorder)紙(チャート)に記録するタイプの記録計のこと。最近の記録計(レコーダ)の主流はペーパーレス(紙に印字する機能が無い)が多いが、工業計器分野や、室内温湿度記録用にはつくられている。いくつかのタイプがあるが、マイクロプロセッサを搭載した横河電機μR10000のペンモデルを例に、その構造を以下の記事で概説している。技術情報・レポート/原理・基礎の「記録計・データロガーの基礎と概要」https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-02/

直動式記録計(ちょくどうしききろくけい)

指示計器(メータ)と同じ原理で、構造は可動コイルにペン機構を組込んでいる。過去には実験用や工業用の記録計として活躍していたが、今では温湿度記録計くらいになってしまった。佐藤計量器製作所やいすゞ製作所などがつくっている。電池で長時間駆動できる小型で安価なデータロガーの普及によって、直動式記録計の需要は限られたものとなった。他の種類の製品も含めて次の記事に解説がある。技術情報・レポート/原理・基礎の「記録計・データロガーの基礎と概要」https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-01/

データレコーダ(でーたれこーだ)

テープ等の大容量・長時間記録ができるメディアにデータを記録するタイプのレコーダ。記録計(レコーダ)の主流はアナログからデジタルに変わり、デジタルオシロ同様、サンプリングしたデジタルデータで記録される。ただし、従来の測定データ(バックエンド)は長らくアナログデータとして保存・保管されてきた。何か不具合や問題が発生すると、保存してあるアナログデータをデータレコーダに入力し再生させる(データレコーダと普通のレコーダの違いは再生機能)。あたかも今、その現象(振動や騒音やひずみ)が発生している状態を再現し、問題解析や分析を行う。保険の意味も含めて、既存メディアで保管されているアナログデータを再生できる測定器としてデータレコーダは需要を保ってきたが、メディアとしてのテープが生産中止になるとすべてのデータレコーダは生産中止になった。近年SSDなど(HDDより信頼性が高い大容量記録媒体)の安価な普及に伴い、廃止から10年近いブランクをおいて国内計測器メーカ1社がデータレコーダの新製品を発売した。輸送機器などの評価に多チャンネルのひずみ・振動測定用として使われているが、多チャンネルデータロガー(ひずみ測定に特化した専用モデル)もこの分野には普及している。昔からの再生機能があるデータレコーダは鉄道、飛行機などの運輸や、宇宙・防衛の市場でまだ使われている。ひずみデータロガーに置き換えたユーザも多いが、前述の1社が再発したように、データレコーダはまだ国内に根強い人気(需要)があると推定される。

デジタルデータレコーダ(でじたるでーたれこーだ)

データレコーダの代表的なメデイアであるテープではなく、SSDなどのソリッドステートメモリに記録するタイプのデータレコーダ。まだテープが現存していた時代にデータレコーダのメーカはテープも含めて各種の記録媒体を試した(たとえばMOなど)。テープは早晩、ディスクなどの媒体に変わることを、ティアック、ソニーというテープを使った機器(オーディオや情報機器)のメーカは知っていた。データレコーダの2大メーカは計測器専業メーカではなく、ティアックとソニーマニファクチャリングという、テープ関連メーカである。ただしIT機器の進歩は早く、記憶媒体はどんどん変わり、古い媒体は生産中止となり、計測器のような足の長い製品の記録媒体には向くものがない。特にデータレコーダは現場(屋外)で長時間記録するため、HDDは信頼性が無く、とうとう2社はデータレコーダから撤退した。メディアとしてのテープが生産中止になるとすべてのデータレコーダは生産中止になった。ただし、近年SSDなど(HDDより信頼性が高い大容量記録媒体)の安価な普及に伴い、廃止から10年近いブランクをおいてティアックはデータレコーダの新製品を発売した。WX-7000シリーズは現在、唯一のデータレコーダ(デジタルデータレコーダ)である。