計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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アイパターン(あいぱたーん)

(Eye Pattern)デジタル信号の1/0の時間推移を重ね書きで表示した図形。通信の伝送品質評価に使う。図形が目(eye)のように見えることに由来する。アイの開口度合いから視覚的に伝送品質を確認できる。アイパターン測定器としては光サンプリングオシロスコープ(オシロ)(キーサイト・テクノロジーの86100シリーズなど)が代表モデルだったが、広帯域オシロである高速オシロが普及すると、マスクパターンがオプションで用意されることが多いため、規格ごとのアイパターン評価は高速オシロで行うようになっている。マスクパターンとは「アイの開口」が規格の範囲内にあることを、オシロの測定画面で図形で規定するもの。測定者が波形から伝送品質(ジッタなど)を確認するのではなく、測定器のオプションソフトウェアが規格に合格しているか評価する。

アクイジョン・モード(あくいじょんもーど)

オシロスコープの機能の1つ。「サンプル・ポイントからどのように波形ポイントを構成するかを決めるモード。サンプル、ピーク・ディテクト、ハイレゾ、エンベロープ、アベレージ、波形データベースなどがある。(テクトロニクスの「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)」。テクトロニクスはオシロ解説(使い方、入門)でアクイジョン・モードを使い分けることを説明している。横河計測も正式な機能として「アクイジョン・モード」と表記している。キーサイト・テクノロジーは「データのアクイジョン(補足)には・・・」という解説をしている。

アクティブプローブ(あくてぃぶぷろーぶ)

入力容量が小さいため高い周波数を測定出来る電圧プローブ。(=FETプローブ、能動プローブ)オシロスコープ本体によっては電源が必要となったり、使用出来るオシロスコープ本体が限られたりする。

アナログオシロスコープ(あなろぐおしろすこーぷ)

オシロスコープ(オシロ)は、電気信号の波形を映し出し、周波数や電圧を観測する測定器。アナログオシロはブラウン管に当てる電子線を水平方向と垂直方向に制御することで波形として表示する。測定データを保存できないため、ポラロイドカメラを表示画面を覆うように取り付けて撮影して保存する(カメラやカメラフードが、波形撮影用として、オシロのオプションで販売されていた)。略称:アナログオシロ。オシロは1931年に米国で強制同期式オシロが開発され、日本でも第二次世界大戦前に東京電気(現東芝)や松下無線(現パナソニック)などが製造・販売した。直近ではアナログオシロのNo1メーカは海外ではテクトロニクス、国内では岩崎通信機だった。 アナログオシロは2000年初頭まで販売されたが、デジタルオシロの低価格化と画面更新レートの高速化などで優位性が失われた。現在は生産中止で、市場でもほとんど使用されていない。安価であるという利点から、家電製品の生産ラインで導入される例があったが、新興国製の激安デジタルオシロによってそのような例は駆逐されてしまった。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)には以下の説明がある。アナログ・オシロスコープ:波形を表示する機器で、入力信号は調節、増幅された後に電子ビームの垂直軸へ印加され、その垂直軸がCRT上を左から右へと移動して波形を表示する。化学的蛍光体がCRT上(陰極線管の表示画面の部分)にコーティングされていて、そこにビームが当たると、明るく輝く波形が表示される。

移動平均(いどうへいきん)

デジタルオシロスコープのアベレージング(平均化)機能で、平均値の計算方法の1つ。指定個数の平均をウインドを移動しながら行う。新しいデータを取り込む毎に、平均化対象範囲内の一番古いデータを捨てて、同じデータ個数の平均値を計算し直す。手動で停止させるまで、平均化動作を続ける。

インターリーブ(いんたーりーぶ)

オシロスコープで、サンプリングレートを高速化する手法。たとえば500MS/sのA/Dコンバータ(A/D)を2個使い、1GS/sのサンプリングレートを実現する技術。2個のA/Dを使用し、片方のA/Dには逆位相のクロックを入力し、2個のA/Dを交互に動作させ、2倍のサンプリングレートを可能にする。元来はコンピュータ、IT、メモリなどの分野の用語である。オシロスコープで導入されている例はまだ少ない。

Infiniium(いんふぃにうむ)

キーサイト・テクノロジーのGHz帯域のオシロスコープの通称(愛称)。Sシリーズ(500MHz~8GHz)からUXRシリーズ(10GHz~110GHz)まで6シリーズがある。UXRシリーズは2018年に発売され、110GHzモデルは世界最高(価格も最高の約1億円/台)のオシロである(2020年12月現在)。正確な定義は同社HPにも無いが、大まかにいうと同社の高速オシロ(周波数帯域がGHzで、解析機能が特徴の広帯域・高額のアナライザ)のニックネームといえる。Infinity(無限大)から作った造語という説があるが定かではない。同社の汎用オシロ(GHz帯域以下の従来のオシロ)には同様にInfiniiVision(インフィニヴィジョン)というニックネームがついている。

InfiniiVision(いんふぃにびぃじょん)

キーサイト・テクノロジーの汎用オシロスコープ(GHz帯域以下の従来の一般的なオシロ)の通称(愛称)。1000Xシリーズ(50MHz~200MHz)から6000Xシリーズ(1 GHz~6GHz)まで5シリーズがある(2020年12月現在)。正確な定義は同社HPなどにも記載が無い。Infinity(無限大)から作った造語という説があるが定かではない。同社の高速オシロ(周波数帯域がGHzで、解析機能が特徴の広帯域・高額のアナライザ)には同様にInfiniium(インフィニウム)というニックネームがついている。

InfiniiMax(いんふぃにまっくす)

キーサイト・テクノロジーのGHz帯域のオシロスコープ(オシロ)、通称(愛称)Infiniium(インフィニウム)用のプローブの通称(愛称)。同社のHPやキーサイトエンジニアブログなど、Webや印刷資料にInfiniiMaxの定義や語源、命名の由来などは掲載・記載されていないので、「Infiniiumオシロ用のプローブをInfiniiMaxと命名している」こと以外は不明である。「Infiniium オシロの能力を最大に引き出すプローブ」というイメージを想像させるネーミングである。2000年代に発売された同社の54855A InfiniiumオシロスコープはInfiniiMax 1134Aプロービング・システム(1134Aプローブ・アンプとE2668Aシングルエンド・コネクティビティ・キットかE2669A差動コネクティビティ・セットのペア)を使用すると、4チャンネルすべてで20GS/s、周波数帯域6GHzという、当時のオシロの常識を変えた、高速オシロの幕開けとなった製品だった(当時はテクロトニクスやレクロイも含めて、リアルタイムオシロでは4GHz帯域が最上位の最高機種で、大変高額な高級品だった)。54855Aの価格は数百万円したが、InfiniiMax 1134Aプロービング・システムはほぼ百万円だった。当時の汎用オシロ、たとえば350MHz帯域の横河電機(現横河計)のDL1740シリーズが、多くのオプションを付けて価格が百万円位だったので、「6GHz高速オシロはプローブ1本がほぼDL1台と同じ」と感嘆した記憶がある。この帯域のオシロはプロービングに工夫が必要で、ただ接触すれば良いという代物ではない。プローブのアクセサリは大変多く、標準付属品には消耗品の細かい部品がたくさんあるため、レンタル会社は運用に大変手間がかかった。はんだ付け用の部品などが消耗するが、欠品なども含めて補充購入すると、ランニングコストが高くて馬鹿にならない。そもそもプローブが許容値を越えた高圧入力などで故障・破損すると1本百万円なので、ちょっとした測定器を1台壊したのと同じである。高速オシロは単価が高いためレンタル会社の売上には貢献したが、プロービングが高度になったためランニングコスト(消耗品の補充、校正などの品質の維持管理)費用は増大した。

XYモード(えっくすわいもーど)

オシロスコープの測定手法の1つ。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)には以下の説明がある。1つの入力信号を垂直軸システムに、もう1つの入力信号を水平軸システムに入力し、2つの電圧をX軸、Y軸の両方に表示させる測定方法。

FETプローブ(えふいーてぃーぷろーぶ)

主にオシロスコープ と併用されるアクセサリ。入力容量が小さいため高い周波数を測定出来る電圧プローブ。(=アクティブプローブ、能動プローブ) オシロスコープ本体によっては電源が必要となったり、使用出来るオシロスコープ本体が限られたりする。FET=Field Effect Transistor の略。

MSO(えむえすおー)

( Mixed Signal Oscilloscope)現在の汎用オシロスコープ(オシロ)の代表的な機種群。従来オシロはアナログ信号を観測するものだが、I2Cなどの低速デジタル信号も観測できるデジタル入力付きが、ミドルレンジクラス以上では主流になった。MSOとはアナログとデジタルの両方の信号を観測できるという意味。古くはキーサイト・テクノロジーが自社オシロの特徴の1つとしてデジタル入力がオプションなどでできることを「ミックスド・シグナル」という表現をしていたが、このコンセプトをMSOというオシロの1つのカテゴリーとして確立したのはテクトロニクス。現在はオシロのモデル番号(形名・型式)やモデル名(品名・名称)に普通に使われている。たとえばテクトロニクスの「MSO3034 ミックスド・シグナル・オシロスコープ」など。横河計測の最新オシロDLM3000シリーズの品名は「ミックスドシグナルオシロスコープ」である(2020年7月現在。従来の形名「DL」を「DLM」にして、MSOであることをアピールする形名にした。)。

MDO(えむでーおー)

( Mixed Domain Oscilloscope)スペクトラムアナライザのオプションを持つオシロスコープ(オシロ)のこと。MSO(ミックスド・シグナル・オシロ)に倣って周波数軸(ドメイン)もあるというネーミング。テクトロニクスがオシロの形名にはじめて使用し、海外メーカのRIGOL(リゴル)もオシロの形名に使っているが、それ以外ではあまり聞かない(2020/7月現在)。TDS、DPO、MSO、MDOなど、世界No.1のオシロメーカとしてテクトロニクスは新しい機能のオシロのモデル名・品名を作ってきた。MSOという形名を使ったのもテクトロニクスが最初だが、ミックスド・シグナルという単語はキーサイト・テクノロジーがそれ以前の古い時代から使っていた表現である。たとえば「通常のアナログ信号だけでなく、最近はデジタル信号も同じように観測しないといけない。アナログとデジタルが混在している信号(ミックスド・シグナル)の解析には・・・」。デジタル信号の解析器であるロジックアナライザ(ロジアナ)のNo1メーカであったキーサイト・テクノロジーは早くからミックスド・シグナルに注目していたと思われる。(参照:MSO)

エンベロープ(えんべろーぷ)

(Envelope)電気の用語としては包絡線のこと。信号の最大値と最小値(つまりピーク、頂点同士)を結んだ曲線。エンベロープ は信号処理などに活用される。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「多数の表示波形から得られた、信号の最大値と最小値が描く波形」と解説されている。

オーバーシュート(おーばーしゅーと)

オシロスコープで矩形波(方形波)を観測すると、立ち上がりの部分において、波形が定常値となる基線を超過する現象のこと。または、それによって突出した波形の部分のこと。下図の○で示した部分。立ち下りで起こる同じ現象をアンダーシュートと呼ぶ。(参照:立ち上がり時間)

オービット(おーびっと)

(Orbit)2つの信号を直交するx軸・y軸上で合成した図形をオービットまたはリサジューといい、2信号の振幅、周波数比、位相差の組合せによって視覚的な特長を示す。周波数比が整数のときには描かれる図形の軌跡は一定の周期で元に戻る。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)

オシログラフィック・レコーダ(おしろぐらふぃっくれこーだ)

横河電機(現横河計測)のOR1400やORM1300などの品名。メモリーレコーダ(やデジタルオシロスコープ)のように、レコーダ(やオシロ)が半導体メモリを備えたデジタル機器が主流になっていく時代に、計測用レコーダの老舗である同社がデジタル式のレコーダとして世に問うた製品群だった。現在の横河計測にはこの品名の製品は無いが、DL750からDL850、DL950へと続くスコープコーダ(同社のオシロの通称である「DL」を冠したレコーダ。同社オシロの形名はDL5000やDLM3000のように数字4桁だが、レコーダであるスコープコーダは数字3桁)にそのDNAは継続している。日置電機のメモリーハイコーダや、三栄測器(旧NECアビオニクス、現エー・アンド・デイの工業計測機器部門)のオムニエースのように、横河計測のメモリレコーダの1種である。OR1400は2001年4月1日に販売終了し、後継機種はDL850/EやDL350(2021年3月現在)。ORM1200/1300の製品カタログの表紙には「高速ユニバーサルレコーダ」と記載されている。カタログには「ORMシリーズは高速ユニバーサルレコーダの最新の進歩である。複数の絶縁アナログチャネルを装備し、ロジックチャネルもオプションで追加できる」旨が記載されていた。

オシロスコープ(おしろすこーぷ)

電気信号の波形を映し出し、電圧の時間変化を観測する測定器。デジタルとアナログがあるが、現在はほぼデジタル。略称:オシロ。1980年代にデジタル式が普及し、測定できる周波数の上限を伸ばしてきた。2000年代前半に情報家電分野の高速デジタル市場向けに6GHzの機種が発売されて以降、2018年には110GHzモデルが発売されている。これらは便宜的に高速オシロと呼ばれ、従来のオシロとは区別されている。約2~4GHzで区分され(メーカによって異なる)、従来オシロは汎用オシロと呼ばれる。オシロのA/Dコンバータは従来8ビットだったが、2012年に高分解能の10ビットモデルが発売され、2018年以降は汎用オシロの高分解能機種が1つのトレンドになりつつある。自動車などのパワーエレクトロニクス分野向けに時間波形だけでなく、電圧も精度良く測定する需要に対応している。オシロは波形観測器から(時間と電圧が正確に測定できる)測定器に進化する可能性がある。 語源については「オシロスコープのすべて」(テクトロニクス発行)に「「オシレート(発振)」が語源で、発振電圧を測定するところから」とある。 発振(Oscillation)を観測する機器(Scope)という造語といえる。

オフセット(おふせっと)

オシロスコープで、入力信号の直流成分をキャンセルする機能。有効な使い方は、DC成分の重畳した波形を測定する場合に、DC成分をキャンセルして波形を拡大する(V/div を上げる)ことができる。ただし、調整できる電圧範囲は限られているので、信号に比べてDC成分が非常に大きい場合は、キャンセルしきれない。その場合は入力カップリングをACに設定すれば解決する。反対にACカップリングの弱点は低周波である。ACカップリングは微分回路 として働くため、低い周波数では波形が歪む(波形への影響が大きい)。また、移相もずれる。DC成分のキャンセルにはオフセットとACカップリングを使い分けることが肝要。 ↑

カーソル(かーそる)

オシロスコープやスペクトラムアナライザなどの波形表示で、波形の数値を表示する機能。縦線や横線が画面に表示され、測定波形と交差する場所の測定値をデジタル表示する。カーソルの位置を手動で動かして、測定値を読み取ることができる。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「画面上で波形のピークに合せて正確な測定を行うマーカ」と解説している。カーソルのことをマーカと表現することも多い。一般にオシロスコープは時間測定の精度は高い(時間分解能はサンプリング周期の整数倍で、設定によって高くできる)が、電圧は2~3桁程度である(「分解能」の項目を参照)。カーソルによって電圧値は5桁程度が表示されるが、有効桁数はそんなに多くないことに注意が必要である。