計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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CR(しーあーる)

直流電子負荷装置には4つの動作モード、定抵抗(CR:Constant Resistance)、定電圧(CV:Costant Voltage)、定電流(CC:Constant Current)、定電力(CP:Constant Power)がある。CRモードでは電子負荷は固定抵抗のように動作するため、入力電圧に対して負荷電流は比例して直線的に変化する。

CRLF(しーあーるえるえふ)

(Carriage Return / Line Feed) コンピュータの改行コード。タイプライターの動作に由来する。タイプライターは1行を最後(紙の右端)まで印字したら、キャリッジ(印字するためのヘッド)を戻し(紙の左端に動かす、キャリッジリターン)、1行分を紙送りして(ライン・フィード)、次の行を印字する態勢となる。この動作はCR(カーソルを先頭に戻し)、LF(次の行に移りなさい)というコンピュータの改行命令CRLFになった。 1990年代のコンピュータ周辺機器であるシリアルプリンタ(※)などの制御に使われた。 (※)パソコンの周辺機器であるプリンタは1980年頃はインタフェースがパラレル通信であるセントロニクスが主流だったが、シリアルプリンタとは、記録ヘッドが記録紙の送り方向(縦方向)に対して垂直方向(横方向)に移動を繰り返し記録を行うプリンタのことで、インタフェースがシリアル通信のプリンタのことではない。1980年頃に企業や研究機関の電算室にあった(科学計算や基幹業務のための)コンピュータは、1行を同時に印字するラインプリンタを使っていた。印刷用のプリンタにはこのほかにドットプリンタやレーザープリンタなど各種がある。

CRT(しーあーるてぃー)

(Cathode Ray Tube)翻訳すると「陰極線管」。主にコンピュータの表示装置(モニタ、ディスプレイ)のこと。種類としてはブラウン管の1種。陰極(Cathode カソード)から陽極(Anode アノード)に電子が流れる仕組みの真空管を応用して、陰極から放出する電子ビームを、垂直方向と水平方向に電界(磁界)をかけて偏向させる。ビームの先には蛍光体を塗布した管面があり、電子ビームを当てて光らせる。この方法で表示装置にすることをドイツのカール・フェルディナント・ブラウンが発明した。ブラウン管はアナログ放送時代のテレビや、オシロなどの波形測定器の表示画面、PCのモニタなどに広く使われた。そのためCRTというと、PCのモニタやオシロの表示画面など、いわゆる表示画面をさしていた。正確には真空管の中のブラウン管の中の1種で、陰極線を制御して表示する装置(管)である。ディスプレイの進化によって現在はほとんど生産中止。管なので扱いに注意が必要で、モニタが大画面になると重量物になった。管は長さがあり、モニタの奥行は短くない。大画面モニタのCRTは大きくて重たい物だった。

GEセンシング(じーいーせんしんぐ)

(GE sensing)正式社名:GEセンシング・ジャパン株式会社。圧力計(マノメータや圧力キャリブレータなど)のDruck(ドラック)社と流量計のPanametrics(パナメトリックス)社がGE(米国の総合電機メーカであるゼネラル・エレクトリック)社のセンシング部門に2002年に買収され、その日本法人の名称。Druckの日本法人であるドラックジャパン株式会社とPanametricsの日本法人である日本パナメトリクス株式会社の販売員がほとんどGEセンシング・ジャパンに移籍した。2002年から2017年に存在した。2017年にGEの事業再編で、GEの資本から離れ、2つの計測器はBaker Hughes社になり、現在は日本ベーカー・ヒューズ株式会社である。DruckとPanametricsは2つとも計測器の老舗ブランドだが、GEセンシングの時代はDruckやPanametricsというブランドの使用を禁止し、GEを前面に出していた。Baker Hughesになってからは元のブランドを復活している。DruckとPanametricsは別の組織で、各人の名刺にはそのロゴが印刷されている(2022年現在)。正確には、2017年から2021年頃まではGEセンシング&インスペクション・テクノロジー株式会社で(Baker HughesとDruck/Panametricsの両方のロゴを併記していて)、2021年頃に日本ベーカー・ヒューズ株式会社に社名変更している(2017年にBaker Hughesになったが、日本での会社名は2021年頃まではGEセンシングという社名が続いた)。 GEセンシング・ジャパンの本社は東京都武蔵野市(吉祥寺)にあり、Druck部門は「プレッシャー・プロダクト(つまり圧力計)営業部」で、全国の原子力発電所(原発)を主な顧客にしていた。Panametricsは「フロー&ガス・モイスチャー営業部」といった。中央区月島にテクニカルセンターがあり、流量計や分析機器の校正を行った。Baker Hughesになってからはドラック事業本部、パナメトリクス事業本部である。 GEには工業用内視鏡(ファイバースコープ)や超音波探傷機器もあり、2002年にGEインフラストラクチャー・ジャパン株式会社となっていたが、それらすべてがBaker Hughesに引き継がれた。2017年にGEセンシング・ジャパンと統合して、GEセンシング&インスペクション・テクノロジー株式会社となり、(前述のように2021年頃に)日本ベーカー・ヒューズ株式会社になっている。非破壊検査機器(内視鏡など)は2020年頃にWaygate Technologies(ウェイゲート・テクノロジーズ)という新ブランドを創設した。Baker Hughesの製品群にはタービンもあり、機械設備の状態監視(振動測定など)を行うBently Nevada(ベントリーネバダ)も(発電所の振動計測で実績が高い)計測ツールの1つである(原発にタービンや発電機などを納品する三菱重工、日立製作所、東芝はベントリーネバダの振動計測器を設備として保有している)。Baker Hughesの非破壊検査機器は複数のプロダクト(複数社の製品群)があるためDruckやPanametricsのように既知のブランドではなく、新しいブランドが必要だったと推測される。 まとめると、Baker Hughesは複数の異なる製品群を持っていて、日本法人は日本ベーカー・ヒューズ株式会社になる。ただし3つのブランドDruck、Panametrics、Waygate Technologiesを前面に押し出していて、そのロゴを名刺に印刷し、3つのブランドの製品を掲載しているHPは全く別に3つ存在している。 Druck製品は丸文株式会社が販売店をしていているなど、Baker Hughesの計測器の直販比率は高くはない(外資はどこもそうなる)。原発では計測器としての圧力校正器や圧力計を多く使用するが、Druckと横河計測(当時は圧力計などの現場測定器は横河メータ&インスツルメンツ株式会社)が競っていた。3番手が露点計で有名なMichell Instruments社(日本にはミッシェルジャパン株式会社がある)。2011年の東日本大震災以降、多くの原発が稼働していないので、圧力計各社は別の顧客を模索している。

CEマーク(しーいーまーく)

EUの法令(EN規格など)に製品が適合していくことを表すマーク。EU域内での製品の自由な流通を促進する狙いで導入されている。CEの意味は不明。

CAE(しーえーいー)

(Computer Aided Engineering) 直訳したら「コンピュータ支援エンジニアリング」。コンピュータを活用した工学支援システム。コンピュータによって支援された、製品の設計・製造や、設計の事前検討などのエンジニアリング(工務、工学)のこと。製品開発の初期段階からコンピュータを利用して仮想試作・仮想試験を行い、少ない試作回数で高品質な開発を行う設計手法。 CAEを使えば現実世界で試作や実験をしなくてもコンピュータ上のシミュレーションで多くの結果を得ることができる。コンピュータの進歩によって、各技術者が1台づつ科学計算用のPCを持てる環境となり、CAEは大変普及している。ただし、すべてがCAEで解決はせず、実験ベンチで試作品を試験することは今でも必ず行われているが、コンピュータの進歩によって実験ベンチの数が減り、CAEの比率が増加した。 具体的にはFEM(有限要素法)などの「数値解析手法」を指していたり、プリント基板設計時のアートワークで活用されるCAD/CAMなどのEDAのことを含んでCAEと呼んでいる場合もある。具体的なソフトウェア製品のことを指してCAEといっていることもある。

CATV(しーえーてぃーびー)

「Communnity Antenna TeleVision(コミュニティ アンテナ テレビジョン)」の略語。日本語では「ケーブルテレビ」だが、CATVと略記されることも多い。通常、TV放送は電波を家のアンテナで受信するが、無線でなく有線のケーブルでTV放送を送信するので「ケーブルテレビ」という。従来は地上波や衛星放送などが映りにくい(電波の受信環境が悪い)地域で映像を受信するための方策だった。現在ではJCOM(ジェイコム)などのケーブルテレビ会社はオリジナル番組を制作したり、地方のローカル番組を放送したり、Wi-Fiなどのサービスメニューも揃えて、メジャーな通信事業者(キャリア)の仲間入りをしている。

CXPI(しーえっくすぴーあい)

(Clock eXtension Peripheral Interface) CANよりも低コストだがLINでは実現できなかった応答性に優れた車載ネットワーク規格。日本発の通信プロトコルとして国際標準規格になった。応答性が求められるHMI(Human Machine Interface)領域で適用されることを想定している。HMI領域で増え続ける1対1で接続された機器間のワイヤーハーネスの削減、多重化を目的に、日本自動車技術会(略称:自技会、呼称:じぎかい)が策定した。

C/N(しーえぬ)

S/N(Signal/Noise)は変調方式によって値が違うため、放送などではC/N比(Carrier to Noise Ratio)を指標にする。

CFRP(しーえふあーるぴー)

(Carbon Fiber Reinforced Plastic)炭素繊維強化プラスチック。

CMRR(しーえむあーるあーる)

(Common Mode Rejection Ratio)日本語では「コモンモード除去比」や「同相信号除去比」。二つの入力回路をもつ差動増幅器などで、共通する入力信号の雑音成分などを除去できる能力のこと。差動増幅器やアイソレーションアンプ(絶縁増幅器)の仕様に明記されている。光絶縁プローブは高電圧差動プローブに比べてCMRRの仕様が優れていることが知られている。 参考用語:コモンモードノイズ、ノーマルモードノイズ、デファレンシャルモードノイズ

GMカウンタ(じーえむかうんた)

1928年にガイガーとミュラーが作った簡単な構造の放射線測定器。 (=ガイガーカウンタ)

CLI(しーえるあい)

(Command Line Interface)IT用語。キーボードからの文字列入力と、画面に表示されるコンピュータからの応答によって処理を進めるやり方。文字列だけでコンピュータと対話するので、知識が要求される。「コマンドライン」とも称される。

CO計(しーおーけい)

大気中に含まれる一酸化炭素(CO)の濃度を測定する機器。 (=一酸化炭素測定器、一酸化炭素濃度計)

CO2計(しーおーつーけい)

大気中に含まれる二酸化炭素(CO2)の濃度を測定する機器。 (=二酸化炭素測定器、二酸化炭素濃度計)

COD(しーおーでぃー)

(Chemical Oxygen Demand)水中に含まれる有機物による汚濁を測る指標の1つ。日本語では「化学的酸素要求量」。水質総量規制制度では、汚染指標がCODになっているため、COD測定器やUV計が使われる。水質汚濁の程度を表す指標のCODは、試薬を使用した測定方法(酸性法)が標準だが、測定に時間がかかる。UV計は試料中の有機汚濁(有機物)の程度を、紫外線の吸光度(光の吸収の度合い)として測定する。吸光度はCOD値と相関が強いため、事前にUV吸光度値とCOD値の関係(COD換算式)を求めておくことで、UV計によって無試薬でCODが連続測定できる。UV計は試薬を使用するCOD計と比べて保守管理が容易だという利点があり、広く使われている。参考記事:【展示会レポート】IIFES(アイアイフェス)2022/2ページ目。環境測定器をラインアップするJFEアドバンテックの水銀フリーUV計を取材。

COD測定器(しーおーでぃーそくていき)

海水等の汚れを化学物質で酸化させた時の量を測定する機器。COD:Chemical Oxygen Demand、日本語では「化学的酸素要求量」。

CQ(しーきゅう)

無線通信で通信可能な全ての無線局を一括して呼び出す符号のこと。19世紀に英国の有線電信用の通信略符号として使われたという記録がある。現在はアマチュア無線 のコールサインで、通信への参加を求める呼びかけ(挨拶)の言葉として使われている。Call to Quartersの略という説があるが、定かではない。日本のCQ出版はアマチュア無線の専門誌「CQ ham radio」やホビー向け電子工作の月刊誌「トランジスタ技術」を刊行している。これらの雑誌は電気・無線の趣味をもつ、高尚(おたく)な人々の愛読書である。

C言語(しーげんご)

(C language)1972年に米国のAT&Tベル研究所で開発されたプログラム言語(当時のOSであるUNIXを開発するために作られたといわれる)。汎用性が高く、ハードウェアに密着した処理(ハードウェアの制御など)に適している。マイクロコンピュータのソフトウェア開発では最も良く使われる。C言語の改良版で上位互換のあるC++も良く使われている。

シーケンサ(しーけんさ)

三菱電機のPLC(Programmable Logic Controller)、プログラマブルロジックコントローラの名称。製品の通称は(2023年1月現在では)MELSEC(形名はユニットごとにR12CCPU-Vなど)。 英語のsequence(シークエンス)は「順番」、「輪番」の意味。PLCはプログラムに従って順番に処理を行う。科学の世界では一連の処理(手順)のことをアルゴリズムやシークエンスと呼称する。「決められた手順通りに処理をしていくもの」とでもいう意味でシーケンサと命名したと推測される。ただしこれは日本語であり、英語のsequencerでは英語圏では通用しないと思われる(google翻訳ではPLCとは無関係な解釈が表示される)。同社のPLCの日本語カタログには「シーケンサ」と明記されているが、英語カタログでは「Programmable Controller」である。つまり、同社はPLCのことをシーケンサ、またはプログラマブルコントローラと称している。 PLC一般の名称としても「シーケンサ」と呼ばれることが多いので、三菱電機のPLCのシェアが高いことを示唆している。FA(ファクトリーオートメーション、工場の自動化)や計装分野の用語。