計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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UART(ゆーあーと)

(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter) 直訳すると「汎用 非同期式送 送受信機」。シリアル通信の規格の1つ。 調歩同期方式によるシリアル信号をパラレル信号に変換、またはその逆の変換を行うための集積回路。代表製品はNS(National Semiconductor Corporation、ナショナル セミコンダクタ)の16550Aなど。Maxim Integrated(マキシム)のMAX232はRS-232C信号レベルの変換ICと併用する周辺機器ICである。 広帯域オシロスコープの登場以降、ミドルクラスのオシロスコープでもEthenetやUSBなどのシリアル通信の解析ができるモデルが増えた。UARTはインタフェースなどの規格ではなく半導体だが、その通信規格をオプションソフトウェアで対応しているオシロスコープは多い。 計測器情報:UART関連の製品例

USB(ゆーえすびー)

(Universal Serial Bus)パソコンと周辺機器のインタフェースの一つ。当初USB1.1(12Mbps)として登場したが、その後、より高速のUSB2.0(480Mbps)規格により普及が加速した。現在は最大5GbpsのUSB3.0規格がある。下位互換性があるため規格が異なっていても接続できる(1.1、2.0、3.0が混在してもつながる)が、その場合は下位の規格(遅い速度)に合わせた通信となる。PCと計測器などのインタフェースとして、計測器に標準装備されつつある(2020年現在)。大手計測器メーカのPC制御計測器もUSBを採用したモデルが次々と発売されている(たとえばキーサイト・テクノロジーの主力カテゴリーであるネットワークアナライザの新製品はUSB接続型で、外観はコネクタのある箱で、ボタンも画面も無い)。USB接続型計測器がPC制御タイプの機種群として計測器の1ジャンルに確立されつつある。

USB計測器(ゆーえすびーけいそくき)

計測器の種類として、スタンドアロン(計測器が単独で動作する)とPC制御型に分ける分類がある。ほとんどの計測器はスタンドアロンだが、PC制御型は計測器の外観が画面の無い箱で、PCに接続して動作する。昔からあるが、最近のUSBの普及によってその大半がUSB接続型になった。「USB計測器」をネット検索するとAmazonを筆頭に多くの通販サイトで取り扱っている。USBの通信速度などの制約から、ミドルクラス以下のオシロスコープが多い。PC制御計測器というと、従来は安価で低性能というイメージがあり、品質面でも不安があったが、最近は改善されている(ネット販売では名の知れないメーカも多いので注意)。英国のPico Technology(ピコテクノロジー)が1991年創業でPC制御型計測器の草分けだが、最近はテクトロニクスやキーサイト・テクノロジーという大手メーカもUSB計測器をラインアップし始めた。2019年にキーサイトはネットワークアナライザPNAの後継モデルに相当するUSBタイプのP5000AシリーズVNA(ベクトルネットワークアナライザ)を発売している。USB計測器は高機能、高額製品が出現し、計測器の1ジャンルとして定着する傾向と言える。そこで、従来はスタンドアロンに比べてマイナーであったPC接続型計測器とは別に、USB計測器という呼び方がされるようになっている。計測器の中心回路の1チップ化が進んだため、オシロは計測器メーカ以外でも作れるようになった。たとえばアナログ半導体のトップデバイスメーカであるアナログデバイス社も、2chタイプのUSBオシロ製品を出している。オシロの機能を半導体が実現できるようになったので、中国メーカだけでなくデバイスメーカまでもがオシロを商品化している。また、スマートフォンの普及により、(PCでなく)スマホにつなぐ「ポケットオシロ」なる超小型の製品もある(性能の有無、校正対象かなどは不明)。

USBバスアナライザ(ゆーえすびーばすあならいざ)

USBバス上に流れる通信データを解析する測定器。略称:USBアナライザ

UFS(ゆーえふえす)

(Universal Flash Storage) MLC/TLC NAND型フラッシュメモリにコントローラを搭載した組込型ストレージのこと。ノキアを中心として設立された非営利団体「Universal Flash Storage Association」(UFSA)で規格が策定された。既存のメモリカードやeMMC製品と比較して、読込み、書込み共に圧倒的な速度が特徴。2018年1月にはバージョン3.0がリリース。1レーンあたりの転送速度は11.6Gbit/sを実現した。特徴 は、高速シリアルインタフェース、マルチプルコマンドキュー機能、2.5V Vcc電源で低消費電力、自動車市場向けに-40度から105度の温度域をサポート、など 。(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より。上記用語集ではeMMCとUFSの通信方式の違いが図解されている。) 同社はUFS専用ROMライタAF9751を2021年6月に発売している。

UFPA(ゆーえふぴーえー)

(Uncooled Focal Plane Arrays)非接触温度計(サーモグラフィ、放射温度計)に使われる赤外検出素子の中で非冷却型センサのこと。低価格で常温動作し波長依存性がないことが長所だが、感度や応答速度の点で冷却型センサに劣る。関連用語:FPA、マイクロボロメータ 。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

UL(ゆーえる)

(Underwriters Laboratories)米国で適用されている安全規格。「UL規格」と呼称されている。たとえば携帯機器(ノートPCなど)のACアダプタには通常はUL規格の認定マークが記載されている。米国のUnderwriters Laboratories Limited Liability Company(UL LLC) という会社が定めている。会社は民間組織だが、米国では最も権威のある安全規格とされている。日本のJISマークが信頼されるように米国ではULの認定マークが信頼されている。米国ではノイズ要求のイミュニティ(電磁波を受けて誤作動しないこと)はIEC61000に、エミッション(有害な電磁波を放出しないこと)はFCC規格に、電気的要求はUL規格に、準拠を求められる。日本に電気用品安全法やPSEマーク、JISマークがあるように、各国にはぞれぞれ安全規格がある。

有効ビット(ゆうこうびっと)

ADコンバータ(Analog-Digital変換器)の性能を表す指標。分解能(ビット数)ではわからない、ノイズや歪の影響を考慮した「真のAD変換器の性能」、とも言われる。「有効ビット数」や「ENOB」(Effective Number Of Bits)と表記されることもある。2010年代から主要なオシロスコープメーカ(主に海外メーカ)がラインアップしはじめた高分解能オシロスコープでは、仕様に明記されている場合がある。 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)の用語解説には次の記述がある。「有効ビット:デジタル・オシロスコープの性能を測る基準で、正弦波の波形をいかに正確に再現できるかを表す。有効ビットでは、理想的なデジタイザに含まれるエラーと、デジタル・オシロスコープの実際のエラーを比較する。」

UCIe(ゆーしーあいいー)

(Universal Chiplet Interconnect Express)複数の半導体チップレットを相互接続するための通信規格、およびその規格策定団体(コンソーシアム)。2022年3月に米国のIntel(インテル)、Google、Microsoft、AMD、Qualcomm、英国のArm、台湾のTSMC、韓国のSumsungなど10社が参画し、UCIe1.0をオープンな規格として公開した。CPUやメモリ、I/Oなどの小さな半導体チップをチップレットと呼び、それらを半導体パッケージ内に収めて相互接続し、PCやサーバのようなコンピュータを1つの半導体パッケージ内で実現する。これをSoP(System on Package)と呼ぶ。UCIeはIntelが開発したが、半導体メーカとクラウド事業者(IPプロバイダなど)が手を組み、SoC(System-on-a-Chip)の新しい手法として注目されている。半導体・コンピュータのゲームチェンジになりえるので、1980年代以降に衰退した日本の半導体関連企業の再興の機会、という識者の声もある。

UWB(ゆーだぶりゅびー)

(Ultra Wide Band) 日本語にすると「超広帯域無線通信」だが、UWBという表現が一般的に広く使われている。数百MHz〜数GHzの広い周波数帯域を使用し、障害物による影響が少ないため、電子機器や自動車への実用化で研究が進んでいる。IEEE802.15.4aでは中心周波数:約3.5GHz〜約9.5GHzと規定されている。位置測定、レーダー、無線通信の3つの機能を合わせ持っているため、単なる無線通信方式の1つということではなく、特殊な無線応用技術といえる。2019年からスマートフォンに搭載したモデルが発売された。自動車への採用でも注目されている。

UWBG(ゆーだぶりゅびーじー)

(Ultra Wide Band Gap) ウルトラワイドバンドギャップ半導体は、パワー半導体の1種である。材料として酸化ガリウム(Ga2 O2)を使った製品(SBD、ショットキーバリアダイオード)が2023年に出荷予定である。SiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガン)に次ぐ製品として軍事や宇宙での応用が期待されている。国産のFLOSFIA(フロスフィア)はα酸化ガリウム、ノベルクリスタルテクノロジーはβ酸化ガリウム製品をつくっている。

UT(ゆーてぃー)

(Ultrasonic Testing,Ultrasonic Inspection) 超音波探傷検査。超音波のパルス信号を金属材料などに当てて、内部に振動を伝搬させ、反射信号・伝搬時間などから材料内部の良否判定をする検査(試験)のこと。非破壊検査(NDI)の1種で、X線と超音波は良く使われる手法。 似たことばに超音波検査(エコー検査、echo test)があるが、UTとは別である。医療の用語で、がんの検査に使われる。

誘電吸収比(ゆうでんきゅうしゅうひ)

(Dielectric Absorption Ratio) 略記:DAR。絶縁の時間経過試験という意味では成極指数(PI)と同じ方法。唯一の違いは、結果を得るための時間が短いこと。定義:誘電吸収比=(30秒〜1分後の絶縁抵抗値)/(15秒〜30秒後の絶縁抵抗値)。誘電吸収比による判定は、1.4以上:最良、1.25~1.0:良、1.0以下:不良。(共立電気計器株式会社の用語集より)

誘電正接(ゆうでんせいせつ)

(Dissipation Factor) コンデンサなどの誘電体の損失を示す値。値が小さいほど性能が良い。リアクタンスとしての純度を表す指標といえる。記号「D」と表記される。定義がtanδ(タンジェント・デルタ)のため「タンデルタ」と呼ばれたり、「誘電体損」ともいわれる。「誘電体の正接(タンジェント)で定義される値」という意味。

誘電正接試験器(ゆうでんせいせつしけんき)

電気機器や電力ケーブルなどの誘電体損失(tanδ)を測定する機器。

誘電体損(ゆうでんたいそん)

コンデンサなどの誘電体の損失を示す値の俗称。正式名称は「誘電正接(Dissipation Factor)」。記号「D」で表記される。別名、tanδ(タンジェント・デルタ、略称「タンデルタ」)。

誘電体放電(ゆうでんたいほうでん)

略記:DD(Dielectric Discharge)。この試験は、多層絶縁の診断に適用される。測定終了1分後の放電電流値および測定物の容量値を測定することにより、多層からなる絶縁物中に不良がある場合の診断にすぐれた測定方法。定義:誘電体放電=(測定終了して1分後の電流値)/(測定終了時の電圧値xキャパシタンス)。誘電体放電による判定は、2.0以下:良、2.0~4.0:要注意、4.0~7.0:不良、7.0以上:非常に悪い。この判定基準は目安のため、経験に基づいた調整・変更が必要な可能性がある。欧州にて発電所の高圧発生機器を測定するために開発された測定方法。(共立電気計器株式会社の用語集より)

誘電率(ゆうでんりつ)

(permittivity) 【電子工学で使われる電気に関する量】 物質が電気を蓄えられる大きさ(分極のしやすさ)の指標。コンデンサや絶縁体の材料の性能評価に使われる。コンデンサの絶縁材は誘電率が高いほど適している(材料として優秀)。物質には固有の誘電率があり、外部から電場が与えられると、発生する電荷は誘電率が高いほど大きくなる。また損失(誘電体損、tanδ)も大きくなる。 誘電率は電荷に関係する係数で、電媒定数とも呼ばれる。記号はギリシャ文字のε(イプシロン)で表し、単位は[F/m](ファラッド/メータ、1mあたりの静電容量)。真空の誘電率はε0(イプシロン ゼロ)と表し、その値は約8.85×10-12[F/m]。εやε0は数学や物理の計算に時々現れる係数(定数)である。 誘電率の測定は、電極などの治具を使ってインピーダンス測定器(LCRメータなど)で行われる。

UPS(ゆーぴーえす)

(Uninterruptible Power Supply) 日本語では「無停電電源」だが、UPSという表現が大変良く使われる。代表的な使用例は、コンピュータの電源供給側に、商用電源(交流)との間にUPSを接続しておき、停電時にはUPSがコンピュータに電源を供給し、コンピュータがダウンすることを回避する。UPSの仕様によって電源供給できる時間は決まっていて、長い時間ではない。データを安全に保存する必要があるデータセンターには必ず装備されている。 UPSの出力は直流と交流の2種類がある。出力が交流のものはCVCF(Constant Voltage Constant Frequency:定電圧定周波数装置)と呼ばれる機器もある。

UV(ゆーぶい)

紫外線の略記。紫外線の英語、「ultra(超える)violet(紫)」の略記。