計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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Rx(あーるえっくす)

有線・無線通信で受信データのこと。Received dataの略記(小文字のxはデータの意味)。受信機(レシーバ)のことをRxと記述している例もある。Rxと対になる送信データはTx(Transmission dataの略記)と記載される。Rx同様に送信機をTxと表記することもある。

RF(あーるえふ)

(Radio Frequency) 別名:無線周波数。和訳すると「ラジオ周波数」。無線通信に使われる周波数のこと。「高周波」と表現されることもある。正確に何Hzの周波数範囲を指すかは文献によってさまざまで、定義は難しい。無線通信が始まったとき、無線機(ラジオ)で通信できるキャリア(搬送波)の周波数範囲をRFと呼称したと推測される。現在ではおおむねMHz~GHzの周波数を指している。「kHz~300GHzの電磁波の総称」という定義もある(※)。 RFの計測器というと、スペクトラムアナライザ(スペアナ)を筆頭に信号発生器(SG)や高周波パワーメータ(低周波の「デジタルパワーメータ」ではなくRFパワーメータ)などの高周波の(無線の)基本測定器が相当する。高周波ということでネットワークアナライザ(ネットアナ)を含める場合もあるが、ネットアナは回路素子測定器(LCRメータなど)や材料測定器と同じ分類にされることも多い。 同じRFの周波数帯の測定器でも、携帯電話などの特定の通信方式に対応した測定器(ワンボックステスタ、無線機テスタ、シグナリングテスタなど)は(基本測定器ではなく)専用器なのでTechEyesOnlineでは「無線/移動体測定器」という別カテゴリーに分類している。ただし、無線測定器の主力(大きな売上)は携帯電話用途なので、「RF/マイクロ波」というカテゴリーで、上記のスペアナから無線機テスタや、電磁界強度計(メジャリングレシーバ)までを説明している文献(計測器の辞典)もある。 通信計測器には有線の測定器(光通信測定器や伝送交換の装置用測定器など)と無線の測定器があり、RFを含む無線測定器のメーカは、世界的にキーサイト・テクノロジー (米国)、ローデ・シュワルツ(ドイツ)、アンリツ(日本)の3社が有名で、多くのラインアップがある。特定分野の無線測定器ではリーダー電子(TV放送)、目黒電波測器(現計測技術研究所、GPS関連測定器)などがある。横河計測や菊水電子工業も特定モデルをラインアップしていたが、ほとんど生産中止になっている(横河計測は低周波の電力計、パワーアナライザなど、菊水電子工業は直流電源などの安定化電源が高シェアで、いずれも低周波の基本測定器が主力のメーカといえる。菊水電子工業はEMC関連計測器もある)。テクトロニクスはリアルタイムスペクトラムアナライザでRFの基本測定器であるスペアナに参入したが、上記の無線3メーカに伍するまでにはなっていない。 無線のほぼ専業だったローデ・シュワルツやアンリツは無線以外のカテゴリーの計測器(オシロスコープや温度・振動・ひずみなどの物理量測定器)にラインアップを広げている。キーサイト・テクノロジーは無線の専業ではなく、デジタルマルチメータなどの基本測定器からワンボックステスタなどの専用器まで直流から高周波を幅広くラインアップする総合計測器メーカだが、RF測定器の事業部門は名門で、同社を支える屋台骨である(オシロスコープの事業部門よりも歴史が古い)。 計測器の名称(品名など)でRFが付くモデルは多く、TechEyesOnlineでは約800モデルを掲載している(2025年現在)。 (※) RFの定義(周波数範囲)は文献によって「数kHz~数GHz」や「3kHz~300GHz」と説明している例がある。ただし、AMラジオ(中波放送)は526.5kHz~1606.5kHz(つまり0.5MHz~1.6MHz)、FMラジオの東京FMは80.0MHz、4G携帯電話は700MHz~3.5GHzで、身近な無線通信はMHz~GHzの周波数を使用している。計測器でRF(または高周波、無線)というとこの範囲を指していることが多い。 もっと高い周波数にマイクロ波(一般の定義では、300MHzから30GHz)、ミリ波(一般の定義では、30GHz~300GHz)がある。一般にマイクロ波は「RFよりも高い周波数」と認識されている。両者の違いは「波長がメートル単位だとRF(高周波)、もっと短い(周波数が高い)センチメートル単位がマイクロ波」といえるが、ほとんど同義で使用されることも多い。別の解説で「RFは、3kHz~300GHzの広い範囲の電磁波の総称で、マイクロ波はその一部の300MHz~300GHzの比較的高い周波数を指す」という説明もある。ここではマイクロ波にミリ波が含まれているが、通常はミリ波はマイクロ波とは別で区別されている。つまりこの解説は少し怪しいが、「RFはマイクロ波を含む呼称」という解説は一理あると筆者は思う。 可聴周波数(20Hz~20kHz)に対応するオーディオ関連測定器は、低周波(商用周波数の50Hz/60Hz)ではないので高周波と呼ばれることはあるが、RF(無線周波数)かというと微妙である。スペアナの測定範囲はkHzからの機種も多いので、明確に「kHzはRFではない」とはいえないが、RFの範囲といえば筆者はMHz~GHzをイメージする。広義で「MHz~30GHz」であろうか。このようにRFの周波数範囲は識者の見解によって変わり、定義は明確ではない。

RTK(あーるてぃーけー)

(Real-Time Kinematic)地上に設置した基準局からの位置情報を使い高精度の測位を実現する技術で、「超高感度RTK GPSシステム」と呼ばれる。通常GPSの位置情報は約2mの誤差があるが、RTKを併用すると誤差を数cm以内にできる。そのため、高速道路での自動運転のテストに導入できる可能性が高く、このシステムを搭載したGPSデータロガーが RACELOGIC(レースロジック)社から2021年末に発売開始されている。通称はVBOX(ブイボックスと呼称)。日本ではVBOX JAPAN株式会社が販売している。 参考記事(会員専用):【展示会レポート】人とくるまのテクノロジー展 2022 横浜の3ページ目 ・・超高感度RTK GPSシステムを使った最新GPSデータロガーを取材。

IF信号(あいえふしんごう)

(Intermediate Frequency)日本語では「中間周波数」だが、IFという表記の方が良く使われている。無線通信システムの中で、信号の周波数を変換している中間段階の周波数のこと。 IFだとif(もしも)の意味もあるので、本解説のタイトルは「IF信号」にしている。

I/Qジェネレータ(あいきゅうじぇねれーた)

(I/Q generator) I/Q変調した信号の発生器。別名、I/Q変調信号発生器やベクトル信号発生器とも呼ばれる。無線通信用の信号発生器(SG)の1種で、デジタル無線通信の評価に使う。正弦波信号をI・Qデータによって変調して出力できる。直交座標でベクトル表示をするときの2成分をI(あい)、Q(きゅう)と呼んでいるため、「I/Q変調」と「ベクトル」は同じ意味で使われる。メーカによってI/QとIQの2通りの表現がある。I:In-Phase(同相)、Q:Quadrature-Phase(直交位相)。 IQジェネレータ(デジタル変調の信号発生器)とシグナルアナライザ(変調解析ができるスペクトラムアナライザ)の組み合わせが、現在のデジタル無線通信の評価の基本となっている(TechEyesOnlineの【イベントレポート】Keysight World 2019では具体例が述べられている)。品名はアンリツはベクトル信号発生器、ローデ・シュワルツはIQ変調信号発生器、キーサイト・テクノロジーはベクトル標準信号発生器などがあり、同じメーカでもモデルによって呼び方が違っている。 IQジェネレータの中には標準信号発生器との組み合わせで機能するモデルもある。横河電機 テスト&メジャメント事業部(現横河計測)が2000年頃に無線の通信計測器に参入したときは、標準信号発生器と併用するBaseband Signal GeneratorをデジタルIQ信号発生器と呼び、VB2000などのモデルがあった(現在はすべて生産中止)。

I/Q信号(あいきゅうしんごう)

(In-Phase/Quadrature-Phase signal) I/Qを翻訳すると「同相/直交位相」。携帯電話など、 現在の無線通信で主流となっているデジタル方式では、I/Q信号やI/Q変調はもっとも基礎の概念である。I/QまたはIQという表記が使われる。信号をベクトル表示する場合、直交座標ではIとQの2成分で表現することができる。具体的な計測器ではデジタル信号発生器にIQ出力の機能があるモデルが、移動体通信関連測定器として使われている。I/Q信号の信号発生器はI/Q変調信号発生器やI/Qジェネレータと呼ばれる。 IQだと知能指数(Intelligence Quotient)の意味もあるため、本解説ではタイトルを「I/Q信号」にしている。 計測器メーカの資料ではIQ(またはI/Q)は以下のように使われている。 ・デジタルIQ信号発生器(Digital IQ Signal Genelator)VB2000(横河技報2000年Vol.44) ・I/Q変調信号発生器R&S®AFQ100B (ローデ・シュワルツのホームページ) ・RF信号発生器MSG703によるIQ変調(マイクロニクスのホームページ) ・IQフォーマットは他のアナログ変調やデジタル変調よりも多くの情報を伝送でき・・(テクトロニクス「信号発生器のすべて」より) ・802.11axアナログベースバンドIQテストソリューション(キーサイト・テクノロジーのホームページ)

I/Q変調(あいきゅうへんちょう)

I:In-Phase(同相)、Q:Quadrature-Phase(直交位相)。別名「直交変調」とも呼ばれ、現在普及しているデジタル方式の無線(携帯電話など)の基本的な技術として使われている。IQという表記も多いが、知能指数と間違うため、当サイトではI/Qにしている。 デジタル変調方式では、アナログ変調のAMやFM、PMをデジタルにしたASK、FSK、PSKがある。各略記の「SK」はShift Keyingのことで、デジタル変調は(アナログのようにmodulationではなく)英語をカタカナ表記した「○○シフトキーイング」という日本語で呼ばれている(たとえばASKは「振幅シフトキーイング」)。 I/Q信号など、I/Qは多くのことばに使われる。I/Q信号の信号発生器はI/Q変調信号発生器やI/Qジェネレータと呼ばれる。

I/Q変調信号発生器(あいきゅうへんちょうしんごうはっせいき)

I/Q変調信号を発生する測定器。別名、I/Qジェネレータやベクトル信号発生器ともいわれる。現在の公共無線はデジタル変調がさかんに使われている。RFの基本測定器である標準信号発生器(SG)は、高精度な正弦波信号を発生する。ベクトル信号発生器はさらに、I・Qデータ(I:同相成分、 Q:直交位相成分)から正弦波信号を変調して出力する。直交座標でベクトル表示をするときの2成分をI(あい)、Q(きゅー)と呼んでいるため、IQ変調とベクトルは同じ意味で使われる。メーカによってI/QとIQの2通りの表現がある。 アナログの変調方式はラジオでおなじみのAM放送(AM変調)、FM放送(FM変調)だが、デジタル方式はASK(振幅シフトキーイング)、FSK(周波数シフトキーイング)、PSK(位相シフトキーイング)などがある。PSKにはさらに、π/4QPSK(よんぶんのぱいきゅーぴーえすけー)などがある。 主要計測器メーカはキーサイト・テクノロジー、アンリツ、ローデ・シュワルツの高周波無線(RF)3社。テクトロニクスもモデルがある。横河電機(現横河計測)は過去(日本に携帯電話メーカが10社以上あった2000年頃)につくっていたが撤退した。

IEEE802.11(あいとりぷるいーはちまるにどっといれぶん)

IEEEが策定した無線LAN関連の規格。IEEE802.11a / b / g / n / ac / ax / beなどがある(規格名はアルファベットの早い順に古い)。別名、Wi-Fiの規格である。 IEEE802.11aから始まり、1999年に策定された11bは2.4GHz帯で帯域幅22MHz、最高速度11Mbpsで、変調方式はDBPSKとDQPSK(※)だった。11nをWi-Fi 4と呼び、以降11acがWi-Fi 5、11axがWi-Fi 6で、2023年末に策定された11beがWi-Fi 7になる。11beはExtremely High Throughput(EHT)とも呼ばれ、2.4GHz、5GHz、6GHzの3帯域全てを利用できる。Wi-Fi 6は世界中で増加するデバイス数に対応したが、Wi-Fi 7は全デバイスに超高速通信をもたらすための規格で、帯域幅320MHz、変調方式4096QAMを採用し、Wi-Fi 6の4.8倍、Wi-Fi 5の13倍の速度が可能になった。Wi-Fi 6でstreamに採用したOFDMAも、8から16に倍増している。 アンリツのワイヤレスコネクティビティセット(WLAN用測定器) MT8862Aはワイヤレスジャパン2024(5月 東京ビッグサイトで開催)で、11be対応モデルを展示した。また同時期に開催されたローデ・シュワルツ Technology Symposium 2024(創立90周年記念企画)ではWi-Fi 7に対応したシグナリングテスタが展示された。 (※)PSK(Phase Shift Keying)はデジタル無線で使われる代表的な変調方式。日本語では「位相偏移変調」、「位相シフトキーイング」と呼ばれる。BPSK(Binary Phase-Shift Keying)は2位相偏移変調、DBPSK(Differential encoded BPSK)は差動同期BPSK。DQPSK(Differential Quadrature Phase-Shift Keying)は差動4位相偏移変調。DQPSKは、見た目はQPSKと同じで区別がつかない。 規格の変遷(2024年 ワイヤレスジャパン アンリツブースの展示パネル)

アクセス網(あくせすもう)

従来はNTTの電話局の交換機と加入者(各家庭や事業所の電話機)を結ぶネットワークを指した。現在は電話機がPCやスマホになり、交換機はルータに変わりインターネットの世界となったが、NTT以外の通信事業者(キャリア)が増えても、いまだにアクセス網はNTTが強く、他の通信事業者はNTTのアクセス網を借りて通信をしている場合が多い。NTTもアクセス網をFTTH(Fiber To The Home、家まで光ファイバを届かせる)の掛け声で光ファイバ化し、フレッツ光などのサービスを展開している。アクセス網を光ファイバにして高速にしたのがPON(Passive Optical Network、ポンと呼称)である。アクセス網の先にあるネットワークの中枢(基幹通信網)をアクセス網と区別してコアネットワークと呼んでいる。

アクテルナ(あくてるな)

(Acterna)通信計測器の老舗ワンデル・ゴルターマンや、米国の老舗計測器メーカのウエーブテックを継承し、2000年に設立した、主に通信計測器をつくったメーカ。2005年に光ファイバ用計測器のJDSユニフェーズ(JDSU、旧JDSファイテル)に買収されて会社は無くなった。数年しか存在しなかったため、今では実態が良くわからない、幻の通信計測器メーカ。「アクテルナ」または「アクターナ」と呼ばれた。参考用語:Acterna

Acterna(あくてるな)

2000~2005年に存在した通信計測器メーカ。短期間で無くなったので、今となっては実態が良くわからず「謎の通信計測器メーカ」である。ただしネット上にはActerna製の製品カタログも検索でき、(日本だけでなく世界の)通信計測器業界に爪痕を残した。WWG(Wavetek Wandel Goltermann)は米国の計測器メーカWAVETEK(ウエーブテック)とドイツの通信計測器メーカWandel&Goltermann(ワンデル・ゴルターマン)が1998年に合弁した会社だが、さらにハンドヘルドの計測器メーカTTCが2000年にWWCに合併してActerna(アクテルナ、またはアクターナと呼称)が設立された。当時の日本はCATVの普及期で、Acternaはケーブルテレビ用の計測器をInterBEE(インタービー、放送・映像関連の大きな展示会)などに出展していたが、当時の日本での正式な企業名は今となっては不明(アクテルナ・ジャパンのような日本法人があったかもしれない)。 2001年に有線通信測定器の老舗、安藤電気が大株主をNECから横河電機に変更(身売り)することに造反して、安藤電気の計測器事業部の技術マネージャを含む複数の技術者がActernaに転職している(つまり、通信計測器の老舗 ワンデル・ゴルターマンにウェーブテックが合流したActernaは、当時の通信計測の技術者にとって魅力的だったと推測される)。Acternaは光ファイバ用計測器をラインアップするJDSU(旧JDSファイテル)に2005年に買収され、さらに2015年に計測器部門が分割されて現在はViavi Solutions(ヴィアヴィソリューションズ)になっている。 2000年当時は、ドイツのワンデル・ゴルターマンと(フルーク製品の一部を吸収した)米国ウェーブテックという老舗メーカが合体したWWGは、キーサイト・テクノロジーに対抗する通信計測器の1極と思われたが、それを継承したActernaはJDSUに吸収されて数年間で消滅した。JDSUがWWGを飲み込んだのは、従来のデータ通信(プロトコルアナライザなど)や伝送・交換装置用測定器(SDH/SONETアナライザなど)という機種群の計測器は、もっと大きな光通信の市場(光部品や光伝送機器)に取り込まれていったという背景がうかがえる。 光通信測定器と無線測定器を継承したViavi Solutions以外の海外の通信測定器メーカとしては、EXFO(エクスフォ)が光通信の基本測定器(光パワーメータや光源など)と、ネットワークや伝送機器の評価測定器(ギガビットイーサネットなど)をラインアップしている。国内の光通信の測定器は横河計測(旧安藤電気の光測定器を継承)が健在。LANやOTDR(光パルス測定器)などの可搬型のケーブルテスタではFlukeNetworks(フルーク・ネットワークス)が専業メーカとして有名。米国のVeEX(ヴィーエックス)も可搬型の通信計測器を中心にラインアップし、国内総代理店のメインテクノロジーが多くの展示会に出展している。

ACK(あっく)

(psositive ACKnowledgement) データ通信の制御手法で、「肯定応答」のこと。受信側が正しく受信したことを送信側に知らせるために送る受信確認情報。データ通信では、データが届いたかどうかを送信側・受信側で確認をし合う。ACKはデータパケットがうまく受信されたことを示し、他方、NACK(Negative ACKnowledgement、否定応答)はデータパケットがうまく受信できなかったことを示す。acknowledgementは「受領確認」の意味。「ACKが送られてこなければ失敗」、「NACKが送られてこなければ成功」のようにACKかNACKのどちらか1つで運用されることも多い。

ARIB(あらいぶ)

(Association of Radio Industries and Businesses) 無線通信分野の国内標準化機関。日本語名は「一般社団法人 電波産業会」。通信・放送分野の電波利用について、調査、研究、コンサルティングなどを行っている。 設立:1995年(平成7年)。財団法人電波システム開発センター(RCR)と放送技術開発協議会(BTA)の事業を引き継ぎ、1995年に郵政省(現総務省)の許可を受けて設立(電波法の規定により「電波有効利用促進センター」として郵政大臣から指定され)、2011年に内閣府の認可を得て一般社団法人へ移行。 設立趣旨:通信・放送分野の新たな電波利用システムの研究開発や技術基準の国際統一化等を推進し、国際化の進展や通信と放送の融合化、電波を用いたビジネスの振興などに迅速、的確に対応できる体制の確立を目指す。 会員数:正会員 191、賛助会員 64、規格会議委員所属法人 12(2023年10月2日現在) 日本語正式名称の「電波産業会」よりも略称であるARIB(アライブ)の方が大変よく使われている。似た名前の団体に「一般財団法人 電波技術協会」(REEA)があり、両者を並べると、産業会より技術協会のほうが格式や権威ある名称のように素人には思えるが、ARIBの方が有名で権限がある。

アンテナ(あんてな)

(antena) 無線信号を送受信する機器。アンテナは通信機器であり計測器ではないが、電波関連測定器の一部、またはオプションとして必須のため、計測器の1カテゴリーに分類されている。スペクトラムアナライザ(スペアナ)の中に分類されたり、電磁界強度計やEMC(Electro Magnetic Compatibility、電磁両立性または電磁適合性)測定器に分類されたりと、どのカテゴリーに入れるかは様々である。当サイトは障害・EMI測定器のカテゴリーにほとんどを入れているが、スペアナにも(スペアナのオプションとしての)アンテナが少数、入っている。使い方としては、RF測定器の信号発生器の出力端子やスペアナの入力端子に接続される。 アンテナの主な種類は形状で分けると、ダイポール、ループ、バイコニカル、ホイップなどがある。TV受信用には八木・宇田アンテナが有名である。また衛星通信にはパラボラアンテナが使われる。ダブルリジッドガイドアンテナなどのようにEMI測定に使われるアンテナ(EMIアンテナ)も数多くある。 計測器メーカのアンリツ、ローデ&シュワルツ、キーサイト・テクノロジーなどもアンテナをラインアップしているが、専業メーカの方が製品の種類が多い。たとえばキャンドックスシステムズ(国内)やETS-LINDGREN(海外)など。

安藤電気(あんどうでんき)

(Ando Electric Co., Ltd.) 1933年~2004年に存在した老舗計測器メーカ。正式名称:安藤電気株式会社。東京証券取引所第二部に上場。通信計測器や半導体テスタをつくっていた。大株主はNECで、アンリツ同様にNEC系の計測器メーカだが、安藤電気はNECの持ち株比率が高く、NEC出身者が複数人、社長になっている。有線通信の計測器ではYHP(現キーサイト・テクノロジー)やアンリツと競っていた。独立系ではなくNECが大株主だが、「通信と半導体」という時代の先端を担ったハイテク企業である(1977年にNECはコンピュータ&コミュニケーションを標榜する「C&C」をCIにしていた。通信とコンピュータである)。 1933年に安藤氏が創業。電電公社(現NTT)から通信計測器の開発を任された電電ファミリーの1社。光通信測定器(光ファイバ通信用の測定器)はほとんどアンリツと安藤電気の2社が開発した。1970年代のオイルショックで人員削減をしているが、1980年代には数十人規模/年の新卒採用を行っている。1980~2000年頃につくっていたNTT向け以外の民需製品は、基幹通信網の伝送装置や端末の試験器である、SDH/SONETアナライザ、 MTDMアナライザ、モデムテスタなどが主力製品といえる。有線通信には強かったが無線ではアンリツに遠く及ばなかった(ラインアップには無線機テスタはあるが、SGやスペクトラムアナライザはない※)。Gbpsオーダの高速BERT(バート)もアンリツは1990年代に世界トップになるが、同社は同等品をつくるのが10年遅かった。 (※) 1980年頃のラインアップにスペクトラムアナライザ(スペアナ)や発生器があるが1990年代まで続かず、いわゆる移動体通信が普及した際にはスペアナを販売していない。 NTTなどに最先端の計測器を納入した。単発の波形しか捉えられないが、パルス スコープとでもいうオシロスコープの原子版のような測定器をつくったという話がある。インピーダンス測定も早くから行い、「ブリッジなどをつくっていた横河電機の製品よりも、安藤電気のインピーダンス測定器は高精度な測定結果」と評価した大学教授もいた。光測定器はNTT以外の、光通信や光デバイスを研究・開発する民間企業にも販売した。 1980年頃の同社の計測器事業部は、第一技術部がNTT向け製品と光通信測定器、第二技術部が民需向け製品を開発していた。1980年代の通信以外の民需向けの主なラインアップは、ICE(デバッガ)、ROMライタ、LCRメータ、tanδ測定器など。ICEはインテル80386などの最先端のMPUに果敢に挑戦したが、特定顧客にしか販路が広がらなかった。ROMライタはNECから情報を得るなど、幅広いチップに対応したが、協力関係にあった浜松東亜電機(現東亜エレクトロニクスのフラッシュサポートグループ)に技術移管し、製品は現在も続いている(AF-9700シリーズ)。LCRメータは1980年頃に初号器 AG-4301を発売し、シリーズ化でシェアを伸ばしたが、業界標準のHP(現キーサイト・テクノロジー)のような高周波モデルが開発できず撤退した。 2000年の光海底ケーブルバブルで屋台骨の光計測器が落ち込むと経営が傾いた。大株主のNECが半導体ビジネスから撤退するのに伴い、子会社にATE製品(半導体検査装置)は不要となり、NECに変わる株主が必要となった。横河電機が資本参加し、安藤電気の全事業を受け入れた(2001年にNEC保有株式が横河電機に売却された)。2002年に安藤電気は横河電機の100%出資子会社になり、2004年には事業再編で解体している。 プロトコルアナライザや光通信測定器では当時世界No.1のHPと競い、モデルによってはHPより売れた製品もあった。光通信測定器は現在の横河計測株式会社に引き継がれ、光スペクトラムアナライザは世界No.1を維持し続けている(2022年現在)。 前述のようにNECが半導体デバイスビジネスをするために、グループ内の計測器メーカに半導体テスタをつくらせた。そのため安藤電気の半導体テスタは同業のアドバンテスト(旧タケダ理研工業)などに比べるとNEC以外にはあまり売れなかった。1970年代から2000年頃の半導体テスタは最先端の検査機器(花形製品)として、複数の計測器メーカがつくっていた。安藤電気は半導体テスタ事業が赤字でも、通信計測器(プロトコルアナライザや光計測器など)が補填したが、光計測器が赤字になったときに半導体テスタはそれをカバーすることはなく、会社は立ち行かなくなった(筆者はこの話を又聞きではなく関係者から直接聞いたが、同様のことをネットに書いている人もいる)。 軽率なことはいえないが、安藤電気がもし半導体テスタをやっていなかったら、光通信などの有線通信計測器の世界トップメーカとして存続していたかもしれない。2002年の社長である本橋氏は同社の計測器事業部出身の技術者で、何代も続いたNECからの天下りではなく生え抜きだった。キーサイト・テクノロジー(当時はアジレント・テクノロジー)が光測定器を縮小したので、安藤電気は光測定器で世界No.1になる目前だった。計測出身のプロパー社長のもとで躍進することなく、横河電機に身売りすることになったのは残念である。 安藤電気で光測定器に携わった技術者が、他の光測定器や光部品の会社で働いているのを筆者は見聞きする。光測定器以外でも安藤電気は最先端のハイテク技術を扱っていたので、今でも各方面で活躍している60歳代の人は少なくないと思う。 計測器情報:安藤電気の光測定器、安藤電気のプロトコルアナライザ

アンプ(あんぷ)

(amplifier) 小さい電圧信号を大きく(増幅)する機器。和訳は「増幅器」だが、英語を略してカタカナ読みした「アンプ」はもはや日本語になっていて、広い分野で頻繁に使われている。音楽を楽しむオーディオ機器ではアンプ(プリメインアンプなど)は中心的な機器である。計測器としては高電圧対応の電力増幅器(パワーアンプ)や高周波対応のプリアンプなどがある。増幅する目的に応じて、それぞれ電圧アンプ・電流アンプ・電力アンプと呼ばれることもある。電力増幅器(パワーアンプ)はバイポーラ電源や交流電源などの電源の1種に分類しているメーカもある。プリアンプはRF測定器の代表であるスペクトラムアナライザの周辺機器(アクサセリ)の1つである。アイソレーションアンプは絶縁を主目的としている。 D-subコネクタで有名なアンフェノール(amphenol)社は、自社の企業ロゴである「AMP」というアルファベット大文字3字を印字していたので、「アンプのコネクタ」と呼ばれた。このアンプは本稿のアンプ(増幅器)とは無関係である。

EMCユーザ会議(いーえむしーゆーざかいぎ)

ローデ・シュワルツ・ジャパンが2021年まで毎年5月に開催していた自社イベント(個展)。2020年の年初から世界中で蔓延したCOVID-19(新型コロナウイルス)によって、2020年は中止になり、2021年はまだコロナが続く中 オンデマンド(非接触)で開催された。TechEyesOnlineは2018年に展示会を取材している。2019年のEMCユーザ会議は5/9に「東京コンファレンスセンター・品川 5F 大ホール」で開催されたが、事前の申し込み者が500人に達し、当日の参加者は500人を越え、盛況に終わった。 ローデ・シュワルツはドイツの大手計測器メーカだが、通信計測器のラインアップが豊富で、EMIレシーバでは業界標準である。つまりEMC業界のトップブランドのため、EMCユーザ会議と冠した展示会を主催し、EMC関連の計測器メーカをパートナーとして講演や展示を行った。EMC関連の各メーカの主要なエンジニアが参集するEMC大会といえる。2018年のタイトルは「EMCユーザー会議」だが2019年は「EMCユーザ会議」で、表記が2通りある。 ローデ・シュワルツ・ジャパンは2024年5月からは新たな個展「R&S Technology Symposium」を開催している。2025年には、従来からのEMCに加えて、移動体通信などの無線通信、自動車市場向けのHILS(ヒルズ)、光通信などのソリューションを展示した(EMC関連で6社の協賛企業が、EMC以外では7メーカを含む10社が出展)。開催当日は朝から雨となったが、約500人の来場者があった。

eSIM(いーしむ)

(embedded SIM) 携帯電話のSIMの1種。端末の契約者情報をオンラインで書き換えられる。携帯電話の契約者はキャリアの店舗に出向かないでも、乗換えが簡便にできやすくなる。楽天モバイルなどの新規格安スマホ事業者の参入・普及によって携帯電話料金の引き下げを狙う政府の政策の一環といえる。SIMはSubscriber Identity Module の略で、契約者情報が記録されていて、携帯電話に装着して使われる。小型のカード型の形状から「SIMカード」ともいわれる。携帯電話だけでなくタブレットなどの通信デバイスに挿入すると、電話以外にもデータ通信を行うことができる。大手家電量販店には「SIMフリー端末」と書かれたスマホのコーナがあり、SIMカードの入っていない(つまりドコモやau、ソフトバンクというキャリアで契約して端末を購入するのではない)携帯電話の端末が販売されている。購入者はSIMカードを別途入手してSIMフリー端末に装着すれば、自分で選択したキャリアの携帯電話として使うことができる(ただしどこかの通信事業者との契約は必ず必要)。SIMにはサイズがいくつかあり、iPhoneは「nanoSIM」、Android端末は「microSIM」(もしくはnanoSIM)。 SIMには埋め込み型のeSIMと、スマートフォンに挿入する物理的なICカード型のSIMであるpSIM(Physical SIM、物理SIM)の2種類がある。PSIMはpSIMと発音が同じだが、パワエレ用のシミュレーションソフトである。

位相シフト・キーイング(いそうしふときーいんぐ)

(Phase Shift Keying)デジタル変調の一種で、位相偏移変調とも呼ばれる。搬送波が2位相間で切り替わる(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)。略記である「PSK」という表記が一番多く使われている。