電力計
(watt meter)
広義には電力を測定する機器で、家庭の玄関に必ずあるスマートメータ(積算電力計)や電気使用量を監視しているデマンド機器などがある。計測器としては商用周波数(50Hz/60Hz)~低周波を対象にしたパワーメータ、デジタル電力計、デジタルパワーメータ、高周波を対象にした通信計測器の
高周波電力計
、RFパワーメータ、光パワーメータなどがある。指示計器である積算電力計(または積算電力量計、家の入口近くの屋外に設置され、使用電力を測定しているメータ、今でいうとスマートメータ)を指していることもある。
計測器としては狭義には、指針型(針が振れるアナログ式のメータ)の電力測定器を指す。外観は黒い箱型で、バインディングポストの入力端子がある、横河電機が作っていたモデルが有名。理工系の学校の電気実験では、同じように指針型の電圧計、電流計とともに現在も使用されている(用語のYEWを参照)。英語watt meterをカタカナにした「ワットメータ」というと、このアナログ式の指針型のメータで、単位[W](や[AV]アンペアボルト)を測定する計測器がイメージされる。「機械式電力計」という名称で説明している文献もある。
一般的に計測器で「パワーメータ」というと低周波の電力測定器を指し、高周波の場合は高周波電力計や光パワーメータ、というように品名で区別している。計測器としての低周波の電力計は「デジタルパワーメータ」という品名が多い(一部、パワーアナライザもある)。機種群の分類では「計測用電力計」という説明もされる(以下の記事を参照)。
低周波の電力計としては測定対象に非接触であるクランプ電力計も大変よく使われる。現在の(計測器としての)低周波の電力計はデジタルパワーメータとクランプ電力計である。前者は横河計測が国内でシェアが高く、海外にも輸出している。後者は、昔からクランプのラインナップが多い日置電機がシェアが高い。ただし日置電機は横河計測の牙城だった高確度のデジタルパワーメータを最近は多く発売し競合製品のシリーズ化に注力している。横河計測もクランプを他社から仕入れるなどしてクランプ入力のデジタルパワーメータも発売してきている。トルク計測で実績のあるHBK(旧HBM)のパワーアナライザは自動車市場に強く、3社は国内市場で競っている。