計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

94

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

アーステスタ(あーすてすた)

接地された導体と大地間の電気抵抗を接地抵抗という。接地(アース)抵抗を測定する機器がアーステスタ。(=接地抵抗計)

IRメータ(あいあーるめーた)

絶縁抵計、エレクトロメータの別名。IR(Insulation Resistance、絶縁抵抗)を測定するメータ。能動部品の生産現場でこの呼び方がされる。2019年1月にエーディーシーから「4000/IRメータ(形名/品名)」が発売された。IRメータという名称は、計測器の品名ではエーディーシーが初めて使用した。同社がエレクトロメータの老舗で、電子部品メーカに強いことを伺わせる。日置電機の絶縁抵抗計の現役モデルはIR4054など、形名の頭2文字はIRである。同社の形名は以前は数字4桁だったが、ある時期から新製品は、頭にアルファベット2文字をつけ機種群の区分を整備するようになった。以前の製品は「3355 Iorリークハイテスタ」などだが、最近は「IR3455 高電圧絶縁抵抗計」というような形名である。屋外で使用する可搬型のメガーなど、現場測定器のラインアップが多い日置電機(や共立電気計器)の品名は「絶縁抵抗計」で、SMUをラインアップして半導体デバイス顧客に強いエーデイーシー(やケースレー、キーサイト・テクノロジー)は「エレクトロメータ」である。両社は市場やアプリが違い、品名も異なるが、日置電機もエーデイーシーもIRは使っている。

アドミッタンス(あどみったんす)

(Admittance) 電流の流れやすさを表し、インピーダンスの逆数として示される基本量。単位としてはジーメンス[S]が用いられる。アドミッタンス(y)は下式のように複素数の形で表される。 ここで、g: コンダクタンス, b: サセプタンス である。

アノード(あのーど)

(anode)電子部品で、外部回路から電流が流れ込む電極のこと。反対の電極をカソードという。電池や真空管、ダイオードなどにはアノードとカソードがある。電圧の高低に着目して、アノードとカソードを陽極と陰極といったり、正極・負極といったりする。アノードは、真空管では正極、電池では負極。ダイオードに2つある端子はアノードからカソードに電流が流れる。電力用のスイッチに使われる半導体素子のサイリスタにもアノードとカソードがある。

安藤電気(あんどうでんき)

1933年~2004年に存在した老舗計測器メーカ。正式名称:安藤電気株式会社。「ANDO」のブランドで通信計測器や半導体テスタをつくっていた。大株主はNECで、アンリツ同様にNEC系の計測器メーカだが、安藤電気はNECの持ち株比率が高く、子会社である。有線通信の計測器ではキーサイト・テクノロジーやアンリツと伍していた。1933年に安藤氏が創業。電電公社(現NTT)から通信計測器の開発を任された電電ファミリーの1社。光通信測定器はアンリツと安藤電気の2社がNTTに納めた。1980年から2000年にかけては基幹通信網の伝送装置向けの測定器である、SDH/SONETアナライザ、 MTDMアナライザ、モデムテスタなどを販売していた。有線通信には強かったが無線ではアンリツに遠く及ばなかった(ラインアップには無線機テスタはあるが、SGやスペクトラムアナライザはない)。 NTTなどに最先端の計測器を納入した。単発の波形しか捉えられないが、パルススコープとでもいうオシロスコープの原子版のような測定器をつくったという話がある。インピーダンス測定も早くから行い、「横河電機(LCRメータの特許など要素技術があり、後のYHPに移管)の製品より高精度な測定結果だった」と発言した大学教授もいた。 1980年代の通信測定器以外のラインアップは、ICE、ROMライタ、LCRメータ、tanδなど。ICEはインテル80386などの最先端のCPUに果敢に挑戦したが、特定顧客にしか販路が広がらなかった。ROMライタはNECから情報を得るなど、幅広いチップに対応したが、協力関係にあった浜松東亜電機(現東亜エレクトロニクスのフラッシュサポートグループ)に技術移管し、製品は現在も続いている。LCRメータはシリーズ化でシェアを伸ばしたが、業界標準のYHP(現キーサイト・テクノロジー)のような高周波モデルが開発できず撤退した。 2000年の光海底ケーブルバブルで屋台骨の光計測器が落ち込むと経営が傾いた。大株主のNECが半導体ビジネスから撤退するのに伴い、子会社に半導体検査装置(ATE製品)は不要となり、NECに変わる株主が必要となった。横河電機が資本参加し、安藤電気の全事業を受け入れた(2001年にNEC保有株式が横河電機に売却された)。2002年に安藤電気は横河電機の100%出資子会社になり、2004年には事業再編で解体している。 プロトコルアナライザや光通信測定器では世界No.1のYHP(現キーサイト・テクノロジー)と競い、モデルによってはYHPより売れた製品もあった。光通信測定器は現在の横河計測株式会社に引き継がれ、光スペクトラムアナライザは世界No.1である(2022年現在)。

インダクタ(いんだくた)

(Inductor)電磁エネルギーを蓄える受動素子。電子部品としては「コイル」がある。別名、インダクタンス(Inductance)、単位:H(ヘンリー)、回路記号は「L」。 回路上のふるまいは、直流は通すが交流は通しにくい。また、電流の位相は電圧に対して90°遅れる。この性質はC(静電容量、キャパシタ)と全く反対である。

インピーダンス(いんぴーだんす)

(Impedance) 直流におけるオームの法則の「抵抗」の概念を交流(あるいは高周波)領域に適用し、電圧と電流の比として表現される基本量である。単位としてはオーム[Ω]が用いられる。インピーダンス(z)は下式のように複素数の形で表され、周波数に依存しない抵抗成分を実数(r: 抵抗分と呼ぶ)で、周波数に依存する成分を虚数(x: リアクタンス分と呼ぶ)で表し、その両者の和の形で表される。

インピーダンスアナライザ(いんぴーだんすあならいざ)

回路部品のインダクタンス・静電容量・抵抗などのインピーダンス等を測定する機器。周波数を変えて測定できる。直流成分の重畳機能もある。等価回路によるインピーダンス成分の測定が可能。インピーダンス計測はキーサイト・テクノロジーが高シェアで、世界的に業界標準(低周波~高周波まであり、ネットワークアナライザはほぼ独占状態)。測定周波数がKHz帯域のものはLCRメータと呼ばれることが多い。MHz帯域を境に品名がインピーダンスアナライザになる(メーカによって不統一)。

SMD(えすえむでぃー)

(Surface Mount Device)日本語では「表面実装部品」。DIPやSOPのように端子がピンのパッケージ形状ではなく、端子面を直に基板に実装するタイプの部品のこと。一般の電子部品は基板に空いた穴に部品の端子(ピン)を入れてはんだ付けするが、SMDはピンの端子が無い。チップ部品を指していることが多い。

エナメル線(えなめるせん)

金属導体の上にワニス(絶縁皮膜)を焼き付けた線材。電気・電子部品等に使用される。半田付けが可能。主に磁力を発生させる目的で鉄芯に巻いて電磁石にする。コイルやトランスにもなるため、インダクタともいえる。

MLCC(えむえるしーしー)

(Multi Layered Ceramic Capacitor)積層セラミックコンデンサ。誘電体と電極を多層にして小型化している。高周波での特性が良いので、近年多くの電子回路に使われる。電動化が進む電動車(EVやHEVなど)にも導入が進む。特性改善や小型化が今後も期待される。村田製作所や太陽誘電などの電子部品メーカがつくっている。

LCRメータ(えるしーあーるめーた)

回路部品のインダクタンス(L)・静電容量(C)・抵抗(R)を測定する測定器。交流を印加し、部品の複素インピーダンスを等価回路で測定できる。おおよそ数百kHzまでをLCRメータといい、MHz以上の周波数になるとインピーダンスアナライザと呼ばれる(メーカによって決まりはない)。通常、集中回路定数はR(抵抗)と周波数に影響されるリアクタンス(キャパシタンスCとインダクタンスL)の3つが定義されている。順番はRが最初でCかLと続き、説明される。なのでRCLが略称だが、逆の順番でLCとRとしたのがLCRの由来と思われる。低周波の発振器であるRC発振器などとは違い、RよりもLを最初にしている。HP(現キーサイト・テクノロジー)やWAYNE KERR(ウエインカー)などの海外メーカがLCRメータの走りだが、命名のはじめは不明。LCRメータの世界No.1メーカはキーサイト・テクノロジー。インピーダンス計測のラインアップが多く、低周波から高周波まである(インピーダンスアナライザやネットワークアナライザでは業界標準といえる)。日本では桑野電機や安藤電気がラインアップしてきたが撤退した。エヌエフ回路設計ブロックは長らく1モデルを続けていたが、最近ラインアップを増やした(同社にはFRAがありその分野からのアプローチ)。日置電機はLCR部品メーカの生産ライン向けのLCRメータで高シェアで、MHz帯域の汎用モデルも開発し、現在の国内シェアではトップクラス。国内のLCRメータ・インピーダンスアナライザ市場はキーサイトと日置になった。

LC共振(えるしーきょうしん)

(LC resonance)L(コイル、インダクタンス)とC(コンデンサ、静電容量)で構成された電気回路は特定の共振周波数をもつ。そのため、特定の周波数の信号の生成や、特定の周波数の抽出ができる。チューナーや周波数混合器、発振やフィルタ回路などの電気回路、電気機器に使われる。共振は物理の重要な現象で、地震で建物が揺れる振動数が建物に固有の値である(固有振動数)ために、その建物に特有の揺れ方をすることは知られている。電気回路の共振とは、LとCを直列(や並列)にした回路がLとCの値で規定される特定の周波数で特異な現象になる(電流や電圧やインピーダンスが特長的な値になる)ことをいう。LとCの単位はL[H(ヘンリー)]、C[F(ファラッド)]。参考用語:リアクタンス、ファブリペロー共振器

エレクトロメータ(えれくとろめーた)

電荷や電流などの小さな電気量を精度良く測定できる測定器。ピコアンペア(pA)程度の微小電流を測定する機器(=ピコアンペアメータ、ピコアンメータ、pAメータ)とほぼ同じ測定器。電荷に注目したか、微小電流に注目したかで命名されている。海外メーカのケースレーがこの分野で有名。日本の老舗はエーディーシー(旧アドバンテスト)で、同社HPの「エレクトロメータ」製品ページに、「エレクトロメータ」「超高抵抗/微少電流計」という品名の製品が並ぶ。ケースレーには「6517B エレクトロメータ/絶縁抵抗計」という製品がある。エレクトロメータと絶縁抵抗計の主な仕様は似ている製品もあり、明確な違いの定義は難しい。微少電流=高抵抗(絶縁抵抗)。エーディーシーはエレクトロメータで、「絶縁抵抗計」と名の付く製品は無い。日置電機や共立電気計器は絶縁抵抗計で「エレクトロメータ」という品名は無い。可搬型の現場用の小型製品は絶縁抵抗計(メガー)で、エレクトロメータはベンチトップ。絶縁抵抗計は「絶縁を検査するために」高抵抗を測定するので、高抵抗計であるエレクトロメータと同じだがアプリが違うともいえる。日置電機HPの製品ページでは「DMM・テスタ・現場測定器」の分類に絶縁抵抗計を掲載し、「LCRメータ・抵抗計 」の中の「超絶縁計/高抵抗計/ピコアンメータ/エレクトロメータ」という表題にSM7xxx、SM-82xxなどの超絶縁計を掲載している。同社は現場測定器(テスタ)メーカとして有名だが、最近はLCRメータも注力して機種群を増やした(超絶縁抵抗計は東亜DKKから製品移管してラインアップに加わった)。エレクトロメータ、高抵抗測定器は「現場測定器の絶縁抵抗計ではなく、LCRメータのような部品評価用途のベンチトップ製品」という考え方がHPの掲載からうかがえる。部品メーカでは絶縁抵抗(Insulation Resistance)を測定する測定器を「IRメータ」と呼称している。エーディーシーは2019年1月にモデル4000、IRメータを発売した。日置電機の絶縁抵抗計の現役モデルの形名はIR4000シリーズである。今後は「IR」がエレクトロメータ、絶縁抵抗計の主流な呼称になる気配が感じられる。品名がエレクトロメータなのはケースレーやキーサイト・テクノロジー、エーデイーシーというSMUのメーカともいえる。

オートディスチャージ機能(おーとでぃすちゃーじ)

絶縁抵抗計などの便利な機能の1つ。共立電気計器の用語集では「絶縁測定が終了すると自動的に充電した電荷を放電する機能」と説明されている。

回路素子測定器(かいろそしそくていき)

電子回路に使用される素子の値を計測する測定器。代表はLCRメータ。R測定に特化した抵抗計は種類や名称が多い。高抵抗を測定する絶縁抵抗計、超絶縁抵抗計、メガーやエレクトロメータ、IRメータ。低い抵抗を測定するミリオームメータ、接触抵抗計。接地抵抗計や抵抗ブリッジ。Cを測定するのはキャパシタンスメータ、容量計で、LCRメータのNo.1メーカであるキーサイト・テクノロジーなどが発売していたが、現在はほとんど生産中止になっている(需要が無くなったと推測される)。L(インダクタンス)の値を測定する専用器は無い(通常はLCRメータで測定する)。トランスなどの変圧器のコイルの巻き線比はレシオメータで測定できる。LCRメータはインピーダンスを測定して、等価回路(RとCの直列とか、RとLの並列とか)によって抵抗成分(R)とリアクタンス成分(CやL)の値を算出する。なのでインピーダンス測定器である。DUTに印加する信号の周波数が1MHz付近を境に品名が、LCRメータ(50Hz、100kHzなど)、インピーダンスアナライザ(3MHz、3GHzなど)と分かれていたが、最近は境が曖昧になっている。回路素子測定器が測定するL、C、Rは集中定数であり、高周波で使われる電子分品などを分布定数で評価するのはネットワークアナライザ(ネットアナ)になる。そのためネットアナやFRA(周波数特性分析器)と一括りにした分類をされることもある。DUTを接続する治具(じぐ)は両者に共通で、DUTに応じた治具のカスタマイズも行われている。また、LCRメータは材料評価にも使われるので、B-Hアナライザのような磁性体測定器と同じ分類にしている計測器の解説書(事典)もある。メガーのような現場測定器はそれだけで一群をなしているので、たとえば日置電機は絶縁抵抗計と回路素子測定器(LCRメータ)を別分類にしている。メガーは電気機器の絶縁状態を確認する保守用途であり、抵抗測定はその手段に過ぎない。メーカによっては電子部品の抵抗成分を測定するインピーダンスメータなどの回路素子測定器に絶縁抵抗計を分類していないケースもある。

カソード(かそーど)

(cathode) 電子部品で、外部回路へ電流が流れ出す電極のこと。反対の電極をアノードという。真空管、ダイオード、電池などにはアノードとカソードがある。CRT(Cathode Ray Tube)は日本語で「陰極線管」。つまり、真空管ではカソードは陰極と呼ばれる。正極・負極という表現もあり、カソードは、真空管では負極、電池の場合は正極。電力用のスイッチに使われる半導体素子のサイリスタにもアノードとカソードがある。

活線メガー(かっせんめがー)

通電状態で使用出来る絶縁抵抗計。

カラーコード(からーこーど)

電子部品の数値などの仕様を色で部品に示したもの。例えば抵抗は4色の線が部品にある。左から2つが数値、3つめが乗数、一番右が許容差を示す。0は黒色、1は茶色・・・9が白色と決まっている。JISで規定されていて、その部品(抵抗)が何オームか色を確認したらわかるようになっている。

簡易接地抵抗計(かんいせっちていこうけい)

通常の接地抵抗計には精密測定と簡易測定の2つの機能があるが、簡易測定だけに特化して、形状もペン形にした共立電気計器のオリジナル製品。形名KEW 4300。接地棒のいらない簡易測定専用ペン型簡易アースになっている。