計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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RGB(あーるじーびー)

色の3原色のこと。赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の原色の混ぜる具合で幅広い色を再現する手法や、その割合、表示装置に送る信号などを指す。RGBは3色の頭文字。 TVやDVDプレーヤなどの映像機器の接続にはR、G、Bそれぞれの信号線がある。近年薄型テレビなどの新しいディスプレイが発売され、4K/8K放送が始まり、モニタが高精細になっている。光と色の測定器である輝度計や色彩計などもそれに対応して高性能になっている。コニカミノルタやトプコンテクノハウスなどがカラーアナライザ、色彩輝度計、分光放射計などの製品群をシリーズ化、改良して、新製品を発売している。

IMO塗装性能基準(あいえむおーとそうせいのうきじゅん)

塗装は、船舶の状態を良好に維持すると共に保守を容易にするため非常に重要なものである。また、建造段階における施行品質が将来にわたる塗装の維持に大きな影響を与える。このような塗装の重要性に鑑み、国際海事機構(IMO:International Maritime Organization)は2006年12月8日に通称PSPCと呼ばれる塗装性能基準を採択した。 また、IMOはPSPCを強制化させるSOLAS条約2-1章3-2規則の改正を同時に採択した。PSPCの90/10ルール : 「全膜厚測定点の90%は塗料スペックが求めるNDFT(公称乾燥膜厚)以上で、なおかつ残り10%の膜厚は0.9×NDFTを下回らないこと」を意味する。この90/10ルール対応機能を搭載した膜厚計も登場している(例:フィッシャー・インストルメンツのMP0R、FMPシリーズ)。IMO塗装性能基準のことを別名、PSPCともよぶ。PSPC:Guidelines for Performance Standard for Protective Coatings contained in IMO Resolution MSC.215(82) (フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

ICP(あいしーぴー)

(Integrated Circuit Piezoelectric、Inductivery Coupled Plasma) 2つの意味がある。 1.圧電式の振動センサ(加速度ピックアップ)の内、アンプ内蔵型のもの(IEPE)の別称。PCB Piezotronics,Inc(略記BCP社)は1967年に米国で設立した圧電式センサのトップメーカだが、同社のIEPEの商標がICPである。Integrated Circuit Piezoelectricを直訳したら「IC(集積回路)圧電」である(圧電素子がICとしてチップになっている、とでもいう意味か)。 物理量計測センサの技術があり、「買ってすぐ使える」計測器がポリシーのイージーメジャー社にはユニークなデータロガー「マルチセンサ入力対応小型高速データロガCCM(Condition Catcher Multi)」がある。振動センサに対応した測定ユニットの形名はCCM-IEPE1で、カタログには「適合センサ:IEPE(ICP)」と書かれている。つまり、圧電式加速度ピックアップでアンプ内蔵型のものを、IEPEやICPと表記している。つまりICPはデータロガーや振動計測では一般的なことば(周知の用語)として使われている。 2.誘導結合プラズマ。この原理を使った発光分光分析装置を指すこともある。

アジレント・テクノロジー(あじれんとてくのろじー)

(Agilent Technologies) HP(Hewlett-Packard、ヒューレットパッカード)のIT器機以外の部門を継承した会社で、1999年にHPから分社して設立した。化学分析・ライフサイエンス事業と電子計測事業があったが、後者は2014年に分割されKeysight Technologies(キーサイト・テクノロジー)となった。 アジレント・テクノロジーは横河電機のアナリティカル製品を吸収し、現在は科学分析機器の大手メーカ(ブランド)である。 会社の概要は「ライフサイエンス、診断、応用化学市場のリーディングカンパニー」だが、計測関連の用語としては、国産の島津製作所、堀場製作所などと並ぶ、科学分析機器のトップメーカである。代表的な科学分析機器である液体クロマトグラフィー(略称はLC:Liquid Chromatography、液クロ)メーカの1社である。毎年秋に開催される科学分析機器の展示会、JSAIS(以下に参考記事あり)などに出展している。 アジレント・テクノロジーの会社名は英語のagility(アジリティ)に由来する。日本法人(Agilent Technologies Japan, Ltd.)の本社住所は、キーサイト・テクノロジーの本社・八王子事業所と同じ東京都八王子市高倉町9番1号である。 中国地方を地場とする計測商社の新川電機が「 Agilent 社 GC、GC/MS、LC、ICP-MS の基礎およびメンテナンスセミナー」を主催したり、計装のエンジニアリングから理化学機器販売まで行う大手商社の西川計測ホームページには「アジレント・テクノロジー 新製品 Bond Elut HLB 固相抽出カラムや、原子吸光・ICP-OES・MP-AES・ICP-MS」などの販売キャンペーン情報が公開されている。真空機器のメーカ&商社である株式会社パスカルはアジレント・テクノロジーの真空機器の大手販売店の1社である。 HPは計測器で創業した会社だが、後にコンピュータに参入し、計測器は別会社になった(HPという名門の会社名は計測器ではなくIT機器が襲名した)。計測器の新しい会社名(ブランド)であるアジレント・テクノロジーも14年後に科学分析機器に譲り、計測器はキーサイト・テクノロジーというまた新しい会社となった。2023年現在、この会社名で継続しているが、やっと10年である。横河電機も計測器が創業当時の機種群だが、現在は計測器は別会社になっていて(横河計測)、同社の本業はDCSなどの工業計器である。 日本の高度成長時代(1955年頃~1973年頃)には電気計測器は時代の最先端で大手電機企業の系列会社に多くの計測器メーカがあったが、2000年以降は大手企業の主力事業ではなくなっている。海外ではM&Aが盛んで統合吸収された計測器メーカが多い(たとえばActerna、フォーティブなど)、HPの計測器・分析機器はアジレント・テクノロジー、キーサイト・テクノロジーとして生き残っている。オシロスコープの世界的トップブランドであるテクトロニクスも、日本法人はソニー・テクトロニクスから始まり、会社名はテクトロニクス社/ケースレーインスツルメンツ社などと変遷し、現在は「株式会社テクトロニクス&フルーク テクトロニクス社」となったが、Tektronixという名称が会社名で続いている。

厚さ計(あつさけい)

(thickness meter) 色々な物の厚さを測定する計測器を「厚さ計」と呼んでいる。塗装などの厚さを測定する可搬型モデルは、屋外での塗装時と保守用途で使われる(膜厚計と呼称されることが多い)。金属などの厚さを測る装置は各メーカの生産ラインに設置されて検査機器として稼働している(サイズは冷蔵庫くらいの大きさがある)。そのように測定対象と用途によって厚さ計の寸法と価格は大変幅が広く、使い方も様々だが、それらが皆「厚さ計」を品名にしているため、説明は広範にわたる。測定方式は超音波の他、電磁式、渦電流式、蛍光X線式などがある。可搬型モデルは通販でも購入でき、多くのメーカがある。 超音波式厚さ計は非破壊検査機器の範疇で、非破壊検査の計測・検査機器メーカの多くが厚さ計をラインアップしている(たとえばオリンパス)。Fischer(フィッシャー、本社:ドイツ)は皮膜測定と材料の特殊試験の専門メーカだが、塗装やメッキ皮膜の厚さ測定器の老舗である。厚さは長さという物理量なので、温度計のように物理量測定器ともいえるが、先述のように実際は非破壊検査メーカが多く作っているので、カテゴリーは科学分析機器といえる。

アルコール濃度計(あるこーるのうどけい)

(alcohol concentration meter) 濃度計の中で、アルコールの含有量(濃度)を測定するもの。飲酒運転の確認に使われることは大変良く知られている。一般に小型の可搬型が多い。通販でも売られ、多くのメーカがある。自動車の運転者に使われるものは「アルコール検知器」や「アルコールチェッカ」という品名が多い。 濃度計は各種のガス(二酸化炭素など)を検出して危険を知らせるもの(ガス検知器)や、微粒子濃度を測定するパーティクルカウンタの関連製品など、大変幅広い。製品名も濃度計ではないことも多い。 液体の屈折率から測定する製品の老舗であるアタゴ(国内メーカ)は、糖度計や濃度計を多くラインアップしている。この原理を応用した濃度計や糖度計は各社から発売されているが、カテゴリー(機種分類)が難しい(メーカや取り扱い商社によって、分類や区分が色々ある)。

EDX装置(いーでぃーえっくすそうち)

Energy Dispersive X-ray pectrometry(エネルギー分散型X線分析)の略。試料にX線を照射し、発生する蛍光X線のエネルギーを分析することで、試料を構成する元素の種類や含有量を調べる装置。(=蛍光X線分析装置)

一酸化炭素測定器(いっさんかたんそそくていき)

大気中に含まれる一酸化炭素の濃度を測定する機器。(=一酸化炭素濃度計、CO計)

一酸化炭素濃度計(いっさんかたんそそくていき)

大気中に含まれる一酸化炭素の濃度を測定する機器。(=一酸化炭素測定器、CO計)

一酸化炭素分析計(いっさんかたんそそくていき)

試料ガスに含まれる一酸化炭素(CO)の濃度を測定・分析する機器。

インデンテーション試験(いんでんてーしょんしけん)

(indentation test)ミリニュートン(mN)以下の非常に微小な力を加えて材料表面の極めて浅い層の硬さを測定する試験法で、金属、プラスチック、ゴムなど多くの評価に応用されている。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

渦電流(うずでんりゅう)

(eddy current) 金属板(アルミニウムなど)を強い磁界内で動かしたり、金属板の近傍の磁界を急激に変化させた際に、電磁誘導効果により金属内で生じる渦状の電流のこと。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より) 同社には渦電流を利用した膜厚計がある。非破壊検査には渦電流を利用した渦電流探傷(または渦流探傷、かりゅうたんしょう)がある。

渦電流探傷(うずでんりゅうたんしょう)

(eddy current testing) 渦流探傷(かりゅうたんしょう)の別名。金属表面の傷を検査する手法の1つ。渦電流探傷の検査機器メーカは、海外のBaker Hughes(Waygate Technologies)、FOERSTER(フェルスター)、国内の電子磁気工業、原電子測器などがある。ドイツのローマン(Rohmann GmbH)は世界初の携帯型の渦流探傷装置を開発し、高機能な装置をラインアップしている。 渦電流探傷と似た手法にサブサーフェスイメージングがある。これは電流経路を可視化することで、内部の状態を知ることができるため、非破壊検査に応用されている。非破壊画像検査とも呼ばれる。

雨量計(うりょうけい)

(rain gauge) 雨(降水)の量を計る気象観測機器の1種。漏斗型の受水器(直径20cm)を使って測定する。日本の気象業務法で、公共的な気象観測には検定に合格した「転倒ます型雨量計」などを用いることが定められている。株式会社大田計器製作所は雨量計のラインアップが豊富。

エアーサンプラー(えあーさんぷらー)

無菌設備等の清浄度を測定するために、大気中に浮遊する微生物を捕集する機器。

液クロ(えきくろ)

液体クロマトグラフィー(Liquid Chromatography)の略称。化学分野で使われる定性・定量分析装置。科学分析機器の代表的な機種。医療や製薬、食品、環境などの分野で広く使われている。同様にガスクロマトグラフィーは「ガスクロ」と呼称される。

液体クロマトグラフィー(えきたいくろまとぐらふぃー)

(Liquid Chromatography) 化学分野で使われる定性・定量分析手法だが、装置をさしていることが多い。装置のカテゴリーは科学分析機器。医療や製薬、食品、環境などの広い分野で使われている。「液クロ」といわれることが多い。メーカは国産では島津製作所、海外ではアジレント・テクノロジーなどがある。分析する対象物が液体ではなく気体の場合はガスクロマトグラフィ(ガスクロと呼称)。科学分析機器といえば、液クロ、ガスクロというほど、分析装置の代表製品。日本分析機器工業会(JAIMA:Japan Analytical Instruments Manufacturers' Association)のHPに詳細説明が掲載されている。

液体密度計(えきたいみつどけい)

環境機器・分析計の1種。液体内の密度を測定する機器。密度はあらゆる産業プロセスで重要な指標なため、高精度に液体密度を測定、分析する測定器やアナライザがある。メーカとしては横河電機やアズワンがラインアップしている。

液中パーティクルカウンタ(えきちゅうぱーてぃくるかうんた)

液体内の密度を測定する機器。パーティクルカウンタは微粒子をカウントして濃度を計測する測定器の品名。液体密度計とも呼ばれる。

SSPC(えすえすぴーしー)

Steel Structures Painting Council USAの略。米国鋼構造物塗装協会。