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- ライズタイムコントロール(らいずたいむこんとろーる)
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耐電圧試験器などで、試験電圧を徐々に規定電圧まで上昇させることができる機能。下降できる機能をフォールタイムコントロールといい、2つの調整機能は対で備わっている。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)
- LiDAR(らいだ)
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(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging) 日本語に翻訳すると「光検出と測距」、または「レーザー画像検出と測距」、「光による検知と測離」と解説されている。光を使ったリモートセンシング技術の一つ。近赤外光や可視光、紫外線を使って対象物に光を照射し、その反射光を光センサでとらえ距離を測定する。自動運転での導入が有望で、実用化が進んでいる。 日本メーカの製品開発の一例(2023年現在)。 京セラ(LiDARと画像センサを一体化)、小糸製作所(ヘッドランプ内蔵型の小型LiDAR)、コニカミノルタ(光学技術をLiDAR開発に応用)、東芝(高解像度の長距離測定技術を開発)、デンソー(トヨタの車種にLiDARを供給) また、京都大学ではLiDARに使えるフォトニック結晶レーザー(PCSEL)を研究し、ほぼ実用化(量産化)に目途がついた(以下のテクトロニクス・フォーラムが詳しい)
- ライティング・スピード(らいてぃんぐすぴーど)
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アナログ・オシロスコープの機能で、波形トレースを描画する速度。デジタル・ロジック信号のような、低い繰返し信号で高速に変化する信号に対しては機能が制限される。(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)
- ラインアイ(らいんあい)
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(lineeye) 京都に本社がある低速のプロトコルアナライザ(オンラインモニタ)のメーカ。2000年に、積水化学工業株式会社の電子機器開発メンバーがセキスイグループから出資を受けて設立した開発型ベンチャー企業。創業メンバーが1986年から積水化学工業で開発していた製品名(通称?)がラインアイだったといわれている。「line(データが流れる回線)のeye(目)」とは、オンラインモニタの名称(製品名)として、洒落たネーミングである。 現在の主力商品は、通信データ解析処理に関連する保有特許をベースとした小型で高性能のデータ通信用計測器(いわゆるRS-232Cなどのハンドヘルドのラインモニタ)やインタフェース変換器。 1980年以降のプロトコルアナライザ/オンラインモニタの概要(歴史)とラインアイの登場・位置づけを簡単に以下に述べる。 1970年代はマイクロプロセッサの登場と進歩によってコンピュータが発展を始めた時代である。当時はアナログの電話回線しか遠地への通信手段がなく、コンピュータのデジタルデータは、モデムを使ってアナログに変換され、電話回線によって伝送された。全国の端末と中央のコンピュータをつなぎ、JR窓口での乗車券発行(先の日付の指定席の予約)や、異なる銀行間の送金をATM端末で行うなどのオンラインサービスが始まると、データ通信の需要は増大した。データ通信のための基本的な計測器として、回線アナライザ、いわゆるプロトコルアナライザが1980年頃に登場する。遠地の複数のコンピュータをつないだオンラインのデータ通信は、需要とコンピュータの進歩によって増加し、プロトコルアナライザの需要も1980年代に増大した。社会インフラだけでなく工場内の通信もデジタル化されていった。1980年代にRS-232Cなどのプロトコルアナライザ(プロアナ)として、hp(当時はYHP)の4951A/Cなどがあったが、電電ファミリーの安藤電気は早くから電電公社(現NTT)にデータ回線のアナライザを納品してきたので、ポータブルのAE-5104B、AE-5105を同時期(1980年代)に発売して国内シェアNo.1となった。AE-5104は前身のAE-5103(ベンチトップ)を小型化して、プリンタオプションを装備した可搬型のラップトップ型計測器で、屋外にも持ち運べた。社会インフラとしてのオンラインデータ通信の増加、電子機器のデジタルI/Fの普及、工場内通信のデジタル化、などの時流に乗ってRS-232Cプロアナは広まり、安藤電気のAE-5104B/5105は国内の標準機種となった。 AE-5104/5105よりさらに小型のオンラインモニタ(シミュレーションはできず、オンラインでモニタができるプロアナ)の、みえちゃん(ビッツ社)やラインアイ(積水化学工業)も1980年代後半に発売された。プロアナはデジタル系の計測器のため、ICE同様に電子機器のベンチャー企業が参入しやすい。1990年代はISDNなどの高速デジタル通信サービスが開始され、LANの普及もあり、計測器メーカはISDNプロアナやLANプロアナをリリースした。低速のRS-232Cなどのプロアナは計測器メーカではなく新興ベンチャー企業のハンドヘルドのオンラインモニタが主流になっていき、2000年代以降、ラインアイがほぼ市場を独占した。 2024年現在、プロアナは2極化している。1つは、シリアルバスの普及によってバスアナライザといわれるモデルが活況。たとえばBluetoothプロアナでは、コーンズテクノロジーが販売する、テレダイン・レクロイが買収したFrontline(フロントライン)社製品や、ガイロジック株式会社が取り扱うELLISYS(エリシス)がある。高速のギガビットLANをキャプチャ―するSynesisは東陽テクニカが販売している。このように国産ではなく海外メーカが主体。また、大手計測器メーカは高速のプロアナからは撤退している(※)。 2つめはラインアイに代表される低速モデル。RS-485などは鉄道信号の通信規格などの使われていて、ラインアイ製品は事実上のデファクト・スタンダードになっている。ラインアイはUSB2.0のプロアナなど、新製品をリリースし続けているが、高速な規格のモデルはラインアップしていない。低速プロアナも計測器メーカではなくラインアイなどのベンチャーがメインプレーヤである。 1980年代からプロアナを発売し、2000年にラインアイとして独立し、可搬型の低速プロアナに特化し、2000年代にトップシェアとなった。現在のラインアイ社は大手計測器メーカではできないプロアナのポジションを確立している。 (※)安藤電気(現横河計測)は2000年代にプロアナを生産中止。キーサイト・テクノロジー(旧hp、YHP、アジレント・テクノロジー)もNetwork Analyzer J6800シリーズを2000年代に中止して以降は後継機種がなく、ほとんどプロアナから撤退状態が続いた。2020年頃から高速の通信規格であるPCI Express用のプロアナを発売している。P55xxAシリーズのPCIe GEN5用プロアナをKeysight World 2023に出展している。外観はマザーボード(Backplane)に刺したボード類で、一般的なプロアナとは異なる。PCIe 5.0は最先端規格なので、そのような規格には必ずプロアナが必要になる。高速のバスアナライザの1種といえる。 テレダイン・レクロイはオシロスコープが有名だが、最先端の規格に対応したプロアナメーカを買収し、バスアナライザのラインアップを充実させている。PCIe 5.0やMIPIなど、高速のプロアナ(シリアル通信のバスアナライザ)がある。これらキーサイト・テクノロジーやテレダイン・レクロイの例は、最先端の規格に対応したプロアナをつくったベンチャー企業を買収して自社ブランドにする手法である。送り返すが、大手計測器メーカはプロアナ(高速も低速も)を自社開発することはなくなった。
- ライントリガ(らいんとりが)
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(line trigger) オシロスコープのトリガ の1種。トリガソースの設定で、入力チャンネル以外にAC電源(line)が選択できる。観測信号に何らかゆっくりしたノイズ(変動)があった場合、ライントリガで同期する(安定しなかった波形の表示が止まる)なら、その原因は商用電源である。工場などで大型機器が稼働している近くでは、電源ラインの品質が良くない場合がある(オシロは実験室のベンチ上以外で使うことも多い)。 MSOが普及し始めた2000年代後半以降は、トリガタイプ(トリガの種類)が増え、ミドルクラスでは10種類以上が標準装備されている。タッチパネルの普及によって、表示画面上でゾーン(ウィンドウ)を指定するビジュアルなトリガ機能も備わってきている。それらに比べるとライントリガは地味だが、大切な機能の1つである。
- ラインモニタ(らいんもにた)
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(line monitor) オンラインモニタの略称。以前はLINEEYE(ラインアイ)社のプロトコルアナライザ(プロアナ)の品名だったので、「ラインモニタといえばラインアイ」だったが、現在は「プロトコルアナライザ―」を品名にしていて、ラインモニタという表現は製品説明などにされている(2022年、同社ホームページより)。 プロアナは、モデムやアナログ公衆回線(アナログの電話網)が遠方への主力の通信手段だった時代から、コンピュータの発達や銀行などのオンラインシステムの普及によって、通信計測器 の1カテゴリーとして多彩なメーカと製品群を形成した。1980年代には、国産では安藤電気、海外メーカではキーサイト・テクノロジーがRS-232Cプロアナの2大メーカであった。現在は、より高速の無線LANやバス通信が主力となり、プロアナは最先端の高速通信規格に対応するバスアナライザ や無線LANアナライザと、従来の低速なRS-232Cなどのオンラインモニタに2極化した。プロアナより「バスアナライザ(バスアナ)」と「ラインモニタ(オンラインモニタ)」の品名が目立つ。 PCのインタフェースは1990年代はRS-232Cだったが、現在は(USBが標準になり)使われていない。ただしプラントなどの工業分野や、鉄道などのインフラではRS-232やRS-449などの低速通信は今でも主流である。そのような分野向けに製品群を提供しているラインアイ社が低速プロアナメーカとして有名。ラインアイは住宅大手の積水化学工業の電子機器開発部門を祖に2000年に設立した。プロアナには後発で参入したが、大手計測器メーカがすべて撤退し、今では「ラインアイ」は低速用プロアナの代名詞である。ラインアイ社の競合はビッツ社のみえちゃん(※)やキャロットシステムズ社のキャロちゃんで、3社とも従来の計測器メーカではない。つまり、プロトコルアナライザは往年の計測器メーカではなくIT機器ベンチャー企業がつくる機種群になった(低速に限らず、ギガビットLANなどの高速通信も同様)。 日置電機などの電力測定器メーカは、電源ラインの品質を評価する「電源ラインアナライザ、PQA」をつくっている。パワーラインモニタなどの呼称がある。そのため、「ラインモニタ」を検索すると電源ラインのモニタ機器(計測器)もでてくる。ただしこちらは「電源ラインモニタ」であり、ラインモニタというと一般にはプロアナを指している。 (※)ビッツ社のみえちゃんはハンドヘルドのラインモニタの草分けだったが、2010年代に すべて販売中止になり、保守も終了した。同社は現在はプロアナはラインアップしていない。
- ラインレギュレーション(らいんれぎゅれーしょん)
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(Line Regulation)入力電圧が±10%変動したときの負荷への影響度を表す。通常は定電圧モードと定電流モードを個別に表す。出力安定度に対しラインレギュレーションは、入力の変動による影響成分のみの記載になる。(株式会社高砂製作所の用語集より)
- ラジオコミュニケーションアナライザ(らじおこみゅにけーしょんあならいざ)
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(radio communication analyzer) 無線機テスタの別称。安藤電気のAH-5432などの品名。無線機テスタとは、アナログ無線時代に、SG(Signal Generator)、PM(RF Power Meter、高周波電力計)、SA(Spectrum Analyzer、スペクトラムアナライザ)などが1台になった無線機の総合試験器。評価したい無線機と1回接続すれば、送信試験も受信試験もできるため、大変重宝された。 製品シェアは圧倒的にアンリツのMS555が高く、安藤電気の無線機テスタは限られた顧客にしかファンがいなかった。アンリツと安藤電気はNTTに通信測定器を納品する2社だが(電電ファミリー)、高周波、無線はアンリツが強く、安藤電気はデータ通信などの有線が強い(ただし高速のビット誤り率測定器などは安藤電気にはモデルがなく、アンリツは世界トップである)。有線通信の1種である光通信測定器では安藤電気は多くのラインアップがある。逆を言えばアンリツは光通信よりは無線通信に注力して、デジタル無線時代のNo.1無線通信測定器メーカの地位を築いたといえる(光通信より無線通信測定器のほうが市場規模は大きい)。安藤電気(現横河計測)も光測定器に特化して世界No.1の光スペクトラムアナライザをつくり続けている。 NTTドコモが3G(デジタル無線)を2001年から運用開始すると、デジタル無線機テスタはワンボックステスタと呼称されるようになっていき、無線機テスタというとアナログ方式という認識になった(古い名称という感覚 ※ )。ただし2000年代にはアンリツからMT88xxラジオコミュニケーションアナライザというワンボックステスタのシリーズが発売されている。そのため、「ラジオコミュニケーションアナライザ」の解説としては「デジタルの無線機テスタであるアンリツMT8800シリーズの品名」ともいえる。どちらにしてもラジオコミュニケーションアナライザとは無線機テスタの別称である。 ※ アンリツやキーサイト・テクノロジーと並ぶ無線通信測定器メーカであるローデ・シュワルツは基地局シミュレータ(シグナリングテスタ)やワンボックステスタを「無線機テスタ」の品名にしている。デジタル無線の測定器でも無線機テスタと呼び、ワンボックステスタという呼称はしていない。同じ計測器でもメーカが異なると名称が異なることは良くある。
- ラスタライザ(らすたらいざ)
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映像関連測定器の波形モニタ(TV信号の波形表示測定器)で、表示部分が無く外部のモニタに接続して使用するモデルのこと。表示画面がないため、ラスタライザは波形モニタよりも小型で、外観は操作部のみがある箱である。いわゆる波形モニタの1種だが、最近は大型ディスプレイが豊富なため、波形モニタには表示部分を無くして小型にしたラスタライザが、リーダ電子などから多く発売されている。波形モニタの最近のトレンドといえる。同社HPには波形モニタと同数以上のラスタライザのモデルが掲載されている(2021年9月現在)。同社の製品ページでは「波形モニター:映像信号や音声信号の品質を確認する液晶モニター一体型の計測器。ラスタライザー:映像信号や音声信号の品質を確認する計測器。薄型のラックマウントタイプで計測結果は外付けのモニターに表示。」とある。Rasterize(ラスタライズ)はコンピュータの画像データに関する用語。
- ラズパイ(らずぱい)
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(Raspberry Pi)ラズベリーパイの略称。ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。英国ラズベリーパイ財団によって開発された。OSが搭載されているため、モニター、マウス、キーボードを接続すると、単体でPCとして使える。同じく趣味の電子工作で人気のあるArduinoはOSが搭載されていないが、ラズパイほどプログラムが難しくないので初心者向き。簡単な電子工作か、複雑な処理をしたいかでどちらを使うか選択できる。2010年代にはラズパイで計測器をつくったり、制御したりすることがはやり始めている。当サイトの編集部員もラズパイで電子工作をした経験がある。 参考記事: 【編集後記】AIoT勉強会体験記/Googleスピーカー 【編集後記】AIoT勉強会体験記/ラズパイで自動議事録作成
- ラッチングリレー(らっちんぐりれー)
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(latching relay)接点を保持できる機能があるリレー。一般的にリレーは通電している間だけ接点は動作して、通電を止めると接点は復帰する。しかし、ラッチングリレーはパルス入力するだけで接点は動作状態を保持するので、連続通電の必要がない。メーカとしてはオムロンなどがる。
- ラップトップ型計測器(らっぷとっぷがたけいそくき)
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ラップトップ(laptop)「膝の上」という意味。1990年代のPCはデスクトップ (卓上)からハンドキャリーできる小型化が進み、板状のノートPCと、その中間のサイズでポータブル型のラップトップが発売された。ラップトップPCはノートPCほど小型ではないが、可搬できるサイズと重量で、使いたい場所に持ち運んで利用できた。欧米で使われている可搬型のタイプライターに外観は似ている(PCなので重量はタイプライターより重い)。手前のカバーを開けるとキーボードがあり、開閉した蓋の裏側は表示器(ディスプレイ/モニタ)になる。 1990年代の計測器でプロトコルアナライザ(プロアナ)などのデジタル系のものは、ラップトップPCに似た形状のモデルがあった。国内プロアナのトップベンダーだった安藤電気がAE-5105の次に開発した可搬型のAE-5106は構造がラップトップPCに似ている(余談だが、さらに小型のハンドヘルド型のAE-5108は、まるでビッツやラインアイのような形状だったが、競合に勝てずに短い販売期間で生産中止になったと記憶している)。当時、オシロスコープの老舗計測器メーカである日立電子も、ラップトップPCに似た構造の小型・可搬型のオシロスコープを発表していた(VC-5430は小型のB5サイズだが、構造はラップトップ。2ch、30MS/s、50MHz)。 当時普及しはじめたLANを評価するプロアナの代表であるsniffer(スニファー)などは(プロアナが屋外の現場で使うという特性から)可搬型のラップトップPCを流用して、ハードウェアはPCで、内部にプロアナをソフトウェアとして内蔵させ、外観はラップトップPCで、プロアナのモデル名を印字した機種があった。最先端技術の製品である小型化された可搬型PCを使って、最先端の計測器であるLANプロトコルアナライザを実現した例である。 HP(現キーサイト・テクノロジー)の1990年代のプロアナの代表であるネットワークアドバイザは、当時の通信規格であるLANやWANに広く対応した、可搬型の箱型の筐体だった。取っ手が付いた箱を使いたい場所に置き、蓋を開けると、キーボード(入力をする操作部)と表示部(モニタ)が現れるので、構造的にはラップトップPCに似ている。2023年現在、すでに生産中止だが、同社には「J7332A 無線LANアナライザ・ラップトップ」という名称のプロアナがあった。 「ラップトップ型キーボードを採用し、小型軽量でありながら優れた操作性を発揮」というキャッチフレーズのプロアナが現役モデルで販売されている(2023年1月現在)ので、ラップトップ型計測器は、数は減ったがいまだに健在である。
- LabVIEW(らぼびゅー)
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米国のNI(National Instruments、ナショナルインスツルメンツ、エヌアイと呼称)社が開発したプログラミング言語・開発環境。機能を持ったアイコンを線で接続してプログラムする。計測・制御・自動化で利用され、自動計測に最も適したプログラミング言語といわれる。モジュール式計測システム(PXIなど)はPC制御が多いためLabVIEWなどが使われる。電気計測器の標準室で行われる校正作業の自動化では導入率が高い。
- RAM(らむ)
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(Random Access Memory)ランダムにアドレスを指定して読み書きすることが可能なメモリ。電源を切ってしまうとデータが消えてしまう揮発性記憶デバイス。DRAM、SDRAM、SRAMなどの種類がある。通常、書き換え等が必要な変数領域、スタック領域、データエリアなどに使用する。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)
- RAMScope(らむすこーぷ)
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DTSインサイトの「制御ソフト検証ツール」の名称。組込みシステムに使われるマイコンのアルゴリズム変数を計測し、制御モデルのふるまいをリアルタイムに見える化する同社の看板製品。自動車の開発プロセスで、単体テストから実車計測までの幅広い工程で使われている。 RAMScope-EXG(GT170シリーズ)は電源通信モジュール(GT170U01)に各種の計測モジュールを追加(スタック)することで構成される。計測モジュールにはRAM計測モジュール(GT171M01)、CAN計測モジュール(GT171C01)、AD計測モジュール(GT171A01)などがある。 組込み機器や車載機器市場で長年事業展開してきた同社が、車載機器のV字の開発工程で提案する(HILSなどのMBD製品とは異なる)ユニークなオリジナル製品である。 DTSインサイトは組込み機器市場の大手メーカ。1990年代初めに発売したadvice(アドバイス)はICEのトップブランドとして長くヒットした。JTAGなどの登場や国内の携帯電話開発メーカ数の減少によって(2010年代に)ICE市場が激減して(adviceの売上も共に減少)以降は、車載機器の計測・評価支援や、生体情報システムなどの医療機器、デジタルテレビジョン放送の監視・解析・計測機器など、ICE以外の事業を幅広く行っている。現在でも「組込み機器の開発支援や受託開発」をする大手企業の1社である。組込み機器のSIer(エスアイヤー)といったら少し大げさであろうか。 社名のDTSは全角である(通常、大文字の英字は半角が一般的)。カメラで有名なCanonはキャノンではなくキヤノンで、「表記を間違いやすい」という点で似ている。2文字目はャ(小文字)ではなくヤ(大文字)だが、Canonのことを発音する時は、キヤノンではなくキャノンといっている(キヤノンと発音している人はほぼいない)。表記「キヤノン」と(一般に流布している)発音「キャノン」が違っている、大変珍しい会社名である。通常の発音に惑わされて表記を「キャノン」にしてしまうと、ビジネスマンとして恥ずかしいことになるので(Canonは世界的な大企業なので)注意が必要である。つまり、会社名「キヤノン」は、それを正確に読むと、ki-ya-no-nなのだが、世間一般にはキとヤを別々になど発音せず、kya-no-n(キャノン)と呼称している。DTSインサイトのDTSが全角な理由は不明。
- LAN(らん)
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(Local Area Network) 広域通信網(WAN)とは違い、限られた範囲の閉じたネットワークのため、日本語では「構内通信網」や「ローカルネットワーク」と呼ばれたが、現在ではLANが日本語になっている。1990年代に、より対線(ツイストペア)・同軸ケーブル・光ファイバを使って同じ建物の中にあるコンピュータ同士を接続し、データをやり取りすることで普及した(つまり構内のネットワークだった)。当初は通信速度10G(10ギガ)bpsの規格として、10BASE-T(テンベースティー)、10BASE-2、10BASE-5などがあり、現在のPCの標準インタフェースとしてRJ45(モジュラージャック)が採用されている。LANはイーサネットとほぼ同義である。 現在ではWi-Fi(ワイファイ)などの無線LANが普及したため、当初のLANは区別して有線LANと呼ばれる。有線LAN(Ethernet、IEEE 802.3)と無線LAN(Wi-Fi、IEEE 802.11)はIEEE(アイトリプルイー)の規格が違う。また高速のギガビットLANや工場などの産業用途のEtherNet/IP、自動車内への導入が進む車載Ethernet など、LAN(やイーサネット)は各種に応用されていて、単にLANというだけでは特定できないようになっている。LANやイーサネットということばが使われる高速通信規格は、実はLAN(イーサネット)の基本仕様とは異なっていることも多いが、LAN(イーサネット)が大変普及したことばのために、新規規格の名称にLANやイーサネットが良く使われる。LANを正確に説明することは大変難しくなった。
- LANケーブル(らんけーぶる)
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LANに使用するケーブル。規格によってカテゴリー番号がある。
- LANケーブルメータ(らんけーぶるめーた)
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LANに使用するケーブルの性能を試験する機器。LANが普及したことで、LANケーブルメータは工事や保守などで使うレイヤ1テスタとして重宝されて入れている。ケーブルテスタの計測器メーカとしては海外のフルーク・ネットワークス社が有名(元はフルーク社だったが、別会社になった)。別名:デジタルケーブルアナライザ。参考用語:ケーブルテスタ
- ランダム誤差(らんだむごさ)
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(Random error) 偶然誤差とも呼ばれ、測定ごとにばらつく誤差をいう。この誤差は毎回ランダムな値をとるので測定後に取り除くことができない。
- ラントトリガ(らんととりが)
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(runt trigger) ラントパルスを検出するトリガタイプ(トリガの種類、トリガ機能)。デジタル回路ではパルス列によって1/0(信号のhigh/low)を表現している。パルスの大きさ(電圧値)とその時間幅(パルスの長さ)は、普通は機器の設計仕様によって規定されている。時間ドメインの検証にはパルス幅トリガでパルスの長さ(不良なグリッチ)を、立ち上がり/立ち下がり時間トリガでエッジの時間を確認する。電圧(縦軸)ドメインの検証を行うのがラントトリガである。 runtとは「ちび」(小人を蔑んだ呼び方)で、電圧値が規定に達しないパルスはhighやlowを正確に表さない、振幅が小さい不良パルスなので、ラントパルス(ちびパルス)と呼んでいる。ラントパルスとグリッチは電子機器で不定期に発生することが多く、発生頻度の少ないラントパルスやグリッチを検出して、電子機器の品質を向上させるためにラントトリガやパルス幅トリガ(グリッチトリガ)は使われる。 立ち上がり/立ち下がり時間トリガと同じく、時間と上限値/下限値(high level、upper level / low level、lower level)を設定して、何Vから何Vの間の何秒のラントパルスを検出するかを選べる。