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- ARM(あーむ)
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[半導体デバイスメーカ関連] RISCプロセッサで有名な英国のARM社のこと、またはARM社が提供するプロセッサ設計データ(ARMアーキテクチャ)を元に製造されたマイコンの総称。ICEに慣れた人はARMと表記するが、一般には「アーム」と表現されることの方が多い。 ARM社は電子回路の開発・設計をする英国企業で、自社工場を持たず製品販売もしないが、米国インテル、モトローラなどがARM社とライセンス契約をしてARMマイコンを製造・販売した。設計データはARM6、ARM10など複数のアーキテクチャがあり、アーキテクチャをカスタマイズできるライセンス契約をしたインテルのようなメーカはStrongARMと呼ぶ製品を自社開発した。消費電力あたりのパワー効率が高い為、2000年代には携帯電話の組込み用マイコンとして世界でもっとも多く採用された。ARM社自身はICチップの製造・販売などは行わず、設計情報をチップメーカーに提供し、製品の販売額などに応じたライセンス料を得る事業モデルである(ファブレスのさらに一歩進んだモデル)。 ARMは「Advanced RISC Machines」の略で、CISCの特長も取り入れたRISCといえる。「ARMアーキテクチャ」は「ARM系プロセッサ」とも呼称される。ARM系プロセッサはメーカが異なっていても命令セットを共有しているためソフトウェアの互換が容易で、組込みシステム(産業機器や家電製品の一部として組込まれるコンピュータシステム)への採用が進んだ。マイクロプロセッサ市場のうち、パソコン向けはインテルの86系プロセッサと各社の互換製品(サードパーティ)が主流だが、スマートフォンやタブレット端末などの携帯機器ではARM系製品のシェアが高い。インテル系製品の強かったサーバ市場でも、サーバ向けに特化したARMプロセッサが開発され、電力効率を重視するデータセンターなどに導入が始まっている。 まとめると、ARMとはマイクロプロセッサの設計を行なう英国企業。また同社によるマイクロプロセッサの設計(アーキテクチャ)や、それに基づくプロセッサ製品などの総称である。 日本のキャリア(携帯電話事業者)であるソフトバンクは2016年にARM社を傘下に収めた(ソフトバンクはITベンダーから始まり通信事業者になったが、さらに半導体メーカまで吸収した)。GPU大手の半導体メーカであるNVIDIA(エヌビディア)はインテル、AMDというCPUメーカに対抗して半導体市場のNo.1デバイスメーカになろうと、2020年にソフトバンクからARMを買い取ると発表したが、欧州での規制をクリアできず2022年に断念している。 ARMのビジネスは図面のライセンス。これは半導体の工程の上流を抑えていることを意味する。微細加工の進歩による集積度の向上で高密度チップにはトランジスタが数百億個あり、今後も増えつつける。 「建築にたとえれば、1つのチップを設計する作業は、大都市を丸ごと設計するようなもの。能力のある設計事務所でも、ビルや住宅などの細かい部分は出来合いの図面を買ってきて貼り合わせたり修正したりしながら、都市全体の図面を描いていくしかない。アームはビルや住宅の図面を設計事務所に売る会社である。2021年8月に英国政府の競争・市場庁は買収に異議を唱える報告書を公表した。欧州最後のテクノロジー企業が米国人(エヌビデイア)に売却されようとしている。」(「2030 半導体の地政学」 2021年11月 日経BP発行、より抜粋) インテルさえもARMから図面を買わないと設計ができない。ARMだけでなく、最先端の露光装置でオンリーワンのASLM(オランダ)などは、半導体で欧州が存在価値を示す切り札といえる。半導体が純粋な技術の話ではなく、軍事などの経済安全保障の問題である所以である。 計測器情報:ARM関連のICE製品例
- Acterna(あくてるな)
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2000~2005年に存在した通信計測器メーカ。短期間で無くなったので、今となっては実態が良くわからず「謎の通信計測器メーカ」である。ただしネット上にはActerna製の製品カタログも検索でき、(日本だけでなく世界の)通信計測器業界に爪痕を残した。WWG(Wavetek Wandel Goltermann)は米国の計測器メーカWAVETEK(ウエーブテック)とドイツの通信計測器メーカWandel&Goltermann(ワンデル・ゴルターマン)が1998年に合弁した会社だが、さらにハンドヘルドの計測器メーカTTCが2000年にWWCに合併してActerna(アクテルナ、またはアクターナと呼称)が設立された。当時の日本はCATVの普及期で、Acternaはケーブルテレビ用の計測器をInterBEE(インタービー、放送・映像関連の大きな展示会)などに出展していたが、当時の日本での正式な企業名は今となっては不明(アクテルナ・ジャパンのような日本法人があったかもしれない)。 2001年に有線通信測定器の老舗、安藤電気が大株主をNECから横河電機に変更(身売り)することに造反して、安藤電気の計測器事業部の技術マネージャを含む複数の技術者がActernaに転職している(つまり、通信計測器の老舗 ワンデル・ゴルターマンにウェーブテックが合流したActernaは、当時の通信計測の技術者にとって魅力的だったと推測される)。Acternaは光ファイバ用計測器をラインアップするJDSU(旧JDSファイテル)に2005年に買収され、さらに2015年に計測器部門が分割されて現在はViavi Solutions(ヴィアヴィソリューションズ)になっている。 2000年当時は、ドイツのワンデル・ゴルターマンと(フルーク製品の一部を吸収した)米国ウェーブテックという老舗メーカが合体したWWGは、キーサイト・テクノロジーに対抗する通信計測器の1極と思われたが、それを継承したActernaはJDSUに吸収されて数年間で消滅した。JDSUがWWGを飲み込んだのは、従来のデータ通信(プロトコルアナライザなど)や伝送・交換装置用測定器(SDH/SONETアナライザなど)という機種群の計測器は、もっと大きな光通信の市場(光部品や光伝送機器)に取り込まれていったという背景がうかがえる。 光通信測定器と無線測定器を継承したViavi Solutions以外の海外の通信測定器メーカとしては、EXFO(エクスフォ)が光通信の基本測定器(光パワーメータや光源など)と、ネットワークや伝送機器の評価測定器(ギガビットイーサネットなど)をラインアップしている。国内の光通信の測定器は横河計測(旧安藤電気の光測定器を継承)が健在。LANやOTDR(光パルス測定器)などの可搬型のケーブルテスタではFlukeNetworks(フルーク・ネットワークス)が専業メーカとして有名。米国のVeEX(ヴィーエックス)も可搬型の通信計測器を中心にラインアップし、国内総代理店のメインテクノロジーが多くの展示会に出展している。
- ATAPI(あたぴ)
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AT Attachment Packet Interface の略。IDEコントローラにCD-ROMドライブなどハードディスク以外の機器を接続するために考案されたデータ転送方式の規格。ATAとATAPIは当初は別の規格であったが、ATA-4で「ATA/ATAPI-4」として統一された。
- ACK(あっく)
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(psositive ACKnowledgement) データ通信の制御手法で、「肯定応答」のこと。受信側が正しく受信したことを送信側に知らせるために送る受信確認情報。データ通信では、データが届いたかどうかを送信側・受信側で確認をし合う。ACKはデータパケットがうまく受信されたことを示し、他方、NACK(Negative ACKnowledgement、否定応答)はデータパケットがうまく受信できなかったことを示す。acknowledgementは「受領確認」の意味。「ACKが送られてこなければ失敗」、「NACKが送られてこなければ成功」のようにACKかNACKのどちらか1つで運用されることも多い。
- advice(あどばいす)
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横河ディジタルコンピュータ(現DTSインサイト)のICE(開発支援装置、エミュレータ)の名称。1980年代に多くの計測器メーカはICEをつくっていた。ただし非計測器メーカ(株式会社ソフィアシステムズなど)がシェアを伸ばし計測器メーカは苦戦していた。横河電機は1990年に発足した横河ディジタルコンピュータ株式会社にICE製品を移管し、advice(advance ICE、前進するICE、高度なICE、という意味を込めたと推定)と称して、横河電機時代とは違う製品群を発表した。以降、ソフィアシステムズと横河ディジタルコンピュータ(略称YDC、わいでぃしー)はトップ2社としてシェアを競った。フルICEからJTAGまで多種を販売し、現在もadviceという製品群は現役。2000年代以降のICE市場の縮小(フルエミュレータからオンチップエミュレータへの移行)によりadviceは会社の主力製品ではなくなった。ICEメーカの雄、ソフィアシステムズは1980年にICEに参入したベンチャー企業だが、2013年には株式会社Sohwa&Sophia Technologiesに社名変更し、現在はICEは生産終了している(Universal Probe Blueを 2021年9月30日で販売終了)。現在のICE製品は非計測器メーカ(コンピューテックス、京都マイクロコンピュータなど)と半導体デバイスメーカ(ルネサスエレクトロニクス、TEXAS INSTRUMENTSなど)と海外メーカ(LAUTERBACHなど)が担っている。adviceは唯一残った国産計測器メーカ系ICEである。 1990年の横河ディジタルコンピュータ設立はディジタルコンピュータ(株)、横河ユーシステム(株)の合弁によるが、現在、ディジタルコンピュータは株式会社ワイ・ディー・シーという社名で継続し、現存している。なので、adviceのYDCはこの現存する会社YDCとは別である。横河電機の代理店で、分析機器など多くの機種群を取り扱う東京電機産業株式会社は、横河ディジタルコンピュータ(YDC)設立後にadvice専門の販売会社、ワイデーシステム(略称:YDS)を作り、大手電機メーカなどに売上を伸ばした。いまは会社は現存しないが、YDSとは、YDCの関連会社を思わせる絶妙なネーミングである。北陸の富山に本社がある「ワイディシステム株式会社(YD System Corporation、旧横河電陽社)」は横河電機の北陸地区の代理店である。このように横河電機の関連会社ではYD(ワイディー)は大変好まれて使われている(理由は不明)。
- AMETEK(あめてっく)
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米国ペンシルバニア州バーウィンに本社がある、世界的な電子計測器&電気機械器具メーカ。「モータなどの電動機器、航空機用の計器、精密機器、分析機器、各種計測機器のメーカ」とも説明されている。計測器から分析機器まで多くのメーカが傘下にあるので実体がわかりにくい。計測器と分析機器に絞って概要を述べる。 AMETEK,Inc.は電子機器グループと電気機械グループの2つの事業グループで構成されている。電子機器グループは4つの市場グループ(プロセス&アナリティカル、航空宇宙、電力、工業)に分かれている。AMETEK材料分析部門はプロセス&アナリティカルマーケットグループに属し、Amptek、AMT、CAMECA、EDAX、SPECTRO(スペクトロ)、Vision Researchのビジネスユニットで構成されている(これらは事業部名やメーカ名)。SPECTROは科学分析機器(固体発光分光分析や蛍光X線分析装置など)をつくっているメーカ。Vision Researchは高速度カメラの世界トップベンダである。 AMT(Advanced Measurement Technology)は事業部で、電気化学測定装置や材料評価装置の開発・製造向けの機器をつくっている。Princeton Applied Research(プリンストン・アプライド・リサーチ)、Solartron Analytical(ソラ―トロン)、Signal Recoveryなどのブランドがある(これらは吸収した会社名)。ロックインアンプ、ガルバノスタット、クライオスタット、ポテンショスタットなどもラインアップする。ソーラートロンは、自動車向け電池セルの大型化や水素社会の実現に向けた水電解セルの実証実験など、大電流計測のニーズ急増に応えて、SI-9300R-SAを2024年に開発した(従来のポテンショスタットや直流電源では対応できなかった測定ニーズに応える革新的な大電流ポテンショスタット)。高さ3Uの省スペース設計でありながら200Aの電流を実現し、サイクリックボルタンメトリー、パルス測定、インピーダンス測定など、多様な測定手法に対応した。アノード/カソード電圧の同期測定や多点温度測定など、特殊な測定機能も充実させた。 EMC関連機器はCTS(Compliance Test Solutions)と称するグループになっている(日本では「アメテック CTS事業部」)。EM TEST、Teseq(テセック)、IFI、Milmegaなどのブランドがある。テセックは国産のノイズ研究所がラインナップしているようなEMC関連のアナライザをつくっている。日本では東陽テクニカのマイクロウェーブ部門が販売店をしている。EMC用途のRFパワーアンプが有名なAR/RF Microwave Instruments社(略記:AR:Amplifier Research、商標:ar)は、2023年10月23日にAMETEKグループになることを発表した(国内総代理店の日本オートマティックコントロール株式会社のHPに告知されている)。 AMETEKのどの事業部門に属する(どこの配下か組織はよくわからない)が、AMETEK Programmable Power(アメテック プログラマブルパワー)という計測用電源の会社がある。日本では東陽テクニカ(eモビリティ計測器が担当、2024年4月現在)や半導体製造装置の輸入商社 テクノアルファ株式会社(※)が販売をしている。AMETEK Programmable Powerは以下の電源メーカ(ブランド)の総称で、会社としての実態はないかもしれない。 ・Sorensen(ソレンセン):1943年設立。1994年にELGAR社に買収され、2008年にELGAR社とともにAMETEK傘下に。直流電源をラインアップ。 ・ELGAR(エルガー):1965年設立。1994年にSorensenを買収、2008年にAMETEK傘下に。シミュレーション電源をラインアップ。ソーラーアレイシミュレータ(太陽電池模擬電源)やバッテリシミュレータがあり、パワーコンディショナの評価に使われている。シミュレーションができるということは電子負荷装置の技術があると推測される。 ・California Instruments(カリフォルニアインスツルメンツ):1961年設立。2007年にAMETEK傘下に。交流電源をラインアップ。航空機器搭載機の認証試験や自動試験に対応。エヌエフ回路設計ブロックがAC電源のラインアップを広げるときに参考にしたといわれる。 (※) テクノアルファはLabVIEWを使った検査装置ベンダの株式会社ペリテックを2011年に子会社にしている。両社はともに多くの半導体顧客に販売実績がある。
- ARIB(あらいぶ)
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(Association of Radio Industries and Businesses) 無線通信分野の国内標準化機関。日本語名は「一般社団法人 電波産業会」。通信・放送分野の電波利用について、調査、研究、コンサルティングなどを行っている。 設立:1995年(平成7年)。財団法人電波システム開発センター(RCR)と放送技術開発協議会(BTA)の事業を引き継ぎ、1995年に郵政省(現総務省)の許可を受けて設立(電波法の規定により「電波有効利用促進センター」として郵政大臣から指定され)、2011年に内閣府の認可を得て一般社団法人へ移行。 設立趣旨:通信・放送分野の新たな電波利用システムの研究開発や技術基準の国際統一化等を推進し、国際化の進展や通信と放送の融合化、電波を用いたビジネスの振興などに迅速、的確に対応できる体制の確立を目指す。 会員数:正会員 191、賛助会員 64、規格会議委員所属法人 12(2023年10月2日現在) 日本語正式名称の「電波産業会」よりも略称であるARIB(アライブ)の方が大変よく使われている。似た名前の団体に「一般財団法人 電波技術協会」(REEA)があり、両者を並べると、産業会より技術協会のほうが格式や権威ある名称のように素人には思えるが、ARIBの方が有名で権限がある。
- Arduino(あるでゅいーの)
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ワンボードマイコン(シングルボードコンピュータ)の一種。「Arduinoボード」(ハードウェア)と「Arduino IDE」(ソフトウェア)で構成される。2005年にイタリアで、コンピュータに詳しくない初心者向けの「電子工作用マイコンボードのルーツ」としてつくられ、数年で全世界に普及した。「Arduino IDE」の管理を行う非営利団体Arduino FoundationとArduino関連品の販売の一元管理を行う営利団体Arduino Holdingがある。読み方は「アルドゥイーノ」や「アルディーノ」もある。ArduinoはOSがないので、コンピュータの一部のマイコン。ブレッドボードなどを併用して他の機器(PCなど)につなぐなど機能拡張している例もある。ラズパイ(Raspberry Pi、ラズベリーパイ)はOSが搭載されているのでコンピュータとして使えるが、プログラムはArduinoの方が簡単。用途によってどちらが適しているか選択が必要。
- ANSI(あんしー)
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(American National Standards Institute)米国国家規格協会。米国で工業規格の標準化を行う機関の一つ。米国の国内規格作成団体である電子工業会(EIA)や電気通信工業会(TIA)などが作った仕様を承認して、ANSI規格となる。EIAがつくった規格の例ではRS-232C(Recommended Standard 232 version C)がある。LANケーブルのコネクタ8P8CはANSI/TIA-1096-Aである(ANSIとTIAの名前がついている)。ANSI規格は日本のJIS規格に相当する。ANSIは連邦政府機関ではなく民間の非営利法人だが、権威がありANSI規格が国際標準のISO/IEC規格になることが多い。読み方は「あんし」「あんじ」もある。
- AirCheck(えあーちぇっく)
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フルーク・ネットワークス社がつくった、無線LANテスタの通称(各モデルごとに形名や品名がある)。2000年頃に発売され、現在はNetScout (ネットスカウト)社が管理するNetAlly(ネットアレイ)がブランドになっていて、Fluke Networksではない。 NetAllyの総代理店である東洋計測器の販売サイトに、NetAlly Wi-Fi 6 ワイヤレス アナライザ テストアクセサリキット AirCheck G3E PR-TKTなどが掲載されている(2024年6月現在)。定価987,800円(税込)で、AirCheck G3E PR-TKTが形名である。これはWi-Fi 6 Wireless Analyzer AirCheck™G3 Proのアクセサリセットである。このようにAirCheckは、高速化する無線LANに次々と対応するモデルが発売され、AirCheck™ G3 Wireless Testerなどの呼称がある。 無線が伝搬する空間(エアー)のチェック(照合)とは、無線のテスタ(ハンドヘルドの現場測定器、チェッカ)を示すネーミングといえる。 1980年頃、まだ音楽媒体がCDではなくレコードが主流だったとき、筆者はFMラジオ放送で流れる音質の良い音楽をテープなどに録音し、デッキで再生して楽しんだ。レコードは高額で、多くの音楽作品(曲)を買うことはできず、FM放送は洋楽、クラシック、邦楽など多くの番組があった。好みのFM番組で曲を録音する趣味を、FM放送で音楽家や曲をチェックするということで「エアチェック」(放送のチェック)と称した。 元々は、英語でOn Air(オンエア、電波にのせた、放送された)の内容を後で確認するために録音したのでAir check(エアチェック)。放送事業者が生放送番組をアーカイブ保存するためにリアルタイムに録音することが、一般視聴者が気に入った番組や楽曲などをテープなどに記録することを指すようになった。 音楽愛好家のエアチェックが現在の生きたことばかどうかは不明だが、測定器(特定のニッチな通信計測器)のAirCheckよりメジャーであることは確かである。
- AirLogger(えあーろがー)
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アドバンテストのワイヤレスデータロガー(無線式ロガー)の商標。機種は、2015年1月発売のWM1000、2017年11月発売のWM2000の2シリーズがある(2020/10月現在)。 温度、電圧、ひずみを多チャンネルで測定できる。PCをホストとして動作する。PCのUSBポートに接続する通信ユニット(親機)に複数の各種測定ユニット(小型の子機)が無線で測定データを送るという、他社にないオンリーワンの製品群(※)。センサ(各測定ユニット)が小型なため、従来は装着できなかった回転体などの電圧・温度・ひずみが測定可能。アドバンテストの新企画商品開発室が企画・開発し、ほとんどの国内自動車メーカに採用されている。クラウドの活用など、アプリケーションを増やし、売上を伸ばしている。 (※)2021年10月に小野測器が発表した無線温度計測システムWC-1000/WT-1000シリーズは構成がWM2000とほぼ同じで、センサがより小型のため、「業界最小クラスのコンパクト&スリムなモジュール」とPRしている。自動車業界にデータ集録機器を販売してきた同社も、小型センサの無線式データロガーに参入したことで、このタイプのモデルが主流の1つになろうとしている。
- AFG(えいえふじー)
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任意波形/ファンクション・ジェネレータ(Arbitery/Function Generator)の略記。FG(ファンクションジェネレータ)で、AWG(任意波形発生器)の一部の機能を持つモデルのこと(メーカによっては“AWGの機能がある多機能信号発生器”という説明もあるが、他社のAWG製品も含めてすべての機能を包含しているかは不明なので、一部機能を持つモデルという説明が正しいと思われる)。AWGのトップベンダーであるテクトロニクス社のFGの型名は、以前からAFGである(AFG31000シリーズ、2018年10月発売)。「任意波形/ファンクション・ジェネレータ(AFG):アナログ/ミックスド信号発生器の一種で、安定した標準的な形状の波形を生成する。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)」
- AI-RANアライアンス(えーあいらんあらいあんす)
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(Artificial Intelligence - Radio Access Network Alliance) RAN(無線通信ネットワーク ※1)とAI(人工知能)を融合させ、通信インフラの効率向上や新たなサービス創出、世界標準化を目的とする国際的な産学連携組織。規格の策定は行わない。2024年2月に企業/大学(11社)で設立され、2025年12月現在は104社が参画している(Founding Member:11社、General Member:104社)。11社は以下(通信事業者2社、通信機器メーカ2社、半導体ベンダ3社、IT企業2社、大学2校)。 1. 通信事業者:Softbank(ソフトバンク)、T-Mobile(ティーモバイル。ドイツテレコム傘下の米国大手携帯電話事業者) 2. 通信機器会社:Nokia(ノキア。フィンランド発祥の通信インフラ・技術開発企業。かつては世界最大の携帯電話会社として一世を風靡した)、Ericsson(エリクソン。スウェーデン発祥の世界的な通信技術企業。3G以降の基地局で有名) 3. 半導体デバイス:ARM(アーム)、NVIDIA(エヌビディア)、SAMSUNG(サムスン) 4. IT企業:Microsoft(マイクロソフト)、DeepSig(ディープシグ。AIネイティブな無線通信を研究する米国のテクノロジー企業。アンリツは「DeepSig社のAI/ML技術を用い無線通信システムの課題を解決するための高度なスペクトラムセンシングを実現した」と2024年2月に発表している。) 5. 大学:Northeastern University(ノースイースタン大学。米国ボストン。トンマーソ・メロディア教授、Tommaso Melodia)、東京大学(中尾教授) つまり、欧米の通信・IT企業に、日本からはソフトバンクと東京大学が参画して設立した団体である。東京大学の中尾教授は5Gの基地局を設計するなど、この業界で著名な先生である。ソフトバンクのデータセンタにはNVIDIAのサーバが導入され、AI寵児のNVIDIAとは親密である。NEC、富士通は設立メンバではないが参画している(NTTはいない)。General Member の104社には計測器メーカとしてキーサイト・テクノロジーとローデ・シュワルツ、Viaviソリューションズ(※2)が含まれている。キーサイトとViaviは2025年のInteropやCOMNEXTで1.6T(1.6テラ)の光伝送テスタを提案している、現在の世界最先端・最速の通信計測器メーカである。 5G以降のモバイルネットワークをAI時代に適応させるべく、3つのワーキングGr(AI on RAN、AI for RAN、AI and RAN)が活動している。別のいい方をすると、研究領域は次の3つである。 AI for RAN (AIによるRAN能力向上、RANの最適化) : AIで通信効率を高めて電力消費を減らす。周波数の利用効率の改善。 AI and RAN (AIとRAN処理の統合) : 通信とAI処理を同じ基盤で行い、リソースを有効活用する。設備の利用効率の改善。 AI on RAN (RAN上でのAI展開、AIを基地局に統合) : 基地局がAIサービスを提供し、低遅延を実現する。新規サービスの創出。 (※1) 基地局(端末と無線で通話する機器)やその制御装置など、無縁通信のアクセス網をRANと呼称している。日本語では「無線通信ネットワーク」や「モバイル通信ネットワーク」と表記(表現)されているが、RがRadioであることに筆者は素朴な疑問を感じる。なぜMobile(モバイル)を使いMANと呼称しないのか(LANとWANの中間の「大都市圏ネットワーク」をMAN:Metropolitan Area Networkといってしまったので、いまさら使えないのか)。また、日本語も「モバイルアクセスネットワーク」や「無線アクセス網」といわず、「アクセス」を略すので意味が伝わりにくい(と筆者は思う)。無線通信が始まったときに使われた周波数がRF(Radio Frequency)といわれる。ただしRFは無線だけでなく高周波(high frequency)という意味で使われることも多い。Radioの意味、用法は一筋縄ではいかない。 (※2) (Viavi Solutions) ドイツの通信計測器メーカ Wandel&Goltermann (ワンデル・ゴルターマン)、米国の計測器メーカWAVETEK(ウエーブテック)、カナダ発祥で光測定器をラインアップするJDSファイテル、さらにFLUKE(フルーク)の一部製品群が加わった、欧米の通信計測器メーカ。2000年~2005年はActerna(アクテルナ、アクターナ)という会社だった時期もある。キーサイト・テクノロジー、ローデ&シュワルツ以外の無線と有線(光ファイバ通信)の計測器が合体した企業。同業のEXFOは、より最先端の光伝送測定器や光コネクタの端面検査機器をつくっている。メインテクノロジーが日本の販売店をしているVeEX(ヴィーエックス)もViaviと競合するが、最先端というよりハンドヘルドの機器が多い。これら海外企業と競う唯一の国産がアンリツだが、同社には1.6Tテスタはない(2025年12月現在)。 2025年のバルセロナ NWCでAI-RANアライアンスは10のデモンストレーションを行った。3つにはキーサイト・テクノロジーが計測器を提供している。同社は2025年12月16日(火)に「6G x AIフォーラム」をお茶ノ水 ソラシティで開催し、S5040A Open RAN Studio Player & Capture Applianceを展示した。S5040AはオープンRANのトラフィックを構築、再生(play)、捕捉(capture)、測定する。スペクトラムアナライザ、信号発生器、AC電源アナライザ(PA2200シリーズ IntegraVisionパワー・アナライザ)などの同社の従来モデルと併用して使用される。キーサイト・テクノロジーで形名の頭がSのモデルは、S93015B(PNAシリーズVNA用のSパラメータ測定およびパワー測定の不確かさをリアルタイムで表示するソフトウェアオプション)などがあるが、本体形名では珍しい。今後、移動体通信のモデルで増えるのかもしれない。 6G x AIフォーラムのキーサイト・テクノロジーの展示。 (左)左下のDU EmulatorがS5040A。(右)手前がS5040A。
- AEアナライザ(えーいーあならいざ)
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(acoustic emission analyzer) エヌエフ回路設計ブロックのアコースティックエミッション測定器の品名。個体が変形(破壊)する際に出る弾性波(アコースティックエミッション)はひずみエネルギーが音波になったものだが、同社はAEセンサや、センサからの信号を処理する計測システム(ユニット)を従来からラインアップしていた。 2021年11月にAEアナライザAE9701(1chモデル)/9702(2chモデル)を発売した。AEセンサからの信号をリアルタイムに波形表示やFFT表示をして、特徴データを抽出できる。AE信号を検出するセンサ(ハードウェア)と、信号を処理/解析するソフトウェアで構成されている。センサで捉えたAE信号は、増幅・フィルタリングされた後でコンピュータに転送され、リアルタイムで波形表示や特徴量の抽出・位置標定などが行われる。 AEアナライザは、製造工程の異常検知や生産設備のメンテナンス、材料試験、構造物の健全性評価など、幅広い分野で利用されている。
- ASSP(えーえすえすぴー)
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(Application Specific Standard Product)メモリのような汎用品と顧客に応じて設計する特定用途向けIC(ASIC)の中間に位置するもので、複数の顧客に共通に提供することができるチップを言う。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)
- ASK(えーえすけー)
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(Amplitude Shift Keying)日本語では「振幅偏移変調」だが、ASKという表記の方が良く使われている。「振幅シフトキーイング」とも呼ばれる。搬送波の振幅の変化によって伝送するデータを表現する変調方式。 デジタル変調方式の1つ。アナログ変調のAM(Amplitude Modulation、振幅変調)のデジタル変調版。
- AFM(えーえふえむ)
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(Atomic Force Microscope)原子間力顕微鏡
- AMN(えーえむえぬ)
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(Artifical Mains Network) 日本語では「擬似電源回路網」。別名:LISN(Line Impedance Stabilization Networks)。 ただしArtifical Mains Networkを自動翻訳すると「人工電源ネットワーク」など、擬似電源回路網とは異なる日本語になる場合がある。
- AMD(えーえむでぃー)
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(Advanced Micro Devices) [半導体デバイスメーカ] インテルに次ぐ世界的なCPUベンダ。1969年にフェアチャイルドの技術者(複数人)が独立してAMDを設立。PCやデータセンタ市場を独占している命令セット・アーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture)である86系プロセッサ(X86)は、インテルが開発したものだが、具体的な製品(半導体デバイスであるCPU)は、インテルとAMDの2社が主に提供(製造・販売)している。 一般の民間人にはAMD社はあまり知られていないが、インテル互換の半導体チップをつくり、CPUではインテルに次ぐシェア(インテルの競合)の、世界的な半導体デバイスメーカである。インテルが主に自社生産なのに対して、AMDは設計に専念し、製造はインテルよりも進んだ微細化技術を確立している外部の製造工場に委託し、インテルよりも低価格で販売している。つまりファブレスで、TSMCを上手に活用している。性能や安定性を選ぶならインテル、コスパや納期重視ならAMDといわれる。 米国の市場調査会社Gartnerは2024年1月に「2023年の世界半導体メーカ別売上ランキング」を発表した。AMDは昨年と変わらず7位。1位のインテルと比べるとAMDの売上額は半分だが、CPUではインテルを猛追してシェアを伸ばしている。 ロジックデバイスはCPUのほかにFPGAがあり、最近ではAIに使われるGPU(画像処理に特化したプロセッサ)も売上が伸びている。FPGAの2大メーカはAltera(アルテラ)とXilinx(ザイリンクス)だった(2000年代に登場した広帯域オシロスコープのアプリケーションにもFPGAの評価がある)。インテルはFPGAを強化すべくアルテラを2016年に買収したが、AMDもザイリンクスを2022年に買収している。AMDはGPUについても、エヌビディアの主力AI半導体H100(2023年時点で、AI分野の企業が奪い合いをしている最先端チップ)と同等の新製品MI300Xを2023年12月に発表した。つまり、AMDはCPUを中核にロジックデバイスでインテル以上の存在になる方針で追撃している。また新興のエヌビディアにも対抗する構えである。 AMDの創設者の1人で、長らくCEOを務めたJerry Sanders(ジェリー・サンダース)は、シリコンバレーで一番派手なセールスマンといわれた。彼は1980年代の日米半導体摩擦では、日本の貿易慣行が不公平であると強く訴えたことでも知られる。現在のAMDのCEO(会長)は台湾系米国人のLisa Su(リサ・スー)。ザイリンクスのCEOだったVictor Peng(ビクター・ペン)も経営陣にいる。
- AM変調(えーえむへんちょう)
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「振幅変調(Amplitude Modulation)」の略記。変調信号の変化に合わせて振幅(A)の大きさを変化させるアナログの変調方式。振幅変調よりもAMと表記されることが多い。AMだとa.m.(午前)もあるので、本解説ではタイトルを「AM変調」とした。ラジオ放送ではFM(周波数変調)に対比してAMと言っている。つまりAMやFMは搬送波に信号を乗せるための方式でもある。テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」では「AM:搬送波(キャリア)の振幅を、送信信号(変調信号)の波形に応じて変化させる方式」とある。AMはFMに比べて回路が簡単、周波数占有幅が狭くて済む、などのメリットがあるがノイズに弱く、音楽を聞くときはAMよりFMのほうが音質が優れていることは良く知られている。つまりAMとFMは使い分けられている。