計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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サーキュレータ(さーきゅれーた)

高周波電力を1方向にだけ通す電子部品。

差圧(さあつ)

2つの圧力の差を表す圧力。計測器としての圧力計にはゲージ圧、絶対圧、差圧など測定可能な圧力が仕様で謳われている。

差圧計(さあつけい)

差圧(2点間の圧力の差)を測定する機器。

SerDes(さーです)

パラレル信号をシリアル信号に変換する(パラシリ変換の)シリアライザと、その反対のデシリアライザ(シリパラ変換)の機能を持ち、高速でこれを行う機器のこと。Serializer Deserializer(シリアライザ デシリアライザ)の略語。コンピュータ内部のバスはパラレル通信だが、これをSerDesによってシリアル信号にして、1本の伝送路で高速にデータを送り、受信側ではまたSerDesによって元のパラレル信号に復元する。技術の進歩によって高速なシリアル通信が可能になり、SerDesはコンピュータや通信では重要な手法(回路)となった。SerDesは2つのバス(パラレル信号)をつなぐときの高速インタフェースでもある。

サードパーティ(さーどぱーてぃ)

(third party) 当事者ではない第三者という意味(third partyの和訳は第三者)。企業、期間、団体などで使われる。オリジナルメーカが開発した半導体やパソコン、ソフトウェアなどに対して、それと同等の製品や、それを製造・販売するメーカを指している。たとえばインテルの半導体のサードパーティであるAMD(Advanced Micro Devices)はオリジナルであるインテル製品(純正品)と同等の製品をつくり、純正品同様に流通して、製品の中に使われている。サードパーティ製品は一般的に純正品より安価だがほぼ同性能である。電子機器に使用される半導体メモリも純正品より安価なサードパーティ製品が販売されている。

サービスブレーカ(さーびすぶれーか)

契約以上の電流が流れると自動的に電気が止まる仕組みになっている機器。分電盤の左側についているブレーカで、契約アンペアによって色が決められてる。別名:アンペアブレーカ。

サーベイメータ(さーべいめーた)

空間線量率の測定や表面汚染の検査などに用いられる小型で可搬型の放射線測定器。

サーボアナライザ(さーぼあならいざ)

信号波形を高速フーリエ変換(FFT)し、横軸を周波数、縦軸をレベルとして表示する測定器。(=FFTアナライザ)主に音響・振動などの低周波数信号の解析に使用される。

サーマル(さーまる)

(thermal)サーマルは熱、温度のこと。計測器としては、熱を使った機器であるサーマルカメラ、サーマルレコーダなどの略称。

サーマルアレイコーダ(さーまるあれいこーだ)

グラフテックのメモリレコーダの品名。WR300などの感熱記録できるモデルがあったが、すべて生産終了している。WR300は4ch~16chまで5モデルあり、最大200mm幅 8ドット/mmのサーマルプリンタが標準装備だった。サーマルとは感熱記録のことで、横一列に取り付けらサーマルヘッドを発熱して感熱記録紙を発色させ、測定した波形を記録する。品名のThermal Arraycorderは、サーマル・アレイ(サーマルプリンタ)で印刷できるレコーダという意味を込めたネーミングと推定される。横河電機、日置電機に続き、グラフテックがチャートレコーダ(印字できる記録計)から撤退したため、現存するのはエー・アンド・デイの工業計測機器(旧三栄測器)のオムニエースだけとなった。グラフテックは1949年に株式会社渡辺研究所として設立、1958年に日本初のX-Yレコーダを開発した老舗の記録計メーカである。渡辺測器株式会社の社名でX-Yプロッタなどの印刷機器で有名だったが、計測器がペーパーレスになり、現在は小形のデータロガーでシェアが高い。キーエンスより後発でシェアを取り、日置電機が追いかけている。

サーマルカメラ(さーまるかめら)

「サーマル(thermal:熱、温度)を検知するカメラ」の意味。サーモグラフィとほぼ同義。物体表面からの発熱を赤外線で検知して、温度分布として色表示するカメラ。温度のある物(や人)は赤外線を発している。それを検知するセンサがサーマルカメラには搭載されている。赤外線のエネルギーの強さは温度の高さに相関するので、赤外線の強弱を検知することで温度を計測することができる。ある範囲(2次元)で計測した温度に、画像処理で色を付けると視覚的に温度の分布になる。原理は温度ではなく赤外線を計測していることである。1点の温度を計測するのではなく面で温度分布を計測・記録する製品群を、サーマルカメラ(略して「サーマル」)と呼んでいる。監視カメラに温度検知機能が付加された海外製品が、SARS(サーズ)や新型コロナウイルス対策で普及したため、最近の数年間で急増した(発熱者検知用と称したサーマル製品は2020年度におよそ8万台が普及したとされる)。従来の非接触温度計測器である「サーモグラフィ」や「熱画像計測装置」よりも「サーマルカメラ」が、面で温度分布を測定する非接触温度計の通り名になりつつある。この機種群の先駆者で世界No1のFRIA(フリア)社は「サーモグラフィカメラ」「サーマルカメラ」という表現をして「カメラ」であるという主張が伺える。日本の計測器各社は「(赤外線)放射温度計」や「サーモグラフィ」「熱画像計測装置」などの表記で“「カメラ」ではなく「温度計、計測器」”という主張が伺える(「カメラ」という表現はエー・アンド・デイでは一部製品で使われている)。Fluke系の製品は総称では「放射温度計」と「サーモグラフィー」だが、製品の品名は「赤外線カメラ」や「サーマルカメラ」が多い。このように、放射温度計とサーマルカメラ(サーモグラフィ)の区別は、メーカ各社によってバラバラで、1点測定か、面で測定かは、名称や製品名からは判別できない。“サーマルカメラ(サーモグラフィ)も放射温度計である”という解釈で、1点測定モデルを「スポット放射温度計」と表記しているメーカもある。防犯カメラメーカやITベンチャー企業の製品名はサーモグラフィではなくサーマルカメラが多い。

サーマルレコーダ(さーまるれこーだ)

(thermal recorder) 感熱記録紙に印刷するサーマルプリンタを搭載した記録計(レコーダ)。Thermalとは「熱の」という形容詞。より正確にはthermal recording method recorder(熱で記録する方式の記録計)である。2000年頃のメモリレコーダの代表的なタイプで、汎用性が高く、多機能で、高速な現象が捉えられたが、多機能は操作が複雑になるという欠点もあった。グラフテックにはThermal Arraycorder(サーマルアレイコーダ)という品名の製品群があり、発電所、鉄工所、鉄道などで利用された。ただし記録計のペーパーレス化(印刷機能を無くすこと)が普及し、WR300を最後に生産終了した。ほとんどの計測器メーカが現在はサーマルレコーダをつくっていない。2005年頃には複数のメーカが生産していた。当時の機種の例としては、日置電機の8807メモリハイコーダ、横河電機のOR300Eオシログラフィックレコーダ、グラフテックのWR1000、WR8500サーマルアレイコーダなどがある。サーマルレコーダは「サーマルドットアレイ方式記録計」や「サーマルドットレコーダ」という表記もされていた。

サーミスタ(さーみすた)

(thermistor) 温度によって抵抗値が変化する半導体センサ。温度測定にはNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタが使われる。サーミスタは小型であるため、電子機器の温度監視や電子体温計などに使われる温度センサの1つである。

サーミスタ温度計(さーみすたおんどけい)

センサ としてサーミスタ を利用した温度計。

サーモ(さーも)

(thermo)計測器としては、非接触温度計のサーモグラフィ(Thermography) の略称。Thermoは熱の意味なので、他の熱に関連するものの略記の場合もある。たとえば、サーモストリーム、サーモパイルなど。 サーマルは、同じ熱のことだがサーモとは少し略記の範囲が異なる。

サーモグラフィ(さーもぐらふぃ)

(Thermography) 物体表面の温度分布を非接触で測定する温度計。物体から放射される赤外線(熱)を捉えて、温度に換算し、表面温度の分布を色画像で表示する計測器。放射温度計(非接触型の温度計)に画像処理機能が付いたカメラ。従来、放射温度計は1点の温度を測定するが、サーモグラフィは面で温度測定をする。製品カテゴリは温度計の中の放射温度計(非接触型という意味)に分類される。正式には赤外線サーモグラフィ(Infrared Thermography)のこと。Thermographyは「thermo(熱)をgraphy(グラフ化、図式化、から転じて、記述法、表現法)」なので、本来は「熱を表現する」手法のことだが、装置をさすことばとして定着している。別名、「サーモトレーサ」、「サーマルカメラ」とも呼ばれる。「サーモグラフィー」の表記もある。熱画像計測機器として、工業計測用(電気設備の保守・保全用途)に使われてきたものは「サーモグラフィ」(略して「サーモ」と呼ばれる)。最近はやりの、建物の入口に設置して顔の表面温度を計測し、画像で録画し、発熱をチェックする用途で使ったり、監視カメラに体温検知機能を搭載したものは「サーマルカメラ(thermal:熱、温度)」、略して「サーマル」と呼ばれることが多い。エー・アンド・デイはラインアップに多くの計測器があるメーカだが、機種群の第一は「医療・健康」製品で、「サーマルイメージカメラ」という品名の製品があるが、外観や主な仕様はハンドヘルド型のサーモグラフィとほぼ同じである。参考用語:赤外線放射温度計、熱画像計測装置

サーモグラフィカメラ(さーもぐらふぃかめら)

非接触式の温度計の1種。原理は赤外線の放射エネルギーをセンサで受けて温度に換算する。サーモグラフィー、赤外線サーモグラフィ、サーモカメラ、熱画像計測装置、など複数の表現がある。一般に「放射温度計」というと1点の温度を測定して表示するもの、「サーモグラフィ」は温度分布を色で画像表示するもの、と区別される。メーカによっては放射温度計を広義にとらえて、サーモグラフィカメラも放射温度計に含めている場合もある。

サーモストリーム(さーもすとりーむ)

(ThermoStream)電子機器・材料の熱試験、温度特性を測定する、環境試験器の1種。inTEST Thermal Solutions(インテストサーマルソリューション、旧Temptronic、テンプトロニック)社の品名。設定した温度の圧縮空気をノズルから噴射し、数秒で温度試験に必要な環境を作り出す。 従来の方法と比較し短時間で温度試験を行える装置。日本の代理店である伯東のHPには「超高速温度環境試験機。-90℃~300℃のジェットエアーを噴射し、局所的に・素早く温度環境を作成。エアーの温度遷移にかかる時間は-55℃→+125℃の範囲で15秒以下。従来の恒温槽などでの試験に比べ、大幅に試験時間を短縮可能。」とある(2022年5月)。製品詳細:inTEST Thermal Solutions

サーモトレーサ(さーもとれーさ)

(Thermo Tracer)サーモグラフィの別名。計測器メーカによってどちらかの表現をしている。サーモグラフィの国産代表メーカである日本アビオニクスでは、両方の表現・表記がみられる。違い(区別)は不明。サーモグラフィによる温度監視、という意味でトレーサー(追跡者)の表現を使っていると思われる。「サーモトレーサ―」の表記もみかける。

サーモパイル(さーもぱいる)

(thermopile)熱エネルギーを電気エネルギーに変換する電気部品。複数の熱電対(thermocouple)を直並列に接続した構成でつくられている。日本語で「熱電堆(ねつでんたい)」と表記するが、サーモパイルはもはや日本語である。pileは「山」や「重なり」という意味。熱電対(thermocouple)を複数使って、性能を高めたというのが語源と推測される。 温度差や、温度勾配に比例した電圧を出力する。また、赤外線センサでもある。用途は、耳で体温を測定する温度計や熱流量計に使われている。サーモパイルを使った日射計もあり、熱電式と呼ばれている。 「サーモパイルアレイを使った、小型の、サーモグラフィ用モジュール(赤外線センサのモジュール)」なる製品が販売されている。これを使えば人や物を検知する監視カメラシステムや、人体などの表面体温計測(サーマルカメラ)を容易につくることが可能である。