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- 2現象オシロスコープ(にげんしょうおしろすこーぷ)
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(2 phenomenon oscilloscope) 2ch(channel、チャンネル、チャネル)入力のアナログオシロスコープのこと。 アナログオシロスコープはブラウン管の蛍光面に電子ビームをあてて光らせる。電子銃から放出された電子は、垂直と水平に電圧が印加された経路(電磁界)を通り、軌道を曲げる(描画したい波形に応じて印加電圧を制御する)。1つのブラウン管に電子銃は1つのため、入力は1chである。1台のオシロスコープで2つの信号を観測できたら、時間差や電圧の違いを比較でき、大変に便利である。そこで1つのブラウン管で2つの信号を表示できるように、2信号を交互に切替える電子回路を付加した。切替え速度が人間の目の感覚より速いので、残像によって2信号は同時に表示される。切替えるやり方は、1回の掃引の間に何度も繰り返し切替える(CHOPモード)と、掃引ごとに1chと2chを表示する(ALTモード)の2つがある。chop(チョップ)は「切り刻む」こと、ALTはalternately(交互に)の略である。 2つの信号が観測できる(入力が2つある)オシロスコープは、「従来の1信号ではない」ということを「2つの信号(2現象)が観測(表示)できる」ということで、「2現象オシロスコープ」と呼んだ。つまり2chオシロスコープである。確認したい回路の入力をch1、出力をch2に接続すれば、この回路での信号変化(入出力の特性)を簡便に知ることができるので、2chモデルは有効なツールとなった。 2ch入力になったことで、ch1とch2の表示選択や、chごとのレンジ設定、波形表示の基準位置のつまみなど、現在のオシロスコープにつながる機能(操作部)ができた。X-Yモードによるリサジュー表示も2chならではの機能である。 トリガ方式のオシロスコープは1947年の511型(テクトロニクス)、1954年のSS-751(岩崎通信機)がはしりで、1950年代にはエッジトリガ機能を搭載したモデルが普及した。トリガスロープの設定は当時からあったと思われるが、2現象モデルの初号機がいつ登場したかのか記録がない。1972年発売のテクトロニクスの465は周波数帯域100MHz、入力2chで、20年以上販売したロングセラーである(200MHzの475、350MHの485も同時発売)。1992年発行の製品カタログには「LSIスコープ 100MHz 2現象オシロスコープ」とある(※)。465以前に2chモデルがあったかは不明だが、1990年代には「2現象オシロスコープ」と呼称していたことがわかる。 国産の岩崎通信機やケンウッド(現テクシオ・テクノロジー)も2現象オシロスコープを品名にしたモデルを発売している。中古版売サイトに掲載されたケンウッドのCS-1022(20MHz、2ch)は2現象オシロスコープで、前面パネル(つまみや画面の配置)は465とほぼ同じで、当時の2chモデルの操作部を知ることができる。背面写真には「MANUFACTURED BY TRIO-KENWOOD CORPORATION MADE IN JAPAN」とあるが、製造年月はない。トリオは1965年にオシロスコープを発売し、1986年にケンウッドに社名変更したので、1986年頃の2現象オシロスコープと思われる。テクトロニクス2246の製品カタログ(1986年発行)によると、仕様は100MHz、4chである。つまりテクトロニクスは2現象オシロスコープとは別に周波数帯域を伸ばしたモデルを1980年代に着々と発売している。国産メーカがテクトロニクスと同等の高性能モデルをどれだけ作ったかは不明だが、2現象オシロスコープと題した安価なモデルは、多くつくったと思われる(中古販売サイトのモデルからの推測)。 1980年代にデジタルオシロスコープが登場し、1990年代はアナログとデジタルが混在したが、2000年以降はデジタルが主流となっていく。2現象オシロスコープの登場は1960年代と推測されるが、1990年代まで国産メーカの主力アナログオシロスコープ製品(安価モデル)として販売されていた。デジタルオシロスコープは1990年代には4chモデルが主流となっている(安価な2chモデルもある)。 ハンドヘルドのオシロスコープ(数万円以下/台)は2chモデルが多い。2022年に日本法人ができたOWON(オウオン、中華系オシロスコープのメーカ)には「HDS200シリーズ 2チャンネル デジタル・オシロスコープ」がある。現場測定器をラインアップする株式会社マザーツール(長野県上田市の国産メーカ)は、ハンドヘルドの2chモデル「MT-775 フルカラーハンディタイプ2現象オシロ + DMM 4000カウント」を発売している。海外メーカは2現象とはいわずに「2ch」、国産メーカは「2現象」の呼称(品名)がいまでも続いている例といえる(アナログではなくデジタルになっても)。 主要な欧米、国産の計測器メーカはアナログオシロスコープをすべて生産終了している。新興の中国メーカのアナログモデルが輸入されている(以下の、2chアナログモデルの例を参照)。 (※) 465の品名が1972年発売時に何だったかは不明(2現象と呼んでいたかはわからない)。1990年頃はアナログの2chモデルを「2現象オシロ」と呼ぶのが普通だった。1989年発行の2205の製品カタログにも「20MHz 2現象ポータブル・オシロスコープ」とある。国産メーカ同様にテクトロニクスも安価な2chモデルを「2現象」と呼んでいたことがわかる。ただし現在では同社に「2現象」と呼称するモデルはない。
- 2出力電源(にしゅつりょくでんげん)
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1台で出力数2chの多出力直流電源。
- 2端子法(にたんしほう)
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(two-terminal method) 一般にテスタなどで抵抗を測定する場合は2本の線でDUTに接続する。これを2端子法(または2端子測定法、2端子接続、2線接続)と呼ぶ。抵抗測定器の代表であるデジタルマルチメータ(DMM)も通常は2端子法で測定する。抵抗値が10Ω以下の小さな値になると、接触抵抗や測定ケーブルの影響を受けて正確な測定ができなくなり、4端子法を使う(高いインピーダンスでは5端子法)。 最も簡単な接続法であるが、接触抵抗、配線の直列インピーダンス、ケーブルや端子間の浮遊容量の影響を受けるため、数十kHz以上の周波数では誤差が多くなる。おおむねインピーダンスが10Ω~10kΩの範囲内での使用が望ましい。 参考記事: LCRメータの基礎と概要 (第2回)の2ページ目・・試料との接続方法を図解。
- 2P-3P変換アダプタ(にぴんさんぴんへんかんあだぷた)
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(2P-3P conversion adapter) 3Pの電源プラグを2Pの電源プラグ(一般家庭用コンセントの形状)に変換するもの。3P-2P変換アダプタの別称。2P/3P変換アダプタや2P-3P変換プラグとも呼ばれる。
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