計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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投影器(とうえいき)

映像をスクリーン等に映し出す機器。

等価回路(とうかかいろ)

(equivalent circuit)抵抗(R)とコンデンサ(キャパシタンスC)やコイル(インダクタンスL)が直列や並列につながった回路を等価回路と呼ぶ。集中定数回路の要素であるR、C、Lを使い、実際の電気機器の構造を等価回路に置き換えて数値を測定・解析する。 LCRメータには等価回路を設定する機能がある。交流インピーダンス測定の代表的な計測器であるLCRメータは自動平衡ブリッジ法を採用している。ベクトル電圧計で基準抵抗とDUTの電圧(大きさと位相差)を測定してインピーダンスを算出する。R-C直列、R-C並列、R-L直列、R-L並列などの等価回路を選択すると、抵抗成分とリアクタンスを計算して表示する。 参考記事:LCRメータの基礎と概要 (第1回)・・電子部品の等価回路について解説。

等価時間サンプリング(とうかじかんさんぷりんぐ)

サンプリングオシロスコープに使われている手法。繰り返し入力される信号に対して用いられるサンプリング。通常のサンプリングの周期より、はるかに高い時間分解能を得ることができる。下図のようにサンプリングの開始時間を、通常のサンプリングよりも、少しずつずらせながら、複数回測定し、重ねて表示する。これにより、非常に高速のサンプリングを行ったことと等価な表示が得られる。ただし、1回だけでは、正しい波形が得られない。繰り返し波形で、安定にトリガがかかる場合にしか適用できない。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では以下の解説がある。「等価時間サンプリングは、オシロスコープのサンプリング・モードで、繰返し信号において少しずつ情報を取込み、その波形を構成するもの。ランダムとシーケンシャルの2種類に分けられる。」

統合エディタ(とうごうえでぃた)

信号発生器に組み込まれている複数の編集ツール。これを使用すると、波形の時間と振幅の両方を簡単に編集・変更できる。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)参考用語: シーケンス・エディタ、 シーケンス機能、 シーケンス・リピート・カウンタ、 イベント入力、 グラフィック・エディタ

同軸型プローブ(どうじくがたぷろーぶ)

ガウスメータと一緒に使用する軸型のセンサー。(=アキシャルプローブ)

同軸ケーブル(どうじくけーぶる)

(coaxial cable) 電気信号を伝送する電線のひとつ。導体線の周囲を絶縁体で覆い、さらにその周囲を外部導体で覆った形をしたもの。導体(中心の導線)と絶縁体が同じ軸の回りに配置されて円筒形の伝送路を形成している構造なので、同軸と呼ぶ。性能の良い伝送品質を保ち、かつ柔軟に曲げて使い勝手を良くしている部品である。電気機器の接続に使うケーブルはほとんどが同軸ケーブルで、コネクタの形状によって名称が異なる。両端のコネクタがBNC であれば「BNCケーブル」、N型であれば「N型ケーブル」。電気機器の1種である計測器も同軸ケーブルを使って接続する。 コネクタの種類や導体の材料・サイズなどにより伝送可能な周波数が決まる。レコーダやオシロスコープなどの基本測定器の入出力はBNCコネクタなのでBNCケーブルが使われるが、RFなどの高周波ではN型ケーブルが使われる(スペクトラムアナライザの標準コネクタはN型が多い)。BERT(誤り率測定)などの有線通信の測定器(伝送/交換装置用測定器)では3.5mmやSMAなどの、Nより小型のコネクタが標準になっている。 マイクロ波でより伝送損失を少なくする場合は導波管が使われる。また、最近はセミリジットケーブルのように導波管のメリットを取り入れた性能の良い同軸ケーブルもある。

同時サンプリング(どうじさんぷりんぐ)

多チャンネルA/Dコンバータで、各チャンネルのサンプリングタイミングが同時にサンプリングされる方式で、リアルタイムで状態が変化する測定でも、全チャンネルが同時にサンプリングするので誤差が最小になる方式。燃料電池(FCスタック)、二次電池(組電池)などの特性測定に最適。(株式会社高砂製作所の用語解説より)

同相信号除去比(どうそうしんごうじょきょひ)

(Common Mode Rejection Ratio)二つの入力回路をもつ差動増幅器などで、共通する入力信号の雑音成分などを除去できる能力のこと。差動増幅器やアイソレーションアンプ(絶縁増幅器)の仕様でCMRRと記載されている。 参考用語:コモンモードノイズ、ノーマルモードノイズ、ディファレンシャルモードノイズ、光絶縁プローブ

動的ひずみ(どうてきひずみ)

(dynamic strain)測定されるひずみ量が時間とともに速く変化するひずみ。ある周波数で正弦波的に変化する振動現象も含まれる。時間の経過に対して変化が少ないひずみを「静ひずみ」、変化の速いひずみを「動ひずみ」と呼ぶ。(ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所の「測定器の概要と主な用語」より)

導電率(どうでんりつ)

(conductivity) 【電子工学で使われる電気に関する量】 電気の通しやすさ(電流の流れやすさ)の指標で、抵抗率(比抵抗)の逆数。別名、電気伝導率(electrical conductivity)や電気伝導度とも呼ばれる。記号はギリシャ文字のσ(シグマ)。単位は[S/m](ジーメンス/メートル)。 具体的には液体中での電気の流れやすさを示す指標。pH(ペーハー)と共に、水溶液の評価に使われる。物質が水に溶けると電気が流れやすくなる。導電率は液体中にどれくらいの物質が溶け込んでいるか(イオン化しているか)の指標。そのため科学分析機器に、「導電率計」や「液分析計」という品名の製品があり、上水・下水などの水質測定から各種プロセス液の評価に使われる。 導電率計のメーカは横河電機(株)、(株)堀場製作所、東亜ディーケーケー(株)、(株)フィッシャー・インストルメンツなど。 ハンドヘルドの現場測定器を電気から科学分析、ライフサイエンスまで幅広くラインアップするカスタムには、防水導電率計という製品がある。たとえばCD-1000PEの防塵・防水等級はIP67である。

導電率計(どうでんりつけい)

導体の中での電流の流れやすさ(導電率)を測定する機器。

糖度計(とうどけい)

(saccharimeter、サッカリメータ) 糖度の測定器。果実などに含まれる糖分の割合(糖濃度)を計測し数値化する。果実の甘さの指標にされる。果実以外にも液体や固体の多くの糖度を測定する。計測器の先端にセンサがあり、その個所に被測定物を垂らして測定する形式が多い。測定原理は光の屈折率の差を利用したり、糖の旋光性を利用して測定したり、比重を測定する方式などいくつかがある。通販でも購入できるハンドヘルドのモデルが多くある。 計測器メーカとしては国産のアタゴや京都電子工業などがある。 参考記事(会員専用): 【展示会レポート】JIMTOF2018(第29回日本国際工作機械見本市)Part2 計測器の2ページ目 ・・・アタゴの糖度計について簡単な紹介がある。

導波管(どうはかん)

(waveguide) マイクロ波を伝送するための中空の金属管。マイクロ波の伝送線路。空気が誘電体で、中心導体がない(中空導波管という呼称もある)。同軸ケーブルに比べて低損失なため、大電力の伝送などに利用される。形状は、断面が方形や円筒形がある。管の形状、寸法、波長(周波数)に応じて、電波は電磁場を形成して管の中を伝播する(伝播モードと呼ぶ)。構造上、伝搬できるマイクロ波の波長には上限がある。近年、高性能誘電体(PTFEなど)を用いた同軸ケーブル(セミリジットケーブル)が開発され、導波管の代わりに使用されるようになったが、衛星通信、レーダなどの大電力伝送には今でも導波管が使用されている。 マイクロ波の製品群がある計測器メーカ(キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、アンリツなど)は導波管をラインアップしている。 毎年11月末に開催されるマイクロウェーブ展(主催:電子情報通信学会、後援:総務省)には多くに導波管が出展される。NTTに長年納品する国産メーカ(専業の零細企業)から、海外製品を陳列する輸入技術商社まであり、導波管は現在でもマイクロ波の主流の部材であることが実感される(2023年展示会より)。

導波管可変減衰器(どうはかんかへんげんすいき)

導波管 の可変抵抗減衰器 。マイクロ波で使われる機器。

導波管方向性結合器(どうはかんほうこうせいけつごうき)

導波管 の方向性結合器。マイクロ波で使われる機器。

動ひずみ(どうひずみ)

(dynamic strain)大きさが時間的に変化するひずみ(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)。参照用語:動的ひずみ、静ひずみ

動ひずみ測定器(どうひずみそくていき)

短い時間周期で繰り返す変形(動ひずみ)を測定する機器。動ひずみ測定器はひずみ測定器の代表例だが、品名は動ひずみ測定器、ストレインアンプ(strain anp:ひずみアンプ)、シグナルコンデイショナなど様々。国内の2つのひずみ測定器メーカを紹介する。株式会社共和電業は「動ひずみ測定器・直流増幅器」の項目で、動ひずみ測定器DPM-900シリーズ(※)、シグナルコンディショナCDV-900シリーズなどをラインアップしている。株式会社東京測器研究所は「動ひずみ測定器」の項目に、動ひずみ測定器(アナログタイプ)DA-xxAシリーズ(※共和電業のDPM-900同様、実態はアンプ)、マルチレコーダTMR-300シリーズなどがある。 (※)株式会社エー・アンド・デイの「工業計測機器」は旧三栄測器(NEC三栄、NECアビオニクス)のメモリレコーダやシグナルコンディショナである。シグナルコンディショナとしては「ストレインアンプ」、「アイソレーションアンプ」、「チャージアンプ」などの品名の製品がある。たとえば ストレンアンプ(ACブリッジ方式 汎用タイプ) AS1803Rは、共和電業の動ひずみ測定器DPM-951Aとほぼ同じ仕様である。この2製品は鉄道車両の動ひずみ測定向けにノイズ対策をした特別仕様のアンプである。つまり、動ひずみ測定器の代表であるアンプは、メーカによって名称(品名)が違うので、大変わかりにくい。一般的に動ひずみ測定器といえば共和電業が有名だが、新幹線のひずみ測定ではエー・アンド・デイ(旧三栄測器)のモデルが採用されているケースが多い(同社はメモリレコーダのオムニエースを鉄道関連に多く販売している)。アイソレーションアンプは以前は横河電機(現横河計測)も発売していたがすべて生産中止で、現在はラインアップが豊富なのはエー・アンド・デイだけである。 参照用語:ひずみ測定器、動的ひずみ、静ひずみ測定器

Talk Only(とーくおんりー)

コンピュータと計測器とのインタフェースとして開発されたGPIB(General Purpose Interface Bus)で、計測器がコンピュータからの指示を受けることをせず、測定データを「ただ出力するだけ」の状態をTalk Onlyモードという。逆にただ聞いているだけで出力をしないモードをListen Onlyという。インタフェースにRS-232Cがある計測器はRS-232Cを使いクロスケーブルでPCとつなぐとTalk Onlyモードにできるモデルもあった。

トーンプローブセット(とーんぷろーぶせっと)

心線対照器の1種。通信線がLANや電話線などの電気のとき、音(トーン)によって心線を知らせる、トーン発生器(送信部)とプローブ(検出器・受信部)を組み合わせた製品が「トーンプローブセット」と呼ばれる。メーカはフルーク・ネットワークスやグッドマンが有名。高度経済成長期に通信インフラが拡充されていた時代はTDR(ケーブルロケーター)同様に、大手計測器メーカが電気の心線対照器を製造していたが、現在はほとんど生産終了している。少なくとも国産メーカではつくっていない。

特性インピーダンス(とくせいいんぴーだんす)

(Characteristic impedance) 電気信号を一様な伝送線路(伝送線路の媒体の種類や構造が一定)により伝送する場合に、ある伝送線路上において発生する電圧と電流の比として表現される。単位としてはオーム[Ω]が用いられ、通常50Ωや75Ωが用いられる。高周波回路で適用される分布定数回路においては、単位長さあたりのインダクタンスがLで、単位長さあたりの静電容量がCの場合で損失のない均一な伝送路の特性インピーダンスZ0は左式であらわされる。また、伝送路が同軸線路でその外導体の内径がD, 内導体の外径がd の場合の特性インピーダンスZ0は右式であらわされる。ここで、εr は同軸線路の絶縁物の比誘電率である。