計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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ホイートストンブリッジ(ほいーとすとんぶりっじ)

(wheatstone bridge)ブリッジ回路(ブリッジ法)の代表例。既知の抵抗3つ(1つは可変抵抗)と未知抵抗の4つをブリッジ状に接続して、中間点の電位差を検流計(精密な電流計)で測定して、可変抵抗によって平衡状態を作り、未知抵抗の値を正確に測定する。応力を検知するセンサであるひずみゲージの信号(抵抗値)変化は大変小さいので、ホイートストンブリッジ回路(ブリッジボックス)を使い電圧に変えて、測定器(アンプ)に入力している。19世紀の英国の物理学者、チャールズ・ホイートストンが語源。

ボイスクオリティテスタ(ぼいすくおりてぃてすた)

VoIP上の音声の品質評価をする測定器。

ボイスレコーダ(ぼいすれこーだ)

音声を記録する機器。いわゆるICレコーダのこと。録音という記録をする機器だが計測器ではない。計測器メーカではなく家電メーカが主につくっている。デジタルカメラやビデオなどの家電製品の範疇といえる。計測器レンタル会社は通常は品揃えしていない。

方形波(ほうけいは)

(square wave) 時間とともに大きさが変化する交流で、たとえばゼロと5V(ボルト)や、-5V(マイナス5ボルト)と+5Vなど、2つの値しかない波形。波の形が四角の方形になっていることから方形波や矩形波(くけいは)と呼ばれる(方形波も矩形波もsquare waveの日本語訳だが、使い分けは不明)。数学的な定義は前述のとおりだが、実際には大きさを変えるには有限の時間が必要で、瞬時に変化したように見えても、時間軸を拡大すればなだらかな曲線によって値は変化している。そのため、方形波が下から上の値の幅の、10%から90%に変化する時間を立ち上がり時間という。実際に方形波をつくろうとすると、オーバーシュートのような現象も起こる。立ち上がり時間が設計仕様を満足していないと、機器の安定動作が保証されないことがある。立ち上がり時間やオーバーシュートを検査するのに、アイパターンの確認がある。 単発の方形波で、そのシステムが扱っている時間変化(周波数)に比べて、上の値の時間が短い(信号が短時間に変化する)ものをパルス波と呼ぶ。方形波のデューティ比が小さいとパルス列になる。square wave(方形波、矩形波)とpulse wave(パルス波)の違いは明確な定義は難しい。 交流波形の種類で正弦波(サイン波)でない波形(非正弦波)の代表として方形波(矩形波)や三角波がある。正弦波を正確に出力するのがRFの測定器の代表である標準信号発生器だが、方形波や三角波はファンクションジェネレータや任意波形発生器でつくられる。正確なパルス波を高周波帯域まで出力できるのがパルス発生器(PG)である(PGには誤り率測定に特化したPPGもある)。これらはすべて信号発生器と呼ばれるが、用途やアプリケーションによって適切なモデルが選ばれる。計測器の品名に「方形波」と付くモデルはあまりみかけない。 「方形波:一般的な波形の形状の1つで、繰返す方形のパルスで構成される(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)。」

方向性結合器(ほうこうせいけつごうき)

(directional coupler) 信号と信号を結合させる機器。高周波(RF)で使用されるカップラのこと。 マイクロ波などの無線通信の計測器メーカ(キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、アンリツなど)がつくっている。

防災無線(ぼうさいむせん)

我が国はこれまで地震、台風、豪雨、津波など多くの災害に見舞われてきた。そのため、非常時における重要通信の確保を目的として様々な防災無線システムが構築されている(上記2文、総務省ホームページ/関東総合無線局/電波利用/防災無線より抜粋)。たとえば市町村は地域住民に災害情報の伝達、指示を行うことを目的とした無線通信網をもっている。東京の23区では特定の学校に防災無線スピーカが設置されている。防災無線は非常時に必ず作動しないといけないので、毎日定刻に放送して動作確認をしている。夕方の5時に音楽が流れる自治体が多い(何時に何を流すかは自治体が決めている)。無線通信用の代表モデルであるスペクトラムアナライザ(スペアナ)の一番大きな市場はスマホなどの携帯端末ではなく、無線システム全体である。たとえば警察無線や防災無線などの地域の無線システムは常に更新されて継続して使用されていく。保守管理を常に行うので、国内のスペアナの販売先の一番大きな市場であることを、無線通信測定器の国産専業メーカであるアンリツの営業推進部長が語っている(以下の記事を参照)。 参考記事:通信測定器の正しい測定・操作を習得していただくために! アンリツが開催する基礎セミナー

放射温度計(ほうしゃおんどけい)

(radiation thermometer) 物体から放射される赤外線の強度を検出して、物体の温度を測定する温度計。「赤外線放射温度計」を略して「放射温度計」とよんでいる。赤外線の放射熱を利用する以外に方法は無いので、あえて赤外線といわず「放射温度計」と言うことが多い。放射温度計は非接触式温度計の代名詞。 この原理で面の温度分布を熱画像として表示するものを「サーモグラフィ」や「熱画像計測装置」と呼ぶ。メーカによっては放射温度計とサーモグラフィを別製品として表記していたり、サーモフラフィを放射温度計に包含していたり、統一はされていない。また(計測器メーカではない)監視カメラメーカや家電メーカ、ベンチャー企業が「サーマルカメラ」の呼称で、検温/体温測定装置を数多く販売している(サーズの流行や、2000年からの新型コロナウイルス感染拡大で大変多くの台数が普及した)。

放射収支計(ほうしゃしゅうしけい)

地表面に入射する日射、水蒸気、炭酸ガスと、雲から放出される赤外線の成分の収支量を測定する機器。メーカは日射計などの気象関連測定器で有名な英弘精機や、計測・計量・分析・理化学機器の北浜製作所など。

放射能測定器(ほうしゃのうそくていき)

放射能を測定する機器の総称だが、放射線の量や濃度を測定する「放射線測定器」や「線量計」、「ガイガーカウンター」を指すことが多い。放射線測定器はガス検知器同様に、可搬型で人に危険を知らせる目的で使われる。

放射率(ほうしゃりつ)

非接触温度計(サーモグラフィ、放射温度計)の用語。 物体表面の放射効率を表す値で、一般に反射の強い物体ほど放射エネルギーは少なくなる。赤外線と温度との関係はプランクの法則で関係ずけられるが、これは黒体放射の時であり、一般の物体の赤外線の放射はその物体の種類とその表面状態によって異なる。また波長と温度とによっても異なる。黒体の放射率は1である。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より) 関連用語:実効放射率、 環境温度補正、 反射率補正。

防塵・防水等級(ぼうじんぼうすいとうきゅう)

IEC(国際電気標準会議)は機器の保護構造について、防塵・防水性を等級で規定していて、IPコード(IP等級、IP規格)や保護等級(IP保護等級)と呼ばれる。IP(Ingress Protection)は「侵入に対する保護」で、IPの後の数字2文字が人体・固形物体や水の侵入に対する保護の度合いを示す。 計測器もユーザの需要に応じて防塵・防水等級を取得した製品が増えている。

防爆等級(ぼうばくとうきゅう)

ガス防爆用器具は、次に示すような記号を使用して、その器具の防爆構造、性能を表す。記号は構造規格による表示と国際整合防爆指針による表示の2種類がある。構造規格による表示は、1文字目が防爆構造によりd、e、fなどで、その後に爆発等級や発火度の記号が続く。国際整合防爆指針による記号は、防爆構造であることを示すExが1文字目で、後に防爆構造などの(国際的に決められた)記号の記述が続く。たとえば理研計器のガス検知器SD-1は「防爆等級Ex dⅡC T5/T6 X取得」である。 参考記事(会員専用):【展示会レポート】スマートエネルギーWeek春展(FC EXPO/二次電池展/スマートグリッドEXPO)・・理研計器のガス検知器を取材。 計測器情報:SD-1の主な仕様

包絡線検波器(ほうらくせんけんぱき)

(envelope detector) 振幅変調された電気信号の包絡線のみを取り出す検波器をいう。左図が検波器に入力する振幅変調信号(と包絡線)、右図が検波器の出力の包絡線信号。 ※ 右図で包絡線は、プラス側(ピークの最大値同士をつないだ線)だけでなくマイナス側(最小値同士をつないだ線)も相当する。検波器はプラス側の包絡線だけを取り出す。包絡線のことを日本語でエンベロープと呼ぶことも多い。

飽和蒸気圧(ほうわじょうきあつ)

[水分用語]与えられた温度で存在する水蒸気の最大圧力。圧力の単位で表される。(「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」より)

baud(ぼー)

データ通信で「1秒あたりの変調回数」のこと。ボーレート(bsudrate)とも呼ばれる。アナログの電話回線でモデムを使ってデータ通信していた時代は、ボーはbps(ビット/秒)と同じため、データ通信速度として表記されていた。現在のGbps(ギガビット)通信時代にはボーとbpsは必ずしも同じ値にはならない。

ポータブル(ぽーたぶる)

(portable)計測器の形状(用途)による分類に、ベンチトップ(据え置き型)か可搬型かがある。可搬型はハンドヘルド(片手で持てる、という意味)といわれることが多い。代表例はデジタルマルチメータ(DMM)で、ハンドヘルドは縦型で片手で持ち、もう一方の手で操作する。オシロスコープやスペクトラムアナライザのような波形表示部分がある測定器はベンチトップが主流だが、屋外の現場向きに、縦型で前面上部に表示部、下部に操作部があり、片手で持って使う薄型のハンドヘルド型の機種がある。スペクトラムアナライザは、形状による分類ではベンチトップとポータブルに分類される。ポータブルとは、持ち運べる、場所を移動できる、という意味で、ハンドヘルドも十分にポータブルなので、両社の違いは判然としない。屋外での使用を想定した可搬型のスペクトラムアナライザは、軽量・薄型だが、横長の薄型ディスプレイのような形状のモデルもあり、ポータブルと呼ばれることが多い。DMMを代表に、縦型の機種をハンドヘルドと呼んでいるが、ポータブルとの違いは明確に定義がない。オシロスコープはベンチトップでも軽量で、取っ手を片手で持ては十分持ち運びできる機種もあり、それらはポータブルといっても過言ではない。つまり、ポータブルとは明確な定義はないが、十分に軽量・小型な場合にベンチトップか、ハンドヘルドか、という分類とは別に使われている例があることばである。

ポート(ぽーと)

入力(または出力)端子のこと。例:4ポートタイプのネットワークアナライザ。

ボード線図(ぼーどせんず)

(Bode Diagram)周波数応答関数H(f)のゲイン特性と位相特性の2つを1組とする周波数特性表示をボード線図という。ゲインの縦軸は、20log10(H(f))のデシベル(dB)単位、位相はdegree(またはラジアン)で表す。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)

ボードテスタ(ぼーどてすた)

(board tester) プリント基板の検査装置をボードテスタと呼ぶ。ベアボードや半導体パッケージ基板、実装基板のショート・オープン検査を高速に行うなどの機能がある。インサーキットテスタとも呼ばれる。構造は多チャンネルの簡易デジタルマルチメータ(またはLCRメータ)といえる。計測器メーカとしては日置電機がラインアップが多い。計測器の1種だが、検査ラインに設備される大型の機器である。 近年、IEEE ではボードテスタに変わる有効な検査手法としてバウンダリスキャンテストを推奨しているが、日本ではまだ普及率が低い。 参考用語:ベアボードテスタ 参考記事(会員専用): 【展示会レポート】JPCA Show 2018 大学展示コーナー(計測関連展示の2校)の2ページ目 ・・バウンダリスキャンによる微小抵抗計測について、バウンダリスキャン研究会の亀山博士に解説いただいた。

ホール効果(ほーるこうか)

(Hall effect)電流の流れているものに対し、電流に垂直に磁場をかけると、電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象。主に半導体素子で応用される。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)