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- クアルコム(くあるこむ)
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(Qualcomm,Inc.) [半導体デバイスメーカ] スマホ用のチップに強い半導体メーカ(ファブレス)。移動体通信の技術開発と、半導体の開発・設計をする1985年設立の米国企業。3G以降のデジタル方式の移動体通信の半導体をほとんど全て手掛けている。新しいデジタル無線通信の方式が規格化されると、クアルコムがまずチップセットを開発することが多い。移動体通信が世界的に普及した現在では、多くの企業がクアルコムに関連する事業を行っている。 世界中の移動体通信は1990年代からデジタル化した(世界基準の3Gの普及)。CDMA方式の規格と共にクアルコムという企業名は登場する。以降、移動体通信の計測器メーカもクアルコムと無関係ではいられない。
- quick brown fox(くいっくぶらうんふぉっくす)
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元々はタイプライターの試験に使われた英語のパングラム。パングラムとはアルファベット26文字をすべて使い、なるべく重複しないようにした文書(言葉遊び)のこと。正式な文章は“The quick brown fox jumps over the lazy dog.”。和訳「素早い茶色の狐はのろまな犬を飛び越える」には全く意味はない。アルファベット26文字がすべて使われていることに意味がある。データ通信の分野で正確に送れるかの簡易試験にも使われた。通常はquick brown foxと略称される。Fox Massage(フォックス・メッセージ)と俗称されることもある。現在はフォントのサンプル例として使われることが一番の代表例。
- 空間周波数(くうかんしゅうはすう)
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(spatial frequency) 長さ(距離)の逆数の物理量(単位:1/m)。時間の逆数を周波数と呼ぶのに倣い、長さ(空間)の逆数をこのように命名した。空間的な(spatial)周波数(frequency)である。 元来、周波数とは「単位時間当たりの波の数、振動数」や回転体の速さのことで、電気では重要な基本物理量である。計測ではスペクトラムアナライザやFFTアナライザなど周波数ドメインの計測器は、マルチメータ(電圧・電流)、オシロスコープ(時間)と共に、最も使用頻度が高い基本測定器である。数学の手法であるラプラス変換で、時間の関数を変換すると周波数の関数となる(フーリエ変換)。周波数による分析は、時間的な周期がある現象を簡便に解析できて便利である。そのため、時間とともに基本的な概念である空間の逆数(空間周波数)を求めると、「空間的な周期をもつ構造」を解析することができる。空間周波数とは「単位長に含まれる構造の繰り返しの多さ」を表し、メートルあたりの周期といえる。この概念から、各分野で多くの応用がなされている。 画像処理の分野では「ミリメートルあたりの線数」が空間周波数である。画像を扱う光学の用語では、物体が正弦波格子で構成されていると考えたときの強度(振幅)の指標を、単位長あたりの白黒の数(コントラストのペア)、lp/mm(lines pair per millimeter、ラインペア/ミリメータ)で表し、これを空間周波数と呼称する(画像にある「単位長に含まれる明暗の縞模様の波の数」のこと)。画像は位置によって(空間的に見る場所によって)明るさ(信号)が変化する。そのため、「空間周波数:空間的に変化する信号の周波数」という説明もできる。「空間周波数が高い」とは、像にエッジなどの鋭い変化があることを意味する。 半導体の分野では「露光される周期的なパターンの長さの逆数」を空間周波数という。投影光学の解像度に関係する指標である。 時間に対する周波数という概念や分析手法を、空間(長さ)に応用して「空間周波数」なる概念(物理量)を考案することで、画像、光学、半導体などの広い科学技術分野で使われている。
- クーロメトリ法(くーろめとりほう)
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DIN EN ISO 2177に準拠した、金属皮膜の厚さを測定する電解法。目的成分を電流効率100%の条件下で電解し、これに要した電気量から定量分析を行う方法。膜厚測定器のフィッシャー社の方式は測定セルを皮膜定膜に密着させて、一定の測定面積・電解液・電流のもと皮膜定膜の電気分解を時間と電圧の変化により分析する。つまり、電気メッキの逆の工程を厳密に各数値を計測しながら行う。別名:電量分析法、電解式。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)
- クーロンメータ(くーろんめーた)
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静電気の帯電を電荷量(クーロン)で測定する機器。
- クオーツ温度計(くおーつおんどけい)
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水晶振動子をセンサーとした高精度の温度計。(=水晶温度計)
- クオリティーファクタ(くおりてぃーふぁくた)
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(quality factor) インダクタの性能を表す指標。記号「Q」で表すので別名「Q値」とも呼ばれる。値が大きいほどリアクタンスとしての純度が高いことになる。 参考用語:Qメータ 参考記事:LCRメータの基礎と概要 (第1回)の2ページ目・・Qメータの回路図など説明がある。 計測器情報(会員専用):Qメータの製品カタログ
- 矩形波(くけいは)
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(square wave) 時間と共に値が変化する交流で、最も基本的なのは周期的な波形の正弦波である。交流で正弦波以外を非正弦波と呼称する(非正弦波も一般には周期的な波形といわれている)。非正弦波の1種が矩形波(別名:方形波)で、理想的には(※)2つの値しか持たない。高い値をハイ(または1)、低い値をロー(または0)と呼び、ローはゼロやマイナスの値の時もある。波形の形が四角なので矩形波や方形波の名前がある。 矩形波:方形波と同様のスイッチング特性を持つ波形で、ハイとローの時間が等しくないものも含まれる(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)。 非正弦波には矩形波のほかに三角形の三角波(triangle wave)、のこぎりの歯形に似たのこぎり波(saw tooth wave)、短時間に急激に変化(脈動)するパルス波(pulse wave)などがある。非正弦波を含む多くの波形を出力できるのがファンクションジェネレータ(略記:FG)である。矩形波発生器や方形波発生器のような名称の計測器はない(以下の計測器情報を参照)。 RFなどの高い周波数の正弦波を正確な精度で出力するのが標準信号発生器(略記はSGが多い)、同じく高精度のパルス波に特化して出力するのがパルス発生器(略記:PG)、パルス列を自由に作成できるのが誤り率測定器(BERT)やロジックアナライザのパルス・パターン・ジェネレータ(略記:PPG)である。 このように矩形波(方形波)と(その変化が急峻な)パルス波は、デジタル信号の基本で、オシロスコープによるアイパターン測定で品質を評価される。 (※)電気信号は有限の時間で変化する。矩形波はあるタイミング(時刻)にローからハイに瞬時に変化すると説明されるが、オシロスコープの横軸(時間軸レンジ)を小さくする(波形を拡大する)と、信号は緩やかに曲線を描いてローからハイに進み、ある短い時間(有限の時間)を使って変化する(立ち上がり時間や立ち下がり時間がある)。つまり、ローとハイの2値しかないデジタル信号も、アナログ信号なのである。そのため「矩形波は理想的に2値しか持たない」と説明される。
- 屈折率計(くっせつりつけい)
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屈折率を測定する機器。「屈折計」ともいわれる。日本薬局方に「屈折率測定法における屈折計の仕様に関する規定」が記載されていて、屈折率は医薬品の品質管理の指標として使われる。尿の比重や尿蛋白を液体の屈折率から測定する医療器から始まったアタゴ(国内メーカ)は糖度計・濃度計のトップメーカである。アタゴの「ポケット糖度計・濃度計PALシリーズ」には「屈折率目盛りの表示」モデル(PAL-RI)があり、薬品や化学製品のような屈折率で管理する液体の測定向けである。つまり屈折率計と糖度計は似たカテゴリーの測定器といえる。屈折率(refractive index)とは真空中の光速を物質中の光速で割った値で、物質中での光の進み方を記述する指標である(Wikipediaより)。
- 組込み(くみこみ)
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1. 単体の測定器ではなく、機器に内蔵して使用されることを指す。「ベンチトップ」や「スタンドアロン」と対比して使われる。例:「組込みタイプ」、「組込み用電源」。2. ITやソフトウェアの世界では「組込みソフトウェア(embedded software)」を略していっていることがある。組込みソフトウェアとは、家電や産業機器などに内蔵され特定の機能を実現するためのコンピュータシステムで動作するソフトウェアのこと。ハードウェアであるMPU(マイクロプロセッサ、マイコン)やROM(メモリ)が実装されたプリント基板と、メモリに格納されたプログラムで構成される。 炊飯器から、ロボット、ブルドーザまで、現在のほとんどの電気・電機製品にはMPUと組込みソフトウェアが搭載されている。組込みシステムを試験して完成品にする測定器としてICE( In-Circuit Emulator、アイス、マイコン機器開発支援装置)がある。
- 組込みシステム(くみこみしすてむ)
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(embedded system)組込みソフトウエアを含めた組込みシステム技術全般を指す言葉。組込みシステムとは、電子機器などに組込まれ、その機器特有の機能を実現するコンピュータシステムを指す。今や炊飯器から携帯電話まで身近にあるあらゆる電子機器にはマイクロプロセッサ(MPU/CPU)とそれを動かすソフトウェアが組込まれている。電子機器を動かしているこれらハードウェア(マイコン)とソフトウェア(プログラム言語)を総称して「組み込みシステム」やembedded(エンベデッド)と呼ぶ。組込みシステムの開発・試験をするツールがマイコン開発支援装置(In Circuit Emurator:ICE、アイス)やデバッガーと呼ばれた計測器群だった。adviceの愛称で一世を風靡したICEメーカの横河デジタルコンピュータは現在は横河電機とは資本関係が無いが(現会社名:DTSインサイト)、顧客への定期DMには今も「組込みメールニュース」というタイトルのものがある(2021年10月)。ICE市場は2000年頃に比べたら激減して多くの国産ICEは撤退してしまったが、今でも「組込み(embedded)」は計測(ICEなどのエミュレータ関連)の用語として健在である。ベンチャーで1980年代にはICEのNo.1メーカだった株式会社ソフィアシステムズは今は株式会社Sohwa&Sophia Technologiesで、ICEは主力製品ではないが、いまでも「Embeddedシステム関連を中心とした最新情報のメルマガ」を定期配信している(2021年12月)。
- クライアント/サーバ(くらいあんとさーば)
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(client-server) クライアント/サーバシステム、クライアントサーバモデル、クライアントサーバ方式などの表現がある。意味が広範なので、以下にいくつかの説明(解釈)を述べる。 1. クライアントは、ユーザが直接操作するデバイス(例えば、パソコン、スマートフォン)を指す。サーバはリソースを提供するコンピュータやプログラムを指す。クライアントはサーバにリソースを要求し、サーバはレスポンスをユーザに表示する。サーバはハードウェアとは限らない。たとえばメールを管理しているプログラムであるメールサーバ、メモリにデータを保管しているデータサーバなどがある。 2. クライアント/サーバシステムとは、サービスを利用するコンピュータ(クライアント)と、サービスやデータを提供するコンピュータ(サーバ)とが、ネットワークを介して通信しながら動作するシステムを指す。サーバ/クライアントシステムとも呼ばれ、1980年代以降に普及した。 3. クライアントサーバモデルは、機能やサービスを提供するサーバと、それを利用するクライアントとを分離し、ネットワークを介してつながるコンピュータネットワークのソフトウェアモデル(ソフトウェアアーキテクチャ)である。略して「クライアント・サーバ」や「クラサバ」と呼ばれたり、C/Sと略記されたりする。 4. クライアントサーバシステムは、分散型コンピュータシステムの1種で、クライアントとサーバと呼ばれるコンピュータがネットワークで接続されている状態、あるいはネットワーク自体を指す。サーバコンピュータはプリンタを始めとしたハードウェア資源、アプリケーションソフトなどを集中管理している「親機」のようなもの。クライアントはサーバが管理している資源を利用するためのコンピュータで「子機」のようなものである。 client(クライアント)は元々、「広告代理店に広告を依頼した人。広告主」。なので、「顧客、依頼人、施主」などの意味がある。ここでは単にサービスの使用者(ただの端末にすぎない)なのに、サービスを享受する立場として、顧客に相当する英語が使われている。server(サーバ)は「survice(サービス)を行う者」。つまりサービスの提供者。関連する英語の、servant(サーバント)は「主人(master、マスタ)に使える下僕、召使、使用人」、である。つまりサーバはマスタに使われるイメージで、制御・支配する親器ではなく制御・支配される子器のように連想される。つまり、サーバよりクライアントの方が上位の(偉そうな)イメージがある。 「サーバ(親機)が管理している資源をクライアント(子機)は使う」、という説明は、実体として正しいが、元来のクライアント/サーバとは違う(誤解を招く)説明だと筆者は感じる。そもそも、サーバとクライアントというネーミングは、サーバがクライアントを管理しているというイメージがつきにくい。管理者と制御される側の関係を示す用語に、マスタ/スレーブがある。これは「マスタ(主人)とスレーブ(奴隷)」という意味なので、これまた極端なネーミングである。欧米のIT/ネットワーク用語であるクライアント/サーバは誤解を招くので不適切、マスタ/スレーブは下品なネーミング、と思うのは筆者だけであろうか。 一般には「クライアント/サーバ」で、サーバが先頭の「サーバ/クライアント」という表記はほとんどされない。サーバよりクライアントの方が重要であることを伺わせる。「サーバ」は「サーバー」という表記もあり、表現は不統一。 クライアントサーバ方式では、利用者が操作するクライアント(端末)からの要求に基づいて、サーバがデータの提供を行う。一方、ピアツーピア(P2P)方式では情報を一元管理するサーバが存在せず、ネットワークに接続している端末同士で直接データの検索や転送を行う。
- クライオスタット(くらいおすたっと)
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試料を低温に保つための装置。物性測定、構造解析、光学測定などで計測器とともに使われる。
- グラフィック・エディタ(ぐらふぃっくえでぃた)
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信号発生器に組み込まれているツール。これを使用すると、グラフィック表示される波形を見ながら信号を編集できる。編集した結果のデータ・ポイントはコンパイル(※)され、波形メモリにストアされる。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)(※)「編集」という意味。 参考用語: シーケンス・エディタ、 シーケンス機能、 シーケンス・リピート・カウンタ、 イベント入力、 統合エディタ
- GND(ぐらんど)
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グランド(またはグラウンド)の略記。電気機器を地面に接続し(接地)、基準レベルとなる電圧を確保する。計測器には「GND」の表記がされることが多い。地面を表す英語のgroundが由来。
- グランド(ぐらんど)
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(ground) 地面を表す英語のgroundが由来なので「グラウンド」と表記されることもあるが、計測器では「グランド」のほうが多い。 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では以下の解説がある。「グランド:1. 電気回路や電気機器を地面に接続する導体で、基準レベルとなる電圧を確保するためのもの。2. 回路内の電圧基準ポイント。」
- グランド・リード(ぐらんどりーど)
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(ground lead) 信号線とは別にグランドに接続する線材(リード)のこと。特に高周波の測定ではオシロスコープのプローブのグランド・リードは単なる線ではなく、インダクタンスをもったコイルとなる。信号グランド近くにグランド・リードをつないでも、プローブに標準で付いている物では長すぎて不適切な場合がある。グランド・リードのインダクタンスとプローブの持つ入力容量が共振回路を形成すると、オシロスコープの観測波形にリンギングが現れる。その場合、グランド・リードを最小の長さにする必要がある。 オシロスコープのプローブには、各種のグランド・リードのアクサセサリが用意されている。キーサイト・テクノロジー のN4837A(Ground Lead 15cm, kit of 2)はN2870Aシリーズ(2.5mmのパッシブプローブ)と組み合わせて使用する標準16cmのグランドリード。N4844A(Right angle ground lead 5cm, kit of 2)は、N2795A/2796A/2797A アクティブプローブに一般的な低周波プロービングをするための、5cm直角グランドリード。 表記はグランド・リードとグランドリードの2通りがある。
- クランプ(くらんぷ)
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(clamp) 計測器でクランプとは「電線を挟み込んで電流を測定する機器」のこと。活線状態で電流測定できることが最大の特長。一般にクランプというと電流センサ、電流プローブを指し、クランプセンサ、クランププローブ、クランプアダプタ、カレントプローブなどの各種の呼び名、品名がある。またクランプ電流計(クランプメータ、クランプテスタ)の略称の場合もある。クランプ電流計はハンドヘルドの計測器で、先端に電流を挟み込むクランプが付いている(代表的な現場測定器)。クランプは機械的に稼働する部位なので、使用頻度によって摩耗して破損することがある。 クランプの種類は、方式別ではCT方式、ロゴスキーコイル方式、ホール素子方式などがある。共立電気計器、日置電機、マルチ計測器、ユー・ディー・アールなどの計測器メーカは豊富なラインアップがある。 日置電機の品名の例を示す。電流センサの「AC/DCカレントプローブCT684xA」は電力計などの測定器につなぐ。波形観測用の「クランプオンプローブ327x」や「電流プローブCT67xx」はBNC端子なので、オシロスコープにつなげる電流プローブである。「AC/DCカレントセンサCT76xx」シリーズはメモリレコーダやデータロガー につなぐ。AC専用の「クランプオンセンサ9272-05」や漏れ電流用の「クランプオンリークセンサ9675」など、用途よって多くのモデルがある(「クランプオンプローブ9132-50」は負荷電流測定用)。クランプ電力計は「クランプオンパワーロガーPW3365」、クランプ電力チェッカーは「ACクランプパワーメータCM3286-50」。このように日置電機1社だけでもクランプ関連の多くの品名(名称)がある。 電流や電力の測定器メーカのクランプの中にはBNCコネクタでオシロスコープに直結して使えるモデルも多い。つまりオシロスコープの電流プローブとプランプ(電流センサ)の区別は難しい(以下の参考記事が詳しい)。 英語のclampは「留め金」や「かすがい」のことで、板や資材等を挟んで固定する器具である。足場を組み立てるときに鋼管を締め付ける金具も「クランプ」と呼ばれる。そのため、「留め金で固定する」や「留める」の意味がある。また、物を加工するときに動かないようにする器具も指している(※)。ワークや部品を挟み込んで固定する方式の治具(器具)の総称で、ネジで固定するコの字型の金属プレートなどがある。 ドイツ語の鉗子や留め具から派生して、医療では「遮断する」という意味で使われる(※※)。このようにクランプは広範な意味がある。電流測定のセンサであるクランプは、対象となる電線を「挟み込んで留める」ことからクランプの呼称になったと推測される。電子回路では、電圧を制限することを「クランプする」と表現する例もある。 (※) DIYなどの工作で使われる万力(まんりき)は英語でvise(バイス)なので、クランプとは違うが、「クランプは万力の1種」という解説もある。万力に似た器具にjack(ジャッキ)がある。 (※※) 筋肉の痙攣で起こる「こむらがえり」は「筋クランプ」とも呼ばれるが、スペリングはcranpでclampではない。
- クランプオンアダプタ(くらんぷおんあだぷた)
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電線を挟み込んで電流を測定するセンサ(クランプセンサ)で、日置電機の品名。クランプオンアダプタ 9290-10は、クランプメータ(クランプ電流計)につけるとAC1000Aまで測定範囲を拡張できるクランプ。クランプメータ用のアダプタ。
- クランプオンリークハイテスタ(くらんぷおんりーくはいてすた)
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日置電機の漏れ電流計の品名。電流測定はクランププローブが使われる。クランプとは電流が流れる線材を挟んでホール素子などで囲み、磁力線から電流値を検出する機構のことを指す。日置電機はプランプ製品のラインアップが最も多い計測器メーカの1つである。特に現場用のハンドヘルド(可搬型)のテスタが強い。 「ハイテスタ」という名称は日置電機特有のネーミング。たとえばメモリレコーダを「メモリハイコーダ」。クランプ電流計を「クランプオンAC/DCハイテスタ」など、「ハイ」が好きである。そのため、クランプ式の漏れ電流計は「クランプオンリークハイテスタ」と呼んでいる。同社の2022年現在の漏れ電流関連製品は「リークハイテスタ」は生産中止で、「クランプオンリークセンサ」や「リーククランプメータ(CM4000シリーズ)」がある。 参考用語:漏れ電流測定器、漏れ電流試験器、I0r測定器、成極指数、誘電吸収比 計測器情報:日置電機のクランプオンリークセンサ 製品カタログ(会員専用):日置電機のクランプメータCM4000シリーズ