計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

80

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

RGB(あーるじーびー)

色の3原色のこと。赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の原色の混ぜる具合で幅広い色を再現する手法や、その割合、表示装置に送る信号などを指す。RGBは3色の頭文字。 TVやDVDプレーヤなどの映像機器の接続にはR、G、Bそれぞれの信号線がある。近年薄型テレビなどの新しいディスプレイが発売され、4K/8K放送が始まり、モニタが高精細になっている。光と色の測定器である輝度計や色彩計などもそれに対応して高性能になっている。コニカミノルタやトプコンテクノハウスなどがカラーアナライザ、色彩輝度計、分光放射計などの製品群をシリーズ化、改良して、新製品を発売している。

ISDB(あいえすでぃーびー)

Integrated Services Didital Broadcasting の略 (=統合型デジタル放送)。

ISDB-T(あいえすでぃーびーてぃー)

Integrated Services Didital Broadcasting Terrestrial の略。日本の地上デジタル放送の規格。

ISDB-T SB(あいえすでぃーびーてぃー えすびー)

Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial for Sound Broadcasting の略 (=地上デジタル音声放送)。

ISDB-T用測定器(あいえすでぃーびーてぃーようそくていき)

地上デジタル放送用の信号を測定する機器。

I2S(あいすくうぇあえす)

(Inter-IC Sound) フィリップス社(※)が提唱した、デジタル音声を伝送するためのIC間通信の規格。I2Sバスには、LJ、RJ、TDMと呼ばれるバリエーションがある。主に電子基板上で半導体チップ(IC)間の音声データ伝送に用いられる。家電製品から半導体、医療機器まで手掛けていたオランダのフィリップスが1986年に策定し、業界標準として広く普及した。オーディオ機能を持つ電子機器内部で使われている。同期式シリアル通信であるI2Cと似た方式である。最近のオシロスコープはシリアル通信などの規格の解析にオプションで対応している。I2Sに対応したモデルもある。 (※)(Philips) 1891年にヘラルド・フィリップスがオランダで電球工場として設立。ヨーロッパの代表的な総合家電メーカになった。日本では電気かみそりや電動歯ブラシで知られるが、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像(MRI)、などの医療機器・ヘルスケア事業に注力している。以前は音響・映像(オーディオ・AV)分野の、レーザーディスク(LD)、コンパクトディスク(CD)、Blu-ray Discなどの開発や規格提唱をしたメーカの1社である。半導体の事業は、2006年にNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)として独立している。日本のソニーやパナソニックが半導体もつくっているのと同じ。

Acterna(あくてるな)

2000~2005年に存在した通信計測器メーカ。短期間で無くなったので、今となっては実態が良くわからず「謎の通信計測器メーカ」である。ただしネット上にはActerna製の製品カタログも検索でき、(日本だけでなく世界の)通信計測器業界に爪痕を残した。WWG(Wavetek Wandel Goltermann)は米国の計測器メーカWAVETEK(ウエーブテック)とドイツの通信計測器メーカWandel&Goltermann (ワンデル・ゴルターマン)が1998年に合弁した会社だが、さらにハンドヘルドの計測器メーカTTCが2000年にWWCに合併してActerna(アクテルナ、またはアクターナと呼称)が設立された。当時の日本はCATVの普及期で、Acternaはケーブルテレビ用の計測器をInterBEE(インタービー、映像関連の大きな展示会)などに出展していたが、当時の日本での正式な企業名は今となっては不明。 2001年に有線通信測定器の老舗、安藤電気が大株主をNECから横河電機に変更(つまり横河電機に身売り)することに造反して、安藤電気の計測器事業部門の技術マネージャ以下複数の技術者がActernaに転職している。Acternaは光ファイバ用計測器をラインアップするJDSU(旧JDSファイテル)に2005年に買収され、さらに2015年に計測器部門が分割されて現在はViavi Solutions(ヴィアヴィソリューションズ)になっている。 2000年当時は、ドイツのワンデル・ゴルターマンと米国ウエーブテックという老舗計測器メーカが合体したWWGは、キーサイト・テクノロジーに対抗する通信計測器の1極であったが、それを継承したActernaはJDSUに吸収され、数年間で消滅した。JDSUがWWGを飲み込んだのは、従来のデータ通信や伝送・交換装置用測定器という機種群は、光通信を主体にしたモデルに移行していったという背景がうかがえる。光通信測定器と無線測定器を継承したViavi Solutions以外の海外の通信測定器メーカとしては、EXFO(エクスフォ)が光通信の基本測定器(光パワーメータや光スペクトラムアナライザなど)とネットワーク用測定器(伝送装置などの評価)をラインアップしている。国内の光通信の測定器は横河計測(旧安藤電気の光通信の製品群)が健在。LANやOTDR(光パルス測定器)などの可搬型のケーブルテスタではFlukeNetworks(フルークネットワークス)が専業メーカとして有名。 参考用語:伝送交換

アクテルナ(あくてるな)

(Acterna)通信計測器の老舗ワンデル・ゴルターマンや、米国の老舗計測器メーカのウエーブテックを継承し、2000年に設立した、主に通信計測器をつくったメーカ。2005年に光ファイバ用計測器のJDSユニフェーズ(JDSU、旧JDSファイテル)に買収されて会社は無くなった。数年しか存在しなかったため、今では実態が良くわからない、幻の通信計測器メーカ。「アクテルナ」または「アクターナ」と呼ばれた。参考用語:Acterna

映像信号発生器(えいぞうしんごうはっせいき)

テレビ機器用の信号を発生する測定器。国別の規格やアナログ、デジタルなど各種の方式に対応し、放送規格の進化(通信との融合など)により、新しい機種が継続して発売されている。

AMD(えーえむでぃー)

(Advanced Micro Devices) インテルに次ぐ世界的なCPUベンダ。1969年にフェアチャイルドの技術者(複数人)が独立してAMDを設立。PCやデータセンタ市場を独占している命令セット・アーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture)である86系プロセッサ(X86)は、インテルが開発したものだが、具体的な製品(半導体デバイスであるCPU)は、インテルとAMDの2社が主に提供(製造・販売)している。 一般の民間人にはAMD社はあまり知られていないが、インテル互換の半導体チップをつくり、CPUではインテルに次ぐシェア(インテルの競合)の、世界的な半導体デバイスメーカである。インテルが主に自社生産なのに対して、AMDは設計に専念し、製造はインテルよりも進んだ微細化技術を確立している外部の製造工場に委託し、インテルよりも低価格で販売している。つまりファブレスで、TSMCを上手に活用している。性能や安定性を選ぶならインテル、コスパや納期重視ならAMDといわれる。 米国の市場調査会社Gartnerは2024年1月に「2023年の世界半導体メーカ別売上ランキング」を発表した。AMDは昨年と変わらず7位。1位のインテルと比べるとAMDの売上額は半分だが、CPUではインテルを猛追してシェアを伸ばしている。 ロジックデバイスはCPUのほかにFPGAがあり、最近ではAIに使われるGPU(画像処理に特化したプロセッサ)も売上が伸びている。FPGAの2大メーカはAltera(アルテラ)とXilinx(ザイリンクス)だった(2000年代に登場した広帯域オシロスコープのアプリケーションにもFPGAの評価がある)。インテルはFPGAを強化すべくアルテラを2016年に買収したが、AMDもザイリンクスを2022年に買収している。AMDはGPUについても、エヌビディアの主力AI半導体H100(2023年時点で、AI分野の企業が奪い合いをしている最先端チップ)と同等の新製品MI300Xを2023年12月に発表した。つまり、AMDはCPUを中核にロジックデバイスでインテル以上の存在になる方針で追撃している。また新興のエヌビディアにも対抗する構えである。 AMDの創設者の1人で、長らくCEOを務めたJerry Sanders(ジェリー・サンダース)は、シリコンバレーで一番派手なセールスマンといわれた。彼は1980年代の日米半導体摩擦では、日本の貿易慣行が不公平であると強く訴えたことでも知られる。現在のAMDのCEO(会長)は台湾系米国人のLisa Su(リサ・スー)。ザイリンクスのCEOだったVictor Peng(ビクター・ペン)も経営陣にいる。

SMPTE(えすえむぴーてぃーいー)

全米映画テレビジョン技術者協会(SMPTE:Society of Motion Picture and Television Engineers)、またはSMPTEが制定した映像関連の規格。

SDI(えすでぃーあい)

(Serial Digital Interface)業務用映像機器で使われている高速シリアル・インタフェース規格。1本の同軸ケーブルでデジタル映像信号とデジタル音声信号を送る。BNCコネクタなど、アナログ映像信号の既存の伝送インフラを利用してデジタル化した。

HD(えっちでぃー)

(High Definition)直訳は「高精細度」。テレビの画面サイズの1つ。従来使われてきた映像方式は標準画質SD(Standard Definition)だが、アナログ地上波から地上波デジタル放送になるときにHDに変わった。

HDR(えっちでぃーあーる)

(High Dynamic Range)従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べてより広い幅の明るさを表現できる技術。

HDMI(えっちでぃーえむあい)

(High Definition Multimedia Interface) 家電やAV機器向けの映像・音声のデジタル・インタフェース規格。1本のケーブルで映像・音声・制御信号を送受信する。PCとモニタとの接続にも採用が進んでいる。

HDTV(えっちでぃーてぃーぶい)

High Definition TeleVision の略(=高精細度テレビ)。走査線の数を多くして鮮明な映像を実現したテレビジョン放送。

NAB(えぬえーびー)

(The National Association of Broadcasters) 全米放送事業者協会。毎年4月にNAB総会とNAB Show(世界最大の放送機器展)が開催される。NAB Show(展示会)のことをNABと呼んでいることも多い。 NAB Showには映像関係の計測器も出展される。プログラマブルビデオ信号発生器などの映像信号発生器をつくる国産の計測器メーカ、アストロデザインは毎年出展している。2023年4月16日(日)~ 19日(水)に米国(ラスベガス)で開催されるNAB SHOW 2023には、同社は「Connecting and Extending」 映像機器のIP化や映像表現の拡張、を提案する。

MPEG(えむぺぐ)

Moving Picture Experts Group の略。映像データの圧縮方式の一つ。

MPEGアナライザ(えむぺぐあならいざ)

MPEG信号を解析する測定器。メーカによってはMPEGテストシステムとも呼ばれる。

MPEG測定器(えむぺぐそくていき)

MPEG(Moving Picture Experts Group)は動画や音声を圧縮・伸張する規格。MPEG測定器にはMPEG発生器やMPEGレコーダ&プレーヤーなどがある。カテゴリーはTV・映像関連測定器。地上波のデジタル化があった2000年代は盛んに使用されたが、現在はほとんど聞かない。代表的な計測器メーカはローデ&シュワルツとテクトロニクス。ただしテクトロニクスはTV・ビデオ関連測定器を2019年に売却したので、現在テクトロブランドのTV測定器は無い。また国内のTV・ビデオ関連測定器メーカもシバソクが撤退(アサカに譲渡)し、発生器はアストロデザイン、モニタ(ラスタライザ)はリーダー電子、の2社にほぼ集約され、MPEG測定器は国内大手計測器メーカはつくらなくなった。