漏れ電流
(leakage current)
別名:リーク電流。漏洩(ろうえい)電流はほぼ同じ意味で使われる。電子回路で、理論上は電流が流れない(絶縁されている)箇所や経路で漏れ出す電流のこと。回路や素子の特性によって生じるため、微細加工されている半導体分野で良く使われる。また患者の安全を確保する医用機器でも「漏れ電流」は規格・法律で規定されている。
「漏電(ろうでん)」とは区別した説明もみかける。たとえば「漏れ電流:当該電気回路内に限る意図しない電流の漏れ出し。漏電:当該電気回路外への漏れ出し。(ウィキペディア)」。ただし、絶縁物に塩などが付着して絶縁強度が保てなくなり大地に電気が逃げたり、湿度が高いと空中に逃げるのを「漏れ電流」や「リークしている」と表現するため、漏電との厳密な区別は難しい。
漏れ電流測定器の例としては、日置電機(日置)の3283クランプオンリークハイテスタや、菊水電子工業(菊水)のTOS3200リーケージカレントテスタなどがある。菊水は計測用電源で有名だが、電源の次に安全関連試験機器のラインアップが多く、耐電圧・絶縁抵抗・アース導通・漏洩電流・部分放電などの各試験に対応したベンチトップのTOSシリーズがある。現場用のハンドヘルドモデルをラインアップする日置電機はクランプ式の漏れ電流計(リークテスタ)がある。同じく現場系の計測器メーカであるマルチ計測器も漏れ電流の測定器がある。菊水は安全規格の耐電圧試験の一種として漏れ電流の測定器をつくり、日置はクランプ電流計を漏れ電流測定まで広げたので、2社のアプローチは異なる。マルチ計測器はメーカ&商社のため、他社にはないユニークな漏れ電流の測定器をラインアップしている。
漏れ電流の測定器の品名は以下の「漏れ電流」以外に「リークカレント」や「リーケージ」などがある。
参考用語:漏れ電流測定器、I0r測定器、成極指数、誘電吸収比、クランプオンリークハイテスタ
計測器情報:品名に「漏れ電流」がある測定器の例