計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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MER(まー)

(Modulation Error Rate) 変調誤り率。TV関連測定器の測定項目にある。

マーカ(まーか)

メイン出力と別にある信号発生器の補助出力。DUTのトリガ信号やシリアル・デジタル・パターン用に使用できる。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

マーカ出力(まーかしゅつりょく)

メイン・アナログ出力信号に同期したバイナリ信号を供給するデジタル出力の一種で、一般的には波形メモリと別のメモリからサンプル出力される。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

マージン・テスタ(まーじんてすた)

(margin tester) テクトロニクスのTMT4(2022年12月発売)の品名。PCI Experss(PCIe)のGen3(8GT/s)やGen4(16GT/s)デバイスのリンク健全性を迅速かつ簡単に評価できるPCIe専用のテストツール。「PCIeリンクの健全性評価をわずか2分で実行できる」とメーカのホームページにはある(2023年11月)。 高速デジタル通信の品質評価は、オシロスコープ(アイパターン測定)とBERT(ビット誤り率測定)が規格試験(コンプライアンステスト)の機材に指定されている。PCIeは、より高速な新しい規格(上位バージョン、次世代)ができると、高速オシロスコープとBERTで評価を行う(※)。ただし、評価機材は高額で、試験には熟練を要する。その割には明確な評価が難しいという現状があり、オシロスコープのトップベンダで、高速デジタル分野に注力している同社が、オシロとBERTによる測定を補完する全く新しい手法として、マージン・テスタを開発した(以下の参考記事が詳しい)。 マージン・テスタは既存にはなかった新しい概念の測定器のため、機種群(カテゴリー)の判断が難しい。オシロスコープのアイパターンに似た測定結果を表示するが、アイパターンではない。製品の構造はオシロスコープではなく、オシロスコープの関連製品でもない。DUTと信号のやり取りをするが、BERTのように伝送システム(伝送装置)を評価するわけではないので、伝送/交換装置用測定器も適切ではない。当サイトでは、PCI関連ということで、PCIバスアナライザなどを登録しているプロトコルアナライザに分類している(これが最も適切な分類ということではない)。 (※) BERTでアイパターン測定もできるバートウェーブという製品を2010年代にアンリツは発売している。また、キーサイト・テクノロジーは広帯域オシロスコープでビット誤り率を測定する手法を提案している(以下のKeysight World 2023が詳しい)。つまり、計測器としてのオシロ(アイパターン測定)とBERTは競合するようになっている。テクトロニクスはキーサイト・テクノロジーと広帯域オシロスコープでは競合しているが、BERTはつくっていない。そのためオシロとBERTによる従来の評価にマージン・テスタという別の手法を提案したといえる。

マージン・テスト(まーじんてすと)

評価対象の機器の動作範囲内を超える状態で動作させ、どれくらいの値まで正常動作するかを試験すること。仕様で規定している数値を超える状態になっても、ある程度までは正常動作することが確認できれば、それが仕様の余裕(マージン)となる。計測器の例として次の解説がある。「コンポーネントやデバイス、システムに、ジッタやタイミング違反などのストレスをかけて動作限度を決定する一般的な信号発生器の用途。ストレス・テストとも呼ばれる。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)」

マイク(まいく)

マイクロホン(microphone、マイクロフォンとも表記)の略称だが、一般に「マイク」と呼称されることが多い。音響機器の1種で、音を収集して、電気信号に変換する。音響計測や騒音計などには必須の機器である。「音という物理量を検知するセンサ」という説明もできる。加速度ピックアップなどの振動センサと同様に、圧電素子を使ったマイクもある。 マイクというと音響機器であるオーディオメーカが一番に思い浮かぶが、計測器メーカとしてはB&K(ブリュエル・ケアー an HBK company)やリオンなどがラインアップしている。計測器の1種(アクセサリ)といえる。

マイクロウェーブ(まいくろうえーぶ)

(Microwave)300MHz~30GHzの周波数の電波をマイクロ波やマイクロウェーブと呼んでいる。現在の携帯電話で利用されている周波数である。本用語集の「マイクロ波」の項目を参照されたい。無線通信関連企業には「マイクロウェーブ」を会社名に使う企業が多くある。

マイクロLED(まいくろえるいーでー)

R(赤)・G(緑)・B(青)がそれぞれ独立したLEDを使った新しいディスプレイ。液晶や有機ELより高精細が実現できる。 参考用語:OLED

マイクロオームメータ(まいくろおーむめーた)

マイクロオーム(μΩ)程度の抵抗を測定する機器。

マイクロコントローラ(まいくろこんとろーら)

(microcontroller)メモリやI/Oを内蔵して、電子機器の制御に特化した低価格のマイクロプロセッサ。制御用ICのこと。

マイクロコンピュータ(まいくろこんぴゅーた)

(microcomputer)マイクロプロセッサ(MPU/CPU)を使用した小型のコンピュータシステム。「大変小さい(micro)コンピュータ」、とでもいうネーミング。MPUとメモリなどで構成され、プリント基板上につくられる。最近の電気機器はほとんどマイクロコンピュータを内蔵している。また、1つのIC(Integrated Circuit)で基本動作を完結できるワンチップマイクプロセッサのことを指していることもある。たとえば自動車の主要装置であるECU(Electronic Control Unit、自動車内の各システムを制御する装置)に内蔵されているマイクロプロセッサを、マイクロコンピュータやマイクロコントローラ(micro controller)と呼称している。マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラはみな、「マイコン」と略称される。たとえばマイクロコンピュータで動作する電気機器を開発するのに使う計測器(評価ツール)であるICE(エミュレータ、デバッガー)は、「マイコン開発支援装置」という呼称がある。参考記事:「車載マイクロコンピュータの基礎~車載システムを支える頭脳」。マイクロコンピュータの構造と動作原理を解説。

マイクロスコープ(まいくろすこーぷ)

(microscope) 物体の表面を拡大して見ることができる、顕微鏡の1種だが、日本で「マイクロスコープ」というと、顕微鏡とは別カテゴリーの機種群として確立している。通常、実体顕微鏡などの一般的な光学顕微鏡は2つのレンズ(対物レンズ、接眼レンズ)があり、接眼レンズに目を近づけて対象を観察する。ところがマイクロスコープは対物レンズのみで、接眼レンズに相当する部分がデジタルカメラになる。そのため「デジタルマイクロスコープ」と呼称するメーカも多く、「デジタルカメラを搭載した顕微鏡。CCDなどの映像素子でデジタル画像にできる顕微鏡。」がマイクロスコープという説明ができる。また、顕微鏡のように筒を覗かないで、観察対象を外部のディスプレイ(モニタ)に映す。そのためマイクロスコープを「モニタースコープ」と呼称することも多い。つまり、マイクロスコープとは「外部モニタに画像を表示できるデジタル顕微鏡(デジタル画像で記録できる顕微鏡)」という説明もできる。 マイクロスコープのトップメーカは国産のキーエンスで、ラインアップ(シリーズ)が多く、何世代も製品をエンハンス(改良)して新しいモデルを発売してきた。株式会社ハイロックスは、ラインアップは少ないが性能が良いといわれている。マイクロスコープはレーザー顕微鏡(コンフォーカル)や電子顕微鏡と性能(分解能)が重なる性能を持っている。そのため、半導体製造装置でも有名なレーザー顕微鏡メーカのレーザーテック株式会社や、SEMやAFMなどの電子顕微鏡をラインアップする分析機器メーカの株式会社日立ハイテクなどは、マイクロスコープの競合といえる。ユーザは用途やアプリケーション、性能・価格などで、これらのマイクロスコープや顕微鏡を選択する。前述の4社(キーエンス~日立ハイテク)はすべて国産メーカである。 英語のmicroscopeは、非常に小さい(micro)ものの観察機器(scope)で、日本語では「顕微鏡」といわれる(microscopeの和訳は顕微鏡)。一般に顕微鏡というと光学顕微鏡を指している。そのため、そうでない場合は電子顕微鏡やレーザー顕微鏡、SEM、AFMなど、特別な顕微鏡であることがわかるような名称を使う。ところが日本語のマイクロスコープはレーザー顕微鏡とほとんど機能・性能が同じなのに、○○顕微鏡ではなく、マイクロスコープ(またはモニタスコープなど)という1カテゴリーになっている。 以下の参考記事「部品をとめる ~ ねじ、ボルト ~」の執筆者は、計測器の例としてハイロックス製品のタイトルを「顕微鏡」としたが、同社から「顕微鏡ではなくマイクロスコープとするのが適切である」という指摘(助言)があった。つまり、マイクロスコープメーカは「顕微鏡ではなくマイクロスコープをつくっている」と認識していて、マイクロスコープを顕微鏡といわれることに違和感を持っている。筆者もマイクロスコープは顕微鏡とは別の1カテゴリーと思っている。ただし、名称(品名)はマイクロスコープでないモデルもあり、マイクロスコープか顕微鏡かの分類が難しいこともある。通販サイトには、タイトルを「デジタル顕微鏡 / マイクロスコープ」にして商品を掲載しているケースもある(マイクロスコープと、顕微鏡を分類するのが難しい一例である)。 microscope(英語)は顕微鏡だが、マイクロスコープ(日本語)は顕微鏡ではない。ただし、マイクロスコープはその構造や性能、用途はレーザー顕微鏡の仲間である(※)。マイクロスコープは顕微鏡とは別だが、デジタル顕微鏡と一緒にされることもある。マイクロスコープの定義はややこしい。 (※) マイクロスコープのトップメーカ、キーエンスはレーザー顕微鏡よりも分解能が高い「SEMに迫る精細観察を実現」などのキャッチコピーで製品をPRしている。 そもそも顕微鏡が、光学顕微鏡や電子顕微鏡、レーザー顕微鏡など各種の分類や名称があり、説明が一様ではない。それに輪をかけてマイクロスコープ(顕微鏡を意味する英語のmicroscopeのカタカナ表記)があり、定義がすっきりしない。ライカなどのカメラの老舗は顕微鏡をラインアップしているが、マイクロスコープはない。つまりライカの顕微鏡はデジタル顕微鏡ではない。このように顕微鏡メーカも色々あり、単純ではない。顕微鏡とマイクロスコープ、モニタスコープをすべて俯瞰して、メーカと製品群を一覧にして明らかにする(並べて解説する)ことは簡単ではない。

マイクロストリップライン(まいくろすとりっぷらいん)

(Microstripline)高周波信号をプリント基板上で伝送するために、部品実装面側に線状の信号パターンを作成し、裏側のグランド導体との間で電磁界を形成することで、同軸ケーブルと同様の効果をだすもの。ストリップラインとはプリント基板内に形成する信号経路のこと。

μs(まいくろせっく)

(micro second) 時間の単位「マイクロ秒」の表記。μ(マイクロ)は10のマイナス6乗の接頭辞。0.000001 秒に相当。秒は「セック」と発音(呼称)することが多い。オシロスコープや信号発生器などの計測器で設定や表示に良く出てくる。 参考用語:ms(ミリセック)、ns(ナノセック)

マイクロ波(まいくろは)

(microwave) 周波数3×10(8乗~11乗)(つまり数十MHz~数十GHz程度)の電波の総称。文献によっては「周波数300MHzから30GHz(波長1m~1cm)程度の電磁波」と説明される。携帯電話やテレビ放送(地上波デジタル、BS/CS衛星放送)、無線LAN、レーダー(気象や船舶)、電子レンジなど、幅広い用途に使われている。マイクロ波の波長はμm(マイクロメータ)ではない。電波は周波数が高くなるほど波長が短くなる。技術の進歩によって従来より高い周波数が使えるようになると、波長が小さいという意味で「マイクロ」と呼んだのではないかと想像される。さらに高周波の30GHz〜300GHz(波長1cm〜1mm)は波長の長さから、ミリ波と呼ばれる(下の周波数をマイクロ、といってしまったのに、さらに上の周波数が使えるようになると波長の長さで命名したと推定)。電波の分類ではマイクロ波よりミリ波のほうが波長が短い。波長が短いマイクロ波やミリ波は、もはや電線のような導体を伝搬することができず、導波管という筒状の導体で伝送される。 総務省HPの「周波数帯ごとの主な電波の用途と特徴」によれば、マイクロ波は3GHz〜30GHz(10cm〜1cm)で略記はSHF(Super High Frequency)。その下が極超短波(300MHz〜3GHz、1m〜10cm、略記UHF:Ultra High Frequency)で、携帯電話やテレビ放送、電子レンジに使われる、とある。さらに下が超短波(30MHz〜300MHz、10m〜1m、略記VHF:Very High Frequency)で、業務用移動通信(列車無線や防災無線)やラジオのFM放送に使われる。たとえばラジオ放送のFM東京は80.0MHzである。

マイクロ波周波数カウンタ(まいくろはしゅうはすうかうんた)

(microwave frequency counter) 時間測定器の内のエレクトリック・カウンタ(略してカウンタ)は周波数を表示する。種類は周波数カウンタ、ユニバーサルカウンタなどがあるが、マイクロ波帯の周波数(数十MHz~数十GHz程度)を測定するカウンタをマイクロ波周波数カウンタ(またはマイクロ波カウンタ、マイクロ波フリケンシカウンタ)と呼び、無線通信分野で使用される。電力測定器のパワーメータで、高周波に対応したものをRFパワーメータというが、マイクロ波周波数カウンタはRFカウンタといえる。RF測定器メーカであるアンリツ、キーサイト・テクノロジーなどがラインアップしている。最近のユニバーサルカウンタには高い周波数まで測定できる入力があり、マイクロ波周波数カウンタの機能が包含されている機種もある。

マイクロ波信号発生器(まいくろはしんごうはっせいき)

数十GHz程度の高周波信号を発生する測定器。

マイクロ波増幅器(まいくろはぞうふくき)

数十GHzまで対応する増幅器(アンプ)。

マイクロプロセッサ(まいくろぷろせっさ)

(microprocessor)コンピュータで、演算・制御などの機能を1つの半導体チップに集積したもの。CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)などのコンピュータの心臓部にあたる半導体チップのこと。略記:MPU。別名:マイコン。現在ではCPUとほぼ同義に使われている。マイクロプロセッサ(MPU/CPU)を動作させるソフトウェアの開発に使われる計測器がマイコン開発支援装置、別名:ICE(In Circuit Emulator、アイス)である。今やマイクロプロセッサはほとんどの電子機器に組込まれているため、「組込みマイコン」や「組込みシステム 」という言い方もされる。

マイクロボロメータ(まいくろぼろめーた)

非接触温度計(サーモグラフィ、放射温度計)の用語。熱型検出器で、非冷却型センサの一種。受光素子に赤外線が当たると温度上昇がおき、素子の抵抗値が変化する。抵抗値が温度によって変化する性質を利用したもの。最近ではVOx(酸化バナジウム)でつくられたものが主流。関連用語:UFPA。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)