計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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DARWIN(だーういん)

横河電機のデータ集録機器の名称。1990年~2000年頃に販売されていた(現在は生産中止)。形名DA100-01のようなスタンドアロンタイプと、モジュール型で横にスタックしてつないで、長く伸ばしていく型の2種類があった。モジュール型は後のMX100、MW100、GMなどのシリーズに後継された。横河電機は工業計器の会社である。工場やプラントに工業用コンピュータ(DCS)を納品してきた。その周辺機器として圧力伝送器や流量計などと、温度センサとしての記録計といった計測製品群がある。これらは計測器というより、計装用の周辺機器である。そのため、ここでいう記録計とは、計測器の主流であるメモリレコーダ(メモリハイコーダやオムニエースなど、サンプリングしたデジタルデータをメモリに記録する)ではなく、工場の生産現場から温度などのデータを吸い上げるためのセンシング&データ集録機器で、ペーパーレス、PC制御、遠隔通信が主な仕様である。DARWINはまさに、その走りとして工場・プラントに売れた機種群である(横河電機の代理店がDCSと一式で販売した)。横河電機の計測器事業部門(現在は分社化して横河計測)ではなく、FAのソリューション部門がDARWINを開発・設計・販売していた。DARWINの後継現役機種群は横河電機の「レコーダ・データロガー&小規模計装機器」部門が技術問い合わせに応じている。グラフテックや日置電機、キーサイト・テクノロジーなどがつくるデータ集録機器、DAQ(データ・アクイジション)とは違う、FA向けに特化したデータ集録機器である。日置電機のメモリハイコーダなどと同等の位置付けの横河の記録計は、横河計測のDL950、DL350などのスコープコーダと称される機種群で、横河電機の記録計ではない。

DAQ(だっく)

データ集録のこと。データロガーなどのデータ集録機器を指している。「Data AcQuisition」の略記。Acquisition(アクイジション)は「取得」で、データ集録以外にはオシロスコープでもよく使われる(アクイジション・モードなど)。リアルタイムスペクトラムアナライザの機能でも「アクイジション」は用語として出てくる。

DAkkS(だっくす)

Deutsche Akkreditierungsstelleの略。ドイツ認定評議会。ドイツの国家認定機関である。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

DATデータレコーダ(だっとでーたれこーだ)

DAT(Digital Audio Tape)を記憶媒体として、データを記録するデータレコーダ。データレコーダは長時間記録をするために、一時期、DATデータレコーダは普及したが、記録メディアとしてのDATテープの生産中止にともない、現在はほとんど生産されていない。

DIAdem(でぃあでむ)

株式会社共和電業の計測器用ソフトウェアの名称。同社の計測器(ひずみ測定のハードウェア)と併用して、データ検索・読み込みから解析・レポート作成までをサポートし、対話式に作業ができる。

D/Aコンバータ(でぃーえーこんばーた)

(Digital-Analog converter) D-A変換器ともいわれ、有限の2値(あるいは多値)のディジタル信号を連続的なアナログ信号に変換する電子回路をいう。

DAC(でぃーえーしー)

「DAコンバータ」の略記。デジタル(Digital)をアナログ(Analog)に変換する(Converter)部品のこと。「ADC(アナログデジタルコンバータ)」や「ADコンバータ」と記載されることも多い。「ダック」と読むとDAQ(データアクイジション、データ集録機器)になってしまう。地球温鈍化対策の一環として、2021年にはDAC(Direct Air Capture):二酸化炭素CO2を大気から直接回収すること、を「ダック」と呼称している。計測の用語としてはDACはダックではなく、そう読んだらDAQ(データ集録機器)のことで、間違ってもカーボンゼロの用語ではない。

DSO(でぃーえすおー)

(Digital Storage Oscilloscope)現在のデジタルオシロスコープ(デジタルオシロ)の主流の方式。高速のサンプリングレートを持つADコンバータで、1回で信号波形を取りこむ、リアルタイム・サンプリングのオシロのこと。もう1つの種類として等価時間サンプリングの手法で、繰り返しデータ収集をして蓄積(ストレージ)するサンプリングオシロスコープがある。DSOの定義はオシロメーカによって若干異なるので、正確な解説は難しい。オシロの形名にDSOやMSO(ミックスドシグナルオシロスコープ)とつけるメーカが増えた。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)には次のように解説されている。DSO(デジタル・ストレージ・オシロスコープ):A/Dコンバータを使ったデジタル・サンプリングで信号を取込むデジタル・オシロスコープ。アクイジション、ユーザ・インタフェース、ラスタ表示などをシリアル処理アーキテクチャで実行する。 参考用語:デジタルストレージオシロスコープ、リアルタイムサンプリングオシロスコープ

DSP(でぃーえすぴー)

(digital signal processor)デジタル信号処理に特化したMPU(マイクロプロセッサ)。デジタル信号処理とは、アナログをデジタルに変換して、デジタルで演算などの処理を行い、アナログに戻すことを指す。汎用のMPUでも同じ処理をすることはできるが、限られた時間内に高速にデジタル信号処理をすることに特化したMPUがDSPである。現在、デジタルで処理をしている電子機器は大変多いので、たとえばデジタルオシロスコープにも搭載されることが多くなった。メーカとしてはTI(ティーアイ、テキサスインスツルメンツ)やアナログ・デバイセズが有名である。DSPによる画像処理でオシロスコープの波形表示が違う例が次の記事にある。技術情報・レポート/原理・基礎の「デジタルオシロスコープの基礎と概要」https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-DigitalOscilloscope-01/

DFT(でぃーえふてぃー)

(Discrete Fourier Transform)日本語では「離散フーリエ変換」だが、DFTという表記も頻繁に使われている。

DMM(でぃーえむえむ)

Digital Multi Meter の略。(=デジタルマルチメータ)

DLシリーズ(でぃーえるしりーず)

(DL series)横河電機(現横河計測)のデジタルオシロスコープ(オシロ)の通称(愛称)。現在のMHz~GHz帯域のオシロの主流がMSO(ミックスドシグナルオシロスコープ)になったため、現在はDLではなくDLM(MSOタイプのDLという意味)と称している。1989年発表のDL1200シリーズは縦型、設置面積A4サイズ、小型・軽量なので片手で持ち運べる画期的な製品だった。同社は後発でオシロに参入したが、それまで横型(左が画面、右が操作部)だったのを上に画面、下に操作部という縦型を発明した。周波数帯域は100MHzだったが、その後150MHzのDL1500、200MHzのDL1600、500MHzのDL1700と発表した。200MHz~500MHzのモデルを揃えて、500MHzのミッドクラスユーザから100MHz以下のローエンドユーザまで広くシェアを取った。本体価格は数十万円だが、顧客が確保できた予算内に収まるようにオプション(プリンタやメモリ、解析ソフトなど)を付けて100万円以内の販売価格で横河電機の代理店が販売した。文教向けの安価なオシロを販売していたケンウッド(現テクシオ・テクノロジー)以外の国産計測器メーカ(日立電子や岩崎通信機、パナソニックなど)はほとんどが撤退することになった。岩崎通信機はアナログオシロ時代はNo.1だったが、デジタルオシロになってからはレクロイのOEMという状態が続き、DLシリーズに対抗できる状態ではなくなった(最近は自社開発で8chモデルDS-8000シリーズを2020年に発売している)。DLシリーズは操作性が(テクトロやキーサイト、岩通などの)従来のオシロとは異なり、ボタンの数や配置、ファンクションキーによるツリー構造の機能選択など、独自のもので、アナログオシロから脈々と続いてきたオシロの操作性を無視している面があり、通常の電気・電子技術者には取っつきにくいという感想だった。ただし、マイクロプロセッサの普及により、従来のハードウェア設計者ではなく、電気の基礎知識に疎いソフトウェア技術者が増加し、彼らがデバッグで使うには「使いやすいオシロ」として評価されることもあった。ロングメモリにこだわったこともTDSシリーズとの差別化になった。当時はロングメモリはレクロイ(現テレダイン・レクロイ)の特長だった。DLシリーズはDL1500~DL1700の時代に横河電機の計測器事業部門の稼ぎ頭で、世界No.1オシロメーカであるテクトロニクスのTDSシリーズと日本市場で競った。だが、2000年代に1GHzモデルのDL9000シリーズで躓き、このモデル以降、GHz帯域のモデルを開発していない。DLMとなってからはDLM2000~3000、4000、5000、DLM6000などのモデルを発売したが、2000年代中頃から中国・台湾製の激安オシロが日本に上陸し、オシロの価格破壊が起きたため、DLMは以前のDL1500~1700時代のような販売数・額ではなくなった(推定)。参考用語:汎用オシロスコープ

DOA(でぃーおーえー)

(Dead On Arrival)到着時死亡。医療用語で「緊急病院に到着時にはすでに死亡していた」こと。計測器も「到着時動作不良・故障」のことをDOAと呼んでいる(特に海外メーカ)。メーカの出荷検査で漏れたのか、輸送時の振動や取扱いで不具合が生じたのか、理由はわからないことが多い。届いた計測器をユーザが使おうとしたが、電源が入らず起動しない、起動したがOSが立ち上がらない、など正常な動作が確認できず、受け入れ検査不良と判定されることがある。計測器は精密機器であるため、一定の比率で納入時不良が発生する。メーカの品質管理部門では納入時不良(DOA)の管理をしている。

DO計(でぃーおーけい)

液体中の酸素の量を測定する機器。(=溶存酸素計)

D級パワーアンプ方式(でぃーきゅうぱわーあんぷほうしき)

交流電源でのスイッチング方式で、原理的には半導体のONとOFFの状態を高速で行い電圧調整する。半導体のリニア領域で抵抗値分圧し電圧調整する方式(リニア方式)に比べエネルギー損失が少なく効率が高いが、リニア方式に比べ応答速度やノイズの点では多少劣る。(株式会社高砂製作所の「交流電源」用語解説より)

D-subコネクタ(でぃーさぶこねくた)

コンピュータと周辺機器をつなぐケーブルに多く使われている、小型の多ピンコネクタ。ピンの外側を金属が囲み、嵌合すると金属で覆われシールドされる。たとえば、HDMIなどが普及する前の古いモニタ(ディスプレイ)のコネクタは15ピン、セントロニクスやRS-232Cのプリンタは25ピン。Wikipedia(ウィキペディア)の記述から要点を抜粋すると、「D-subminiature(ディー・サブミニチュア、通称: D-sub)コネクタは、2~3列に並んだピンコンタクト(ソケットコンタクト)がアルファベットのDの字に似た形状の金属シールドに囲まれていることが語源。 アメリカのキャノン社が1952年に開発した。」。D-subコネクタが作られた当時は大型コンピュータの黎明期で、十分にsubminiature(超小型)だったと推察するが、今やパソコンや携帯機器など小型の電子機器の普及でモニタのコネクタはより小型のHDMIなどが主流になっている。現在はAmphenol(アンフェノール、略称:AMP)社の角型コネクタが代表的。そのため、「アンフェノールのコネクタ」、「AMPの15ピン」などと呼ぶ人もみかける。

DC(でぃーしー)

Direct Current の略 (=直流)。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では以下の解説がある。「DC:一定の電圧と電流を持つ信号。オシロスコープの用語としては、信号カップリングの種類を表すときなどに使用する。」

DCアンプ(でぃーしーあんぷ)

低い周波数の信号を増幅する増幅器。(=直流増幅器)

DCA(でぃーしーえー)

(Digital Communication Analyzer)キーサイト・テクノロジー社のデジタル・コミュニケーション・アナライザの略記。広帯域オシロスコープメインフレーム。製品としては、86100D Infiniium DCA-X広帯域幅オシロスコープメインフレーム(形名は86100A/B/C/Dあり、最後のDタイプも製造中止)や83480A ディジタル・コミュニケーション・アナライザ。実態はサンプリングオシロ。2スロットあり、モジュールを挿入。当時の同社の形名8千や8万代(8xxxや8xxxx)はオシロではなく、ネットワークアナライザ(NA)やスペクトラムアナライザのようなRF/高周波製品と、光製品。代表的な形名では81xx、86xxxは光製品。85xxx、87xxはNA。DCAとは「高速のデジタル通信で使われる光(または電気)通信の波形の解析器」というネーミング。まず高速通信のアイパターン測定に使われた。TDRモジュールを装着するとTDR測定器になった(NAとは違う原理で部品の特性測定ができる)。たくさんの特定通信規格に対応したモジュールがあった(大変高額な専用品)。別名:光オシロ。モジュールのコネクタは電気だけでなく、光コネクタも多い(高速通信は光になる)。同等品はたとえばテクトロニクスのDSA8300型など。2000年代に6GHzの帯域をもつサンプリングタイプでない広帯域オシロをキーサイト・テクノロジーは発売した。それ以降帯域を伸ばす開発競争が続き、20GHz位まで開発された(2019にキーサイトは110GHzモデルを発表。約1億円/台)。このようにリアルタイム・オシロの帯域が向上したため、サンプリングオシロでアイパターンを見る必要がなくなり、DCAの需要は減り、生産中止となった。2000年頃のキーサイト・テクノロジーのショートフォーム・カタログにはオシロのページにサンプリングオシロとして、また光測定器のページに光波形解析器として、2か所に掲載されていた。

DC-ACインバータ(でぃーしーえーしーいんばーた)

直流(DC)を交流(AC)に変換する機器。パワーエレクトロニクス機器の普及によって、単にインバータと呼ばれることも多い。一般にACをDCに変換することをコンバート(convert)、反対にDCをACに変えることをインバート(in-convertの略)という。エアコンには半導体素子によってDCからACを作る機構(インバータ)が多く採用されている。最近普及している電気自動車はインバータによってモータを駆動して走行している。EVなどの電動車ではエンジンの代わりに二次電池とインバータとモータが重要な装置である。参照用語:AC-DCコンバータ