計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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遅延(ちえん)

(delay)電気工学の用語としては、「電気信号が伝搬する速度は有限なので、伝搬経路によって電気信号の伝搬速度が遅くなる(位相がずれる)こと」。学術的な用語としては「遅延」だが、この言葉には「支払いが滞る状態」など別に意味もあるので、電気技術者は「ディレイ」を良く使う。たとえば電気回路や機器などで「端子Aと端子Bの間にはディレイがある」など。遅延(ディレイ)は悪いことではなく、信号を遅らせるディレイラインと呼ぶ電気部品もある。テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説では「遅延:相似した2 つの信号間のタイミングのずれ。位相シフトとも呼ばれる。」とある。

遅延時間軸(ちえんじかんじく)

オシロスコープの掃引を、メイン時間軸掃引からあらかじめ決められた時間だけ相対的に遅らせて開始、またはトリガする時間軸。これにより、メイン時間軸掃引だけでは見ることのできなかったイベントをよりはっきりと観測できる。(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)

逐次変換型A/D変換器(ちくじへんかんがたえーでぃーへんかんき)

SAR ADC(Successive Approximation Register Analog Digital Converter) とも表記される。デジタルマルチメータ(DMM)で桁数が多い高性能なモデルに採用されているA/D変換器。日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」には次の解説がある。「入力アナログ量を符号化する一方、この符号を順次D/A変換によってアナログ量に変換し、これと入力量との差がゼロとなるように比較制御する。このとき両方の符号が一致した状態でA/D出力値とする。比較的早いサンプリングが必要な場合に広く使用される。耐ノイズは低い。」 参考用語:SAR ADC、積分型A/D変換器

地上デジタル放送(ちじょうでじたるほうそう)

デジタル方式で高画質な映像や高音質の音声サービスを実現するテレビ放送。日本では2011年にアナログ方式から地上デジタル放送に切り替わった。

地中探査レーダ(ちちゅうたんされーだ)

電磁波を利用して地下(地面の下などの地中)の埋設物を探査する測定器。地中探査機とも呼ばれる。TDRなどの現場用測定器のメーカ、株式会社グッドマンには埋設ケーブル探査機などのラインアップが豊富である。

窒素酸化物測定器(ちっそさんかぶつそくていき)

試料ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の濃度を測定・分析する機器。 (=NOx計)

チャージアンプ(ちゃーじあんぷ)

電荷出力型の振動ピックアップと接続して、電荷を電圧信号に変換し増幅するアンプ(増幅器)。

チャートレコーダ(ちゃーとれこーだ)

(chart recorder)紙(チャート)に記録するタイプの記録計のこと。最近の記録計(レコーダ)の主流はペーパーレス(紙に印字する機能が無い)が多いが、工業計器分野や、室内温湿度記録用にはつくられている。いくつかのタイプがあるが、マイクロプロセッサを搭載した横河電機μR10000のペンモデルを例に、その構造を以下の記事で概説している。技術情報・レポート/原理・基礎の「記録計・データロガーの基礎と概要」https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-02/

ChaoJi(ちゃおじ)

中国の規格であるGB/Tと日本発の規格CHAdeMOの統一化が2018年8月に合意されて、ChaoJiと命名された。規格はそれを評価する計測器におおいに関係する。

チャタリング(ちゃたりんぐ)

(chattering) リレーなどの可動接点がある機械構造で、接触状態になる際に短い時間で ON/OFFを繰り返す現象。機械的な動作をする 電子機器(リレーやスイッチ)の接点の動作不良とみなされる。派生して、IT分野ではキーボードで同じ文字が連続して入力されることを指す。Chatter(チャッタ:ぺちゃくちゃ、というおしゃべり。うるさい鳥の鳴き声。)が語源。

CHAdeMO(ちゃでも)

2010年に設立されたCHAdeMO協議会、または充電規格の名称。協議会は日本でEVを充電するための規格の策定や普及を行っている。CHAdeMOは商標名。規格はそれを評価する計測器におおいに関係する。CHAdeMO規格は世界で最も普及している(CHAdeMO協議会の情報によると69か国、18,000基)。中国のGB/T規格と合意したChaoJi規格もある。参考記事:技術情報・レポート/市場動向レポート/「電動化の進展~カーボンニュートラルに向けた動向」(2021/9/27公開)https://www.techeyesonline.com/tech-eyes/detail/TechnologyTrends-2109/

チャンネル間ディレイ機能(ちゃねるかんでぃれいきのう)

(Channel Delay Function)小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある。音響系や機械系などの伝達関数測定時に、その系における信号の伝播時間が長く、系の入力信号と出力信号との間に時間的なずれが生じると、正確な伝達関数の測定ができない(コヒーレンス関数が低下する原因となる)。ディレイ機能はこのようにチャンネル間に時間的なずれがある場合、マスタチャンネルのサンプリング開始に対し、スレーブチャンネルのサンプリング開始を遅らせ、時間的なずれを補正する機能である。

チャンセレ(ちゃんせれ)

チャンネル(またはチャネル)セレクタの略称。複数の信号を切り替えるスイッチの役割をする計測器。通信測定器で、電気(RFなど)の製品と光の製品がある。光の製品は「光チャンネルセレクタ」が正式名称だが「光のチャンセレ」と呼ばれることがある。

中心周波数(ちゅうしんしゅうはすう)

スペクトラムアナライザの表示で、周波数スパンの 中心に相当するスペクトラムの周波数。(2009年9月発行のテクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて」より)

チューナブルレーザー光源(ちゅーなぶるれーざーこうげん)

波長を任意に可変できる(チューンできる)レーザー光源。別名:波長可変レーザ光源。光通信機器の開発に使われる。2000年頃にはアジレント・テクノロジー(現キーサイト・テクノロジー)が全世界で販売したが、現在は同メーカは光通信測定器を縮小しチューナブルレーザ光源は生産していない。横河計測(旧安藤電気)が継続して製品を販売している。サンテックはチューナブルレーザ光源の専業メーカとして有名だったが、現在は他の分野の機器に主力を置いている。波長多重方式の通信装置などが活発に開発・製品化された時代には高額(たとえば数百万円)のチューナブルレーザ光源が測定器としてもてはやされたが、現在は当時ほどの需要は無い。表記は「レーザ」と「レーザー」の2つがあり、各企業によってどちらかを使っている。

超音波センサ(ちょうおんぱせんさ)

超音波が発射され、再び受信されるまでの伝搬時間を計測に応用したセンサー。

超音波洗浄器(ちょうおんぱせんじょうき)

超音波を利用して物を洗浄する機器。

超音波風速計(ちょうおんぱふうそくけい)

超音波を利用して、乱流度や気流速度ベクトルを測定する風速計。

超音波流量計(ちょうおんぱりゅうりょうけい)

超音波の伝播時間を利用して流量を測定する機器。ドップラ方式・時間差方式・反射方式などがある。

重畳(ちょうじょう)

一般の意味では「幾重にもかさなる、または、この上もなく満足」だが、電気の世界では「2つの異なった信号を重ね合わせる」ことをいう。代表的な例では部品に交流を印加してインピーダンスを測定するLCRメータには、直流重畳の機能がある。ゼロより大きい(または小さい)正負の信号ではなく、あるレベルの直流の値の上で交流信号の変動があるようにして、測定を行うことを「直流を重畳する」と表現する。例えばエヌエフ回路設計ブロックHPには「パワー部品のインピーダンス測定:インダクタは流れる直流電流の影響によりインピーダンスが変化することがある。LCRメータと直流電流重畳ユニットを組み合わせることで、実際の動作条件で特性を評価することができる。」とある。日置電機のLCRメータ IM3536にはDC バイアス電圧ユニット9268-10、DC バイアス電流ユニット9269-10がある。重畳は単に2つの信号を合わせるだけだが、DCをバイアスさせることに意味があるので重畳と呼んでいる。“畳”が使われる物理(数学)用語には「畳み込み(たたみこみ)積分」などがある。「畳を重ねる」とか、「たたみこむ」とか、電気や数学には現象を表現するのに独特の熟語がある。