計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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アーキテクチャ(あーきてくちゃ)

(architecture) 設計思想、考え方などの意味。元々は建築物の構造や、建築様式をさすことば。コンピュータやIT分野で良く使われるが、計測器も内部はコンピュータのため、このことばで表現されている事例がある。表記はアーキテクチュア、アーキティクチャなどもある。

アース(あーす)

地中深く埋めた銅板などと電気器具とを導線でつなぐこと (=接地)。漏電した場合でも漏電した電気はアースを通じて大地へ流れ、事故を未然に防ぐ。

アートワーク(あーとわーく)

電子機器内にあるプリント基板は、電子部品を配置して固定し、設計された回路図に従って部品同士をつないで電子回路をつくる役割をしている。配線はプリント基板上(多層基板の場合は内部にも)のパターンによってされる。パターンの設計を主にアートワークと呼ぶ。マイクロコンピュータの普及によってパターンは複雑化し、コンピュータによる設計(CAD:Computer Aided Design、キャド)が普及したが、アナログ回路、高周波回路では単に部品の端子同士を線でつないでも正常な動作をしないことが多い。たとえばグランドラインを線でなく面にするとか、シールドを施すとか、アートワークは電気の知識がある技術者の設計作業である。

rms(あーるえむえす)

(root mean square) 日本語では実効値。交流の電気信号の大きさを表す指標の1つ。定義(計算式)は、「ある波形の瞬時値の二乗を、1周期間で平均した値の、平方根」。英語を翻訳すると「平方根(ルート)・平均・二乗」で、各英単語の頭の略記がrmsである。たとえば「Vrms」という表記は「電圧V(実効値)」(実効値電圧のV)という意味。RMSと表記されるときもある。 大きさが変化する正弦波などの交流の値を示すのに、基本的には平均値が使われる。デジタルマルチメータ(DMM)などの多くの電圧測定器は平均値を表示する。ただし、実際の交流信号は単一周波数の綺麗な波形ではなく、高調波などを含み歪んでいる。そういう交流信号の大きさを示す指標は平均値より実効値の方が適している(真の値に近い)。 「二乗平均平方根」という計算手法は、確率変数の散らばり具合を示す、統計学の数値として使われている。単一の周波数ではない(多くの周波数、つまり散らばった変数を含む)交流信号の大きさを示すのに、電気工学でこの計算手法を使っている。ディメンジョン(次元、単位)が元の値と同じになる点がミソである。 また、単純な平均値が和算と除算なのに対して、計算が積和演算であるためにプログラム(計算手法)の高速化が容易になるという利点もある。 統計学の手法の「二乗平均平方根(Root Mean Square)」を電気工学ではRMS(またはrms)と略記して、実効値(Root Mean Square value)ということばで呼んでいる。負荷に直流が流れたときに発生する熱量(電力、パワー)と、実効的に等価な交流の値、という意味で、「実効値」(直流と実際に同じ効果として、交流を規定した値)という熟語になった。抵抗に直流電圧E[V(ボルト)]を加えたときに消費される電力と同じ電力が、交流電圧でも消費されたとき、E(V)はこの交流の実効値電圧である。 英語では実効値はeffective valueである。rmsは実効値を示す記号といえる。 大文字でRMSと記述すると、RMSマウント(Royal Microscope Society mount):顕微鏡の対物レンズマウントの標準規格、RMS粒状度(Root Mean Square granularity):粒状性の評価の一種、RMS(Rakuten Merchant Server):楽天のECサイトの名称、など実効値以外にも複数ある。

RTI(あーるてぃーあい)

(Referred To Input)アンプのノイズ特性(雑音)を規定する時に、RTI(入力換算)とRTO(出力換算)がある。回路で使われる電子部品のオペアンプのノイズ特性は通常、RTIで表記される。計測器のシグナルコンディショナの仕様には、「入力換算雑音」と記載されていたり、ノイズ特性をRTIとRTOの両方で表記していたりする。

RTM(あーるてぃーえむ)

(Real Time Memory)日本アビオニクス株式会社の計測器では、連続的に測定したデータを内蔵メモリ又はPCMCIA記録媒体へ記録することのできる機能をRTMと表記している。他メーカも同機能をRTMと表記をしているとは限らないので、計測器の共通表記ではなく日本アビオニクスの用語といえる。

RTO(あーるてぃーおー)

(Referred To Output)アンプのノイズ特性(雑音)を規定する時に、RTO(出力換算)とRTI(入力換算)とがある。回路で使われる電子部品のオペアンプのノイズ特性は通常、RTIで表記される。計測器のシグナルコンディショナの仕様には、「入力換算雑音」と記載されていたり、ノイズ特性をRTIとRTOの両方で表記していたりする。まったく話は違うが、ローデ&シュワルツ(R&S)は2010年にベンチ・ラボユース(500MHz~2GHz)でオシロスコープに参入した。製品形名はRTX(XはA、C、O、Pなどのアルファベットで、3文字がそれぞれシリーズ名となる)。RTOシリーズは600MHz~6GHzをカバーするミドルクラスの主力機種である。RTOと聞くと、(計測器メーカのオシロ関係者を筆頭に)R&Sを連想する一群の人々が存在する。最新の計測用語解説としては「RTO:ローデ&シュワルツのGHz帯のオシロの形名」となる。シグナルコンデイショナを含むアンプなど、電気工学の用語解説としては「RTO:出力換算」。

IACS(あいあっくす)

International Annealed Copper Standardの略。電気抵抗(電気伝導度)の基準となる国際的な焼鈍標準軟銅。百分率の%IACSが単位として良く使われる。

IO(あいおー)

(Input Output) 入出力のこと。表記は「I/O」もある。モジュール型の計測器やデータロガーなどでI/Oという表記を見かける。たとえば「I/Oモジュール」や「I/O:電圧」など。半導体チップにもI/Oという表現は使われる。コンピュータは入力(Input)された情報から計算を行い、結果を出力(Output)する(昔はコンピュータを計算機といったが、現在は情報処理機といわれる)。IT機器では、これらの処理を総称してI/O(Input/Output)と呼ぶ。 コンピュータ関連にはIOを社名にする会社がある。石川県金沢市にある株式会社アイ・オー・データ機器は、20年前から液晶ディスプレイをつくっているモニタ機器の老舗。IODATA(IOデータ)と呼称され、現在はハードディスク、Wi-Fi(ワイファイ)、ネットワークカメラなどのスマホ・TV・パソコン周辺機器の総合メーカである。 Data I/O社は米国ワシントン州シアトルにあるROMライタの老舗で、1970年代からマイクロプロセッサが普及し始めて、EPROMにプログラムを書き込む際に使用された。日本ではミナトエレクトロニクスが同じく1970年代につくっているが、ほとんどの国産メーカ、アバールデータ(PECKER)やタケダ理研工業(現アドバンテスト)、安藤電気などがROMライタに参入したのは1980年代である。ロジックアナライザ、バス解析機器などのICEやプロトコルアナライザ関連の先端機器を輸入してきた東陽テクニカが長年Data I/O製品を取り扱ってきたが、需要減少によって2020年に総代理店業務を終了した。日本では前述のIDATAが有名なので、似た会社名であるData I/Oはほとんどネット上でもヒットしないが、ICEなどの組込みシステム関係者には良く知られた会社である。

IoT(あいおーてー)

(Internet of Things)「モノのインターネット」と表現される。様々な「モノ」がインターネットに接続され情報交換することで、相互に制御する仕組みを指す。例として、工場の生産設備(機械)がネットワークにつながり制御されることや、IoTで膨大な情報が集められるためビックデータ解析によって新しい知見が生まれる、などが検討・導入されようとしている。工場のPLCのようなハードウェアから、クラウドでの解析のようなソフトウェアまで関係する概念。日本では経済産業省がSociety(ソサイアティー)5.0やConnected Industries(コネクテッドインダストリー)を標榜して工業のIoT化を推進している。

アイソレーション(あいそれーしょん)

(isolation) 日本語では「絶縁」。電気回路や電気機器では、2つの部位の間を絶縁(アイソレーション)して、片方の影響が他方に及ばないようにすることが多くある。ノイズの影響を除去したり、落雷による損傷を最小限に抑えるなど、多くの利点があり、アイソレーショントランス(絶縁トランス)やアイソレーションアンプ(絶縁アンプ)など、アイソレーションする機器がある。フォトカプラやリレーなども入力側と出力側のアイソレーションに使われる。アイソレーションする機器はアイソレータであるが、通常アイソレータというとRFの機器を指していることが多い。 計測器にはアイソレーション(絶縁)は良く使われ、光アイソレーションプローブや光絶縁プローブというような品名の製品がある。 isolationを「分離」や「隔離」と(広義に)捉えると、「電気工事で、作業を行う機器を系統から切り離して、作業者を感電から守る」ことを指している場合もある。 小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には以下の解説がある。 電気信号を絶縁することをアイソレーションといい、信号源のコモンがグランドの電位と異なる場合の測定に必要。信号コモンとグランド電位の差(同相電圧)が小さい場合は差動入力でも測定可能だが、電位差が100 V以上ある時には過大入力になるので測定できない。この場合アイソレーションアンプなどを用いるが、FFTアナライザはアンプ、アンチエリアシングフィルタ、ADコンバータまでのアナログ入力部を各チャンネル毎にフォトカップラでシャーシグランド(フレームグランド、FG)からアイソレートさせて対応させている。このためデジタル回路とアナログ回路が絶縁されているので、グランドループの除去または信号源のコモンとの接続を排除したい場合にも有利である。

IBM(あいびーえむ)

(International Business Machines Corporation) 米国で1911年に創立した世界的なIT企業(現在はグローバル企業)。IBMの元々の英語名が示すように事務機械の会社として始まったが、1960年代以降はコンピュータ市場を主導し、業界の巨人と称された。大型コンピュータから始まり、現在のパソコンをつくったといえる。業態を最先端の事業モデルに変えながら続く100年企業である。 1990年代に当時最新のコンピュータだったエンジアリング・ワークステーション(略してワークステーション)はHP(ヒューレットパッカード)やSUN(サンマイクロシステムズ)、NEC(EWS4800)などがつくっていたが、HPの営業が「IBMのコンピュータを一番の競合と思っている」と聞いた経験が筆者にはある。ただしIBMは1990年代にはハードウェアではなくコンサルティングなどのサービスやソフトウェアに事業に傾注し、現在はクラウドコンピューティングを提供する企業になっている。既存のコモディティ化した市場は事業対象としない例として、2005年にPC(ThinkPadなどのブランド)を中国企業のレノボに売却している(自分たちがつくったパソコンはもう先端分野でなく、中国企業がやれば良い、ということと思われる)。 1980年以降、日本でPCといえばNECが圧倒的に高シェアだったが、世界的にはIBMが売れていた。OSとしてWindowsが標準になりNECは後退、撤退したが、IBMも2005年には撤退した。1990年代には国内企業でも高性能・高機能なパソコンとしてIMB製品を使うケースがあった。

IPコード(あいぴーこーど)

(International Protection code) IEC(国際電気標準会議)の規定。別名:保護等級、IP等級、防塵・防水等級、IP保護等級などの呼称がある。 IEC 60529で保護等級(Degrees of protection provided by enclosures)を規定している。筐体内の機械・器具に対し、人体の接近保護、塵などの外来固形物や液体の侵入保護を等級化している(IP00~IP68まで規定)。IEC 60529に準拠し、JIS(日本産業規格)は「電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)」(JIS C 0920)を2003年に改定している。IPコードは侵入保護等級(Ingress Protection Code)を略してIPと表記されることが多い。 計測器でも、ユーザの需要に応じたIP等級に対応した製品が増えている。

アクチュエータ(あくちゅえーた)

(Actuator) コンピュータが出す電気などを機械的な運動に変換する装置・機構。

圧着端子(あっちゃくたんし)

電線と電気機器を接続するための部品。従来ははんだ付けしていたが、1925年頃に圧着端子が開発され、手軽に機器との脱着ができるため普及した。線材の終端処理をしている部品で、オス・メスがあるコネクタほど簡便な脱着はできず、ネジによって機器の端子部分に固定する。種類はY型、丸形、棒型がある。小型(ハンドヘルド)のデータロガーは、狭いスペースに多くの線材を接続するので、入力部(端子台)は、ネジ端子や押し締め端子が多い。ネジ端子は圧着端子(Y型や丸型)の付いた線材をつないで固定することができる。

アナログ出力(あなろぐしゅつりょく)

(analog output) 計測器はデジタル式が流行りで、測定値をサンプリングしてデジタルデータに変換し、半導体メモリに記録したり、デジタル出力(イーサネット、RS-485など)できる。半導体メモリが高額で、デジタル伝送が今ほど普及していなかった頃の計測器は、(測定値の表示はデジタル式でも)測定値の出力はアナログが多かった。温度計や振動計などの測定器のアナログ出力は記録計(レコーダやデータロガー、データレコーダなど)に入力され、紙に印字されたり、テープなどの記録媒体に保存された。振動、騒音、ひずみ(応力)などの測定データは今でもアナログの記録媒体で保存されている例が多い。デジタルが主流になった計測器だが、アナログ出力しかないモデルもまだ多い。アナログ出力の方式は4-20mAや0-10mVなどがある。 参考用語:フルスケール 参考記事(会員専用):【展示会レポート】スマートエネルギーWeek春展(FC EXPO/二次電池展/スマートグリッドEXPO)の3ページ目・・従来はアナログ出力しかなかったのに出力方式を増やした例。

アナログ信号(あなろぐしんごう)

連続的に値が変化する信号。自然界の現象(音、振動、電圧など)は値が連続的に変化している(アナログである)。計測器は各種のセンサによってこれらの物理現象をアナログ信号で捉える。測定値の記録も以前はアナログであった(記録計の紙や、データレコーダのテープなどへのアナログ信号としての記録)。ただしアナログは解析には扱いにくい事や、技術の進歩でAD変換器やデジタルメモリが安価になった事により、現在はデジタル信号に変換されて、後工程で扱われる事が多い。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「アナログ信号:電圧が常に変化する信号」と説明されている。

アナログ/デジタル変換器(あなろぐでじたるへんかんき)

アナログをデジタルに変換する部品や装置。表記は多種類。ADコンバータ、A/Dコンバータ、ADCなど。

アビオニクス(あびおにくす)

(avionics)aviation(アビエーション)とelectronics(電子工学)から作った造語。日本語では「航空電子機器」。航空機に搭載される電子機器のうち、CNS(Communications, Navigation,Surveillance。通信・航法・監視)を担う機器を指す。和訳は「航空電子工学」と説明している解説もある(航空実用事典など)。非接触温度計(赤外線サーモグラフィー)で有名な日本アビオニクス株式会社は「1960年に日本電気株式会社と米国ヒューズ社との合弁で設立され、“情報システム(宇宙・防衛)事業:防衛省を最終ユーザとした防衛システムとその関連機器”、が基幹事業である(同社HPより)」。

アベレージング(あべれーじんぐ)

(Averaging)複数の測定値の平均を計算して表示する機能。デジタルマルチメータ(DMM)やオシロスコープなどには通常はこの機能がある。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「アベレージング:デジタル・オシロスコープの処理技法で、表示信号のノイズを減らすこと」とある。つまり、ノイズが多い信号を測定時には、測定値を平均化して表示すると、値が見やすくなる。電圧値が変動しているときにはDMMで適切なアベレージングを設定すると、同様に表示値が安定して見やすくなる。参考用語:平均化処理