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- アイトラッキング(あいとらっきんぐ)
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(eye tracking) 直訳は「目・追跡」。日本語では「視線追尾」や「視線計測」。視点の位置(見ている場所)や眼球の動きを追尾して表示すること。アイトラッカやアイカメラとも呼ばれる。 メーカはTobii Technologyが世界的に有名。日本法人のトビー・テクノロジー株式会社は2008年に設立している。論文などの文献での採用数が1万件以上あるといわれる。トビー以外にも内外の多くのメーカがつくっている。ゴーグル(頭に装着するメガネのような機器)型が多いが、非接触式のモデルもある。カメラなどのハードウェアと処理を行うソフトウェアで構成されるので、高速度カメラなどのカメラメーカや、画像処理メーカなどの様々な企業がアイトラッキングに参入している。現在、市場が拡大している活況な製品の1つといえる。 脳の血流量の測定器をつくる日立ハイテクノロジーズ(現日立ハイテク)は東北大学と共同で株式会社NeU(ニュー)を2017年に設立した。同社ホームぺージには「脳計測とアイトラッキングを併用して、CMや動画コンテンツを評価する」手法が提案されている。
- IEEE1588(あいとりぷるいーいちごーはちはち)
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イーサネット用の時刻同期プロトコル。IEEEは2002年にバージョン1、2008年にバージョン2(IEEE1588v2)を策定し、映像・音声や電力、通信、FAなどの広範なシステムの同期通信で使われている。同期精度は1μs〜100μs。レイヤ2(データリンク層)のMAC(Media Access Control)フレーム上、またはUDP(User Datagram Protocol)にPTP(Precision Time Protocol)がある。そのため、IEEE 1588が規定する時刻同期機能をPTPと呼称していることが多い。2017年の国際画像機器展(産業用カメラと画像処理の展示会。マシンビジョン関連。)では、複数のカメラをμ秒オーダで同期させるデモをソニーが行っている(以下の記事が詳しい)。 ケーブルメーカの平河ヒューテック株式会社にはデバイス事業部があり、放送のネットワーク機器をつくっている。放送業界のIPネットワークではマスタ装置からサブ装置に映像・音声を分配するが、PTPで同期情報を送っている。同社の「PTP L2スイッチ」はOCXOを内蔵し、SEIKOなどのグランドマスタから基準時刻をもらって動作できることが特長になっている。これは放送ネットワークで映像・音声にIEEE1588が使われる例である。
- Waygate Technologies(うぇいげーとてくのろじーず)
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2020年頃につくられた、元GEの非破壊検査機器のブランド名。工業用内視鏡や発電所の振動計測で使われているBently Nevada(ベントリーネバダ)などの製品がある。2002年から会社はGEではなく、OIL&GASの世界的な会社であるBaker Hughesになった。複数の機種群(メーカ)があるため、新ブランドを立ち上げた。
- AFM(えーえふえむ)
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(Atomic Force Microscope)原子間力顕微鏡
- A-PHY(えーふぁい)
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ADAS(エーダス)、ADS(Autonomous driving system、自動運転システム)、IVI(in-vehicle infotainment、IVIインフォテインメント、自動車内の情報と娯楽の提供)などの車載アプリケーション向けの長距離SerDes(サーデス)の物理層(レイヤ1)インタフェースとして、MIPI Alliance(ミピー アライアンス)はMIPI A-PHYを2020年9月に策定した。MIPIのC-PHYやD-PHY、M-PHYはスマートフォンなどのモバイル機器を想定しているが、A-PHYは車載を一番の用途にしている。 株式会社ネットビジョンはMIPI A-PHY対応のデシリアライザボードなど、A-PHYデバイス(VA7000シリーズ)を開発した。また日本ケミコンはVA7000にA-PHYで映像信号を送れるカメラモジュールを発表した。2023年の人とくるまのテクノロジー展(5月)や国際画像機器展(11月)で2社はデモを行っている。A-PHYをベースに伝送距離を15mから40mに伸ばし、大型の自動車に対応した規格をネットビジョンは開発中だが(2024年8月現在)、規格名称はMIPIの冠は使わず、「A-PHY○○」になると予想される。
- fps(えふぴーえす(ふれーむぱーせっく))
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(frames per seconds) 1秒間あたりに表示される画像(フレーム)数。数が大きいほど1秒間の動画を構成する画像が多いため、滑らかな動画になる。「フレームレート」や「撮影速度」と呼称され、表記は「コマ/秒」もある、動画の代表的な指標(単位)。 フォトロンやナックイメージテクノロジー(nac)の高速度カメラは、VGA解像度(画素数640×480ピクセル)で10,000(1万)fps以上のモデルが多い。2社はハイスピードカメラの代表的な国産メーカである。ハイエンド製品は米国のVision Research社(Ametekグループ)がトップブランドである。一般にハイスピードカメラというと高速で高額な製品であるが、数千fps以下の低速域で使われるモデルもあり、株式会社ディテクトは産業用途からスポーツまで幅広く販売し、売上を伸ばしている。同社の一番の売れ筋モデルHAS-U2のメーカ価格は95万円である。ハイスピードカメラは1千万円するモデルも珍しくはないので、ディテクトの低速域の製品群はフォトロン、nacとは位置づけが異なるハイスピードカメラといえる。 撮影速度は「フルHD(Full HD)で○○コマ/秒」、「最高撮影速度△△fps」など、前述のVGA解像度とは別の表現がハイスピードカメラメーカ各社のカタログには書かれている。各メーカは(他社と簡単には比較できないように)自社モデルの優位な仕様が目立つような表現をしている、と筆者には思える(一般に商品はそのように特長をPRするのは普通であるが)。fpsの定義は明瞭で、動画撮影の代表製品であるハイスピードカメラの仕様を示す最も基本性能の1つだが、各社製品の比較にはfps以外の基礎知識が必須である。 余談だが、ローデ・シュワルツ(R&S)のスペクトラムアナライザの主力モデルの形名はFPSxx(xx:数字)である。
- OPIE(おーぴーあいいー)
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(OPTICS & PHOTONICS International Exhibition) 光関連の専門展示会。毎年4月にパシフィコ横浜で開催。「レーザーEXPO」や「レンズ設計・製造展」(この2つで2024年の出展社の約80%)とその他展示会で構成。2024年のその他の展示会は次の5つ。光と画像のセンサ&イメージングEXPO、光源・光学素子EXPO、光通信・要素技術&応用EXPO、ポジショニングEXPO、宇宙・天文光学EXPO(出展社数の多い順)。 当サイトは計測器が多く出展されるレーザーEXPOを中心に取材して展示会レポートを掲載。レンズ設計・製造展には富士フィルム(レーザー干渉計)やトプコン(輝度計)、光と画像のセンサ&イメージングEXPOにはアンリツ(光ファイバを使ったひずみ測定器と、波長掃引光源)、ケイエルブイ(ハイパースペクトルカメラ)、光通信・要素技術&応用EXPOにはキーサイト・テクノロジー(光部品の評価)、横河計測(光スペクトラムアナライザ)、アルネアラボラトリ(光デバイス)などの出展実績がある。 2024年は10月にパシフィコ横浜で開催されたInterOpto(インターオプト、「光とレーザーの科学技術フェア」)も多くの光通信測定器が出展された(横河計測、santec、ソーラボなど)。またハイパースペクトルカメラも多くのブースで展示された(コニカミノルタ、アイ・アール・システムなど)。FOEが2023年からCOMNEXTとして活況になったように、光測定器が出展される展示会が増えてきたと筆者は感じる。
- GigE Vision(ぎぐいーびじょん)
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産業用・工業用カメラの国際規格。イーサネットのIPネットワーク上で動作するカメラ・インタフェース標準。準拠したものはロゴが使用できる。カメラが撮影した映像信号をイーサネット経由で伝送し、カメラの制御にも使われるプロトコル。Camera Linkなどと同じマシンビジョン標準規格の中の1つ。JIIA(日本インダストリアルイメージング協会)が詳しい説明を掲載している。 GigE(ギグイー)とは、PoEを使った1G bpsのイーサネット規格で、Gigabit Ethernetを略記したと思われる。出力構成(コンフィグレーション)を1 GigEや10 GigEなどと呼称し、画像データの転送速度が異なる。Visionはマシンビジョンからきていると思われる。つまり「ギガビット・イーサネット(GbE、ギガビットLAN)のマシンビジョンの規格」とでもいうネーミングである。 イーサネット通信規格(IEEE802.3)を用いたカメラ・インタフェース規格として2006年5月にリリースされ、2018年にVersion 2.1が発表された。標準のイーサネットケーブルを使い、長距離を高速にエラーなく伝送する。この規格によって、異なるベンダの機器やアプリケーションを各種のデータレートで接続することができる。IEEE 1588を使った高精度な同期機能も規定している。伝送速度は1、2.5、5、10Gbits/s。コネクタは銅線から光ファイバまで各種ある。
- 金属顕微鏡(きんぞくけんびきょう)
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試料に対して接眼レンズ側より光を照射し、その反射光の明暗や色のコントラストにより、試料の物性を観察する顕微鏡。
- 空間周波数(くうかんしゅうはすう)
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(spatial frequency) 長さ(距離)の逆数の物理量(単位:1/m)。時間の逆数を周波数と呼ぶのに倣い、長さ(空間)の逆数をこのように命名した。空間的な(spatial)周波数(frequency)である。 元来、周波数とは「単位時間当たりの波の数、振動数」や回転体の速さのことで、電気では重要な基本物理量である。計測ではスペクトラムアナライザやFFTアナライザなど周波数ドメインの計測器は、マルチメータ(電圧・電流)、オシロスコープ(時間)と共に、最も使用頻度が高い基本測定器である。数学の手法であるラプラス変換で、時間の関数を変換すると周波数の関数となる(フーリエ変換)。周波数による分析は、時間的な周期がある現象を簡便に解析できて便利である。そのため、時間とともに基本的な概念である空間の逆数(空間周波数)を求めると、「空間的な周期をもつ構造」を解析することができる。空間周波数とは「単位長に含まれる構造の繰り返しの多さ」を表し、メートルあたりの周期といえる。この概念から、各分野で多くの応用がなされている。 画像処理の分野では「ミリメートルあたりの線数」が空間周波数である。画像を扱う光学の用語では、物体が正弦波格子で構成されていると考えたときの強度(振幅)の指標を、単位長あたりの白黒の数(コントラストのペア)、lp/mm(lines pair per millimeter、ラインペア/ミリメータ)で表し、これを空間周波数と呼称する(画像にある「単位長に含まれる明暗の縞模様の波の数」のこと)。画像は位置によって(空間的に見る場所によって)明るさ(信号)が変化する。そのため、「空間周波数:空間的に変化する信号の周波数」という説明もできる。「空間周波数が高い」とは、像にエッジなどの鋭い変化があることを意味する。 半導体の分野では「露光される周期的なパターンの長さの逆数」を空間周波数という。投影光学の解像度に関係する指標である。 時間に対する周波数という概念や分析手法を、空間(長さ)に応用して「空間周波数」なる概念(物理量)を考案することで、画像、光学、半導体などの広い科学技術分野で使われている。
- 形状測定顕微鏡(けいじょうそくていけんびきょう)
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顕微鏡で拡大しながら表面形状を測定する機器。
- 顕微鏡(けんびきょう)
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微少な物体を観測する機器。
- 光学顕微鏡(こうがくけんびきょう)
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可視光線を利用した顕微鏡。ふつう透過顕微鏡を指すが、特殊なものに金属顕微鏡・偏光顕微鏡・限外顕微鏡・位相差顕微鏡などがある。
- 工業用内視鏡(こうぎょうようないしきょう)
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(industrial endoscope) 製品の深部や内部の画像をモニタに写し出す機器。別名:ファイバースコープ。内視鏡は細い管の中を調べる検査機器で、配管などの内部劣化を検査する保守用の測定器である。医療用内視鏡は「胃カメラ」と呼ばれる。日本のオリンパスは医療用、工業用ともに内視鏡の世界的なトップメーカ(※)。工業用内視鏡はファイバースコープの名称で、フィルム式のカメラで撮影していたが、CCDなどの画像素子や撮影技術の進歩によって、現在は静止画だけでなく動画撮影や、3次元計測などもできるビデオスコープになっている。そのためファイバースコープとは現在はいわないが、今でも死語にならず工業用内視鏡のことを「ファイバースコープ」と呼称することが多い。モニタに表示するのでモニタースコープという品名の製品もあるが、一般にモニタースコープというとマイクロスコープ(電子顕微鏡)のことである。 (※)治療機器事業と内視鏡事業をしているオリンパスは、「医療分野と科学分野のそれぞれの事業特性に合った経営体制を確立する」、として工業用内視鏡を含む科学事業を2022年4月に分社化して株式会社エビデントを設立、さらに同年8月にはBain Capital Private Equity(ベインキャピタル)にエビデントを譲渡する契約を締結したと発表。名門オリンパスは工業用内視鏡だけでなく非破壊検査機器から撤退することになった。なので、現在の国内最大手の工業用内視鏡メーカはエビデント。海外ではGE系列だったWaygate Technologiesなどがある。 計測器情報:工業用内視鏡の製品例
- 高速度カメラ(こうそくどかめら)
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(high speed camera) 一般に1秒間に1000枚以上の撮影ができるカメラの総称(通常のカメラは30~60枚/秒)。別名:ハイスピードカメラ。自動車の衝撃試験や、電子機器の落下試験など用途は広い。実態はカメラだが高額な計測機器(試験装置の1種)として、各メーカでの導入が進んだ。 メーカは国産のナックイメージテクノロジー(nac)が老舗。同じく国産の株式会社フォトロン(Photron)も横河電機のオシロスコープと協業するなど、シェアを伸ばしている。上記の国産2社が国内ではシェアを競っている。「国内市場は飽和しているのでハードウェアのみの販売はもう伸びない」としてフォトロンはアプリケーションの開発に注力している。米国のVision Research社(Ametekグループ)が最速・超高感度の世界的トップブランドで、別格(ハイエンド)である(日本の総代理店は株式会社ノビテック)。それに次ぐ領域を国産のフォトロン、ナックイメージテクノロジーがラインアップしている。 低速域の高速度カメラもあり、株式会社ディテクトが高シェア。同社は2000年頃に(低速域の高速度カメラ)市場に参入し、ラインアップを増やした。同社の上位モデルは前述3社の下位モデルと基本仕様は同じだが、価格が大変安価で、競合という感じではない。シナノケンシも生産ライン向けの低速域のモデルがある。
- 高速ビデオ(こうそくびでお)
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高速で動作する機械や装置の挙動解析・工業製品や部品の破壊現象の解析・生産現場での加工・組立機械の動作解析等を行うためのビデオ。
- 国際画像機器展(こくさいがぞうききてん)
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産業用カメラと画像処理の展示会。毎年12月初旬にパシフィコ横浜で開催する。CMOSなどの画像系の半導体デバイスも展示される。産業用カメラや画像処理ソフトウェアのトップブランドは海外メーカが多いため、輸入商社も多く参加する。計測の観点では、カメラを使った検査装置が一堂に会するイベントである。 アドコム・メディア株式会社が1978年から毎年開催。後援は、日本映像処理研究会(IAJ:Imaging Association Japan)と日本インダストリアルイメージング協会(JIIA:Japan Industrial Imaging Association)。2024年の46回国際画像機器展のテーマは従来と同じ「国内最大・最先端のマシンビジョンが集う展示会」。国内外からマシンビジョン、ロボットビジョン業界を中心に画像処理の最先端技術が展示された。 2024年の出展社を述べる。カメラメーカではオムロン センテック株式会社と東芝テリー株式会社が大手。前社は産業用カメラの幅広いラインアップが特長。後社は東芝と協力して表面探傷スコープなどのカメラ応用機器を新規開発して展示。株式会社ジェイアイエイコーポレーション(JAI、ジャイ)は3CMOSカメラのトップメーカ(国産+デンマーク)。CMOSの雄、ソニーセミコンダクタソリューションズは出展していないが、ソニーの販売店が合弁してできた株式会社レスターがイメージセンサなどのデバイスを展示している。インフィニオン テクノロジーズ(Infineon)は自動車向けのデバイスが有名だが、日本法人のC3事業本部(マシンビジョン関連)が、USBの高速画像伝送ソリューションを展示。浜松ホトニクスは広範な波長のセンサをラインアップしていて、探傷機器向けのX線センサなどを出展。 Teradyne(テラダイン)は大きなブースにグループ企業のDALSA(ラインカメラで世界トップ、ダルサ)、e2v(CMOSセンサ、フランスのトムソンの半導体部門 ※)、Teradyne FLIR(※)などを展示している。計測器ではコーンズテクノロジー株式会社の産業機材部がTHz(テラヘルツ)を使った厚み計測や、3D表面形状計測の機器を展示。同社は「Teradyneグループのカメラ」の販売店なので、FLIR(日本法人:フリアーシステムズ)のサーモグラフィや音響カメラ、ガス検知カメラをメインに、電子デバイス部が出展。同じく計測器を多く取り扱っている丸文株式会社も光コンポーネント課などがデバイスを並べ、計測器は出展していない。計測器の範疇ではその他には、株式会社ディテクトが高速度カメラを、株式会社菅原研究所がストロボスコープを出展。 輸入商社では株式会社リンクス(LINX)が大きなブースで展示。HALCON(画像処理ソフト、ハルコン)とBASLER(エリアカメラで世界トップ、バスラ)に加えて2年前からTeradayneも取り扱いを開始。①DALSA、➁Photometries(顕微鏡などの微細な光を捉えるサイエンスカメラ)➂FLIR(一般的な産業用エリアカメラ、ここでいうフリアーは赤外ではなく可視光)。株式会社アルゴ(ARGO)もビジョン(※※)関連のカメラ商社として大きなブースに、各種カメラだけでなくHeadwall社のインライン検査用ハイパースペクトルカメラ(数百万~2千万円)を展示。株式会社エーディーエステック(ADSTEC)はカメラ商社で、Teradyneの販売店としてDALSA、e2v、FLIRのサーモグラフィなどを展示。 BASLERの日本法人、バスラ―・ジャパン株式会社も出展し、アプリケーションとしてカメラを使った検査機器を最前列に展示している。説明員は「FA(工場の自動化)向けの照明機器メーカ」であるシーシーエス株式会社(CCS、以下の国際画像機器展の2ページ目で取材)の営業マンがしている。従来、BASLERの販売は前述のLINXがしていたが、2023年からCCSも代理店になった。同社は国際画像機器展と同時期に横浜駅東口のホールで自社イベント「マシン・ビジョン・ソリューションEXPO」を開催している。同社の照明の競合である、国産の株式会社レイマック(Leimac)も検査用照明とコントローラを使ったインラインの検査機器を展示している。 エバ・ジャパン株式会社は2013年からハイパースペクトルカメラに注力した国産の老舗で、ターゲットスペクトルカメラを展示。コニカミノルタ株式会社のセンシング事業部も最近買収したフィンランドのSPECIM社のハイパースペクトルカメラを展示。つまり、この展示会はカメラを使った検査機器がたくさん並んでいる。 携帯電話向けのカメラメーカや通信キャリアに試験ボードを提供してきた株式会社ネットビジョンは車載カメラをターゲットに日本ケミコンのカメラモジュールを併設展示(以下のテクトロニクス・イノベーション・フォーラムを参照)。平河ヒューテック株式会社のデバイス事業部はIEEE 1588(以下の国際画像機器展の取材で解説)で規定されたPTP(時刻同期)レイヤ2スイッチ(L2スイッチ)などを展示。 ※ Teradyne e2v(イーツーブイ)の日本法人であるテレダイン・ジャパン株式会社のビジョンソリューションズ(東京都豊島区)が説明員をしている。旧レクロイ(現テレダイン・レクロイ)のオシロスコープなどを販売するテレダイン・ジャパン株式会社は府中市なので、同じ会社でも別カンパニーである。Teradyne FLIRの日本法人であるフリアーシステムズジャパン株式会社は、赤外線カメラ(サーモグラフィ)と可視光カメラを取り扱っている。ここにいる説明員は産業用光学検査カメラ(可視光)Grで、CMOSを使ったステレオカメラ(視差があり距離を測定できる)などを展示。レクロイやFLIRと聞くと筆者は計測器を連想するが、このブースには計測器はない。説明員の会社名が計測器メーカと同じなので混乱する(名刺を見て会話すると話が通じない)。 ※※ カメラによる撮影~データ認識までを、産業用カメラや画像処理の業界では「ビジョン」と呼称している。出展社に「あなたの会社は何の会社ですか?」と聞くと、「ビジョン」という単語が返ってくる(マシンビジョンではなく、ビジョンである)。国際画像機器展はビジョンの展示会ともいえる。 「産業用カメラは海外メーカのDALSAやBASLERが世界的に有名で、商社のLINKSが扱っていたが、BASLERは日本法人ができ、商流(販売店)を増やした。対する国産メーカ大手はオムロン センテックと東芝テリー。」 このことはこの展示会に集まる業界関係者の暗黙の常識といえる。あまりにも基礎知識なので、筆者のような業界関係者でない人には、このことを理解するには時間がかかる。TeradyneやFLIRは(計測器ではなく)カメラやCMOSセンサである。ビットランやアバールデータも常連の出展社で、熟年の電気技術者はICEやROMライタを連想するが、展示しているのはカメラや画像処理である。カメラ関係の計測器として、ハイスピードカメラと回転計(ストロボスコープ)が出展されている。
- コリメータ(こりめーた)
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(collimator) 光線を平行に集束させる機構。光源から放射される多方向のビームを平行な光線に揃える装置。そのほか、レンズの焦点距離・光軸などを測定する機器を指していることもある。 参考用語:オートコリメータ
- コンフォーカル(こんふぉーかる)
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(confocal)共焦点。コンフォーカル光学系は、焦点の合った部分だけが際立って明るく撮像される。焦点の合っていない箇所からの不要散乱光が除去されて高コントラストのため解像度が上がるため、レーザー顕微鏡に採用されている。
- SAT(さっと)
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(Scanning Acoustic Tomograh) 超音波映像装置。超音波で物体を走査し、内部を映像化する装置。非破壊検査(NDI)機器の1種で、超音波探傷検査(UT)を応用した検査機器。