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- 銘板(めいばん)
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(nameplate) 銘が表記されている板のこと。従来はメーカ名を彫り込んだ金属などの板だったが、近年はプラスチックに印刷したものも多い。別名:名板、ネームプレート、プラークなど。銘とはその機器や建物の製作者や作成時期などの概要を示したもの(建物の端にある「定礎」と表示した石には日付が刻まれている)。 計測器も(原則)背面に銘板がある。銘板には製造時期と並んで製造番号(シリアルナンバー)が記載される。製造番号は重要である。計測器に限らず機器は(形名が同じでも)製造時期によって実は細かな違いがある。主な仕様(基本性能)に大きな違いがない範囲ならば、内部の部品や電子回路の変更は茶飯事である(部品が製造中止になると、代替部品を使うために、回路を変更することもあるので、メーカの勝手で変更しているわけではない)。そのため、メーカの製造部門(品質管理部門)では、製造番号によって(そのような製造上の変更などを)履歴を残して管理している。同じ形名で同じ外観の2つの機器があったら、ユーザには見分けはつかないが、内部は大きく違っていることもある(あまりに大きな変更だとメーカも形名をBモデルなどに変えることもある)。銘板とそこに記載された製造番号などは、計測器を含む多くの電気機器では重要な情報である。 日本のJISでは「機械器具類に取り付ける銘板」について「金属、プラスチック又は紙を素材とし、必要な事項を容易に消えない方法で表示したもの」と定義している(JIS Z 8304:1984)。
- メインフレーム(めいんふれーむ)
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(mainframe)計測器の分類の1つに、機器の動作の形態(他の機器との接続状態など)による表現がある。メインフレームは計測器の操作部、表示部などの処理部分で、測定に応じてモジュール型の計測器(測定機能のあるユニット型の計測器)を装着して機能する。メインフレームは単に外側の箱だけのこともあり、その場合は計測器として動作するための電源ユニットや表示部、処理部などがモジュール化されている。スタック式のデータロガーなどがあるが、その場合はメインフレームとよばず、基本ユニットなどの品名になる。IT分野では「大型の汎用コンピュータ」をメインフレームとよび、銀行のシステムなどに採用されているが、計測器では外枠の箱が計測器本体であることをさしてメインフレームとよんでいる。計測器の品名にも使われる。例:34980Aマルチファンクション/スイッチ計測メインフレーム(キーサイト・テクノロジー)、MS-523計測システムメインフレーム(エヌエフ回路設計ブロック)、SW1001スイッチメインフレーム(日置電機)。
- メータ(めーた)
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(meter)一般的に、数値を示す機器のこと。たとえば1.量や度合いをはかる器械(計測器や圧力計、はかりなど)。2.電気、ガス、水道の使用量を示す計量器(ガスメータ、スマートメータなど)。3.タクシーの運賃表示器(運賃が高くなることを「メータが上がる」といったり、運賃を取らないで走行することを「メータを倒す(ONにしない)」といったりする)。 計測器はまさに量を測定する機器なので、○○メータという名称の製品が多くある。デジタルマルチメータ、LCRメータ、高周波パワーメータ、光パワーメータなどなど、測定する物理量や機能を○○に当てはめた機種群や品名が数多くある。メータと共に基本測定器に多く使われるのがテスタである。クランプテスタ、アーステスタ、充放電バッテリテスタ、無線機テスタ、シグナリングテスタなど。計測器でメータとテスタはほぼ同義である。 針が振れて文字盤の上で止まった値(指示値)が測定値である指示計器はアナログ表示の代表である。このようなアナログ表示の機器を「メータ」と呼称することもある。 計測するだけでなく、測定値の解析や計算機能など、計測したデータを元に処理を行うモデルを、多機能であることをアピールして○○アナライザ(解析装置)と命名することは多い。インピーダンスアナライザ、パワーアナライザ、半導体パラメータアナライザ、スペクトラムアナライザ、ネットワークアナライザ、など基本測定器のカテゴリ名(機種群名称)や品名になっている。 メータやテスタは測定器であるが、観察器(観測器)のことをscope(スコープ)という。電気計測器の代表であるオシロスコープは時間波形(周波数)の観測器である。最近、8ビット以上のADコンバータを搭載した高分解能オシロスコープが登場し、DMM同等の分解能で電圧測定が可能になったので、やっとオシロスコープは計測器(メータ/テスタ)になった。 モニタースコープ、ファイバースコープなど画像観測をする計測器にはスコープと命名されたモデルが多い。そもそも顕微鏡はmicroscopeの日本語訳である。大変小さいもの(micro)を観察する機器(scope)という意味の翻訳が顕微鏡である。微小な物を、目に見えるようにする(あらわにする、顕)、レンズを通して見る道具(鏡)、とは、苦労して作った熟語(漢字)である。
- メーターリレー試験器(めーたーりれーしけんき)
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(meter relay tester) 火災・消防用の検知器の点検具。メータリレーの試験器ではない。 日本ドライケミカル株式会社は、火災警報設備の点検用具 HSY415の後継品、「メーターリレー試験器 NSY415D」(メーカ価格:約3万円)をつくっている。取扱説明書によれば、熱電対の検出部に接続し作動電圧値、回路合成抵抗値を測定するときに使用する、とある。適応検知器として、NSD202、HSD202などが記載されている。検知器の型式認定があるのかもしれない。 HSY415/D以外にも、消防・防災設備の範疇で消防設備の点検具として、差動式分布型感知器(熱電対式)の動作試験を行う試験器が、「メーターリレー試験器」などの名称で販売されている。熱電対式の火災検知器の試験器をメーターリレー試験器と呼称しているようである。なぜ、「火災検知器試験器」と呼ばないのかは不明。 一般にメーターリレーというとパネルメータにリレー出力の機能がある機器(計測器メーカがつくっている)である。また、リレー試験器(保護継電器試験器)と名称が似ているが、全く異なる試験器である。メーターリレー試験器とは、メーターリレーやリレー試験器と混同する名称である。
- メータリレー(めーたりれー)
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(meter relay) 電圧や電流などの計測(メータ、アナログの指示計器)とリレーの接点出力が一体になった機器。警報出力によって、電力系統の異常検知や自動制御などの利用されている。メータが振れて、電圧や電流の値が設定した値より上限値または下限値を超えた時にリレーを動作させる。指示計部とリレー部から構成され、以下のように使われる。 ・電力回路に過負荷が発生したときに過電流を検出し、関連する回路を遮断する。 ・電圧の低下や上昇を検出し、使用機器を保護するために関連する回路を遮断する。 ここでいうリレーは、外部からの電気信号を受けて内部にある開閉素子(接点など)を動作させ、電気回路をオン/オフしたり切り替えたりする部品で、電磁石と接点機構でできている。 日置電機の「商品紹介資料 メータリレー説明集 2013 2014」には、 HIOKIのメータリレーは電子式無接点メータリレーで、電子化により高精度・高信頼性・超高感度の製造が可能になった、 アナログメータリレー2101/2102に、安全性を高めるための改良を行い、2103/2104として生まれ変わった、 背面のリレー出力や入力の各端子周辺の安全距離確保などを行った結果、若干の仕様変更を行った、 旨が記載されている。外観は、前面はアナログのメータで、背面に入力端子や接点出力端子、記録計へのフルスケール出力端子などがある。 表記は「メーターリレー」の方が多いが、指示計器(アナログのメータ)やパネルメータをラインアップする鶴賀電機や第一エレクトロニクスの品名は、日置電機と同じく「メータリレー」である。パネルメータや指示計器をつくる渡辺電機工業(以下の記事にラインアップの概要を紹介)の製品名は「メーターリレー」、アナログ表示の回路計(いわゆるテスタ)やパネルメータのメーカである西沢電機計器製作所の製品名は「メータリレー」、というようにメーカごとに表記は統一されていない。
- メガー(めがー)
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電池で動作する絶縁抵抗計。メガオームメータやメガテスタとも呼ばれる。メガオーム(高い抵抗値)を測るためメガーの呼び名がある。電池式絶縁抵抗計の別名でもある。メーカによっては「メガー」でなく「メガ」といっている(例えば共立電気計器)。
- メガオームメータ(めがおーむめーた)
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電池で動作する絶縁抵抗計(=電池式絶縁抵抗計)。絶縁抵抗計は高い抵抗を測定する用途に特化したテスタ(電圧・電流・抵抗の測定器)。可搬型で普通は電池駆動である。「メガテスタ」や「メガー」とも呼ばれる。正式名称は「絶縁抵抗計」で、俗称では「メガー」と呼ばれることが多い。電気機器の絶縁されるべき端子間が正常に絶縁されているか、保守・点検するために使われる。共立電気計器はクランプ、絶縁抵抗計、接地抵抗計の3つを主力とする現場用測定器の専業メーカで、世界中に輸出している。絶縁抵抗計も2016年にBluetooth搭載モデルを発売するなど最先端である。日置電機や鶴賀電機もラインアップが多い。
- MS/s(めがさんぷるぱーせっく)
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(Mega Sample / seconds) サンプリング(サンプルレート)の単位。1MS/sは1秒あたり100万サンプル(1秒間に100万個のデジタルデータを収集する)ことを指す。オシロスコープの仕様には必ず規定されている。オシロスコープの最も基本の仕様の1つで、製品の前面に形名などと共に表記されている場合もある。 最近のミドルクラスのモデルは周波数帯域が1GHz以上になり、サンプルレートはGS/s(ギガサンプルパーセック)になっている。G(ギガ)は10億。サンプルレートは周波数帯域の約5倍速い仕様になっている(周波数帯域20MHzでは100MS/s、500MHzでは2.5GS/s)。電子回路の処理能力向上は信号速度の高速化によるところが多く、ミドルクラスのオシロスコープの周波数帯域は200Mz~500MHzからGHz帯域に移行している。サンプルレート以外に波形取込レートや波形更新レートも最近のオシロスコープのPRポイントになっている。
- メガソーラー(めがそーらー)
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(mega solar)大規模太陽光発電。数ha(ヘクタール)の広い土地を使い1MW以上を発電する産業用の発電設備。
- メガテスタ(めがてすた)
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電池で動作する絶縁抵抗計(=電池式絶縁抵抗計)。古くは機械式だったが、現在は可搬型で電池駆動モデルが一般的。「メガオームテスタ」や「メガー」とも呼ばれる。正式名称は「絶縁抵抗計」で、俗称では「メガー」と呼ばれることが多い。国内メーカでは共立電気計器、日置電機や鶴賀電機などがラインアップが多い。海外メーカでは本社が英国にあるMegger(メガー)社が有名。Megger社は保護リレー試験器など電力関連の測定器や機器のメーカである。
- メカトロニクス(めかとろにくす)
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(mechatronics) 機械工学(mechanical engineering)に電子工学(electronic engineering)や電気工学(electrical engineering)などの知識や技術を取り入れた、「多機能・高性能な機器」の学問分野のこと。「機械と電気が融合する技術・学問」を指し、電気自動車や医療機器など幅広い産業分野の商品(機器)に応用されている。機械のメカ(mecha)と電子のトロニクス(tronics)を合体させた造語と思われる。略して「メカトロ」とも呼ばれる。(※) 産業設備機械やロボットシステムをつくるエンジニアリング企業で、株式会社メカトロニクスという会社がある。名城大学の理工学部にはメカトロニクス工学科がある(機械工学科と電気・電子工学科を融合した学科と思われる)。最近流行りのMEMS(メムス)もメカトロニクスの一例である。機械(メカ)が電子・電気より先なのがミソ。機械分野の技術者が電気・電子を取り入れて(吸収して)いる、というイメージ。 オシロスコープやネットワークアナライザなどに使う、高密度実装回路用の治具のメーカに、メカノエレクトロニック株式会社がある。電気計測器の名称にメカトロニクスはほとんど使われないが、「電気ではなく機械式(機械的)」という意味で、「メカニカル」はネットアナの関連製品で使われている。 1976年には業界誌の月刊「メカトロニクス」(媒体名:メカトロニクス・デザイン・ニュース)、が創刊されている(発行:Gichoビジネスコニュニケーションズ株式会社)。毎年7月に開催されるTECHNO-FRONTIER(主催:一般社団法人日本能率協会)は電源やパワエレ、EMC・ノイズ対策などの10の展示会で構成されるが、その1つに「メカトロニクス技術展」がある。毎年1月開催のネプコン ジャパンはアジア最大級のエレクトロニクス開発・実装展で、エレクトロニクス機器の多機能化・高性能化を支える世界最先端の電子部品・材料や製造・実装・検査装置が並ぶ。ネプコン ジャパンは「メカトロニクス分野の展示会」という説明もできる。 計装(工業計器)分野で、コントローラと各種コンポーネントを接続するオープンフィールドネットワークにMECHATROLINK(メカトロリンク)がある。MECHATROLINK協会には幹事会社(日本電気、横河電機、キーエンス、テキサス・インスツルメンツなど8社)以外に約100社が加盟している。2024年1月のIIFESでは大きなブースで出展している。 (※) メカトロニクスということばは、安川電機の技術者だった森徹郎氏によって1969年につくられた「機械装置(mechanism)と電子工学(electronics)の知見を融合させる」という和製英語。現在では多くの機械装置が電子制御されているため、海外でも一般的に使われるようになった。(横河計測 スコープコーダの基礎知識(第1回)より)
- MECHATROLINK(めかとろりんく)
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1990年代後半に安川電機が開発し、2000年代に普及したオープンな産業用ネットワーク(フィールドバス)。規格はMECHATROLINK-II、-III、-4と進化している。FA(工場の自動化)分野でPLC(コントローラ)とサーボアンプ、IO(入出力機器)などを接続する高速・高精度な通信規格。通信の同期性や定周期性、信頼性が特長。安川電機は産業用ロボット、サーボモータ(精密モータ)、インバータ(周波数変換器)などのメカトロニクス製品で世界上位に入る電気機器メーカ(本社は福岡県北九州市)。三菱電機がCC-Linkをつくったように、同社も自社の主力製品であるモータの制御に使うための通信規格としてMECHATROLINKをつくったといえる。工作機械や半導体製造装置、ロボットなどでサーボドライブを高速・精密に制御する、モーション制御に導入されている。 MECHATROLINK は1990年代後半に、安川電機内でサーボアンプの接続技術として開発された。2003年にMMC(MECHATROLINK MEMBERS CLUB、現MMA : MECHATROLINK MEMBERS ASSOCIATION)が発足し、仕様をオープン化。会員制により安川電機以外の機器とも互換性が広がる。2005年にMECHATROLINK-IIを発表し、2007年にSEMI規格E54.19(センサ / アクチュエータのネットワーク)に認定され、半導体・液晶製造装置での採用が増加。2000年代後半には産業用イーサネットのMECHATROLINK-IIIができ、Ethernetベースの技術によって長距離・大規模な通信システムになる。2010年代に中国の国家標準化に認定され、2017年に次世代規格のMECHATROLINK-4を発表。 MECHATROLINKはRS-485ベースで、1本のケーブルで多数の機器を接続し、低コストでシステム構成が柔軟。MECHATROLINK-Ⅱは通信速度10Mbps、最大接続ノード30。-IIIはイーサネットベースで、100Mbps、最大62ノード接続、カスケード接続やスター配線に対応。-4は伝送効率と制御性能(同期軸数・周期)が向上している。 安川電機の技術者だった森徹郎氏は、機械装置が電子制御される世界を想像し、機械装置(mechanism)と電子工学(electronics)からメカトロニクス(mechatronics)なる和製英語を1969年につくった。いまではメカトロニクスは一般の日本語になり、略して「メカトロ」とも呼ばれる。MECHATROLINKはmechatro(メカトロ)とlink(リンク)の合体である。 各種のフィールドバスが展示されるIIFES 2025の展示ブース
- MHz(めがへるつ)
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(mega hertz) 周波数の単位で、1,000,000Hz(ヘルツ)に相当。M(メガ)は10の6乗の接頭辞。オシロスコープの1番目の性能である周波数帯域が、(メーカによって異なるが)50MHz~200MHzのモデルをエントリークラス、100MHz~1,000MHz(1GHz)をミドルクラスと呼んでいる(※1)。2000年頃までは企業の設計部門で使うオシロスコープとしては250MHz~350MHzがボリュームゾーンといわれた。ソニー・テクトロニク(現 株式会社テクトロニクス&フルーク)のTDS3000シリーズや横河電機(現横河計測)のDL1540やDL1640が該当。組込みシステムの普及や高速なシリアル通信の登場によって、現在は500MHz~2GHzがオシロスコープの売れ筋となっている(※2)。このようにMHzはオシロスコープで良く使われる用語である。ラジオのFM放送でFM東京のキャリア周波数は80.0MHzである。 (※1) 以下の参考記事「計測器の形名・・・第3回 オシロスコープPart2」が詳しい。 (※2) 当サイトではオシロスコープの仕様比較を行っている(以下の参考記事)。2023年2月に比較してほしい周波数帯域をアンケート調査したところ、500MHz~2GHzが47%でトップ、500MHz未満(製品としては350MHz以下)が36%で2位だった。 みんなの投票 第2弾!投票結果発表 Question09の2番目に周波数帯域の結果がある。 電気技術者が1台/人で使う、普段使いのオシロスコープ(汎用オシロスコープ)はMHz帯域だが(※3)、2000年代後半~2010年代にかけて世界的3大オシロスコープメーカ、テクトロニクス、キーサイト・テクノロジー、レクロイ(現テレダイン・レクロイ)は最高周波数モデルの開発競争を行い、各社は数十GHzモデルをリリースした(超広帯域オシロスコープの製品例が以下の参考記事「オシロスコープの動向と、最新1GHz帯域モデルの各社比較」にある)。前述のようにミドルクラスは1GHz~2GHzに移行していくので、今後は「(MHzではなく)GHzがオシロスコープで良く使われる用語」となっていく傾向である。 (※3) 大手の校正業者では、オシロスコープの周波数帯域別の割合(台数)は500MHz以下が約70%といわれる。オシロスコープの校正器トップベンダのフルークの新製品発表会では、周波数帯域別の最近の販売実績など、興味深いデータが示されている(以下の記事が詳しい)。
- 目黒電波測器(めぐろでんぱそっき)
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1944年に設立し2016年まで73年間あった、映像関連測定器(FM放送などの信号発生器、オーディオアナライザ、ジッタメータなど)のメーカ。正式名称:株式会社目黒電波測器。2016年3月31日に解散し、4月1日付で株式会社計測技術研究所 (計測技研、計測用電源と映像機器のメーカ)と合併し、計測技研の目黒電波事業部となった。同社の電子計測器事業と位置付けられている(従来の計測技研の製品群である電源は、パワエレ事業部と称している)。目黒電波事業部はGNSS(全地球航法衛星システム)、VICS(道路交通情報通信システム)、ETC(高度道路交通システム)などの評価・検査機器をつくっている。GPS関連計測器は有名で、たとえば人工衛星関連会社には同社のMSG2000シリーズなどのGPS測定器が多く採用されている。RF分野のスペクトラムアナライザも2018年頃に開発している。 計測技研は2026年3月31日をもって、旧目黒電波測器事業(信号発生器、GNSS信号発生器、オーディオ・アナライザ)を株式会社エービーオーへ譲渡した(2026年1月16日発表)。エービーオーはオーディオをはじめ幅広いジャンルの電子電気計測機器を設計開発・製造する会社である。オーディオアナライザやAM/FM信号発生器などの目黒電波と同じ製品群をラインアップしている。2026年4月1日からはエービーオー製品に加えてMEGURO製品の8モデルが同社HPに掲載された。8モデルの販売や保守サービスは継続されるが、譲渡されないMEGRO製品は販売を終了する。TechEyesOnlineの計測器ページでは、譲渡されないモデルは計測技研として掲載している。 通信装置メーカである松下通信工業(パナソニックモバイルコミュニケーションズ)は計測器もラインアップしていた。panasonic(松下)ブランドの計測器といえば、目黒電波測器と同じく、オーディオ&ビデオ(映像)用の計測器が多かったが、アナログオシロスコープもあり、低周波の基本測定器から通信測定器まで幅広くラインアップしていた。ただし、松下電器のグループ再編の中で、計測器は撤退してしまったので、現在ではその全容(どんな製品群の歴史があったかや、ラインアップなど)はほとんどわからない。それに比べると目黒電波は名前も残り、通信計測器をつくり続け、「MEGURO」ブランドは健在といえる。 海外メーカはM&Aが盛んで、EXFO(エクスフォ)やViavi Solutions(ヴィアヴィ)だけでなくキーサイト・テクノロジーも昔から他の計測器メーカを吸収してラインアップを広げている(古くはLAN/WAN プロアナ、最近ではIXIAなど)。目黒電波は国産計測器メーカ2社が1社になった好例だった(計測器メーカはなかなか市場原理による統合・M&Aが行われない)。計測技研が主力事業のパワーエレクトロニクスへリソースを集中させるという事業再編によって、目黒電波測器は10年所属した計測技研から他社に譲渡されることとなった。フジソクのRF測定器(終端型電力計など)が、需要があるにも関わらずM&A先のニデック(旧日本電産)関連企業で生産終了(撤退)したことと比べれば、MEGUROが存続しているのは幸運と筆者は思う。 Baker Hughes(ベーカー・ヒューズ)社は圧力測定器(Druck、ドラック社)や流量計(Panametrics、パナメトリクス社)や非破壊試験機(旧GE)などの計測器群をラインアップする会社だが、(会社はもう存続せず、ベーカー・ヒューズ社なのに)ブランドとして旧社名(DruckやPanametrics)を今も全面に出してPRしている。目黒電波も会社はなくなったが、ブランドと共に数モデルが残った。 計測器はニッチな世界で、特定のユーザに長く使用されるので、古くからの会社名を使うことが営業的に有利に働く。ただし、三栄測器やタケダ理研工業のように、会社が計測器を主力事業としなくなった場合は、老舗計測器といえども社名はなくなる(ブランドは抹殺・消去される)。消去された計測器群は歴史には残らない。計測器の「三栄(サンエイ)」や「タケダ(武田)」を知る人はいまでは高齢者だけになった。日立電子(日立ブランドの計測器)も一部のオシロスコープは知られているが、その他は良くわからない。三田無線研究所のようにファンが語りついでいる事例は稀である。 計測器情報:目黒電波測器の製品例
- メジャー測定(めじゃーそくてい)
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ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所のデータロガーには、測定値の処理方法として3つの測定モード(イニシャル測定、ダイレクト測定、メジャー測定)がある。メジャー測定:ダイレクト値から、記憶しているイニシャル値を差し引いて出力する。したがってイニシャル値からの変化分が測定される(同社の「測定器の概要と主な用語」より)。
- メジャリングレシーバ(めじゃりんぐれしーば)
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(measuring receiver) 無線信号の伝播特性を評価する測定器。電波の伝搬試験や電波のサービスエリアの調査に使われる「電界強度測定器」。measuring:測定、receiver:受信器/受話器なので、日本語に直訳したら「測定レシーバ」。「測定する受信器」なる名称は何の測定器か良くわからない。携帯電話などの移動体端末が受信できる場所の電波の強さの確認に主に使われるので、名称としては電界強度計がわかりやすく、適切といえる。 アンリツのML521/ 522/ 524シリーズなどの品名だったが、現在は生産中止で、同社はハンドヘルドのスペクトラムアナライザ(スペアナ)であるSpectrum Master シリーズ(MS27xxシリーズ)を後継機種に推奨している。ML52xシリーズの製品カタログには「測定周波数範囲が広く、小型電界強度計のような簡易型とは違い、本格的な性能と機能を備えている」とあるので、電界強度計ではない、という同社のネーミングが「メジャリングレシーバ」であると推測される。 アンリツ以外ではフジソクがFL-2xxxシリーズのメジャリングレシーバをつくっていた。製品群は日本電産コパルに移管されたが、2022年3月31日が最終受注日になっている(同社HPより)。つまり、メジャリングレシーバと称する計測器の現役モデルは、いまの国内メーカではなくなった。アンリツ同様に無線通信測定器をつくるキーサイト・テクノロジーには2000年頃(HPやアジレントテクノロジーの時代)に 「メジャリングレシーバ 8902A」というモデルがあったが、仕様は無線機テスタのように筆者には思える。 リーダー電子は放送信号用の電界強度計をラインアップしていて、品名はシグナルレベルメータが多い(LF9xxシリーズなど)。日本語にすると「信号レベル計」(level:水準)なので、この名称の方がメジャリングレシーバよりも電界強度計に近いネーミングである。 メジャリングレシーバとか、シグナルレベルメータとか、メーカによって電界強度計の名称は様々である。また、アンリツのメジャリングレシーバの後継がスペアナであることからわかるように、電界強度計はレベル・強度の数値表示、メジャリングレシーバは(スペアナのような)周波数軸のグラフ表示、という説明もできる。ただし、最近の電界強度計は高機能化してグラフ表示するモデルも多いので、電界強度計とスペアナの区別は難しくなった。 誤解を恐れずに説明すれば、「メジャリングレシーバ:過去にアンリツがラインアップしていた高機能な電界強度計の品名(モデル群)」ともいえる。
- メタクラ(めたくら)
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受変電・配電機器の分野の用語。 metal clad(メタルクラッド、日本語だと「金属被覆」)の略。金属製の筐体に機器を収納したもの。受電設備の「キュービクル」のこと。遮断器や変圧器などが金属製の筐体に入っている配電盤があれば、それもメタクラとよばれる。キュービクルは一つの金属箱内に全ての機器を納めたものだが、メタルクラッド は各機能別に金属箱によって仕切られ、各部位が接地されているので、シールド効果があり、不具合が他の部位に及ばないように配慮している。
- メタサーフェス(めたさーふぇす)
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(meta surface) 光(電波)の波長よりも十分小さな構造体を 2次元に配列した人工材料。人工的な構造で3次元のものをメタマテリアルと呼ぶので、メタサーフェスはメタマテリアルの一種ともいえる。メタはギリシャ語で「超越した」という意味で、サーフェスは「表面」「水面」(※)。メタマテリアルは、自然界にない機能や性質を持つ「超越した材料」。 2011年にハーバード大学が実証に成功した、最近の新しい技術。光の位相や偏向などの制御に使えるので、フィルタやレンズ、反射板など、幅広い応用が期待されている。一般社団法人 電気学会の電力・エネルギー部門(B部門)が用語解説をしている。光ファイバ計測にも関連する技術といえる。映像メディア学会も解説している。 2025年09月に東京大学はアクティブメタサーフェスの実証実験成功を発表した。厚み1 μm以下の10μm角素子で、1Vの電圧印加で1.6G bpsのデータ変調に成功した。従来、数十V以上が必要だった反射光の強度変調を1桁低い電圧で高速に変化させたので、実用化に向けた一歩となった。光コンピューティングなどの分野への応用が検討されている。 (※) サーフェスは単なる表面だけではなく、「外見」や「隠れていた問題が表面化する」という意味でも使われる。マイクロソフトのタブレットPCのシリーズ名にもなっている(Microsoft Surface)。
- メタンガス濃度測定器(めたんがすのうどそくていき)
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メタンガスの濃度を測定する機器。「メタンガス検知器」の別名。メタンガスは可燃性もあり危険なため、ガス検知器も多くつくられている。メーカは新コスモス電機がメジャーだが、通販サイトにはたくさんのメーカの機器が掲載されている。
- メトロロジー(めとろろじー)
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(metrology) 日本語では「計量学」や「計測学」と翻訳されている。計測・計量の理論から実践までの体系のこと。計測器では校正の機器で使われることばである。校正器のメーカであるフルーク(Fluke Calibration)やAdditel(圧力や温度の校正器)などの資料にmetrologyがでてくる。メートル法が誕生したワールド・メトロロジー・デー(世界計量記念日)にはフルークキャリブレーションの米国本社では、記念イベントが開催される。 半導体製造装置ではmetrology(計測)として、形状観察や欠陥検査が紹介されている。画像処理分野では、「メトロロジーは従来のエッジ検出より優れた機能で・・」という解説もある。こららは「検出する」、「見つけ出す」という意味でメトロロジーといっている。