計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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メインフレーム(めいんふれーむ)

(mainframe)計測器の分類の1つに、機器の動作の形態(他の機器との接続状態など)による表現がある。メインフレームは計測器の操作部、表示部などの処理部分で、測定に応じてモジュール型の計測器(測定機能のあるユニット型の計測器)を装着して機能する。メインフレームは単に外側の箱だけのこともあり、その場合は計測器として動作するための電源ユニットや表示部、処理部などがモジュール化されている。スタック式のデータロガーなどがあるが、その場合はメインフレームとよばず、基本ユニットなどの品名になる。IT分野では「大型の汎用コンピュータ」をメインフレームとよび、銀行のシステムなどに採用されているが、計測器では外枠の箱が計測器本体であることをさしてメインフレームとよんでいる。計測器の品名にも使われる。例:34980Aマルチファンクション/スイッチ計測メインフレーム(キーサイト・テクノロジー)、MS-523計測システムメインフレーム(エヌエフ回路設計ブロック)、SW1001スイッチメインフレーム(日置電機)。

メータ(めーた)

(meter)一般的に、数値を示す機器のこと。たとえば1.量や度合いをはかる器械(計測器や圧力計、はかりなど)。2.電気、ガス、水道の使用量を示す計量器(ガスメータ、スマートメータなど)。3.タクシーの運賃表示器(運賃が高くなることを「メータが上がる」といったり、運賃を取らないで走行することを「メータを倒す(ONにしない)」といったりする)。 計測器はまさに量を測定する機器なので、○○メータという名称の製品が多くある。デジタルマルチメータ、LCRメータ、高周波パワーメータ、光パワーメータなどなど、測定する物理量や機能を○○に当てはめた機種群や品名が数多くある。メータと共に基本測定器に多く使われるのがテスタである。クランプテスタ、アーステスタ、充放電バッテリテスタ、無線機テスタ、シグナリングテスタなど。計測器でメータとテスタはほぼ同義である。 計測するだけでなく、測定値の解析や計算機能など、計測したデータを元に処理を行うモデルを、多機能であることをアピールして○○アナライザと命名することは多い。インピーダンスアナライザ、パワーアナライザ、半導体パラメータアナライザ、スペクトラムアナライザ、ネットワークアナライザ、など基本測定器のカテゴリ名(機種群名称)や品名になっている。 メータやテスタは測定器であるが、観察器(観測器)のことをscope(スコープ)という。電気計測器の代表であるオシロスコープは時間波形(周波数)の観測器である。最近、8ビット以上のADコンバータを搭載した高分解能オシロスコープが登場し、DMM同等の分解能で電圧測定が可能になったので、やっとオシロスコープは計測器(メータ/テスタ)になった。 モニタースコープ、ファイバースコープなど画像観測をする計測器にはスコープと命名されたモデルが多い。そもそも顕微鏡はmicroscopeの日本語訳である。大変小さいもの(micro)を観察する機器(scope)という意味の翻訳が顕微鏡である。微小な物を、目に見えるようにする(あらわにする、顕)、レンズを通して見る道具(鏡)、とは、苦労して作った熟語(漢字)である。 計測器情報:メータと付く製品の例

メガー(めがー)

電池で動作する絶縁抵抗計。メガオームメータやメガテスタとも呼ばれる。メガオーム(高い抵抗値)を測るためメガーの呼び名がある。電池式絶縁抵抗計の別名でもある。メーカによっては「メガー」でなく「メガ」といっている(例えば共立電気計器)。

メガオームメータ(めがおーむめーた)

電池で動作する絶縁抵抗計(=電池式絶縁抵抗計)。絶縁抵抗計は高い抵抗を測定する用途に特化したテスタ(電圧・電流・抵抗の測定器)。可搬型で普通は電池駆動である。「メガテスタ」や「メガー」とも呼ばれる。正式名称は「絶縁抵抗計」で、俗称では「メガー」と呼ばれることが多い。電気機器の絶縁されるべき端子間が正常に絶縁されているか、保守・点検するために使われる。共立電気計器はクランプ、絶縁抵抗計、接地抵抗計の3つを主力とする現場用測定器の専業メーカで、世界中に輸出している。絶縁抵抗計も2016年にBluetooth搭載モデルを発売するなど最先端である。日置電機や鶴賀電機もラインアップが多い。

MS/s(めがさんぷるぱーせっく)

サンプリング(サンプル・レート)の単位。オシロスコープの仕様などで出てくることが多い。1MS/sは1秒あたり100万サンプル(1秒間に100万個のデジタルデータを収集する)ことをさす。

メガソーラー(めがそーらー)

(mega solar)大規模太陽光発電。数ha(ヘクタール)の広い土地を使い1MW以上を発電する産業用の発電設備。

メガテスタ(めがてすた)

電池で動作する絶縁抵抗計(=電池式絶縁抵抗計)。古くは機械式だったが、現在は可搬型で電池駆動モデルが一般的。「メガオームテスタ」や「メガー」とも呼ばれる。正式名称は「絶縁抵抗計」で、俗称では「メガー」と呼ばれることが多い。国内メーカでは共立電気計器、日置電機や鶴賀電機などがラインアップが多い。海外メーカでは本社が英国にあるMerrer(メガー)社が有名。Megger社は保護リレー試験器など電力関連の測定器や機器のメーカである。

MHz(めがへるつ)

(mega hertz)周波数の単位で、1,000,000Hz に相当。M(メガ)は10の6乗の接頭辞。オシロスコープの1番目の性能である周波数帯域で、50MHz~200MHzのモデルをエントリークラス、100MHz~1,000MHz(1GHz)をミドルクラスと呼んでいる(メーカによって異なる)。2000年頃までは企業の設計部門で使うオシロスコープとしては250MHz~350MHzがボリュームゾーンといわれた(横河電機のDL1540やDL1640が該当)。組み込み機器の普及や高速シリアルインタフェースの登場によって、現在は500MHz~1GHzがオシロスコープの売れ筋となっている。このようにMHzはオシロスコープで良く使われる用語である。ラジオのFM放送でFM東京のキャリア周波数は80.0MHzである。

目黒電波測器(めぐろでんぱそっき)

1944年に設立し、2016年まであった映像関連測定器(FM放送などの信号発生器、オーディオアナライザ、ジッタメータなど)のメーカ。正式名称:株式会社目黒電波測器。2016年3月31日に解散し、4月1日付で株式会社計測技術研究所(計測用電源と映像機器)と合併し、現在は計測技研の目黒電波事業部で、同社の電子計測器事業と位置付けられている(従来の計測技研の製品群である電源は、パワエレ事業部と称している)。目黒電波事業部はGNSS(全地球航法衛星システム)、VICS(道路交通情報通信システム)、ETC(高度道路交通システム)などの評価・検査機器をつくっている。GPS関連計測器では有名。たとえば人工衛星関連会社には同社のGPS測定器が多く採用されている。RF分野のスペクトラムアナライザもラインアップにある。 通信装置メーカである松下通信工業(パナソニックモバイルコミュニケーションズ)は計測器もラインアップしていた。panasonic(松下)の計測器といえば、目黒電波測器と同じく、オーディオ&ビデオ(映像)用の計測器が多かったが、アナログオシロスコープもあり、低周波の基本測定器から通信測定器まで幅広くラインアップしていた。ただし、松下電器のグループ再編の中で、計測器は撤退してしまったので、現在ではその全容(どんな製品群の歴史があったかや、ラインアップなど)はほとんどわからない。それに比べると目黒電波は今でも「目黒」の名前も残り、通信計測器をつくり続け、健在といえる。 海外メーカはM&Aが盛んで、EXFO(エクスフォ)やViavi Solutions(ヴィアヴィ)だけでなくキーサイト・テクノロジーも昔から他の計測器メーカを吸収してラインアップを広げている(古くはLAN/WANプロアナ、最近ではIXIAなど)。目黒電波は国産計測器メーカ2社が1社になった格好の例である。Baker Hughes(ベーカー・ヒューズ)社は圧力測定器(Druck、ドラック社)や流量計(Panametrics、パナメトリクス社)や非破壊試験機(旧GE)などの計測器群をラインアップする会社だが、(会社はもう存続せず、ベーカー・ヒューズ社なのに)ブランドとして旧社名(DruckやPanametrics)を今も全面に出してPRしている。目黒電波も(会社は無くなったが)ブランドとして健在である。 計測器はニッチな世界で、特定のユーザに長く使用されるので、古くからの会社名を使うことが営業的に有利に働く。ただし、三栄測器やタケダ理研工業のように、会社が計測器を主力事業としなくなった場合は、老舗計測器メーカといえども、社名は無くなる。計測器の「三栄(サンエイ)」や「タケダ」を知る人はいまでは高齢者だけである。 参考用語:首都圏パナソニックFA

メジャー測定(めじゃーそくてい)

ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所のデータロガーには、測定値の処理方法として3つの測定モード(イニシャル測定、ダイレクト測定、メジャー測定)がある。メジャー測定:ダイレクト値から、記憶しているイニシャル値を差し引いて出力する。したがってイニシャル値からの変化分が測定される(同社の「測定器の概要と主な用語」より)。

メジャリングレシーバ(めじゃりんぐれしーば)

(measuring receiver) 無線信号の伝播特性を評価する測定器。電波の伝搬試験や電波のサービスエリアの調査に使われる「電界強度測定器」。英語を直訳したら「測定レシーバー」(measuring:測定、receiver:受信器、受話器)だが、その場所の(携帯電話が受信できる)電波の強さを測定して確認するために主に使われる。なので日本語では電界強度計が適切。 アンリツのML521/ 522/ 524シリーズの品名ともいえるが、現在は生産中止で、同社はハンドヘルドのスペクトラムアナライザであるSpectrum Master シリーズ(MS27xxシリーズ)を後継機種に推奨している。ML52xシリーズの製品カタログには「測定周波数範囲が広く、小型電界強度計のような簡易型とは違い、本格的な性能と機能を備えている。」とあるので、電界強度計ではない、という同社のネーミングと思われる。 アンリツ以外ではフジソクがFL-2xxxシリーズのメジャリングレシーバをつくっていた。製品群は日本電産コパルに移管されたが、2022年3月31日が最終受注日になっている(同社HPより)。つまり、メジャリングレシーバと称する計測器の現役モデルは国内メーカではなくなった。 参考用語:電磁界強度計、電測計 計測器情報:メジャリングレシーバの製品例

メタクラ(めたくら)

受変電・配電機器の分野の用語。 metal clad(メタルクラッド、日本語だと「金属被覆」)の略。金属製の筐体に機器を収納したもの。受電設備の「キュービクル」のこと。遮断器や変圧器などが金属製の筐体に入っている配電盤があれば、それもメタクラとよばれる。キュービクルは一つの金属箱内に全ての機器を納めたものだが、メタルクラッド は各機能別に金属箱によって仕切られ、各部位が接地されているので、シールド効果があり、不具合が他の部位に及ばないように配慮している。 参考記事(会員専用):市場動向レポート 「受変電・配電設備の保全と計測器の活用」2016年3月号 TechEyes Vol.16 参考記事:【コラム】交流電源 - 三相と単相・・柱上変圧器について触れている。

メタンガス濃度測定器(めたんがすのうどそくていき)

メタンガスの濃度を測定する機器。「メタンガス検知器」の別名。メタンガスは可燃性もあり危険なため、ガス検知器も多くつくられている。メーカは新コスモス電機がメジャーだが、通販サイトにはたくさんのメーカの機器が掲載されている。

メトロロジー(めとろろじー)

(metrology) 日本語では「計量学」や「計測学」と翻訳されている。計測・計量の理論から実践までの体系のこと。計測器では校正の機器で使われることばである。校正器のメーカであるフルーク(Fluke Calibration)やAdditel(圧力や温度の校正器)などの資料にmetrologyがでてくる。メートル法が誕生したワールド・メトロロジー・デー(世界計量記念日)にはフルークキャリブレーションの米国本社では、記念イベントが開催される。 半導体製造装置ではmetrology(計測)として、形状観察や欠陥検査が紹介されている。画像処理分野では、「メトロロジーは従来のエッジ検出より優れた機能で・・」という解説もある。こららは「検出する」、「見つけ出す」という意味でメトロロジーといっている。

MEMS(めむす)

(Micro Electro Mechanical Systems) 小さな電気機械システム。半導体の基板上に電子回路と、センサ、アクチュエータなどの機械要素が混在するミクロンサイズのデバイス。

目盛(めもり)

オシロスコープの用語としては、波形を測定するための画面上のグリッド線のこと。(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)

MEMORY STA(めもりえすてぃーえー)

ROMプログラマのマスタデータ格納時の開始アドレス(STA=スタートアドレス)。データ転送時に必要な設定だが、通常はデフォルトのままでも使える。(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より。ROMに書き込む際のアドレス設定の例が、上記の用語集には掲載されている。)

MEMORY SPA(めもりえすぴーえー)

ROMプログラマのマスタデータ格納時の最終アドレス(SPA=ストップアドレス)。データ転送時に必要な設定だが、通常はデフォルトのままでも使える。(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より。ROMに書き込む際のアドレス設定の例が、上記の用語集には掲載されている。)

メモリオシログラフ(めもりおしろぐらふ)

データをメモリに記録し、感熱紙に印字するタイプのレコーダ。現在のレコーダの主流。メモリレコーダとも呼ばれ、こちらの表現が一般的。「オシログラフ」という名称は横河電機(現横河計測)が好んで使用していた(用語の「オシログラフィック・レコーダ」の項目を参照)。印字機能が無い、ペーパーレス製品が増えている(たとえば日置電機のメモリハイコーダなど)。ただし鉄道分野に強いエー・アンド・デイ(旧三栄測器/NECアビオニクス)のオムニエースはA4、A3サイズの印字機能を特長にし続けている。電圧の時間変化を測定し、波形表示する機能はデジタルオシロスコープ(オシロ)と同じ。入力数はオシロより多く(8~32ch)、各入力部は絶縁されている。サンプリング時間はオシロより遅い(100MS/s以下)が、オシロより長時間の記録ができる。測定器の原理はデジタルオシロと同じだが、アプリケーションは全く異なり、用途によって使い分けられている。

メモリ長(めもりちょう)

デジタルオシロスコープでサンプリングしたデータを記録できる数をメモリ長(またはレコード長)という。メモリ長とサンプリング、測定時間の間には、次の関係がある。測定時間(s)=メモリ長(Word)/サンプリング(S/s)。高速サンプリング(密)で測定すると、測定時間は短かくなり、低速サンプリング(粗)ならば長時間測定できる。従来、メモリが高価だったので、デジタルオシロスコープのメモリは標準では大きくない。今でも各メーカはメモリ増設をオプションにして、性能(と価格)を選択できるようにしている。 メモリ長やレコード長という表現でなく「内蔵メモり」や単に「メモリ」と記述している場合もある。元来、オシロスコープは高速の信号を精度良く捕まえることが主眼で、精度とデータ数(サンプリング)はトレードオフである。電子回路の高速信号をオシロで測定してもせいぜい数秒程度でメモリはいっぱいになる。長時間記録が目的ならばオシロスコープでなくレコーダ(記録計)の出番である。次の記事に「レコード長」の解説がある。「デジタルオシロスコープの基礎と概要(第2回)」https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-DigitalOscilloscope-02/