計測関連用語集

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詳細説明

オシロスコープ

読み方:

おしろすこーぷ

カテゴリー:

#オシロスコープ

(oscilloscope)
電気信号の波形を映し出し、電圧の時間変化を観測する測定器。電気計測器の代表機種群で、日本だけでなく全世界で最も市場規模(生産額・販売額)が大きい機種群の1つ。デジタルオシロスコープアナログオシロスコープがあるが、現在はほぼデジタル。略称:オシロ。
デジタルオシロスコープは1980年代に登場し、2000年代以降に主流になった。測定できる周波数の上限(周波数帯域)はMHzからGHzに伸びた。2000年代初頭は周波数帯域4GHzが最高機種だったが、2005年に、情報家電分野の高速デジタル市場向けに6GHzの広帯域モデル(キーサイト・テクノロジーの54855A)が発売されて以降、オシロ3メーカ(テクトロニクス、キーサイト、レクロイ)による上位モデル競争が続き、2018年には110GHzモデル(約1億円/台)が発売されている。これら広帯域オシロスコープは便宜的に高速オシロと呼ばれ、従来のオシロとは区別されている。約2~4GHzで区分され(メーカによって異なる)、従来オシロは便宜的に汎用オシロと呼ぶ(メーカはこの呼び方はしていない、広帯域オシロと区別するための便宜的な呼び方である)。

デジタルオシロのA/Dコンバータ(ADC)は長らく8ビットだったが、2012年に高分解能の10ビットモデルが発売され、2018年以降は汎用オシロの高分解能機種が1つのトレンドになりつつある。たとえばテクトロニクスは1GHz帯域の高性能モデル(4シリーズMSO、5シリーズMSO、200MHz~2GHzをカバー)と、広帯域モデルの5シリーズMSO(高速デジタル回路の評価用、1GHz~10GHzをカバー)(※)は分解能が標準で12ビットである。
当初は自動車などのパワーエレクトロニク分野向けに「時間波形だけでなく電圧も精度良く測定する」需要に応えて登場した高分解能モデルだが、周波数がGHz帯域の信号は、ダイナミックレンジが広い高分解能モデルで電圧値を測定しておくことが多くなってきている。高分解能モデルの登場によって、オシロは波形の観測器(scope)から(時間と電圧が正確に測定できる)測定器(meter/tester)にやっと進化したが、電圧値をDMM並みの精度で測定することがオシロの常識になったのかもしれない。

オシロスコープのことばの由来は、「オシロスコープのすべて(2017年テクトロニクス発行の冊子)」に「オシレート(発振)が語源で、発振電圧を測定するところから」とある。 発振(Oscillation)の観測器(Scope)という造語といえる。

(※)オシロを用途別に分類し、一般的な回路基板評価用途(~2GHzまで)を1G帯域のモデル、広帯域モデルの中で1GHz~10GHzに対応したモデルを高速デジタル回路の評価用と称している。以下の表1が詳しい。
参考記事:オシロスコープの動向と、最新1GHz帯域モデルの各社比較

参考用語
参考記事
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