計測器の形名・・・第3回 オシロスコープPart2 ~ DSO、DPO、DSA、MSO
計測器は商品なので、形名(かためい)、品名(ひんめい)などの名称があります。本稿は「計測器の形名」について考察する連載コラムです。前回は1999年発売のTDS3000シリーズ以降に、オシロスコープの形名に基本仕様を示す数字が使われるようになったことを述べました。2000年代以降は形名の頭に、オシロスコープの機能を示す英字3文字が使われるようになります。DSO、DSA、MSO、MDOなどの文字列です。これらの形名がどのように出現し各社に広まったのか、今回もアナログオシロスコープ時代から話します。一般に形名の意味は公開されないので推測するしかありませんが、オシロスコープの形名(シリーズ名)は由来が確かなものが多くあります。
ストレージオシロスコープからDSO(Digital Storage Oscilloscope)へ
アナログオシロスコープの表示画面はブラウン管と呼ばれるCRT(Cathode Ray Tube、陰極線管)で、内部の電子銃から放出された電子ビームが蛍光面に当たり、画面上に波形を描画します。波形が表示されている時間は約1秒程度のため、繰り返し波形は表示され続けますが、単発の波形はすぐに消えてしまいます。アナログオシロスコープにはメモリ(記憶機能)がありません。ですから管面にカメラを取り付けて、トリガに同期して撮影し、波形を写真で残しました。カメラフード(オシロスコープにカメラを取り付ける器具)やポラロイドカメラはアナログオシロスコープのオプションです。1960年代に残光時間の長いCRTが開発され、波形を画面上にある程度の時間、表示しておけるようになります。storage tube(蓄積管)などと呼ばれ、単発現象の観測に重宝されます。蓄積機能のあるオシロスコープは「ストレージオシロスコープ」と呼ばれました※1。
storageを翻訳すると「保管」、「貯蔵」、「格納」。オシロスコープのストレージとは「測定した波形を保管しておける」という意味。IT機器では補助記憶装置をストレージと呼称している。
1980年代にデジタルオシロスコープが登場し、それまでのオシロスコープはアナログオシロスコープと呼ばれるようになります(オシロスコープがアナログだけの時の呼称はオシロスコープで、デジタルオシロスコープの登場でアナログオシロスコープという名称が生まれる)。デジタルオシロスコープはメモリを備えていて、測定した波形をサンプリングしてデジタルデータで保管します(蓄積機能がある)。1980年代から1990年代はアナログオシロスコープとデジタルオシロスコープが併存していました。それまでのストレージオシロスコープが「アナログストレージオシロスコープ」と呼ばれるので、デジタルオシロスコープも「デジタルストレージオシロスコープ」と呼ばれるようになります※2。
デジタルオシロスコープとデジタルストレージオシロスコープはほぼ同義といえる。メーカはどちらかを品名にしたり、資料によって両方の名称にしたりして使われている。
形名SS-xxxx(xは数字)で多くのアナログオシロスコープをラインアップした岩崎通信機には、TS-xxxxアナログストレージオシロスコープがあります。最後のモデルTS-80600/TS-81000が販売終了したのは2013年です。2000年代以降はデジタルオシロスコープが主流ですが、デジタルストレージオシロスコープといまでも呼称されるのはアナログとの共存が長かったからかもしれません。デジタルストレージオシロスコープを略記したDSOはオシロスコープの形名になりました。キーサイト・テクノロジーが初めての「英字と数字の形名」のオシロスコープDSO80000Aシリーズを2006年に発売したことは前回述べましたが、それ以来、同社のミドルクラスのモデルは一貫してDSOです(表1)。
形名の例 |
周波数帯域、入力ch、 サンプルレート |
シリーズ名 |
シリーズの特長 / カバーする周波数帯域 |
---|---|---|---|
DSOX2022A |
200MHz、2ch、 2GS/s |
InfiniiVision 2000 X |
エントリーモデルながらMSOあり / 70MHz~200MHz |
DSOX3054T |
500MHz、4ch、 2.5(or5)GS/s |
InfiniiVision 3000G X |
1GHz帯域の普及モデル(*) / 100MHz~1GHz |
DSOX4104A |
1GHz、4ch、 2.5(or5)GS/s |
InfiniiVision 4000 X |
1GHz帯域の高性能モデル(*) / 200MHz~1.5GHz |
(*)1GHz帯域の普及モデル、高性能モデルの位置づけは以下の記事を参照。 オシロスコープの動向と、最新1GHz帯域モデルの各社比較 |
アナログオシロスコープの表示を再現するDPO(Digital Phosphor Oscilloscope)
アナログオシロスコープのCRTには蛍光体(phosphor、フォスファ)があり、蛍光面に到達する電子が多いほど明るくなります(信号の頻度に応じた輝度が表現される)。オシロスコープがデジタルになるとこの輝度表現はできなくなっていたため、メーカはデジタル信号処理を駆使して同様の機能の実現をめざします。テクトロニクスはデジタルオシロスコープでアナログ表示を可能にする技術をDPX(デジタル・フォスファ・テクノロジ)と呼びました。1995年に発売したTDS700シリーズには初期のDPXが搭載され、その後のモデルでDPX機能を進化させます。TDS3000シリーズで画像処理DSPによってアナログオシロスコープと遜色ない表示を実現した次は、DPO4000シリーズが発売されます。このシリーズは従来より大画面で、奥行きが短く高さがある(現在のミドルクラスに続く)薄型・大画面の走りですが、形名はDSOではなくDPOです。
テクトロニクスは品名に「デジタル・フォスファ・オシロスコープ」と付けたモデルを発売するなど、独自技術を採用したDPOをデジタルオシロスコープの形名とし、DSOという形名はありません。本稿は形名についてのコラムですので、デジタル・フォスファ・オシロスコープについてはメーカの解説を紹介します。テクトロニクスはデジタルオシロスコープの種類としてデジタルストレージオシロスコープ(DSO)とデジタル・フォスファ・オシロスコープ(DPO)があり、自社が開発したDPOは従来のDSOとは違う構造で、それまでは輝度の階調表示をリアルタイムに行うことができなかったが、DPOによってアナログオシロスコープのような輝度を再現できるようになった
と説明しています。他社もデジタルオシロスコープで輝度表示を実現していますが、たとえばキーサイト・テクノロジーは特別に区別することはなくDSOという表記を使用しています。形名ではなくオシロスコープとしてのDSOの定義は一筋縄ではいかない、と筆者は思います。
図1 DPO4054B

広帯域オシロスコープのDSA
キーサイト・テクノロジーは周波数帯域を高めた54855A(6GHz)に続き、DSO80000Aシリーズ(13GHz)を発売したことは述べましたが、テクトロニクスも高性能なTDS7704(7GHz)、TDS6154(15GHz)などを発売します。レクロイ(現テレダイン・レクロイ)を含む3社が毎年のように最高の周波数帯域を競う、新製品リリースが始まります。2000年以降、各種の高速デジタル通信規格は3年間で2倍に高速化します※3。半導体メモリの代表であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)の動作も高速化し、DDR(Double Data Rate)評価用のオシロスコープは2年ごとにモデルチェンジしました※4。2012年1月には「ハイエンド・オシロスコープの広帯域化競争が激化~30GHz超のモデルが続々登場」と大手メディアが報じています。2010年代後半に周波数帯域の競争は終わり※5、トレンドは高分解能になったことは周知のことですが、現在のテクトロニクスの最上位モデル、DPO70000SXシリーズは13GHz~70GHzに対応しています。
参考記事(会員専用) 市場動向レポート「高速デジタルインタフェースの動向と計測ソリューションの概要」
参考記事(会員専用) 市場動向レポート「日本の産業とともに歩んだ電子計測器の半世紀を振り返る」
キーサイト・テクノロジーは2018年7月に110GHzモデルを発表。世界初のお披露目を取材。
参考記事(会員専用) 【イベントレポート】キーサイト・ワールド 2018
明確な定義はありませんが、一般に周波数帯域が2GHz以上のモデルを広帯域オシロスコープ※6と呼んでいます。名称はオシロスコープですが、エンジニアが1台/人使う通常のオシロスコープではなく、実態は高速シリアル通信の評価に特化したアナライザです※7。信号をアイパターンで評価するための、規格で規定されたマスクパターンや、データを保存する大きなメモリなどのオプションが多数あります。技術者は自分が評価したい規格によってオシロスコープの周波数帯域を選び、オプションを一式揃えないと測定ができません。
高速デジタル回路の評価用途のため、高速オシロスコープとも呼ばれる。開発競争をした3社と2010年に市場参入したローデ・シュワルツの4社が市場に提供しているが、各社の製品一覧には広帯域という分類はない。ローデ・シュワルツの2018年の分類はベンチ、高性能などである。
参考記事 高速オシロに本格参入 ~ ローデ・シュワルツ ハイパフォーマンス・オシロスコープ発表会
400Gbpsを評価するオシロスコープの例。
参考記事(会員専用) 【イベントレポート】テクトロニクス イノベーション・フォーラム2018
キーサイト・テクノロジーのDSO90804A(2008年発売)は8GHzモデルですが、これだけを購入しても用をなしませんでした。各種の通信規格を評価するためには解析オプションが必要です。そのためDSO90804Aオシロスコープ本体とオプションがバンドルされたDSA90804Aという形名があります。DSAシリーズには50Mポイントのメモリ、EZJITジッタ解析ソフトウェア(オプション002)、高速シリアルデータ解析ソフトウェア(オプション003)、EZJIT Plusジッタ解析ソフトウェア(オプション004)、EZJIT Completeジッタ解析ソフトウェア(オプション070)が標準で付属しています。これだけのオプションが揃っていれば(PCIeやMIPI※8などの)個別の通信規格の解析オプションを追加するだけなので便利です(逆にいえば、個別の通信規格の評価にはオプション002、003などがないと十分な性能が発揮できない)。
各種の通信規格の種類と概要は前述の(*)の記事(表1の注記)を参照。
同社資料でDSAはDigital Signal Analyzer(デジタル・シグナル・アナライザ)と表記されています※9。テクトロニクスのDPO70000シリーズにオプションの解析ソフトウェアを標準装備したのがDSA70000ですが、DSAの品名はDigital Serial Analyzer(デジタル・シリアル・アナライザ)です※10。DSOに続いてDSAもメーカによって違いますが、通信規格を評価するソフトウェアを標準装備した「DSO(やDPO)のAnalyzer(アナライザ)モデル」がDSA、と筆者は理解しています。
同社にはDCA(Digital Communication Analyzer)と呼ばれるサンプリングオシロスコープがある。本稿の広帯域オシロスコープ(リアルタイムオシロスコープ)ができる以前は、83480Aや86100Cなどが通信のアイパターン測定に使われた。
同社にはDSA8300というサンプリングオシロスコープもあった。
図2 DSA90804B(左)とDPO77002SX(右)

ミドルクラスの主流になったMSO(Mixed Signal Oscilloscope)
1974年に発売された8ビットのマイクロプロセッサ(インテル8080、モトローラ6800)は、その後16ビット、32ビットに進化し、1980年~1990年代は多くの電子機器にCPUが搭載されました。ICE(In Circuit Emulator、アイス、マイコン開発支援装置)やロジックアナライザ(ロジアナ)は開発設計者の必需品で、HP(ヒューレット・パッカード、現キーサイト・テクノロジー)のエミュレータ64700シリーズやロジアナ16500シリーズが有名です。同社は従来のアナログ信号だけでなく、ロジック信号が含まれた混合信号(ミックスドシグナル)の波形表示や解析が今後は重要であると考え、1996年に54645Aミックスド・シグナル・オシロスコープを発売します。54645Dは2chのデジタルオシロスコープに、ロジック入力16chが加わり、従来はオシロスコープとロジアナの2台が必要なのに対しオシロスコープの画面だけでアナログとデジタルの両方の信号波形を観測できます。
54645Aは、現在のミドルクラスのオシロスコープの主流となったMSOと基本的な構造は同じです。オシロスコープにロジアナ機能を取り込んだミックスドシグナルという概念は慧眼だと筆者は思います。ただし時代が早すぎたというか、MSOを印象付けたのはテクトロニクスのMSO4000シリーズです。2000年代中頃に新しいオシロスコープDPO4000を登場させた同社は、間をおかずにDPO4000の入力を「2(または4)chのアナログと16chのデジタルにできる」次世代のデジタル表示、と銘打ってMSO4000を提案しました。MSOという形名をつくったのです。以降、他社にもMSOは広がり、キーサイト・テクノロジーのMSO7014A(InfiniiVision 7000シリーズ)、リゴルのMSO7014(MSO/DS7000シリーズ)などがあります(現在は両製品とも生産終了)。
図3 MSO7014A(左)とMSO7014(右)

新旧の形名の例
一通りの説明が終わったところで、各メーカの形名がどう変わったのか、国産メーカと中華系メーカを例に示します。アナログオシロスコープ時代からの国産メーカの形名の例を表2にしました。ケンウッド(現テクシオ・テクノロジー)のアナログオシロスコープはCS-xxxxだったので、デジタルオシロスコープはDCS-xxxxになった以外は、各社の形名の意味はわかりません。形名の数字も仕様とは無関係なモデルがほとんどです。
メーカ名 | 形名の例 | メーカのトピックス |
---|---|---|
岩崎通信機 |
SS-7805A(アナログ) TS-8500(アナログストレージ) |
1954年に国産初のトリガ式オシロスコープSS-751開発(シンクロスコープ) |
菊水電子工業 |
COS5041(アナログ) COM3101(デジタル) DSS5040(デジタルストレージ) |
OV-56B型直流オシロスコープ(1959年カタログ)、1990年代までオシロスコープをラインアップ |
ケンウッド |
CS-6020(アナログ) DCS-1104B(デジタルストレージ) |
1965年(トリオ時代)にオシロスコープを販売開始、2012年に台湾のGood Willの傘下になり、テクシオ・テクノロジーに社名変更 |
日立電子 |
V-1100A(アナログ) VC-6165(デジタルストレージ) |
最終会社名:日立国際電気 |
松下通信工業 |
VP-5220A(アナログ) VP-5841L(デジタル) |
最終会社名:パナソニックモバイルコミュニケーションズ |
広帯域オシロスコープの開発競争が始まった2000年代中頃に輸入が始まり、ローエンドからミドルクラスまでラインアップを広げ、最近は日本法人の設立も進む中華系メーカのシリーズ名の例を表3にしました。表2に比べて各社のシリーズ名(形名)が似ています。リゴルやOWONは、デジタルオシロスコープ(Digital oscilloScope)、またはデジタルストレージオシロスコープ(Digital Storage oscilloscope)を略したDSを形名にしています。Tektronix Digital oscilloScopeがTDSになったように、Good WillはGDS、SiglentはSDSです。MSOやMDO※11もあります。ほとんどのモデルが、形名の数字が仕様を表しています。
(Mixed Domain Oscilloscope) スペクトラムアナライザのオプションを持つモデルを指す。MSOに倣って周波数軸(ドメイン)もあるというネーミング。テクトロニクスのMSO4000シリーズは、現在はMDO4000Cシリーズになっている。最近のオシロスコープは信号発生器のオプションなど、高機能化していることを象徴する形名といえるが、同社以外で使われる例は少ない。
No | メーカ名 | シリーズ名の例 | メーカ本社 |
---|---|---|---|
1 | Rigol(リゴル) | DS1000Z、DS7000、MSO2000A、MSO8000 | 中国:蘇州 |
2 | Good Will Instrument(GW Instek) | GDS-2000A、MDO-2000E | 台湾:新北市 |
3 | OWON(オウオン) | HDS200、SDS1000、VDS6000、XDS4000 | 中国:福建 |
4 | Shanghai MCP Corp.(INSDAC) | DQ1000D、DQ5000、SPO3000 | 中国:上海 |
5 | Shenzhen Micsig Technology(ミシシング) | STO1004 | 中国:深圳 |
6 | Siglent Technologies(シグレント) | SDS1000X-E、SDS2000X HD、SDS5000X | 中国:深圳 |
No.1~4のメーカは 計測器詳細ページ で詳しい仕様が検索できる。 |
図4 DCS-1104B(左)とGDS-2104A(右)

形名から仕様がわかるもう1つの機種群
国産の計測用電源も、オシロスコープ同様に基本仕様が形名になっているモデルが多くあります。特に直流電源では、主要な電源メーカは同一の法則で形名を命名しています。形名から仕様がわかる貴重な例として紹介します。直流、交流、回路方式(ドロッパ方式、リニアアンプ方式、スイッチング方式など※12)に関わらず、計測用電源には最大出力電圧/電流で規定されるレンジがあります。顧客が希望するレンジは多様なため、1シリーズでカバーする電圧・電流範囲内で、電圧と電流の多くの組み合わせのモデルがあります。CV/CC※13電源の形名はシリーズ名の後に電圧/電流レンジの数字が続くのが一般的です。メーカにとってそのような命名が自然だったと推測しますが、結果として顧客は電圧/電流レンジが形名からすぐにわかります。
直流電源の種類(安定化の回路方式)は以下の記事が詳しい。
プログラマブル (出力可変型) 直流安定化電源の基礎と概要(第1回)
(Constant Voltage/Constant Current)定電圧/定電流。直流安定化電源には2つの動作モードがあり、設定した電圧(または電流)値の範囲内で、負荷状態に応じて自動的に定電圧(CV)や定電流(CC)で動作する。
菊水電子工業の高信頼性直流安定化電源PAN-Eシリーズは、PAN16-10E(16V/10Aレンジ)からPAN35-20E(35V/20Aレンジ)までの6モデルで、出力容量175W~700Wをカバーしています。高砂製作所のシリーズレギュレータ方式の直流電源GP/RシリーズはGP035-20R(35V/20A)、GP060-200R(60V/200A)、GP500-5R(500V/5A)など15モデルがあります(入力は200V単相/三相あり。2023年3月現在)。これらは、「シリーズ名(英字の大文字)+電圧-電流レンジ(数字)」が形名になっています。
図5 PAN-Eシリーズ(左)とGP/Rシリーズ(右)

直流電源でも、電圧/電流の値ではなく出力容量(W)を形名にしているモデルもあります。スイッチング方式で主流になったワイドレンジ※14や、バッテリの評価に使われる回生※15モデルなどです。このように国産の安定化電源は形名から出力の値(電圧、電流、容量)がわかるモデルが大半ですが、海外メーカの電源では形名と仕様は全く無関係です(一般的な計測器と同じ)。世界中の計測器メーカの認識(常識)は「形名を自分たちの都合で発番しないなんて、日本の計測器は変わっている(特異な現象)」だと思いますが、ユーザが形名から仕様をすぐにわかるなんて、「日本の計測用電源は進んでいる(最先端)」という解釈もあると思います。
機器で発生する余剰エネルギーを電気に変換して再利用すること。回生機能のある電源がEVなどの評価に使われる。
参考記事 1/2に小型化、2000kWまでユーザで増設可能~電力回生型 双方向直流電源RZ-X 100kW
おわりに
2回にわたりベンチトップのリアルタイムオシロスコープの形名を中心に話しましたが、サンプリングオシロスコープは形名から仕様がわかりません。また、高分解能モデル、絶縁型モデル※16などの品名も「オシロスコープ」で、名称からは種類がわかりません。USBの普及によってスタンドアロンでないPC制御型の計測器が増え、キーサイト・テクノロジーは2018年に、高性能な計測を行うUSB製品シリーズ「Streamline」を立ち上げ、USBオシロスコープP924xAなどを発表しました。また同社はハンドヘルドのオシロスコープU16xxAがあります。これらのPやUで始まる形名のオシロスコープは、DSO80000A以降の形名の法則(周波数帯域とチャンネル数を形名の数字が示す)に従っていません。現在の同社の形名が英字1文字の後に数字が続くことは連載第1回で触れましたが、英字や数字の意味(機種群などとの関係、発番の法則)はまったく不明です。同社ではDSOなどのオシロスコープの形名はマイナーな存在です。オシロスコープの形名が仕様を示すことが、長く続くことを筆者は願っています。
絶縁型など、オシロスコープの種類は以下の記事が詳しい。
デジタルオシロスコープの基礎と概要(第1回)