多チャンネルのオシロスコープ特集〜大手5社の8chモデル紹介
電気エンジニアが使用するミドルクラスのオシロスコープは数百MHzの周波数帯域が多かったが、近年のシリアル伝送の高速化などで1GHz〜2GHz位までカバーする機種が増えた。また、時間軸だけでなく電圧も精度よく測定したいという需要によって高分解能モデル(ADコンバータを従来の8ビットでなく10ビットや12ビットに性能アップ)が登場した。さらに2019年〜2020年にかけては各社が多チャンネルモデルを発表した。8chオシロスコープは1993年の登場以降、横河計測のオンリーワンモデルであったが、ここにきて自動車市場の需要などもあり主要オシロスコープメーカが参入した。4chモデルと同様に、普段使いに適した機種から高機能モデルまで揃い、選択肢が増えた。ユーザは機能や価格を比較して用途に合った機種を選べる。TechEyesOnline編集部では現役8chモデル5機種の主な仕様の比較表を作成した。オシロスコープの最新動向として各社の8chモデルの概要を紹介する。
メーカ名 | 岩崎通信機 | キーサイト・テクノロジー | テクトロニクス | テレダイン・レクロイ | 横河計測 | |
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製品名称(シリーズ名) | DS-8000シリーズ | Infiniium EXRシリーズ | 5シリーズMSO |
WaveRunner 8000HDシリーズ |
DLM5000シリーズ | |
発売年月 | 2020年11月 | 2020年11月 | 2017年6月 | 2019年10月 | 2020年8月 | |
寸法 | 高さ | 324.6mm | 330mm | 309mm | 345mm | 266mm |
幅 | 445mm | 440mm | 454mm | 445mm | 426mm | |
奥行 | 200mm | 230mm | 205mm | 196mm | 180mm | |
重量 | 約11.5kg |
4チャネル:13.7 kg 8チャネル:14.5 kg |
11.4kg未満 | 11.1 kg | 約7.3 kg | |
表示画面サイズ | 15.6型 | 15.6型 | 15.6型 | 15.6型 | 12.1型 | |
本体のOS | 専用 | 専用/Windows10 | 専用/Windows10 | Windows10 | 専用 | |
基本仕様 | アナログ入力数 | 4、8 | 4、8 | 4、6、8 | 8 | 4、8 |
デジタル入力数 | なし | 16 | 最大64 | 16 |
標準:16ビット オプション:32ビット |
|
周波数帯域 | 350MHz、500MHz、1GHz |
500MHz、1GHz 2GHz、2.5GHz |
350MHz、500MHz 1GHz、2GHz |
350MHz 、500MHz 1GHz、2GHz |
350MHz、500MHz | |
波形メモリ長 |
60M ch結合時:120M |
標準:100M 最大:400M |
標準:62.5M オプション:500M |
標準:50M オプション:5G |
標準:50 M オプション:125M、250M |
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A/D変換器 | 分解能 | 12ビット |
10ビット ENOB:9.0ビット@20MHz |
8 ビット @6.25GS/s 12 ビット @3.125GS/s |
12ビット | 8 ビット |
最高サンプルレート |
5GS/s @チャンネル結合時 2.5GS/s @全チャンネル使用時 |
16 GS/s | 6.25GS/s | 5GS/s、10GS/s@エンハンスドサンプリングレート時 | 2.5 GS/s | |
車載ネットワーク対応 | なし |
Ethernet、CAN、CAN FD、 LIN、FlexRay、SENT |
Ethernet、CAN、CAN FD、 LIN、FlexRay、SENT |
Ethernet、CAN、CAN FD、 LIN、FlexRay、SENT |
CAN、CAN FD、LIN、FlexRay SENT、CXPI、PSI5 Airbag |
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対応プローブ | 受動プローブ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
高電圧受動プローブ | 〇(~60kV) | 〇(~4kV) | 〇(~20kV) | 〇(~6kV) | 〇(4kV) | |
AC/DC電流プローブ | 〇(~100MHz) | 〇(~150MHz) | 〇(~120MHz) | 〇(~100MHz) | 〇(~120MHz) | |
ロゴスキーコイル電流プローブ | 〇(~100MHz) | 〇(~30MHz) | 〇(~30MHz) | 〇(~30MHz) | × | |
アクティブ(FET)プローブ | 〇(~2.5GHz) | 〇(~12GHz) | 〇(~4GHz) | 〇(~4GHz) | 〇(~900MHz) | |
高電圧差動プローブ | 〇(~400MHz) | 〇(~400MHz) | 〇(~200MHz) | 〇(~400MHz) | 〇(~150MHz) | |
広帯域低電圧差動プローブ | × | 〇(~12GHz) | 〇(~10GHz、TDP7710型使用時) | 〇(~6GHz) | 〇(~1GHz) | |
光絶縁プローブ | 〇(~30MHz、電池駆動) | × | 〇(~1GHz、電池不要) | 〇(~150MHz、電池駆動) | × | |
パワーレール | × | 〇(~6GHz) | 〇(~4GHz) | 〇(~4GHz) | × | |
TechEyesOnline編集部作成 |
上表は2021年5月時点の比較のため、最新情報は各メーカのホームページをご覧ください。
50MHzから110GHzまで幅広く多種類のオシロスコープを揃える同社が、最上位のUXRシリーズの技術を採用し、現役8シリーズめの最新機種、Infiniium EXRを発売。500 MHz~2.5 GHz帯域、全チャンネル16G S/sと高性能。電源測定からプロトコル層テストまで充実のアプリケーション。こちらから
WaveRunner 8000HDシリーズは、世界初の高分解能モデルを発売した同社の、12ビット分解能、350MHz〜2GHz帯域の8chモデル。HD4096テクノロジで低ノイズを実現。三相パワー解析オプションや、モータ・ドライブに特化したアナライザMDA 8000HDもラインアップ。こちらから