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計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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全用語一覧

3,288

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ISDB-T SB(あいえすでぃーびーてぃー えすびー)

Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial for Sound Broadcasting の略 (=地上デジタル音声放送)。

ISDB-T用測定器(あいえすでぃーびーてぃーようそくていき)

地上デジタル放送用の信号を測定する機器。

ISVM(あいえすぶいえむ)

(Current Source Voltage Measure)SMUの機能の1つ。電流を印加して電圧を測定する。参考記事:高精度な電子部品の評価に貢献するSMU〜エーディーシー6253直流電圧・電流源/モニタSMUの概要や、ISVMのアプリケーション例を解説。

IF信号(あいえふしんごう)

(Intermediate Frequency)日本語では「中間周波数」だが、IFという表記の方が良く使われている。無線通信システムの中で、信号の周波数を変換している中間段階の周波数のこと。 IFだとif(もしも)の意味もあるので、本解説のタイトルは「IF信号」にしている。

IMO(あいえむおー)

International Maritime Organizationの略。国際海事機構。

IMO塗装性能基準(あいえむおーとそうせいのうきじゅん)

塗装は、船舶の状態を良好に維持すると共に保守を容易にするため非常に重要なものである。また、建造段階における施行品質が将来にわたる塗装の維持に大きな影響を与える。このような塗装の重要性に鑑み、国際海事機構(IMO:International Maritime Organization)は2006年12月8日に通称PSPCと呼ばれる塗装性能基準を採択した。 また、IMOはPSPCを強制化させるSOLAS条約2-1章3-2規則の改正を同時に採択した。PSPCの90/10ルール : 「全膜厚測定点の90%は塗料スペックが求めるNDFT(公称乾燥膜厚)以上で、なおかつ残り10%の膜厚は0.9×NDFTを下回らないこと」を意味する。この90/10ルール対応機能を搭載した膜厚計も登場している(例:フィッシャー・インストルメンツのMP0R、FMPシリーズ)。IMO塗装性能基準のことを別名、PSPCともよぶ。PSPC:Guidelines for Performance Standard for Protective Coatings contained in IMO Resolution MSC.215(82) (フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

IO(あいおー)

(Input Output) 入出力のこと。表記は「I/O」もある。モジュール型の計測器やデータロガーなどでI/Oという表記を見かける。たとえば「I/Oモジュール」や「I/O:電圧」など。半導体チップにもI/Oという表現は使われる。コンピュータは入力(Input)された情報から計算を行い、結果を出力(Output)する(昔はコンピュータを計算機といったが、現在は情報処理機といわれる)。IT機器では、これらの処理を総称してI/O(Input/Output)と呼ぶ。 コンピュータ関連にはIOを社名にする会社がある。石川県金沢市にある株式会社アイ・オー・データ機器は、20年前から液晶ディスプレイをつくっているモニタ機器の老舗。IO DATA(IOデータ)と呼称され、現在はハードディスク、Wi-Fi(ワイファイ)、ネットワークカメラなどのスマホ・TV・パソコン周辺機器の総合メーカである。 Data I/O社は米国ワシントン州シアトルにあるROMライタの老舗で、1970年代からマイクロプロセッサが普及するのに伴い、EPROMにプログラムを書き込む際に使用された。日本ではミナトエレクトロニクス(現ミナト・アドバンスト・テクノロジーズ株)が同じく1970年代につくっている。ほとんどの国産メーカ、アバールデータ(PECKER)やタケダ理研工業(現アドバンテスト)、安藤電気などがROMライタに参入したのは1980年代である。米国のData I/Oと日本のミナトエレクトロニクスは老舗である。ロジックアナライザ、ICE、プロトコルアナライザなどのバス/ロジック解析(デジタルの開発ツール)という先端機器を輸入してきた東陽テクニカが長年Data I/O製品を取り扱ってきたが、需要減少によって2020年に総代理店業務を終了した。日本では前述のIO DATAが有名なので、似た会社名であるData I/Oはほとんどネット上でもヒットしないが、ICEなどの組込みシステム関係者には良く知られた会社である。1980年代は、新しいROMが開発されると、Data I/OのROMライタがまず早期に書込み対象に追加したので、開発技術者には頼りになった。

IoT(あいおーてー)

(Internet of Things)「モノのインターネット」と表現される。様々な「モノ」がインターネットに接続され情報交換することで、相互に制御する仕組みを指す。例として、工場の生産設備(機械)がネットワークにつながり制御されることや、IoTで膨大な情報が集められるためビックデータ解析によって新しい知見が生まれる、などが検討・導入されようとしている。工場のPLCのようなハードウェアから、クラウドでの解析のようなソフトウェアまで関係する概念。日本では経済産業省がSociety(ソサイアティー)5.0やConnected Industries(コネクテッドインダストリー)を標榜して工業のIoT化を推進している。

I/O-Link(あいおーりんく)

国際規格のIEC 61131-9に準拠した通信技術(フィールドバス)の1種。工場などの生産現場にあるセンサ、アクチュエータなどを1本の標準ケーブルでつなぎ、上位ネットワーク(PROFIBUS、PROFINETなど)に接続する。3芯ケーブル1本で機器に接続できるので、配線コストの削減やトラブル箇所の特定に利点がある。IO-Linkは端末レベルのデータ可視化や設定に特化し、PROFIBUSはシステム全体の通信を担う。 PI(PROFIBUS & PROFINET International)傘下のIO-Link協会(IO-Link Community)がIO-Linkを管理・運営している。日本にはNPO法人 日本プロフィバス協会があり、国内でのPI技術(IO-Link含む)の普及活動を行っている。IO-Link協会はIO-Link技術の管理・運営を担うコンソーシアムとして2010年に設立され、「IO-Linkコミュニティ ジャパン」の代表は日本プロフバス協会の会長が兼務している(2025年11月現在)。PIはIO-Link協会が所属する上位の国際団体で、PROFINETなどの産業用通信技術を管轄している。 PROFIBUSは欧州発祥で世界に広まった代表的なフィールドバスで、PLC、インバータ、IO(入出力)ブロックなどを2芯の専用シールドケーブルでつなぎ、高速・大容量、長距離通信で、生産ライン全体を制御する。IO-Linkはセンサ、アクチュエータ、ハブを簡便で安価なピアツーピア通信で、パラメータ設定やリアルタイム監視を行う。PROFIBUSを補完する規格としてIO-Linkがあるといえる。 IIFES 2025の日本プロフィバス協会ブース

IOWN(あいおん)

「Innovative Optical and Wireless Network」の略で、NTTが2019年に発表した次世代ネットワーク構想。光信号のままで(半導体レベルでも電気に変換しないで)伝送・交換処理を行うオールフォトニクス・ネットワークを実現しする。そのためのキーとなる新しい光半導体の試作にNTTは成功したといわれる。従来の電子技術(エレクトロニクス)が光技術(フォトニクス)に変わり、電子技術では解決できなかった低遅延、低消費電力、大容量・高品質のネットワークを構築できる(現在のインターネットの課題が改善できる)と期待される。 GAFA(ガーファ、米国の巨大IT企業Google、Apple、Facebook、Amazon)のような異業種が通信事業者(キャリア)になろうとしている。NTTは老舗の通信事業者として安泰ではない。IOWNの実現でゲームチェンジをはかり、NTTが世界をリードする通信事業者になるというビジョンを発表したのである。2019年にNTT、インテル、ソニーが発起人となって立ち上げた「IOWNグローバルフォーラム」には世界中の名だたる企業が参画した。2030年のIOWN実現に向け、2022年には第一弾としてオープン仕様に基づくAPN(All Photonics Network)(Open APNと呼ばれる)に対応した光伝送装置がNECや富士通から発売される。 参考用語:WDM、電電ファミリー

I/Qジェネレータ(あいきゅうじぇねれーた)

(I/Q generator) I/Q変調した信号の発生器。別名、I/Q変調信号発生器やベクトル信号発生器とも呼ばれる。無線通信用の信号発生器(SG)の1種で、デジタル無線通信の評価に使う。正弦波信号をI・Qデータによって変調して出力できる。直交座標でベクトル表示をするときの2成分をI(あい)、Q(きゅう)と呼んでいるため、「I/Q変調」と「ベクトル」は同じ意味で使われる。メーカによってI/QとIQの2通りの表現がある。I:In-Phase(同相)、Q:Quadrature-Phase(直交位相)。 IQジェネレータ(デジタル変調の信号発生器)とシグナルアナライザ(変調解析ができるスペクトラムアナライザ)の組み合わせが、現在のデジタル無線通信の評価の基本となっている(TechEyesOnlineの【イベントレポート】Keysight World 2019では具体例が述べられている)。品名はアンリツはベクトル信号発生器、ローデ・シュワルツはIQ変調信号発生器、キーサイト・テクノロジーはベクトル標準信号発生器などがあり、同じメーカでもモデルによって呼び方が違っている。 IQジェネレータの中には標準信号発生器との組み合わせで機能するモデルもある。横河電機 テスト&メジャメント事業部(現横河計測)が2000年頃に無線の通信計測器に参入したときは、標準信号発生器と併用するBaseband Signal GeneratorをデジタルIQ信号発生器と呼び、VB2000などのモデルがあった(現在はすべて生産中止)。

I/Q信号(あいきゅうしんごう)

(In-Phase/Quadrature-Phase signal) I/Qを翻訳すると「同相/直交位相」。携帯電話など、 現在の無線通信で主流となっているデジタル方式では、I/Q信号やI/Q変調はもっとも基礎の概念である。I/QまたはIQという表記が使われる。信号をベクトル表示する場合、直交座標ではIとQの2成分で表現することができる。具体的な計測器ではデジタル信号発生器にIQ出力の機能があるモデルが、移動体通信関連測定器として使われている。I/Q信号の信号発生器はI/Q変調信号発生器やI/Qジェネレータと呼ばれる。 IQだと知能指数(Intelligence Quotient)の意味もあるため、本解説ではタイトルを「I/Q信号」にしている。 計測器メーカの資料ではIQ(またはI/Q)は以下のように使われている。 ・デジタルIQ信号発生器(Digital IQ Signal Genelator)VB2000(横河技報2000年Vol.44) ・I/Q変調信号発生器R&S®AFQ100B (ローデ・シュワルツのホームページ) ・RF信号発生器MSG703によるIQ変調(マイクロニクスのホームページ) ・IQフォーマットは他のアナログ変調やデジタル変調よりも多くの情報を伝送でき・・(テクトロニクス「信号発生器のすべて」より) ・802.11axアナログベースバンドIQテストソリューション(キーサイト・テクノロジーのホームページ)

I/Q変調(あいきゅうへんちょう)

I:In-Phase(同相)、Q:Quadrature-Phase(直交位相)。別名「直交変調」とも呼ばれ、現在普及しているデジタル方式の無線(携帯電話など)の基本的な技術として使われている。IQという表記も多いが、知能指数と間違うため、当サイトではI/Qにしている。 デジタル変調方式では、アナログ変調のAMやFM、PMをデジタルにしたASK、FSK、PSKがある。各略記の「SK」はShift Keyingのことで、デジタル変調は(アナログのようにmodulationではなく)英語をカタカナ表記した「○○シフトキーイング」という日本語で呼ばれている(たとえばASKは「振幅シフトキーイング」)。 I/Q信号など、I/Qは多くのことばに使われる。I/Q信号の信号発生器はI/Q変調信号発生器やI/Qジェネレータと呼ばれる。

I/Q変調信号発生器(あいきゅうへんちょうしんごうはっせいき)

I/Q変調信号を発生する測定器。別名、I/Qジェネレータやベクトル信号発生器ともいわれる。現在の公共無線はデジタル変調がさかんに使われている。RFの基本測定器である標準信号発生器(SG)は、高精度な正弦波信号を発生する。ベクトル信号発生器はさらに、I・Qデータ(I:同相成分、 Q:直交位相成分)から正弦波信号を変調して出力する。直交座標でベクトル表示をするときの2成分をI(あい)、Q(きゅー)と呼んでいるため、IQ変調とベクトルは同じ意味で使われる。メーカによってI/QとIQの2通りの表現がある。 アナログの変調方式はラジオでおなじみのAM放送(AM変調)、FM放送(FM変調)だが、デジタル方式はASK(振幅シフトキーイング)、FSK(周波数シフトキーイング)、PSK(位相シフトキーイング)などがある。PSKにはさらに、π/4QPSK(よんぶんのぱいきゅーぴーえすけー)などがある。 主要計測器メーカはキーサイト・テクノロジー、アンリツ、ローデ・シュワルツの高周波無線(RF)3社。テクトロニクスもモデルがある。横河電機(現横河計測)は過去(日本に携帯電話メーカが10社以上あった2000年頃)につくっていたが撤退した。

IC(あいしー)

(Integrated Circuit) 日本語では「集積回路」だが、ICという表現の方が良く使われている。Si(シリコン)基板の表面に微細で複雑な電子回路を形成して、パッケージに封入した電子部品(半導体)。ICは半導体 デバイスの代名詞のようなことばだが、現在の半導体はほぼすべてがICといえるのでこの単語の使い方は微妙である(ICを大規模にしたLSIも同様)。 米国 テキサス・インスツルメンツ(TI)社の技術者 ジャック・キルビー(Jack Kilby)は1958年に、複雑な電子部品を精密につくり、小さな平面に印刷してつくり込み、積み上げていく手法によってICを開発した。TIやフェアチャイルド社のノイス(Robert Norton Noyce、ロバート・ノートン・ノイス)によってバイポーラICが発明された1959年を、IC時代の幕開けと呼んでいる。 半導体の製造は、数mm x 数mm程度のSi上にトランジスタや抵抗などの回路素子をつくり、さらに素子間をつないで電子回路を形成する(Si基板のサイズは日進月歩)。Si基板上に素子をつくるための材料を塗布し、エッチング(etching、表面処理)や露光(回路パターンの転写)によって回路を焼き付ける。たくさんのICが整列して並んだシリコンウェーハを製造し、これを分割する。切り出されたSi基板をICチップと呼び、DIPやSIPなどのパッケージに封入して1つの電子部品にする。Si基板とパッケージのピンの間はワイヤーボンディングされてつながっている。ウェーハ製造までを半導体の前工程、以降を後工程と呼ぶ。前工程は現在の半導体の製造工程中で大きな製造コストを占め、ムーアの法則によって微細化が各メーカで競われてきたが、今後は後工程の技術革新も期待されている。日本メーカは後工程の技術があるので、半導体デバイスメーカが2024年以降、日本に研究開発拠点の設立を発表している。

ICT(あいしーてぃー)

2つの意味がある。1は計測器、2は通信の用語。 1 (In Circuit Test) 日本語で「インサーキット・テスト」と表記されることも多い。ICTという略記や記述も多い。電子部品が実装されたプリント基板で、電子部品(抵抗やコンデンサ)の定数、ダイオード特性などを測定して、電子部品と基板との接続信頼性を検査する。つまり多ピンのマルチメータ/LCRメータで、プリント基板の中の回路に入って行って(In-Circuit)、測定をする。 日本電気計測器工業会(JEMIMA)の技術解説では、「電気測定器/半導体・IC測定器・ボードテスタ&試験システム/ボードテスタ」の項目の冒頭に「1.インサーキットテスタ In-Circuit Tester」が解説されている(次は「2. ベアボードテスタ Bare Board Tester」で、「4.その他のテスタ」に「4.2 バウンダリスキャンテスト」がある)。つまり、インサーキットテスタとボードテスタはほぼ同義である。 ICTのメーカである協立テストシステムのホームページでは「インサーキットテスター」のことをICTと表記しているが、キーサイト・テクノロジーのホームページでは「インサーキット・テスト」のことをICTと略記している。つまり、ICTはテストとテスタの両方の略記である。また、「インサーキットテスタ」、「インサーキット・テスタ」、「インサーキット・テスター」など表記は統一されていない。 2 (Information and Communication Technology) 「情報通信技術」と訳される。ITとほぼ同じ意味だが、IT(Information Technology、情報技術)にCommunicationが入っている点が新しい。政府は2000年に「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」(通称「IT基本法」)を成立させた。ここからITという用語が広まったが、2004年頃からICTという表現に変えている(国際的にはICTが一般的なのでそれに合わせたと思われる)。そのため、2000年中期以降に各所でICTという表現が使われ始めた。現在ではITとICTの両方が場面によって使い分けられている。コンピュータや情報通信関連の機器を一般的にはIT機器、それらの業界をIT産業やIT市場と表現していて、ICTよりITのほうが散見される。もっとより広く情報通信の分野のことをいいたいときに(最先端であることをイメージさせる、今風のいいかたとして)ICTといっているようである。たとえば企業のビジョンやPRの表現に2000年代後半から使われている例がある。もっと時間が経過したらITにとってかわり、市民権を得た一般的な用語になるかもしれない。逆に、現在のJRの電車のことを一時期「E電」と呼んでいたが、今は誰も呼ばない死語になったように、ICTも消えて、別の用語が台頭するかもしれない。

ICP(あいしーぴー)

(Integrated Circuit Piezoelectric、Inductivery Coupled Plasma) 2つの意味がある。 1.圧電式の振動センサ(加速度ピックアップ)の内、アンプ内蔵型のもの(IEPE)の別称。PCB Piezotronics,Inc(略記BCP社)は1967年に米国で設立した圧電式センサのトップメーカだが、同社のIEPEの商標がICPである。Integrated Circuit Piezoelectricを直訳したら「IC(集積回路)圧電」である(圧電素子がICとしてチップになっている、とでもいう意味か)。 物理量計測センサの技術があり、「買ってすぐ使える」計測器がポリシーのイージーメジャー社にはユニークなデータロガー「マルチセンサ入力対応小型高速データロガCCM(Condition Catcher Multi)」がある。振動センサに対応した測定ユニットの形名はCCM-IEPE1で、カタログには「適合センサ:IEPE(ICP)」と書かれている。つまり、圧電式加速度ピックアップでアンプ内蔵型のものを、IEPEやICPと表記している。つまりICPはデータロガーや振動計測では一般的なことば(周知の用語)として使われている。 2.誘導結合プラズマ。この原理を使った発光分光分析装置を指すこともある。

IGBT(あいじーびーてぃー)

(Insulated Gate Bipolar Transistor) 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。半導体素子のひとつで、電力変換機などに使われている。鉄道のインバータに多く採用されている。SiCやGaNなどの新しい素子に一部は置き換わろうとしている。

ICE(あいす)

(In Circuit Emulator) マイクロプロセッサ(マイコン、MPU、CPU)を使った組込みシステムの開発・デバッグを行なう測定器(組込み機器の開発ツール)。開発支援装置やデバッガ、インサーキットエミュレータとも呼ばれる。 今や安価な家電製品から高度な通信装置まであらゆる電気機器にマイコンが搭載されている。それはハードウェアとソフトウェアの両方が一体となって動作する。半導体素子で構成された電子回路がつくりだす信号波形と、動作を制御するプログラムの両方が正確に連携しないと、製品は仕様通りに機能しない。そのためのつくり込みに欠かせない測定器。対象とする機器のマイコンが載ったプリント基板のMPU実装箇所からケーブルをICEに伸ばすのでIn Circuitになる(対象機器の回路内に入って回路の一部になる、という意味)。 1971年にインテルは世界初のマイコン 4004(4ビット)を発売し、以降ザイログやモトローラも8ビット製品を次々と世に出した。そのため80年代には各計測器メーカがICEに参入した。当時のICEは(後年の分類で)フルエミュレータ(またはスタンドアロン型)で、HP(現キーサイト・テクノロジー)は64700シリーズ エミュレータというユニークなモデルを長く発売していた。80年代後半には横河電機や安藤電気 、アンリツ(※)などの大手計測器メーカがICEをつくっていたが、ソフィアシステムズなどのICE専業メーカがシェアを伸ばし、横河電機は1990年に分社化してadvice(アドバイス)というブランドを作り、90年代にソフィアシステムズと市場を2分した(現在もDTSインサイト社が後継機種を継続している)。 日本に携帯電話メーカが複数ある時代は、高額なICEを大量に使い開発にしのぎを削ったので、レンタル商材としても2000年代までは花形だった。現在は岩崎通信機やアンリツなどの計測器メーカや、ソフィアシステムズなどの専業メーカもほとんど撤退した。理由は、基板検査のための規格として登場したJTAG(ジェイタグ)が拡張して「総合デバッグインタフェース」となり、高額なICE(フルICE)を使う需要が減ったためである。現在のICEはJTAGやROMエミュレータなどのオンチップエミュレータが主流となった。従来のフルエミュレータに比べて安価なため、ICEの市場規模は激減して、乱立していた計測器メーカや専業メーカは一掃された。マイコンの黎明期から普及に伴い活躍したICEは、マイコンの成熟とともに計測器の主流ではなくなった。 2025年現在、国産ICEは京都マイクロコンピュータがラインアップが多い。2025年5月にJTAG デバッガ PARTNER-Jet3(PARTNER-Jetシリーズの最新モデル)を発売した。同社はICEをデバッガと呼び、コンパイラやOSというソフトウェアとICEの3つを融合したデバッグを推奨している。国産ICEの老舗 DTSインサイト(旧 横河デジタルコンピュータ)はAdvieXross(アドバイスクロス)1モデルのみを継続している。ドイツのLAUTERBACH(ローターバッハ)は日本法人があり、同社のICEは自動車顧客などに使われている。試作品をデバッグして完成させるときにはICEは必須アイテムで、需要が減ってはいるがゼロにはならない。ただしJTAGや半導体ベンダ製のデバッガが充実しているので、従来からのICE(デバッガ)の使用頻度は減少傾向にある。 2025年9月30日にInfineon(インフィニオン、旧シーメンスの半導体デバイス部門)がRISC-Vマイコンの講演会を行い、Infineon製品がある10ベンダが展示をした。ICEはLAUTERBACHとAdvieXross以外に、ドイツのiSystem社(販売店のTasking Japan株が展示)とOSやコンパイラで防衛や自動車産業に実績があるGreen Hills Softwareの自社製ICEが展示されていた。京都マイクロコンピュータはこのイベントには参加せず、翌週10月7日のDesign Solution Forumに出展している。 (※) アンリツはNEC製のMPU Vシリーズ用のICEをつくったが、ほかのMPUにはほとんど対応していない。同じくNEC系列の安藤電気がNEC安孫子事業場などに多くのICE(デバッグステーション AE-4132/4133シリーズ )を販売しているので、Vシリーズ用ICEでシェアを奪おうとした、と筆者は推測している。アンリツは無線測定器の世界トップベンダでICEは片手間だったと思われる。 余談だがIn-Circuit Emulator(Inの後にハイフンがある)はインテルの登録商標。キーサイト・テクノロジーのICEは「エミュレータ」の名称の64700シリーズである。この製品を発案したHPのエンジニアは1980年代から1990年代に同社に大きな売上をもたらしたとして語られているらしい。1990年代に日本のYHPには開発ツール(ICEとロジックアナライザ)の専任営業部隊があり、大手電機・通信メーカを担当していた。当時のICEは単価の高い計測器で、かつ複数台数の販売が見込める、大変にうま味のあるビジネスだった。計測器レンタル会社のICE製品の売上も大変に大きかった。 2022年から「一般社団法人 組込みシステム技術協会」が毎年11月に開催するEdgeTech+にICEメーカが出展している。

I2S(あいすくうぇあえす)

(Inter-IC Sound) フィリップス社(※)が提唱した、デジタル音声を伝送するためのIC間通信の規格。I2Sバスには、LJ、RJ、TDMと呼ばれるバリエーションがある。主に電子基板上で半導体チップ(IC)間の音声データ伝送に用いられる。家電製品から半導体、医療機器まで手掛けていたオランダのフィリップスが1986年に策定し、業界標準として広く普及した。オーディオ機能を持つ電子機器内部で使われている。同期式シリアル通信であるI2Cと似た方式である。最近のオシロスコープはシリアル通信などの規格の解析にオプションで対応している。I2Sに対応したモデルもある。 (※)(Philips) 1891年にヘラルド・フィリップスがオランダで電球工場として設立。ヨーロッパの代表的な総合家電メーカになった。日本では電気かみそりや電動歯ブラシで知られるが、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像(MRI)、などの医療機器・ヘルスケア事業に注力している。以前は音響・映像(オーディオ・AV)分野の、レーザーディスク(LD)、コンパクトディスク(CD)、Blu-ray Discなどの開発や規格提唱をしたメーカの1社である。半導体の事業は、2006年にNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)として独立している。日本のソニーやパナソニックが半導体もつくっているのと同じ。