計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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IATF 16949(あいえーてぃーえふいちろくきゅうよんきゅう)

IATF(International Automotive Task Force 国際自動車産業特別委員会)が作成した、自動車業界の品質マネジメント規格。審査によってこの規格に適合したサプライヤから各自動車メーカは部材を調達するのがIATF 16949認証制度。認証制度は欧米の自動車メーカ9社と自動車産業5団体で運営される。

ISMバンド(あいえすえむばんど)

(ISM band)RF、マイクロ波などの無線周波数の電波を通信以外の工業、医療などの分野で使うこと。ITU(国際電気通信連合)によって周波数帯が確保されているが、運用は国ごとに違っている。ISMはIndustrial,Scientific and Medicalの略。なので「ISMバンド」を直訳したら「産業・科学・医療用バンド」。代表例はマイクロ波による加熱(いわゆる電子レンジ)である。 日本での事例としては電子レンジ(2.4GHz)、ワイヤレス給電(6.8MHz、920MHz、2.4GHz、5.7GHzなど)など。 ISMは無線通信の周波数なので、計測器としては27MHz、2.4GHz、などの信号発生器や増幅器が、RF/マイクロ波の高周波計測のメーカから「ISM用途」、と銘打って発売されている。つまりISMバンドに関連する計測器のカテゴリーは無線通信である。

ISO(あいえすおー)

(International Organization for Standardization) 日本語では「国際標準化機構」。スイスのジュネーブにある非政府機関で、ISOが作成した規格のことを指していることもある(ISO規格とも呼称する)。規格は「ISO xxxx(xは数字)」のように表記され、ISOはすでに日本語といえる(国際標準化機構よりもISOという表現が大変よく使われる)。 ISOが策定した規格の代表例として、ISO 9000は品質マネジメントシステムとして多くの製造業の会社に導入されている。ISO 9000の認証を取得すると、海外への輸出などに有益である。ISO規格は翻訳されて、日本ではJIS 規格になっている。IEC (International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)の策定した規格と合わせてISO/IEC 9000と表記されることもある。 読み方は「いそ」や「あいそ」もある。英字のI(あい)S(えす)O(おー)を、その通りに発音した「あいえすおー」が無難であると筆者は思う。“普通は「いそ」か「あいそ」と発音し、「あいえすおー」とはいわない”という主張も見かけるが、「いそ」か「あいえすおー」という人が多いと感じる。「あいそ」というのは、わざわざIだけを「あい」、その後をローマ字読みのように「いそ」と読むのは理由があるのか、ISOなどの国際規格に精通している方に、凡人の筆者にご教授いただけると幸いである。 計測器の品質管理(技術的な基盤)である校正の規定はISO 9001(一般校正)が使われているが、最近はISO/IEC 17025による不確かさ付校正が普及した。「ISO 17025校正」と呼称され、エビデンスの校正証明書が重要である。

ISO/IEC 17025(あいえすおーあいいーしーいちななまるにーごー)

国際標準化機構(ISO)が作成した、校正機関・試験所に関する国際規格。校正作業を行っている機関(〇〇会社の××標準室など)の能力を認定する基準として使われる。認定マークは校正の品質が国際的に認められた証明となる。ISO/IEC17025の認定は校正機関が認定範囲を決めて監査をすることで取得できる。略して「ISO 17025」と呼ばれることも多い。 計測器の技術基盤である校正の規定について、ISO 9001が長らく使われてきたが、ISO/IEC 17025による不確かさ付校正が普及し(「ISO 17025校正」と呼称)、試験成績書、トレーサビリティ証明書(体系図)の情報が1種類の書類に集約され、それを校正証明書と呼称している。ISO 9001(ISO 17025と区別して「一般校正」と呼称)とISO 17025(不確かさ付校正)では書類が異なるので注意がいる。 ISO 17025の位置づけは「校正・試験を行う機関に要求される業務品質が確立し、技術能力(設備、環境、技術者等)があること」で、その観点で監査が行われる。 ISO(International Organization for Standardization。アイエスオー、イソ、アイソ)は各国の国家標準化団体が集まった組織。IECは国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)。

ISO 9001(あいえすおーきゅーせんいち)

ISO(国際標準化機構)が規定した、商品やサービスの品質向上を目的とした品質マネジメントシステムISO9000シリーズのなかで要求事項を規定しているのがISO 9001で、品質マネジメントシステム監査の基準となる。 計測器の品質管理(技術基盤)である校正についてISO 9001に規定があり、校正作業を行っている機関(〇〇会社の△△事業所、××標準室など)の能力を認定する基準として使われる。認定マークは校正の品質が国際的に認められた証明となる。ISO 9001の認定は、校正機関が認定範囲を決めて監査を行うことで取得できる。校正機関はそのメーカが「製品実現に関わる、品質維持・改善に必要な測定機器の管理の仕組みができていること」を監査する。 ISO 9001では以下の3つの書類がある。 ・試験成績書:校正結果の値(データ)と単位を記載したもの。通常は合否判定(良や不良)が記載される(記載は必須ではない)。別名:データシート。 ・校正証明書:校正結果が国家標準にトレーサブルであることを、校正した事業者(責任者)が宣言する文書。 ・トレーサビリティ証明書:校正された機器が国家標準/国際標準までトレース(追跡) できることを体系化/図式化したもの。別名:トレーサビリティ体系図。 IEO/IEC 17025による不確かさ付校正が普及し((ISO 17025校正と呼称)、ISO 9001は「一般校正」と呼ばれるようになった。ISO 17025校正では上記3種の書類の役割(情報)が1つに集約され、それを校正証明書と称している。ISO 9001(一般校正)とISO 17025(不確かさ付校正)では書類の種類や記載内容が異なるので注意がいる。 日本にあるISOの認定機関は、日本適合性認定協会(JAB:Japan Accreditation Board、ジャブと呼称)と情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)で、これらの機関からお墨付き(認定)を得た、一般財団法人日本品質保証機構(JQA:Japan Quality Assurance Organization)などの機関も認証を行うことができる。JABは認定機関、JQAは認証機関(審査機関)の1つである。ISOの認証を得る手段(どこの機関に依頼するかなど)は複数あり、ユーザが選択できる。通常はJQAなどの認証機関に依頼することが多い。JABは主にISO9001(品質)やISO14001(環境)、ISMS-ACはISO/IEC 20000(ITサービス)やISO/IEC 27001(情報セキュリティ)を扱い、専門分野が異なる。 前述の校正証明書などの書類が国際間取引において有効なものと認められるように、国際機関のILAC(アイラックと呼称)が相互承認を取り決めている。これをILAC MRA(MRA: Mutual Recognition Arrangement)と呼び、日本はJABが加盟しているので、JABのお墨付きがある認証機関で審査合格すると、「iRAC MRA」などのマークが印刷された認定証が授与される。 当サイトの運営会社(横河レンタ・リース株式会社)はISO 9001を取得している。その登録証・認定証は以下URLにある(認定マークなどの参考例)。 https://www.yrl.com/company/eco_zoom.html 横河レンタ・リース / 会社情報 / 品質保証

ISO 26262(あいえすおーにーろくにーろくに)

自動車の電気/電子に関する機能安全についての国際規格。IEC 61508(機能安全規格)を自動車分野に適合したもの。

ISDN(あいえすでぃーえぬ)

Intefrated Service Digital Network の略。電話・FAX・データ通信を統合して扱うデジタル通信網のこと。

ISDNプロトコルアナライザ(あいえすでぃーえぬぷろとこるあならいざ)

NTTは1988年に世界初でISDNサービスを運用開始した。各計測器メーカはこれに対応する製品を商品化した。まず、ISDN端末の開発のためにISDN対応の擬似交換機がリリースされた。1988年以前にNTTアドンバンステクノロジとアドシステムズが、1990年代に安藤電気や岩崎通信機がリリースした。次にISDNプロトコルアナライザ(プロアナ)の需要が高まり、アンリツはEF201A/B、EF211Aという2モデルを、アドバンテストはD5112シリーズを発売した。当時普及したPHSの基地局にはISDNインタフェースが採用されていて、ISDNプロアナはその試験に重宝された。アドバンテストは当時、スペクトラムアナライザや光通信測定器を数多くラインアップして、アンリツや安藤電気に並ぶ通信測定器メーカの様相を呈していた。D5112は同社の初めてのプロアナで、「RS-232Cプロアナではキーサイト・テクノロジーと伍して、国内シェアNo.1の名門安藤電気」を尻目に、ISDNプロアナではアンリツと互角の勝負をしていた。 いい換えると安藤電気はISDNから他社プロアナにシェアを奪われた。同社はAE-5105にオプションでISDN機能があったが、EF201/211やD5112のように「ISDNプロアナ」と銘打ったモデルの印象が薄い。2Mbps(最高6Mbps)までのスピードに対応した高速WANプロアナとして2000年頃にリリースされたAE5135は当然ISDNにも対応しているが、アンリツやアドバンテストのISDNプロアナよりだいぶ遅い発売で、あまり売れた気配が感じられない(ISDN回線の建設・保守用のハンドヘルドのISDNテスタAE5301は1996年頃に発売されている)。

ISDB(あいえすでぃーびー)

Integrated Services Didital Broadcasting の略 (=統合型デジタル放送)。

ISDB-T(あいえすでぃーびーてぃー)

Integrated Services Didital Broadcasting Terrestrial の略。日本の地上デジタル放送の規格。

ISDB-T SB(あいえすでぃーびーてぃー えすびー)

Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial for Sound Broadcasting の略 (=地上デジタル音声放送)。

ISDB-T用測定器(あいえすでぃーびーてぃーようそくていき)

地上デジタル放送用の信号を測定する機器。

ISVM(あいえすぶいえむ)

(Current Source Voltage Measure)SMUの機能の1つ。電流を印加して電圧を測定する。参考記事:高精度な電子部品の評価に貢献するSMU〜エーディーシー6253直流電圧・電流源/モニタSMUの概要や、ISVMのアプリケーション例を解説。

IF信号(あいえふしんごう)

(Intermediate Frequency)日本語では「中間周波数」だが、IFという表記の方が良く使われている。無線通信システムの中で、信号の周波数を変換している中間段階の周波数のこと。 IFだとif(もしも)の意味もあるので、本解説のタイトルは「IF信号」にしている。

IMO(あいえむおー)

International Maritime Organizationの略。国際海事機構。

IMO塗装性能基準(あいえむおーとそうせいのうきじゅん)

塗装は、船舶の状態を良好に維持すると共に保守を容易にするため非常に重要なものである。また、建造段階における施行品質が将来にわたる塗装の維持に大きな影響を与える。このような塗装の重要性に鑑み、国際海事機構(IMO:International Maritime Organization)は2006年12月8日に通称PSPCと呼ばれる塗装性能基準を採択した。 また、IMOはPSPCを強制化させるSOLAS条約2-1章3-2規則の改正を同時に採択した。PSPCの90/10ルール : 「全膜厚測定点の90%は塗料スペックが求めるNDFT(公称乾燥膜厚)以上で、なおかつ残り10%の膜厚は0.9×NDFTを下回らないこと」を意味する。この90/10ルール対応機能を搭載した膜厚計も登場している(例:フィッシャー・インストルメンツのMP0R、FMPシリーズ)。IMO塗装性能基準のことを別名、PSPCともよぶ。PSPC:Guidelines for Performance Standard for Protective Coatings contained in IMO Resolution MSC.215(82) (フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

IO(あいおー)

(Input Output) 入出力のこと。表記は「I/O」もある。モジュール型の計測器やデータロガーなどでI/Oという表記を見かける。たとえば「I/Oモジュール」や「I/O:電圧」など。半導体チップにもI/Oという表現は使われる。コンピュータは入力(Input)された情報から計算を行い、結果を出力(Output)する(昔はコンピュータを計算機といったが、現在は情報処理機といわれる)。IT機器では、これらの処理を総称してI/O(Input/Output)と呼ぶ。 コンピュータ関連にはIOを社名にする会社がある。石川県金沢市にある株式会社アイ・オー・データ機器は、20年前から液晶ディスプレイをつくっているモニタ機器の老舗。IODATA(IOデータ)と呼称され、現在はハードディスク、Wi-Fi(ワイファイ)、ネットワークカメラなどのスマホ・TV・パソコン周辺機器の総合メーカである。 Data I/O社は米国ワシントン州シアトルにあるROMライタの老舗で、1970年代からマイクロプロセッサが普及し始めて、EPROMにプログラムを書き込む際に使用された。日本ではミナトエレクトロニクスが同じく1970年代につくっているが、ほとんどの国産メーカ、アバールデータ(PECKER)やタケダ理研工業(現アドバンテスト)、安藤電気などがROMライタに参入したのは1980年代である。ロジックアナライザ、バス解析機器などのICEやプロトコルアナライザ関連の先端機器を輸入してきた東陽テクニカが長年Data I/O製品を取り扱ってきたが、需要減少によって2020年に総代理店業務を終了した。日本では前述のIDATAが有名なので、似た会社名であるData I/Oはほとんどネット上でもヒットしないが、ICEなどの組込みシステム関係者には良く知られた会社である。

IoT(あいおーてー)

(Internet of Things)「モノのインターネット」と表現される。様々な「モノ」がインターネットに接続され情報交換することで、相互に制御する仕組みを指す。例として、工場の生産設備(機械)がネットワークにつながり制御されることや、IoTで膨大な情報が集められるためビックデータ解析によって新しい知見が生まれる、などが検討・導入されようとしている。工場のPLCのようなハードウェアから、クラウドでの解析のようなソフトウェアまで関係する概念。日本では経済産業省がSociety(ソサイアティー)5.0やConnected Industries(コネクテッドインダストリー)を標榜して工業のIoT化を推進している。

IOWN(あいおん)

「Innovative Optical and Wireless Network」の略で、NTTが2019年に発表した次世代ネットワーク構想。光信号のままで(半導体レベルでも電気に変換しないで)伝送・交換処理を行うオールフォトニクス・ネットワークを実現しする。そのためのキーとなる新しい光半導体の試作にNTTは成功したといわれる。従来の電子技術(エレクトロニクス)が光技術(フォトニクス)に変わり、電子技術では解決できなかった低遅延、低消費電力、大容量・高品質のネットワークを構築できる(現在のインターネットの課題が改善できる)と期待される。 GAFA(ガーファ、米国の巨大IT企業Google、Apple、Facebook、Amazon)のような異業種が通信事業者(キャリア)になろうとしている。NTTは老舗の通信事業者として安泰ではない。IOWNの実現でゲームチェンジをはかり、NTTが世界をリードする通信事業者になるというビジョンを発表したのである。2019年にNTT、インテル、ソニーが発起人となって立ち上げた「IOWNグローバルフォーラム」には世界中の名だたる企業が参画した。2030年のIOWN実現に向け、2022年には第一弾としてオープン仕様に基づくAPN(All Photonics Network)(Open APNと呼ばれる)に対応した光伝送装置がNECや富士通から発売される。 参考用語:WDM、電電ファミリー

I/Qジェネレータ(あいきゅーじぇねれーた)

I/Q変調信号の発生器。別名、I/Q変調信号発生器やベクトル信号発生器ともいわれる。標準信号発生器(SG)の1種といえる。正弦波信号をI・Qデータによって変調して出力できる。直交座標でベクトル表示をするときの2成分をI(あい)、Q(きゅー)と呼んでいるため、「I/Q変調」と「ベクトル」は同じ意味で使われる。メーカによってI/QとIQの2通りの表現がある。 IQジェネレータの中には標準信号発生器との組み合わせで機能するモデルもある。IQジェネレータ(デジタル変調の信号発生器)とシグナルアナライザ(変調解析ができるスペクトラムアナライザ)の併用が、現在のデジタル無線通信の評価の基本となっている。品名はアンリツはベクトル信号発生器、ローデ・シュワルツはIQ変調信号発生器、キーサイト・テクノロジーはベクトル標準信号発生器などあり、同メーカでもモデルによって呼び方が違っている。横河電機・テスト&メジャメント事業部(現横河計測)が2000年頃に無線通信測定器に参入したときは、標準信号発生器用のBaseband Signal GeneratorをデジタルIQ信号発生器と呼んでいた(VB2000などの製品があったが現在はすべて生産中止)。 参考用語:I/Q信号