計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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アクティブフィルタ(あくてぃぶふぃるた)

スイッチング電源機器では、入力電流波形を改善し力率を良くするためのチョッパ回路を、アクティブフィルタと呼ぶことが多い。一般には、トランジスタやICなどの能動素子を使用し、特定の周波数のみを通過させることを目的とした回路網や装置のこと。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)

アクティブプローブ(あくてぃぶぷろーぶ)

入力容量が小さいため高い周波数を測定出来る電圧プローブ。(=FETプローブ、能動プローブ)オシロスコープ本体によっては電源が必要となったり、使用出来るオシロスコープ本体が限られたりする。

Acterna(あくてるな)

2000~2005年に存在した通信計測器メーカ。短期間で無くなったので、今となっては実態が良くわからず「謎の通信計測器メーカ」である。ただしネット上にはActerna製の製品カタログも検索でき、(日本だけでなく世界の)通信計測器業界に爪痕を残した。WWG(Wavetek Wandel Goltermann)は米国の計測器メーカWAVETEK(ウエーブテック)とドイツの通信計測器メーカWandel&Goltermann (ワンデル・ゴルターマン)が1998年に合弁した会社だが、さらにハンドヘルドの計測器メーカTTCが2000年にWWCに合併してActerna(アクテルナ、またはアクターナと呼称)が設立された。当時の日本はCATVの普及期で、Acternaはケーブルテレビ用の計測器をInterBEE(インタービー、映像関連の大きな展示会)などに出展していたが、当時の日本での正式な企業名は今となっては不明。 2001年に有線通信測定器の老舗、安藤電気が大株主をNECから横河電機に変更(つまり横河電機に身売り)することに造反して、安藤電気の計測器事業部門の技術マネージャ以下複数の技術者がActernaに転職している。Acternaは光ファイバ用計測器をラインアップするJDSU(旧JDSファイテル)に2005年に買収され、さらに2015年に計測器部門が分割されて現在はViavi Solutions(ヴィアヴィソリューションズ)になっている。 2000年当時は、ドイツのワンデル・ゴルターマンと米国ウエーブテックという老舗計測器メーカが合体したWWGは、キーサイト・テクノロジーに対抗する通信計測器の1極であったが、それを継承したActernaはJDSUに吸収され、数年間で消滅した。JDSUがWWGを飲み込んだのは、従来のデータ通信や伝送・交換装置用測定器という機種群は、光通信を主体にしたモデルに移行していったという背景がうかがえる。光通信測定器と無線測定器を継承したViavi Solutions以外の海外の通信測定器メーカとしては、EXFO(エクスフォ)が光通信の基本測定器(光パワーメータや光スペクトラムアナライザなど)とネットワーク用測定器(伝送装置などの評価)をラインアップしている。国内の光通信の測定器は横河計測(旧安藤電気の光通信の製品群)が健在。LANやOTDR(光パルス測定器)などの可搬型のケーブルテスタではFlukeNetworks(フルークネットワークス)が専業メーカとして有名。 参考用語:伝送交換

アクテルナ(あくてるな)

(Acterna)通信計測器の老舗ワンデル・ゴルターマンや、米国の老舗計測器メーカのウエーブテックを継承し、2000年に設立した、主に通信計測器をつくったメーカ。2005年に光ファイバ用計測器のJDSユニフェーズ(JDSU、旧JDSファイテル)に買収されて会社は無くなった。数年しか存在しなかったため、今では実態が良くわからない、幻の通信計測器メーカ。「アクテルナ」または「アクターナ」と呼ばれた。参考用語:Acterna

アコースティックエミッション測定器(あこーすてぃっくえみっしょんそくていき)

材料が変形したり破壊する時に発生する弾性波(acoustic emission、アコースティックエミッション)の測定器。略記:AE測定器。 代表的な計測器メーカとしてエヌエフ回路設計ブロックがある。同社HPにはAE計測装置として、AEアナライザ、AE信号処理装置、AEセンサ、AE用プリアンプなどがラインアップされている(2022年7月)。同社の製品カタログには「個体が変形または破壊する際には、ひずみエネルギーを音波(弾性波)として放出する。この弾性波をAEセンサで検出し信号処理することで、破壊過程の評価が可能になる。」とある。 計測器情報:エヌエフ回路設計ブロックのAEセンサの製品例

アジリティ(あじりてぃ)

(agility) 信号発生器 で、ある周波数 から別の周波数に、瞬時にきちんと切り替わることができる能力(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)。 agilityは日本語では「機敏」。世界No.1の総合計測器メーカであるキーサイト・テクノロジーの前の会社名、アジレント・テクノロジーのagilentは、agilityからの造語といわれる。「俊敏な、科学技術(工業技術)」の会社とでもいうネーミングである。

アジレント・テクノロジー(あじれんとてくのろじー)

(Agilent Technologies) HP(Hewlett-Packard、ヒューレットパッカード)のIT器機以外の部門を継承した会社で、1999年にHPから分社して設立した。化学分析・ライフサイエンス事業と電子計測事業があったが、後者は2014年に分割されKeysight Technologies(キーサイト・テクノロジー)となった。 アジレント・テクノロジーは横河電機のアナリティカル製品を吸収し、現在は科学分析機器の大手メーカ(ブランド)である。 会社の概要は「ライフサイエンス、診断、応用化学市場のリーディングカンパニー」だが、計測関連の用語としては、国産の島津製作所、堀場製作所などと並ぶ、科学分析機器のトップメーカである。代表的な科学分析機器である液体クロマトグラフィー(略称はLC:Liquid Chromatography、液クロ)メーカの1社である。毎年秋に開催される科学分析機器の展示会、JSAIS(以下に参考記事あり)などに出展している。 アジレント・テクノロジーの会社名は英語のagility(アジリティ)に由来する。日本法人(Agilent Technologies Japan, Ltd.)の本社住所は、キーサイト・テクノロジーの本社・八王子事業所と同じ東京都八王子市高倉町9番1号である。 中国地方を地場とする計測商社の新川電機が「 Agilent 社 GC、GC/MS、LC、ICP-MS の基礎およびメンテナンスセミナー」を主催したり、計装のエンジニアリングから理化学機器販売まで行う大手商社の西川計測ホームページには「アジレント・テクノロジー 新製品 Bond Elut HLB 固相抽出カラムや、原子吸光・ICP-OES・MP-AES・ICP-MS」などの販売キャンペーン情報が公開されている。真空機器のメーカ&商社である株式会社パスカルはアジレント・テクノロジーの真空機器の大手販売店の1社である。 HPは計測器で創業した会社だが、後にコンピュータに参入し、計測器は別会社になった(HPという名門の会社名は計測器ではなくIT機器が襲名した)。計測器の新しい会社名(ブランド)であるアジレント・テクノロジーも14年後に科学分析機器に譲り、計測器はキーサイト・テクノロジーというまた新しい会社となった。2023年現在、この会社名で継続しているが、やっと10年である。横河電機も計測器が創業当時の機種群だが、現在は計測器は別会社になっていて(横河計測)、同社の本業はDCSなどの工業計器である。 日本の高度成長時代(1955年頃~1973年頃)には電気計測器は時代の最先端で大手電機企業の系列会社に多くの計測器メーカがあったが、2000年以降は大手企業の主力事業ではなくなっている。海外ではM&Aが盛んで統合吸収された計測器メーカが多い(たとえばActerna、フォーティブなど)、HPの計測器・分析機器はアジレント・テクノロジー、キーサイト・テクノロジーとして生き残っている。オシロスコープの世界的トップブランドであるテクトロニクスも、日本法人はソニー・テクトロニクスから始まり、会社名はテクトロニクス社/ケースレーインスツルメンツ社などと変遷し、現在は「株式会社テクトロニクス&フルーク テクトロニクス社」となったが、Tektronixという名称が会社名で続いている。

アスマン式通風乾湿計(あすまんしきつうふうかんしつけい)

乾球と湿球の温度から公式によって相対湿度を読み取る方式の湿度計。二本の同種・同型・同体の温度計を並べ、一方の乾湿部を水で湿らせたガーゼ等で包み、この湿球が水の蒸発による気化熱によって湿度が低下することをこれを利用して湿度を測定する機器。

アセンブラ(あせんぶら)

(assembler)マイクロコンピュータ(マイコン、CPU)を動かすソフトウェアに関連する用語。C言語などで書かれたプログラム(ソースファイル)から生成されたアセンブリ言語を、アセンブラは機械語に変換する。機械語はマイクロコンピュータが読めて実行できるもの。ソースファイルから最終的なデータファイル(機械語)を作る作業をコンパイルと呼ぶ。アセンブラはコンパイルの重要な機能である。 assemble(アセンブル)は「組み立てる」の意味。 参考用語:コンパイラ、インタープリタ 参考記事:車載マイクロコンピュータの基礎~車載システムを支える頭脳・・マイクロコンピュータの構造と動作原理を説明。

アセンブリ言語(あせんぶりげんご)

(assembly language)マイクロコンピュータ(マイコン)を動かすソフトウェアに関連する用語。マイクロコンピュータが理解し、実行できる機械語(マシン語)と正確に対応する命令語(ニーモニック)で記述された言語(プログラム)。プロセッサ(MPU)にはそれぞれ特徴があり、MPUに依存した命令語がある。人間が機械語を理解しやすいように翻訳したものがアセンブリ言語。マイコンのソフトウェアを開発するプログラマは高級言語(C言語など)で、機器の設計仕様書からプログラムを作成する。このソースファイルをアセンブリ言語に変換して(コンパイル)、さらにアセンブラが機械語にして、マイコンが実行可能なデータファイルが完成する。 参考用語:コンパイラ、インタープリタ 参考記事:車載マイクロコンピュータの基礎~車載システムを支える頭脳・・マイクロコンピュータの構造と動作原理を説明。

ATAPI(あたぴ)

AT Attachment Packet Interface の略。IDEコントローラにCD-ROMドライブなどハードディスク以外の機器を接続するために考案されたデータ転送方式の規格。ATAとATAPIは当初は別の規格であったが、ATA-4で「ATA/ATAPI-4」として統一された。

厚さ計(あつさけい)

(thickness meter) 色々な物の厚さを測定する計測器を「厚さ計」と呼んでいる。塗装などの厚さを測定する可搬型モデルは、屋外での塗装時と保守用途で使われる(膜厚計と呼称されることが多い)。金属などの厚さを測る装置は各メーカの生産ラインに設置されて検査機器として稼働している(サイズは冷蔵庫くらいの大きさがある)。そのように測定対象と用途によって厚さ計の寸法と価格は大変幅が広く、使い方も様々だが、それらが皆「厚さ計」を品名にしているため、説明は広範にわたる。測定方式は超音波の他、電磁式、渦電流式、蛍光X線式などがある。可搬型モデルは通販でも購入でき、多くのメーカがある。 超音波式厚さ計は非破壊検査機器の範疇で、非破壊検査の計測・検査機器メーカの多くが厚さ計をラインアップしている(たとえばオリンパス)。Fischer(フィッシャー、本社:ドイツ)は皮膜測定と材料の特殊試験の専門メーカだが、塗装やメッキ皮膜の厚さ測定器の老舗である。厚さは長さという物理量なので、温度計のように物理量測定器ともいえるが、先述のように実際は非破壊検査メーカが多く作っているので、カテゴリーは科学分析機器といえる。

圧着端子(あっちゃくたんし)

電線と電気機器を接続するための部品。従来ははんだ付けしていたが、1925年頃に圧着端子が開発され、手軽に機器との脱着ができるため普及した。線材の終端処理をしている部品で、オス・メスがあるコネクタほど簡便な脱着はできず、ネジによって機器の端子部分に固定する。種類はY型、丸形、棒型がある。小型(ハンドヘルド)のデータロガーは、狭いスペースに多くの線材を接続するので、入力部(端子台)は、ネジ端子や押し締め端子が多い。ネジ端子は圧着端子(Y型や丸型)の付いた線材をつないで固定することができる。

アッテネータ(あってねーた)

(Attenuator) 歪みを発生させることなく、電圧信号を減衰させる機器。和訳は「減衰器」だが、もはや「アッテネータ」は日本語として頻繁に使われている。スペクトラムアナライザ(スペアナ)の用語としては、スペアナがひずみの生じにくい最適な入力レベルで信号観測するために、スペアナ内部の入力ミキサ回路前にある減衰器のことをいう。

アッテネータパッド(あってねーたぱっど)

(attenuator pad) インピーダンス不整合を改善する目的で使用される減衰量が固定の高周波アッテネータを「アッテネータパッド」と呼ぶ。6dB, 10dB等のアッテネータが使用されることが多い。ネットワークアナライザによる測定の基礎知識で、「負荷のVSWRが悪化しているときは、整合改善用の減衰器(attenuation pad、またはPad)を直列に挿入してVSWRを小さくする」という解説があった。Padは「肩パッド」のように「形を整える」の意味と思われるが、明確に説明している資料は無いので推測である。 参考用語:パッド

圧力キャリブレータ(あつりょくきゃりぶれーた)

圧力計のメンテナンスや工場検査工程での計測・校正作業を行う測定器。海外製の計測器が多い。代表はベーカーヒューズ。Druck(ドラック)の圧力計、圧力校正器がGE(ゼネラルエレクトリック)グループに吸収され、「GEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ 」の会社名で販売されてきたが、さらにGEからBaker Hughes(ベーカーヒューズ)が大株主となった。会社名はベーカーヒューズだが、ブランドとしてはDruckが有名で、現在もブランドは健在。フルークもラインアップが多い。温度・露点計測器が有名なMichell(ミッシェル)も圧力計をつくっている。国産では横河計測の圧力キャリブレータが、「コンパクトキャル」などの品名で販売されている。大型プラントの代表である原子力発電所は、定期点検の期間を13か月ごと、と法律で規定しているため、定期点検で数多くの圧力キャリブレータが必要になる。日本の原発で採用されているのはドラックと横河の2社が多い。フルークやミッシェルも使われている。

圧力計(あつりょくけい)

(pressure gauge、manometer) pressure(圧力)のgauge(計器、メータ)なので、日本語では圧力計という。気体や液体の圧力を測定する機器。計測器としての圧力計以外に、工場・発電プラントなどの配管各所などの圧力を計測して表示する、設置型の圧力計もある。設置型の圧力計(圧力計器)は丸形のアナログ表示(白い文字盤の上を針が動いて、止まった場所の値、つまり指示値を読む、指示計器)の物が多い。圧力(差圧、絶対圧など)の測定器をマノメータ(manometer)と呼称している。設置型の圧力計器でなく、計測器としての圧力計はマノメータと呼ばれることが多い。「圧力計」というときは、設置型か計測器かを確認する必要がある。 圧力計、マノメータ、pressure gaugeの使い分け(違い)を正確に説明することは難しい。これらの用語は場面や人によってさまざまに使われている。 参考用語:マノメータ

圧力校正器(あつりょくこうせいき)

圧力計のメンテナンスや工場検査工程での計測・校正作業を行う測定器。

圧力センサ(あつりょくせんさ)

2つ意味がある。 1. 計測器である圧力計の構成要素には圧力センサがある。計測器本体とは別にレンジ別に圧力センサがあり、センサを選択して本体と組み合わせて使用する機種も多い。計測器としての圧力計をつくっている長野計器などは圧力センサのメーカである。 2. 単体(部品)としての圧力センサ。圧力を検出するセンサ。各種の方式や種類があり、通販でも売っている。メーカはオムロン、キーエンスなどの大手センサメーカから中小までたくさんある。

圧力調整器(あつりょくちょうせいき)

圧力供給源(コンプレッサー等)と組み合わせて、発生する圧力を調整する機器。