計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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IEEE(あいとりぷるいー)

(Institute of Electrical and Electronics Engineers)電気・情報工学の分野の学術研究団体。米国に本部があり、標準化や規格の策定をしている。無線LANなどのIEEE802シリーズは有名。計測器をコンピュータ制御する規格としてHP(現キーサイト・テクノロジー)がつくったHP-IBはIEEEによってGP-IBとして標準化された。

IEEE1394(あいとりぷるいーいちさんきゅうよん)

オーディオ・ビデオ機器のストレージ用の規格として、SCSI(スカジー)の後継としてAppleが設計したFireWire(ファイヤ-ワイヤー)が、1995年にソニー、IBMなどと共同でIEEE 1394-1995として標準化され、IEEE1394と呼称されている。IEEE1394(4ピン)、IEEE1394(6ピン)、IEEE1394bなどがある。SCSIと同じ数珠繋ぎ(デイジーチェイン)やスター型の接続、ツリー接続ができる。最大転送速度800Mbps。 IEEE1394はデジタルビデオカメラの外部出力端子(DV端子)に採用されているほか、ソニーは「i.Link(アイリンク)」の名称で自社製品に採用している。つまり、IEEE1394、i.Limk、DV端子、FireWireはすべて同じ規格である。 新しい通信規格の黎明期には、その規格を採用する機器の開発・検証のためにプロトコルアナライザ(プロアナ)が必須となる。1990年代に横河電機は、計測器部門であるT&M事業部にコミュニケーション部門を新設し、通信計測器に参入した。3G向けの信号発生器を自社開発し、海外製フェージングシミュレータを取り扱った。CATVなどの有線通信にも積極的で、IEEE1394のプロアナは海外製品の転売から初めて、自社モデルも開発した。2000年代までのIEEE1394の普及期には横河電機のIEEE1394プロアナは代表機種だった。その後、横河電機は2010年頃にこれら通信計測器からすべて撤退している。通信から撤退はしたが、後継会社である横河計測には(安藤電気から継承した)光通信測定器があり、光スペクトラムアナライザなど世界No.1の光測定器をラインアップしている。 参考用語:IEEE(あいとりぷるいー) 計測器情報:IEEE1394プロアナの製品の例

アイパターン(あいぱたーん)

(eye pattern) デジタル信号のハイ/ロー(1/0)の時間推移を重ね書きで表示した図形。デジタル通信(デジタル伝送)の伝送品質評価に使われる。図形が目(eye)のように見えることに由来する。別名:アイダイアグラム(eye diagram)。アイの開口度合いから視覚的に伝送品質を確認できる。重ね書きされた複数の波形が同じ位置なら信号の時間推移は同じで、(立ち上がりや立ち下がりの時間やタイミングが変動していない)波形はシャープな形になる。この波形は品質の良い信号で、「アイが開いている」、「アイの開口が広い」と表現される。反対に、波形が細くなくて塗りつぶしたようになっていたら、波形の位置(タイミングや電圧)がずれている、品質の悪い信号で、「ジッタが悪い」という評価になる。 アイが開いている(波形の軌跡が塗りつぶす範囲が狭い)ほど、ジッタ(信号の揺らぎ)が少ない、品質が良い状態である。アイパターンを目視すれば、波形の縦の高さや横の幅からタイミングや電圧のマージンを簡便に知ることができる。信号にはオーバーシュートやアンダーシュートが起こるが、アイパターンはアイの形状からジッタなどを知り、必要なら設計を見直すなどのデバッグに使われる。多くの電気・電子回路の設計技術者にとって、アイパターンは基礎用語である。 アイパターン測定器としてはサンプリングオシロスコープ(キーサイト・テクノロジーの86100シリーズなど)が代表モデルだったが、広帯域オシロスコープ(高速オシロスコープ)が2000年代から普及し、マスクパターンがオプションで用意されるようになり、規格ごとのアイパターン評価(適合性試験、コンフォーマンステスト)はオシロスコープで自動測定できるようになった。マスクパターンとは「アイの開口」が通信規格の範囲内にあることを、オシロの測定画面で図形で規定するもの。測定者が波形から伝送品質(ジッタなど)を確認するのではなく、測定器のオプションソフトウェアが規格に合格しているかを評価(判定)する。

IP(あいぴー)

(Internet Protocol)インターネットで使われているネットワーク層プロトコル。 米国の国防総省のネットワークプロジェクトで開発されたプロトコル。軍事技術が民間に広まった例の1つ。

IPアドレス(あいぴーあどれす)

(Internet Protocol address)IPプロトコルで使用するための32ビットのアドレス情報。IPプロトコルで通信するノードは、世界中で単一のこのIPアドレスを割り当てておかなければならない。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)

IBM(あいびーえむ)

(International Business Machines Corporation) 米国で1911年に創立した世界的なIT企業(現在はグローバル企業)。IBMの元々の英語名が示すように事務機械の会社として始まったが、1960年代以降はコンピュータ市場を主導し、業界の巨人と称された。大型コンピュータから始まり、現在のパソコンをつくったといえる。業態を最先端の事業モデルに変えながら続く100年企業である。 1990年代に当時最新のコンピュータだったエンジアリング・ワークステーション(略してワークステーション)はHP(ヒューレットパッカード)やSUN(サンマイクロシステムズ)、NEC(EWS4800)などがつくっていたが、HPの営業が「IBMのコンピュータを一番の競合と思っている」と聞いた経験が筆者にはある。ただしIBMは1990年代にはハードウェアではなくコンサルティングなどのサービスやソフトウェアに事業に傾注し、現在はクラウドコンピューティングを提供する企業になっている。既存のコモディティ化した市場は事業対象としない例として、2005年にPC(ThinkPadなどのブランド)を中国企業のレノボに売却している(自分たちがつくったパソコンはもう先端分野でなく、中国企業がやれば良い、ということと思われる)。 1980年以降、日本でPCといえばNECが圧倒的に高シェアだったが、世界的にはIBMが売れていた。OSとしてWindowsが標準になりNECは後退、撤退したが、IBMも2005年には撤退した。1990年代には国内企業でも高性能・高機能なパソコンとしてIMB製品を使うケースがあった。

IPコード(あいぴーこーど)

(International Protection code) IEC(国際電気標準会議)の規定。別名:保護等級、IP等級、防塵・防水等級、IP保護等級などの呼称がある。 IEC 60529で保護等級(Degrees of protection provided by enclosures)を規定している。筐体内の機械・器具に対し、人体の接近保護、塵などの外来固形物や液体の侵入保護を等級化している(IP00~IP68まで規定)。IEC 60529に準拠し、JIS(日本産業規格)は「電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)」(JIS C 0920)を2003年に改定している。IPコードは侵入保護等級(Ingress Protection Code)を略してIPと表記されることが多い。 計測器でも、ユーザの需要に応じたIP等級に対応した製品が増えている。

IP負荷試験装置(あいぴーふかしけんそうち)

ネットワーク機器に負荷を与えて、パフォーマンスを評価する測定器。2000年頃にインターネットが普及し、IP電話(VoIP)など「IP」は流行りのことばだったが、今ではIPは普通になったので略して、負荷試験装置や負荷試験機(または負荷試験器)と呼ばれている。インターネットなどネットワークの様々な機器の性能を評価する測定器。機器にたくさんの端末からアクセス(トラフィック)が集中したときに、正常な動作(所定の性能を発揮)できるかを試験する。電話機の時代の疑似呼(ぎじこ)に似ている。ネットワーク機器に負荷をかけるというネーミング。通信方式やインタフェースなどの機能ごとにユニットがあり、メインフレームに装着する構成のモデルが多かった。 2000年代には海外のIXIA(イクシア)やSpirent Communications(スパイレント。取り扱いは東陽テクニカ)社のSmartBits(スマートビット)が活躍したが、現在はほぼ生産中止になっている。スパイレントは情報通信の基礎技術をもとにセキュリティの会社となったが、基幹通信網で蓄積した負荷試験装置の技術をほかの通信規格に応用し、ネットワークの品質を評価する測定器を販売し続けている。次世代ネットワークパフォーマンステスター「Spirent TestCenter」(トラフックジェネレータ)などの製品がある。IXIAはネットワークパケットブローカなどの通信機器にラインアップを移し、2018年にキーサイト・テクノロジーに吸収されている。 2005年に横河電機はIP負荷試験器Traffic TesterPro AE5511を発売した。この実態は、吸収した有線通信計測器の老舗、安藤電気の製品であるが、スマートビットやIXIAほどヒットした記憶はない(現在は生産中止)。富士通の関連会社がつくった測定器に、IPネットワークエミュレータという品名の製品があった。無線通信測定器の雄、アンリツにはMD1230データクオリティアナライザというイーサネットに対応したモデルがあり、IP負荷試験装置といえる。現在の同社の「IPネットワーク測定器」と称する機種群にはMT1040Aネットワークマスタ プロがあるが、IP負荷試験というよりSDH/SONETアナライザ系列のモデルといえる。 IP負荷試験という表現は少なくなったとはいえまだみかける(2020年現在)。別名、ネットワーク負荷試験機やネットワークシミュレータ、トラフィックジェネレータという表現もされている。 計測器情報:IP負荷試験装置の製品例

IP保護等級(あいぴーほごとうきゅう)

IEC(国際電気基準会議)のIEC 60529や、JIS (日本産業規格)のJIS C 0920により規定されている、保護等級(IPコード)。IPの後に2桁の数字で表す。 株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」には次のような説明がある。IP保護等級:外郭を持つ電気機械器具内部の保護の程度を規格化しているもの。JIS C 0920(またはIEC60529)に基づいて「外郭内の危険な個所への接近に対する人体の保護」および「外来固形物と水の浸入に対する保護」について2桁の数字で等級分類している。当社変換器はこの規格に準じて外来固形物と水の浸入に対する保護の目安として[IP○○相当]として表している。具体的には防塵や防水と明記される計測器が近年増えている。

IVI-COM/C(あいぶいあいこむしー)

IVI計測器ドライバ仕様に準拠したIVI-COM多重環境計測器ドライバのこと。 Microsoft Office VBA( Visual Basic for Applications)、Visual Studio 6.0、 Visual Studio.NET、などで利用することが可能。IVI-Cドライバが同梱されているので、LabVIEWやLabWindows/CVI環境からも簡単に利用できる。 IVI :Interchangeable Virtual Instruments。 COM:Component Object Model。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)

I-Vチェッカ(あいぶいちぇっか)

太陽電池の性能を評価するために、電流-電圧特性(I-Vカーブ)を測定する測定器。PV(太陽光発電)用のI-V特性の測定器。英弘精機には品名「I-Vチェッカー」という製品がある。同社は日射計が有名だが、PV関連の計測器にも早くから参入し、MP-11、MP-170などの形名のモデルがある。 参考用語:カーブトレーサ 参考記事(会員専用):【展示会レポート】スマートエネルギーWeek春展(FC EXPO/二次電池展/スマートグリッドEXPO)の3ページ目・・英弘精機の太陽光発電関連の測定器を取材。今後の再生可能エネルギーの動向も解説。 計測器情報:英弘精機の製品の例

I-V特性(あいぶいとくせい)

(current–voltage characteristic) 半導体デバイスの電流(I)-電圧(V)特性(※)。「横軸が印加した電圧、縦軸がそれによって流れる電流」のグラフで視覚的に特性を示す。半導体の評価に使われるもっとも基本的な仕様。半導体デバイスのデータブック(仕様書)にはI-V特性が記載されている。I-Vカーブ、I-Vグラフとも呼ばれる。半導体関連測定器のカーブトレーサの品名はここに由来する。太陽電池の変換効率測定にも使われるため、太陽光発電関連測定器にIVカーブトレーサ、I-Vチェッカなどの品名の製品がある。菊水電子工業の総合カタログの用語集によれば、「電池などの電気化学関係ではターヘルプロットとも呼ばれる」。カーブトレーサや半導体パラメータアナライザなどの高額な測定器を使わないでも、高性能なSMUでもI-V特性を測定することができる。 (※)電気の世界では電流は「I」で略記される。Cはcapacitor(キャパシタ、コンデンサ、静電容量)の略号として使われている。I(大文字)やi(小文字)が電流を表すので、複素数の虚数部(Imaginaly Part)は、通常は数学ではi(小文字)だが、電流と混同されるため、電気ではj(小文字)で表記する。

I-V法(あいぶいほう)

交流インピーダンス測定の手法の1つ。ロックインアンプ、周波数特性分析器(FRA)、電力計などを使用して、発振器の電圧と負荷に流れる電流の測定を、位相差を含めた正確な測定を行う。I-V法はLCRメータでは測定しにくい大型のリアクトル(コイル)のインダクタンス測定に使われたり、負荷装置などと組み合わせて測定する電気化学分野で使われている。参考記事:LCRメータの基礎と概要 (第1回)の2ページ目・・I-V法による燃料電池のインピーダンス測定が紹介されている。交流インピーダンス測定の各手法を概説。

i.Link(あいりんく)

IEEE1394規格のソニーの商標。オーディオ・ビデオ関連のストレージ用の規格として、SCSI(スカジー)の後継としてAppleが設計したFireWire(ファイヤーワイヤー)が、1995年にソニー、IBMなどと共同でIEEE 1394として標準化された。ソニーは1995年以前から、自社のビデオカメラ製品などに搭載したIEEE 1394端子をi.Linkの商標で発売していたため、現在もIEEE1394ではなくi.Linkと呼んでいる。計測器としては1990年代後半のIEEE1394普及期に、横河電機(現横河計測)はIEEE1394用のプロトコルアナライザをラインアップしていた。新しい通信規格の黎明期には必ずプロトコルアナライザが必要だが、その製品需要は長くはない。ATMアナライザ、ISDNプロアナなどとともにIEEE1394プロトコルアナライザも現在はほぼ生産中止。

アキシャルプローブ(あきしゃるぷろーぶ)

ガウスメータと一緒に使用する軸型のセンサー。(=同軸型プローブ)

アクイジション(あくいじしょん)

(acquisition)acquisitionを和訳すると「取得、獲得」。計測器ではデータロガーやメモリレコーダなどで「データアクイジション(計測器へのデータの取り込み)」やオシロスコープの「アクイジション・モード」というように使われる用語である。 データ集録を示す「DAQ(ダック)」は「Data AcQuisition」の略記である。 テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」ではスペクトラムアナライザの用語として「アクイジション:時間的に連続した整数個のサンプルあるいは信号の取込み」と解説されている。

アクイジション時間(あくいじしょんじかん)

アクイジション(Acquisition)はデータ集録機器(データロガーなど)やオシロスコープで使われる用語だが、テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」ではスペクトラムアナライザの用語として「アクイジション時間:1つのアクイジションで表される時間の長さ」と解説されている。

アクイジション・モード(あくいじしょんもーど)

オシロスコープの機能の1つ。「サンプル・ポイントからどのように波形ポイントを構成するかを決めるモード。サンプル、ピーク・ディテクト、ハイレゾ、エンベロープ、アベレージ、波形データベースなどがある。(テクトロニクスの「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)」。テクトロニクスはオシロ解説(使い方、入門)でアクイジション・モードを使い分けることを説明している。横河計測も正式な機能として「アクイジション・モード」と表記している。キーサイト・テクノロジーは「データのアクイジション(捕獲)には・・・」という解説をしている。

アクセス網(あくせすもう)

従来はNTTの電話局の交換機と加入者(各家庭や事業所の電話機)を結ぶネットワークを指した。現在は電話機がPCやスマホになり、交換機はルータに変わりインターネットの世界となったが、NTT以外の通信事業者(キャリア)が増えても、いまだにアクセス網はNTTが強く、他の通信事業者はNTTのアクセス網を借りて通信をしている場合が多い。NTTもアクセス網をFTTH(Fiber To The Home、家まで光ファイバを届かせる)の掛け声で光ファイバ化し、フレッツ光などのサービスを展開している。アクセス網を光ファイバにして高速にしたのがPON(Passive Optical Network、ポンと呼称)である。アクセス網の先にあるネットワークの中枢(基幹通信網)をアクセス網と区別してコアネットワークと呼んでいる。

アクチュエータ(あくちゅえーた)

(Actuator) コンピュータが出す電気などを機械的な運動に変換する装置・機構。