高速デジタル
(high speed digital)
「高速デジタル信号」、「高速デジタル伝送」、「高速デジタル信号伝送」などの略記。NTT東/西日本とNTTコミュニケーションズが提供する64k~6Mビット/秒のデジタル信号を伝送する専用回線を「高速デジタル専用線」、この回線の使用プランの名称を「高速デジタル伝送サービス」という。
オシロスコープ(オシロ)のトップベンダであるテクトロニクスはオシロの解説書などで「高速デジタル信号の解析には広帯域オシロスコープを使い」などの表現がある。キーサイト・テクノロジーが2023年に開催したKeysight World(プライベートショー)の2日目のタイトルは「高速デジタル 光電融合トラック」で、高速デジタルに該当する展示コーナは「PCI Expressのプロトコル試験」、「Rx試験 ケーブル試験」、「Tx試験 電源ノイズ評価」、「送信波形評価」、「BER特性評価」、「高分解能TDR測定環境」などがあった。展示された計測器は高速オシロスコープ(周波数帯域33G~110GHz)、サンプリングオシロスコープ、BERT(PAM4/64G baud)、AWG(256G S/s)などである。すべて高速デジタル信号の評価に関係するモデルである。
このように、大手計測器メーカのキーワードに「高速デジタル」は頻繁に使われる用語である。
高速デジタル信号とは具体的な数値で、何bpsの信号速度を指すのか、は説明が難しい(時代とともに、現在のホットな最先端の高速デジタルの仕様が話題となる)。高周波とは何Hz以上の周波数を指すのかを示すのが困難(説明者や内容によって「高周波」と表現している周波数の値が異なる)ことと似ている。技術用語は、あるレベル以上の知識がある人たちで共有され、理解されているので、まったくの素人に説明することが難しい。