ワットメータ
(watt meter)
アナログ式の電力計の別称。針が振れて測定値を示す指示計器の1種。アナログ式の電流計は文字盤に電流の単位であるA(アンペア)が表記されていて、電流計は英語ではampere meter(アンペア メータ、「アンペアの計測器」という意味)と呼ばれる。電力計の指示板にも電力の単位W(ワット)が表記されていて、「ワットを測定する」のがワットメータである(※)。
(※) 電力の単位にはVA(ボルトアンペア)もある。VA:皮相電力(有効電力+無効電力)、W:有効電力。
電力の英語はelectric power(またはpower)で、電力の測定器は「パワーメータ」と呼ばれる。計測器としては、商用周波数などの低周波の電力測定器はデジタルパワーメータやパワーアナライザ、クランプメータになる。高周波では、無線ならRFパワーメータ(高周波パワーメータ)、有線なら光パワーメータ(OPM:Optical Power Mete)がある。
このように電力を測定する計測器は日本語では一般にパワーメータと呼ばれ、電力計という総称はあるが、品名にはあまり使われない(クランプメータをクランプ電力計、RFパワーメータを高周波電力計、と呼ぶことはある)。そのため電力計(ワットメータ)とは、広義には「電力(パワー)の測定器(メータ)」だが、具体的な製品としては(狭義には)「アナログ式の箱型の電力計」を指している。電力測定器について説明するときは、総称である「電力計」という名称を使い、種類などを解説するが(たとえば「ベンチトップ電力計」など)、これは概念を説明している名称で、具体的な計測器には「○○電力計」というような品名はあまりない(以下の「電力計の基礎と概要」を参照)。
電力測定器を総称して「ワット」と呼称している場合がある。デジタルパワーメータを海外へ販売している計測器メーカである横河計測は、電力測定器(デジタルパワーメータなど)を「ワット」と呼称している(※※)。
(※※) 横河計測のデジタルパワーメータやパワーアナライザの形名(や通称)はWTが多い(WT300、WT1800、WT5000など)。WTはwattが語源(由来)かは定かではない。
計測器情報:ワットメータ(電力計)の製品例