計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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アネモマスター風速計(あねもますたーふうそくけい)

カノマックスの風速計の通称。略称:アネモマスター。

アネロイド気圧計(あねろいどきあつけい)

内部を真空にした円板状の金属製容器の表面が、気圧変化によって上下するのを、てこで指針に伝える方式の気圧計。

アノード(あのーど)

(anode)電子部品で、外部回路から電流が流れ込む電極のこと。反対の電極をカソードという。電池や真空管、ダイオードなどにはアノードとカソードがある。電圧の高低に着目して、アノードとカソードを陽極と陰極といったり、正極・負極といったりする。アノードは、真空管では正極、電池では負極。ダイオードに2つある端子はアノードからカソードに電流が流れる。電力用のスイッチに使われる半導体素子のサイリスタにもアノードとカソードがある。

アパーチャ(あぱーちゃ)

(Aperture) “Aperture”とは、「すき間、窓」という意味。ネットワークアナライザで群遅延を測定する時に設定される「周波数間隔」を「アパーチャ」という。単位は[Hz]である。群遅延は、位相を周波数で微分することにより求めわれるために、このアパーチャの設定値が測定結果に大きく影響される。

アビオニクス(あびおにくす)

(avionics)aviation(アビエーション)とelectronics(電子工学)から作った造語。日本語では「航空電子機器」。航空機に搭載される電子機器のうち、CNS(Communications, Navigation,Surveillance。通信・航法・監視)を担う機器を指す。和訳は「航空電子工学」と説明している解説もある(航空実用事典など)。非接触温度計(赤外線サーモグラフィー)で有名な日本アビオニクス株式会社は「1960年に日本電気株式会社と米国ヒューズ社との合弁で設立され、“情報システム(宇宙・防衛)事業:防衛省を最終ユーザとした防衛システムとその関連機器”、が基幹事業である(同社HPより)」。

アベレージング(あべれーじんぐ)

(Averaging)複数の測定値の平均を計算して表示する機能。デジタルマルチメータ(DMM)やオシロスコープなどには通常はこの機能がある。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「アベレージング:デジタル・オシロスコープの処理技法で、表示信号のノイズを減らすこと」とある。つまり、ノイズが多い信号を測定時には、測定値を平均化して表示すると、値が見やすくなる。電圧値が変動しているときにはDMMで適切なアベレージングを設定すると、同様に表示値が安定して見やすくなる。参考用語:平均化処理

アマチュア無線(あまちゅあむせん)

(amateur radio) 営利目的ではなく、趣味で無線を楽しむこと。アマチュア無線やアマチュア無線家をham(ハム)と呼称する。日本では電波法の規定によって、免許を取得しないとアマチュア無線局を開設できない。アマチュア無線家の部屋には無線機があり、屋根(や庭)に高いアンテナを設置していることが多い。遠く離れた地球の裏側の、知らない国のアマチュア無線家とコールサインを交わすことに喜びを感じる、という独特のオタクな世界である。自分のCQ(コールサイン)が今日は誰と交信できるか、と新たな出会いを経験する趣味である。日々の天候や電離層の状態によって、電波の届く範囲は刻々と変化するらしい。インターネットもスマホもSNSも無い時代に、1対1ではあるが知り合いを増やせる唯一のツールといえる。機材を購入して使いこなすことができる、恵まれた人の高尚な趣味といえる。フェイスブックが普及した今でもアマチュア無線は無くなっていない。アマチュア無線家は圧倒的に電気の技術系男性が多いと言われる。年季の入ったアマチュア無線家は、仲間内では取得した免許の番号から年齢を推定できるため、わかってしまうらしい。

誤り率測定器(あやまりりつそくていき)

BER(Bit Error Rate、バー)の測定器。ビット誤り率測定器を略した呼称。別名:「ビットエラーレート測定器」、「ビットエラー測定器」、「BER測」など。

ARIB(あらいぶ)

(Association of Radio Industries and Businesses) 無線通信分野の国内標準化機関。日本語名は「一般社団法人 電波産業会」。通信・放送分野の電波利用について、調査、研究、コンサルティングなどを行っている。 設立:1995年(平成7年)。財団法人電波システム開発センター(RCR)と放送技術開発協議会(BTA)の事業を引き継ぎ、1995年に郵政省(現総務省)の許可を受けて設立(電波法の規定により「電波有効利用促進センター」として郵政大臣から指定され)、2011年に内閣府の認可を得て一般社団法人へ移行。 設立趣旨:通信・放送分野の新たな電波利用システムの研究開発や技術基準の国際統一化等を推進し、国際化の進展や通信と放送の融合化、電波を用いたビジネスの振興などに迅速、的確に対応できる体制の確立を目指す。 会員数:正会員 191、賛助会員 64、規格会議委員所属法人 12(2023年10月2日現在) 日本語正式名称の「電波産業会」よりも略称であるARIB(アライブ)の方が大変よく使われている。似た名前の団体に「一般財団法人 電波技術協会」(REEA)があり、両者を並べると、産業会より技術協会のほうが格式や権威ある名称のように素人には思えるが、ARIBの方が有名で権限がある。

アルカリ乾電池(あるかりでんち)

電解液に水酸化カリウムが使われている電池。マンガン乾電池に比べると寿命が長く大電流が得られる。

アルコール濃度計(あるこーるのうどけい)

(alcohol concentration meter) 濃度計の中で、アルコールの含有量(濃度)を測定するもの。飲酒運転の確認に使われることは大変良く知られている。一般に小型の可搬型が多い。通販でも売られ、多くのメーカがある。自動車の運転者に使われるものは「アルコール検知器」や「アルコールチェッカ」という品名が多い。 濃度計は各種のガス(二酸化炭素など)を検出して危険を知らせるもの(ガス検知器)や、微粒子濃度を測定するパーティクルカウンタの関連製品など、大変幅広い。製品名も濃度計ではないことも多い。 液体の屈折率から測定する製品の老舗であるアタゴ(国内メーカ)は、糖度計や濃度計を多くラインアップしている。この原理を応用した濃度計や糖度計は各社から発売されているが、カテゴリー(機種分類)が難しい(メーカや取り扱い商社によって、分類や区分が色々ある)。

アルゴリズムソフトウェア(あるごりずむそふとうぇあ)

システム動作およびデバイスの仕様に応じた書込みを制御するためのソフトウェア。使用するデバイスに対応しているアルゴリズムソフトウェアをROMプログラマへインストールして使用する。アルゴリズムソフトウェアには、デバイスを特定するタイプコード(TYPE CODE)が登録されていて、これをプログラマに設定することで、デバイスに応じた書込み制御を実行する。使用するデバイスがプログラマに対応しているかどうかはROMライタメーカのデバイスリストで確認する必要がある。(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より)

Arduino(あるでゅいーの)

ワンボードマイコン(シングルボードコンピュータ)の一種。「Arduinoボード」(ハードウェア)と「Arduino IDE」(ソフトウェア)で構成される。2005年にイタリアで、コンピュータに詳しくない初心者向けの「電子工作用マイコンボードのルーツ」としてつくられ、数年で全世界に普及した。「Arduino IDE」の管理を行う非営利団体Arduino FoundationとArduino関連品の販売の一元管理を行う営利団体Arduino Holdingがある。読み方は「アルドゥイーノ」や「アルディーノ」もある。ArduinoはOSがないので、コンピュータの一部のマイコン。ブレッドボードなどを併用して他の機器(PCなど)につなぐなど機能拡張している例もある。ラズパイ(Raspberry Pi、ラズベリーパイ)はOSが搭載されているのでコンピュータとして使えるが、プログラムはArduinoの方が簡単。用途によってどちらが適しているか選択が必要。

アルテラ(あるてら)

(Altera) アルテラ(Altera Corporation)は1983年設立の半導体デバイスメーカ(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ)。プログラマブルロジックデバイス(PLD)の代表的企業で、2000年代にはXilinx(ザイリンクス)と共にFPGAベンダとして有名だった。2015年にインテルが167億ドルで買収し、現在はインテルのFPGA部門となっている。設計に特化し、製造工場を持たないファブレスで、インテル買収後もそれは継続している。 ロジックデバイスはCPU以外にFPGAとGPUが3本柱となった。そこでCPUの世界No.1であるインテルはFPGAトップベンダのアルテラを買収し、ロジックデバイスでトップの座を堅持しようとした。アルテラのラインアップを整理して、データセンタやクラウド向けのハイエンド製品に特化してきたが、自社イベント「Intel FPGA Technology Day 2023」(2023年9月)で、ミッドレンジやローエンドの新製品を発表した。これは買収前のアルテラのラインアップに戻ったということで、戦略転換である。「生成AIなどには、ハイエンドなFPGAではなく、エヌビディアの高性能なGPUがシェアを伸ばし、FPGAビジネスの見直しが必須となった」、と報じているテクニカル・メディアもある。CPUでNo.2のAMDも2022年にザイリンクスを買収し、2023年にはエヌビディアの売れ筋GPUに相当する製品を発売するなどインテルを追い上げている。 PLDの代表となったFPGAのトップベンダったアルテラはインテルの1部門になってもブランドは健在である。インテルはFPGA部門のIPO(新規株式公開)を2~3年後に計画していることを、前述のイベントで発表している。

ANSI(あんしー)

(American National Standards Institute)米国国家規格協会。米国で工業規格の標準化を行う機関の一つ。米国の国内規格作成団体である電子工業会(EIA)や電気通信工業会(TIA)などが作った仕様を承認して、ANSI規格となる。EIAがつくった規格の例ではRS-232C(Recommended Standard 232 version C)がある。LANケーブルのコネクタ8P8CはANSI/TIA-1096-Aである(ANSIとTIAの名前がついている)。ANSI規格は日本のJIS規格に相当する。ANSIは連邦政府機関ではなく民間の非営利法人だが、権威がありANSI規格が国際標準のISO/IEC規格になることが多い。読み方は「あんし」「あんじ」もある。

安全ブレーカ(あんぜんぶれーか)

安全範囲を超えた電流が流れると自動的に電気が止まる仕組みになっている機器 (=配線用遮断器)。

安定化光源(あんていかこうげん)

波長が固定で、高安定出力の光源。光通信用の測定器。種類はLEDとLDがある。波長を可変できる光源もある。

安定化電源(あんていかでんげん)

商用電源を、必要な安定した電圧・電流に変換する装置。交流安定化電源と直流安定化電源に大別される。電源には出力を安定化させる機構を持っていないものもあるが、計測器としての電源は任意に設定した値で安定に出力することが必須なため、安定化電源と呼ばれる。計測器(計測用電源)の場合は略して「電源」と表記されることが多い。

安定度(あんていど)

(stability)温度、時間などの変化による零点または感度の変化。(ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所の「測定器の概要と主な用語」より)

アンテナ(あんてな)

(antena) 無線信号を送受信する機器。アンテナは通信機器であり計測器ではないが、電波関連測定器の一部、またはオプションとして必須のため、計測器の1カテゴリーに分類されている。スペクトラムアナライザ(スペアナ)の中に分類されたり、電磁界強度計やEMC(Electro Magnetic Compatibility、電磁両立性または電磁適合性)測定器に分類されたりと、どのカテゴリーに入れるかは様々である。当サイトは障害・EMI測定器のカテゴリーにほとんどを入れているが、スペアナにも(スペアナのオプションとしての)アンテナが少数、入っている。使い方としては、RF測定器の信号発生器の出力端子やスペアナの入力端子に接続される。 アンテナの主な種類は形状で分けると、ダイポール、ループ、バイコニカル、ホイップなどがある。TV受信用には八木・宇田アンテナが有名である。また衛星通信にはパラボラアンテナが使われる。ダブルリジッドガイドアンテナなどのようにEMI測定に使われるアンテナ(EMIアンテナ)も数多くある。 計測器メーカのアンリツ、ローデ&シュワルツ、キーサイト・テクノロジーなどもアンテナをラインアップしているが、専業メーカの方が製品の種類が多い。たとえばキャンドックスシステムズ(国内)やETS-LINDGREN(海外)など。