PSIM
パワーエレクトロニクス(パワエレ)に特化した回路シミュレータ(ソフトウェア)。パワエレの開発用では業界標準といえる。PSIMは北米で開発・製品化されたが、日本ではMywayプラス株式会社が有名。同社によれば「累計2000ライセンス以上を販売し、国内120以上の研究室で使用されている」と、高シェアである。
同社は以前からPSIMトレーニングセミナーを開催してきたが、毎年秋にPSIMユーザ会を催すようになった。またパワエレ技術者の育成などを目的に一般社団法人日本パワーエレクトロニクス協会(PWEL)を設立し、2017年のPSIMユーザ会は「パワエレ技術者育成フォーラム」(技術者セミナーなど)を併設した。2018年はPWEL主催のパワエレ技術者育成フォーラムがメインイベントとなり、併設展示会場にはテクトロニクス、岩崎通信機などパワエレ向け計測器をラインアップするメーカ10数社が並んだ(以下の参考記事にイベントレポートあり)。
2019年はPWEL主催の「パワエレフォーラム」となり、協賛:Mywayプラス、キーサイト・テクノロジーなど、後援:日刊工業新聞社、一般社団法人エレクトロニクス実装学会など、となった。パワエレ関連の大学教授が司会して、パワー半導体メーカ、自動車車体メーカ、インバータメーカなどが議論するセッションは、パワーデバイスの作り手、ユーザ、教育関係者、というパワエレ業界の民間企業・大学関係者が年に1回、集まる場となった。2020年はコロナ禍でリアル展示会は中止され、現在はオンライン開催でセッションが毎年続いている(2023年現在)。
Mywayプラスは早くから電力回生型双方向電源という(現在では自動車などのインバータ・モータ評価の標準となった)特殊なDC電源を発売した計測用電源メーカでもあるが、元はパワエレ機器の開発ベンチャーである(以下の展示会レポートに説明あり)。PSIMの販売から、パワエレユーザのトレーニング(セミナ)を定期開催するようになり、PSIMユーザ会を経て、PWELを設立してパワエレ業界に確固たるポジションを築いたといえる。いわばPWELはパワエレ業界の1つの極である。
PSIMはpower simulator(パワエレ シミュレータ)の略記という説があるが、真偽は定かではない。
参考用語
参考記事
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パワエレ技術者の育成とパワエレ業界の発展に尽力していく! Mywayプラスが技術者教育について語る
2017年12月公開のインタビュー。PSIMセミナーやPWEL設立について語られている。
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会員専用【展示会レポート】人とくるまのテクノロジー展 2023 名古屋 2ページ目
デバッグツール Typhoon HIL、インバータエミュレータ pMOTION
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会員専用【イベントレポート】パワエレ技術者育成フォーラム2018(新横浜プリンスホテル)
マクニカ、ヤマト科学、岩崎通信機の展示を取材。
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会員専用【イベントレポート】Mywayプラス PSIMユーザ会 展示ブース取材 (Part2)
日本パワーエレクトロニクス協会、JMAG(電磁界解析ソフトウェア)
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会員専用【イベントレポート】Mywayプラス PSIMユーザ会 展示ブース取材 (Part1)
FLOSFIA 、TyphoonHIL。