PSIM
パワーエレクトロニクス(パワエレ)に特化した回路シミュレータ(ソフトウェア)。パワエレの開発用では業界標準といえる。PSIMは北米で開発・製品化されたが、日本ではMywayプラス株式会社が有名。同社HPによれば「累計2000ライセンス以上に採用、国内7割以上の研究室に導入済み」と高シェアである。同社は以前からPSIMトレーニングセミナーを開催してきたが、毎年秋にPSIMユーザ会を催すようになった。またパワエレ技術者の育成などを目的に一般社団法人パワーエレクトロニクス協会(PWEL)を設立し、技術者セミナーなどの「パワエレ技術者育成フォーラム」を2017年のPSIMユーザ会から併設した。2018年からはパワエレ協会主催のパワエレ技術者育成フォーラムがメインイベントとなり、併設展示会場にはテクトロニクス、岩崎通信機などパワエレ向け計測器をラインアップするメーカ10数社が並んだ。2019年はPWEL主催の「パワエレフォーラム」となり、協賛:Mywayプラス、キーサイト・テクノロジーなど、後援:日刊工業新聞社、一般社団法人エレクトロニクス実装学会など、となった。パワエレ関連の大学教授が司会して、パワーデバイスメーカ、自動車車体メーカ、インバータメーカなどが議論するセッションは、パワー半導体の作り手、ユーザ、教育関係者、というパワエレ業界の民間企業が年に1回、集まる場となっている。2020年はコロナ禍でリアル展示会は中止されオンライン開催となったが、PWELはパワエレ業界の1つの極といえる。Mywayプラスは早くから回生型電源という(現在では自動車などのインバータ・モータ評価の標準となった)特殊なDC電源を発売した計測用電源のメーカでもあるが、PSIMを扱っていたために、PWELを設立してパワエレ業界に確固たるポジションを築いたといえる。