2017/12/25
パワエレ技術者の育成とパワエレ業界の発展に尽力していく! Mywayプラスが技術者教育について語る
【概要】
Mywayプラス株式会社は、創業25年の比較的新しい会社ですが、いち早く回生型電源を開発し、直流電源に新しいモデルを確立しました。受託開発から始まった同社は、常にパワーエレクトロニクスの最先端の製品を生み出し、5年前には世界に先駆けてSiC採用のインバータを展示会出品しました。パワーエレクトロニクスの業界標準の回路シミュレータを提供しているのも技術力の象徴です。
最先端の研究をしている大学教授や、企業のR&D部門との長い交流を通じて頻繁にセミナーを開催し、技術者育成のためにパワーエレクトロニクスの協会まで立ち上げられた取締役の相薗氏をお訪ねし、セミナーの取り組みや今後の展望についてお伺いしました。
パワエレ分野における3つの事業領域に注力
Q:相薗様の自己紹介をお願いします
今年2月にMywayプラス株式会社の取締役に就任しました。当社に参画する前は、株式会社日立製作所において重電プラント向けの制御コンピュータ開発や自動車事業部門の企画部長などを経て、電源メーカや技術ベンチャーで役員を務めていました。現在は、当社の生産部門と営業マーケティング部門の部長を兼務しています。部門内には広報機能もあり、セミナー開催も主管しています。あとでご説明する一般社団法人日本パワーエレクトロニクス協会の理事長も務めています。以下の説明では、「パワーエレクトロニクス」を「パワエレ」と省略させていただきます。
当社には「開発ツール」「電源」「モータ評価装置」という3つの事業領域があります。開発ツール事業では、お客さまのパワエレ技術開発を支援しています。パワエレに特化した回路シミュレータPSIM(ピーシム)や制御コントローラPE-Expertなど、お客さまのインバータ開発を支援する開発ツールをご提供しています。この分野では国内で高いシェアを確保しており、現在は海外事業展開に注力しています。 2つ目は試験電源の事業です。直並列接続できる回生型電源pCUBE(ピーキューブ)を約5年前に販売し、リチウムイオン電池の充放電試験の市場ニーズと合致して大きく事業成長しました。今後は試験電源のレパートリー展開を計画しており、成長事業分野と位置付けています。 3つ目はモータ評価装置事業です。新規開発のモータを評価するには、モータに電気を供給して駆動するドライバが必要となります。従来は、モータとドライバの両方の試作機が完成してから試験を開始していましたが、当社のpMOTION(ピーモーション)では汎用のドライバや試験環境を提供しているため、お客さまはモータの完成と同時に評価を開始できます。お客さまに開発期間の短縮とコスト低減が評価され、pMOTIONは自動車メーカに続々と採用されています。今後、大きな事業成長が期待できる分野です。 Q:回路シミュレータ(PSIM)関連のセミナーを毎月、開催している理由、目的は何でしょう
当社ではPSIMトレーニングセミナーを毎月開催しています。定期的に開催している一般公開セミナーのほかに、特定のお客さま向けにもセミナーを開催しています。当社では開発ツールを販売しており、企業や大学で活躍する最先端のパワエレ技術者と強固なコネクションを持っています。パワエレ技術者の教育、回路シミュレータを使った机上検討、実機やHILS(※)を使った試作開発とデバッグ、量産開発に至るまで、全ての開発フェーズにおいてお客さまとの接点があり、なかでも回路シミュレータPSIMの認知度は高く、大学教育で使われる機会も増えてきました。PSIMトレーニングセミナーの開催回数を増やすことにより、PSIMや他製品の利用者拡大につながると期待しています。
※ HILS:Hardware In the Loop Simulator(またはSystem)ヒルズ、自動車のコンピュータを制御しているECU(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)の動作試験をする装置
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