計測関連用語集

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詳細説明

計装

読み方:

けいそう

カテゴリー:

#計装制御機器

(instrumentation)
生産工程などを制御するために、計測装置や制御装置を装備し、測定・制御・管理すること。語源は「計測器を装備する」。たとえば工場では昼夜を問わず機械が稼働し、停止することなく安全に稼働し続けるために温度や圧力などを常時計測して監視している。測定した温度や圧力データから、温度を上昇させたり圧力を下げたり、制御弁を開閉したり、という制御をして機器の状態を安全に保つようにする。温度を一定に保つためにエアコンや冷凍機などを自動制御する。これら一連の行為を計装と呼び、PLC(シーケンサ)やDCS温調計伝送器トランスデューサ信号変換器などが計装の機器(別名:工業計器)である。
プラントで材料から製品を生産する工程を管理するプロセス制御も計装である。そのため「計装制御」とも呼ばれる。横河計測の「電圧電流発生器&モニタ」(デバイス評価用のSMUではなくハンドヘルド現場測定器)であるコンパクトキャリブレータ(通称:コンパクトキャル、形名CA150など)は「プロセス用のキャリブレータ(計装の校正器)」といわれる。工場(プラント)内に装備されている機器が正しく電圧・電流を検知して出力しているかを点検(校正)する目的で使われる。工場やプラントに設置してある、圧力を表示する指示計器である圧力計は、可搬型の圧力校正器で保守点検を行う(TechEyesOnlineではカテゴリー「物理量測定器」の圧力計測器に圧力校正器を分類し、旧DruckのDPI600シリーズなどを計測器ページに掲載している)。
計装は制御装置を管理する仕事なので、プラントだけでなく企業が入居しているオフィスビルでも、計装のエンジニアが働いている(ビル空調の管理など)。計装とは「各工程の様々な機械の状態を計測し、コンピュータ(DCSなど)を使ってシステム化(自動制御)すること」で、「多くの計測機器を管理できる状態で装備(設置)している」ことが「計装」。

計装は計測器だが、いわゆるオシロスコープのような電気計測器ではない。(計測器メーカの横河計測ではなく計装メーカの)横河電機や、三菱電機、オムロン、富士電機などが計装のメインプレーヤである。富士電機のHPではタイトル「計測機器」に計装製品が掲載されている。ここでいう「計測機器」がオシロスコープなどの電気計測器ではないことは素人には理解しにくい。計測器と計装だけでなく、計量や分析、測器など、 計測器と似ていることばがあり、メーカによって使い方が違うので、これもまた「計測器村の村人」でないと理解しにくい。
計装の製品をフィールド機器と呼び、各計装製品をつなぐ通信規格をフィールドバスと呼称する。各計装ベンダが独自の規格を提案し、世界中に多くのフィールドバスが導入されている。産業用イーサネットの普及で規格はオープンになったが、依然として複数の通信方式が存在する(乱立しているように筆者には見えるが、用途に適した規格を各ユーザが選択しているといえる)。計測器の展示会だった計測展は2019年からIIFES(アイアイフェス)に名称変更したが、2025年の計測器メーカの出展は約20社と少なく、ほぼ「計装の展示会」となった。PROFIBUS(プロフィバス)やCC-LINKなどの各種フィールドバス(計装製品の通信規格)がブースを構えている。計装はプロセスやフィールドなど、同じことを複数の表現をすることも素人にはわかりにくい。

JIS(日本産業規格)では計装を「対象とするシステムの運転や管理を具現するために、対象システムの計測・制御又は管理方法などを検討して、制御や監視のための装置を装備すること」と規定している。英語のinstrumentation(インスツルメンテーション)を1950年頃に日本語にするときに、「計装」という工業用語をつくったとされる。
(有)工業技術社は工業計測分野の技術誌・専門図書の出版社で、月刊誌の「計装」を65年間発行し、創刊800号を超えた。月刊「計装」の表紙にはタイトル「計装」の横にICEと書かれている。Instrumentation、Control、Engineeringの略である。Iは計装、Cは制御、Eは産業技術・生産技術などを指している。計装が制御やエンジニアリングと深い関係があることがうかがえる。同社HPのURLはhttps://www.ice-keiso.co.jpで、ice-keiso(あいしーいー けいそう)である。
月刊「計装」2024年12月号の裏表紙には横河電機が製品広告を載せている(つまり横河電機は計装の会社である)。余談だが、同号の表紙の裏(トップの広告ページ)には、横河計測のCA700 圧力キャリブレータなどのProcess Test Instruments(プロセスの試験器)が載っている。横河計測はハンディデジタルマルチメータなどの現場測定器をつくっているが、プロセスキャリブレータ(計装の機器の校正に使う計測器)のラインアップが豊富である。つまり、横河計測は計測器と計装の2つの顔を持っている。横河電機は計装の会社だが、計測器の子会社である横河計測も深く計装に関わっている。
会社名が「計装」の東京計装(株)は1954年に日本初の面積流量計専業メーカとして東京で創業し、1957年に液面計を発売している。現在でも創業以来の流量計レベル計の専業メーカである。事業分野には「電力(火力・原子力)、鉄鋼・非鉄金属、石油・石油化学」などを挙げている。つまり、流量計やレベル計は計装の製品(工業計器)で、発電所や製鉄工場、化学工場などの計装の現場(プロセス制御をしているプラント)で使用されている。

instrument(道具、楽器、器械、計器)に接尾辞「-ation」( ~を施す、~する)が付き、instrumentationは「計器類の装備(設置・操作)」から「計測・制御システム」を意味するようになった。FA(工場の自動化)やPA(プロセスの自動化)に「計測・制御システム」は必須である。FAトップ企業の三菱電機やPAメーカの横河電機が計装のメインプレーヤである。日本語は「計器類(計測器)を装備する」からつくった熟語なのは前述のとおり。

参考用語
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