計測関連用語集

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詳細説明

光半導体

読み方:

ひかりはんどうたい

カテゴリー:

#半導体測定器 #ネットワークアナライザ #光測定器

(opto semidonductor)
2つの意味がある。従来は以下の1.だったが、最近2.の意味でも使われている。
1.
半導体の中で、電気信号を光信号に変換する発光素子、光信号を電気信号に変換する受光素子、発光素子と受光素子を組み合わせた複合素子を、「光半導体」と総称する。その種類と用途は以下。
(1)電流を光に変換する光半導体(発光素子)
LED:照明、信号灯、ディスプレイ、電子機器のバックライトなどに使用。
レーザーダイオード:DVDの書き込み、光ファイバ通信、3Dセンサなど。
➂赤外線LED:テレビのリモコン、防犯カメラ、車両カメラなど。
(2)光を電流に変換する光半導体(受光素子)・・光の検出をするので、光センサとも呼ばれる。
フォトダイオード:カメラの露出計、光通信システム、分光器、暗視装置など。
➁フォトトランジスタ:自動ドア、カメラ、スマートフォン、光電センサなど。
光デバイスをopto device(オプトデバイス)と呼んでいる。opticalは日本語では「光学」になるので、optical semiconductorは「光学 半導体」である。ここでいう光半導体は英語では、opto semidonductor。
光半導体に関する国内メーカの対応は様々。総合半導体メーカのルネサス エレクトロニクスは、2020年5月に光半導体事業(半導体レーザーとフォトダイオード)から撤退し、製造拠点である滋賀工場の生産ラインを停止すると発表した。光デバイス専業メーカの浜松ホトニクス(通称:浜ホト)は、2019年6月に光半導体事業の生産能力向上のため、浜松市の新貝工場に新棟を建設すると発表した。

2.
NTTは次世代の基幹通信網として、オールフォトニクス・ネットワークのIOWN(アイオン)構想を2019年に発表した。光を電気に変換しないで光のままで処理することで、電気よりも高速・大容量を実現する。そのためのキーは「チップ内で(電気を使わず)光で処理をする」光半導体である。ここでいう光半導体は前述の受光素子、発光素子ではなく、光電融合デバイスを指す。NTTは、「従来の半導体上で電子回路が担ってきた情報のやり取りを光回路に置き換える」、電子が通る銅配線の代わりに「シリコンに光を閉じ込めて通す道、光導波路を形成する」研究を進めている(プリント基板に安価に光導波路が形成される未来を想定している)。
IOWNグローバルフォーラムには世界中の先端企業が参画している。インテルは光半導体(光集積回路)の研究に世界で最も注力している企業である。電子ではなく、従来よりももっと高速の光を使って情報を伝えて処理することで、「これまでにない超低消費電力、超高速処理で動く半導体」の開発が進んでいる。
2022年1月21日の日本経済新聞には以下の内容の記事がある。
NTTは「光の半導体」で限界突破し、電気から技術転換。半導体チップに「光」の通る回路を作り情報を処理する。
2024年1月30日には「経済産業省はNTTが主導する次世代の「光半導体」の研究開発に最大452億円を支援する」ことが報じられた。

2000年以降に、半導体のシリコン基板上に、光導波路、光スイッチ、光変調器、受光器などの素子を形成する技術が研究されてきた。シリコン基板上に受光器などを集積するので、シリコンフォトニクスと呼ばれる。NTTは光送受信モジュールを開発できたことを成果としてIOWNを発表した。インテルは2020年12月開催のIntel Labs Day 2020で、シリコンフォトニクスの研究テーマとして、従来のサイズから1000分の1に小型化した変調器を紹介した。シリコンのCMOS集積回路の製造技術は確立しているので、シリコンフォトニクスによる超高速・小型・低消費電力の光半導体は、比較的に安価な製造コストで実現できると考えられている。

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