光モデム
(optical modem)
モデムはデジタル信号を変調してアナログ回線で送り、受信側で復調して元のデジタル信号にする装置だが、回線(伝送路)をレーザーなどの光通信で行う機器を光モデムと呼称している例がある。たとえば、S製作所の海洋機器である水中光無線通信装置は、レーザーや可視光によって水中で通信をする。この製品は「水中で無線通信できる“光モデム”」と紹介されている。光モデムの定義ははっきりしない。「デジタルデータをアナログデータにして光で送る装置」ということだと、光ファイバ通信で使われるO/E変換器やE/O変換器は電気も光もデジタルなので、それとは違う方式ということでわざわざ光モデムと呼称しているのかもしれない。
ネットで光モデムを検索するとNTTなどのキャリアの「“フレッツ光”のサービスで使う、光回線の終端装置(ONU)はモデム、ルーターと何が違うか?」や「“auひかり”のモデムとは?」などの記事がたくさんヒットする。つまり「光回線のモデム」の説明が出てきて、「光モデム」の説明はない。著名なエレクトロニクス雑誌が何の脚注もなく「光モデムの新製品」などの記述をしているので、「光モデム」はエレキの技術者にとってすでに常識(基本用語)なのだと推測されるが、その正確な定義は難しい。ECサイトに「NTT光モデムの中古品」と題してONUが掲載されている例もある。ただし、「光モデムとはONUのことである」という解説ではなく、「ONUはモデムではない」と両者の違いを説明する例がネットに溢れている。
計測器情報:品名に光モデムと付く製品の例