計測関連用語集

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詳細説明

光ファイバ通信

読み方:

ひかりふぁいばつうしん

カテゴリー:

#光測定器

(fiber optic communication)
光ファイバは屈折率の高い物質(コア)を屈折率の低い物質(クラッド)で覆った同心円状の細長い構造で、光(レーザー光)をコアに入射するとコア内に閉じ込められ、低損失(振幅が減衰しない)で長距離に伝送できる。波長によって光信号の減衰率は変わるので、もっとも低損失な波長帯域を使って、基幹通信網に光ファイバ通信システムを構築している。
コアやクラッドの材料は石英ガラスやプラスチックなど多数あり、グラスファイバやプラスチックファイバと呼ばれる。光通信以外の用途にも使われる。光ファイバ通信の理論は日本人の西澤潤一氏が特許出願したが却下されている(あまりにも先進的であったため判断ができなかったといわれる)。光ファイバ通信は電気信号をE/O変換器で光に変えて送信し、途中で光ファイバ増幅器などによって減衰を補う(1981年に商用運用を開始時は、O/Eで電気にして増幅し、E/Oで光にしていた)。受信側ではO/E変換器で電気信号に変換する。長距離伝送する区間だけを光ファイバを使っている。全区間を光で通信するAPN(オール・フォトニクス・ネットワーク)はまだ実現されていない。送信側ではLD(レーザーダイオード)、受信側ではPD(フォトダイオード)などのデバイス(光半導体)が使われる。公衆回線での長距離伝送には伝送損失の少ない石英ファイバで、波長1.31μmや1.55μmが使われる。短距離では安価なプラスチックファイバや波長0.85μmが使われる。
光ファイバ通信は携帯電話で使われている無線通信のような高度の変調はできず、信号を複数の波長に割り当てて、1本のファイバで多重化することで、大容量・高速化を実現した(WDM、波長分割多重)。電気信号は振幅や周波数を変調して高速化しているのに、光通信は強度を変える方式が主流だったが、2010年代に光デジタルコヒーレント通信技術が進み、位相変調や偏波多重でより高速化された。電気に比べて光の部材(素子や光コネクタなどの部品)が高額なため、電気がすべて光に置き換わってはいない。それでもコアネットワークやデータセンタに光ファイバ通信が使われるのは低損失、広帯域、小型・軽量、無誘導などの利点による。
光ファイバ通信のための計測器を、NTT(旧電電公社)は1970年代からアンリツ安藤電気(現横河計測)につくらせた(電電ファミリー)。2社は現在も光計測器をラインアップしている。OPM光源などの光の基本測定器以外はOTDRなどの光ファイバ用のモデルが多い。横河計測の光スペクトラムアナライザは世界No.1である。アンリツは無線通信などの電気の高周波が得意なので、ネットワークアナライザなどで光デバイスを評価する用途でO/EやE/Oなどの光測定器をつくっている。

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