計測関連用語集

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詳細説明

光スペクトラムアナライザ

読み方:

ひかりすぺくとらむあならいざ

カテゴリー:

#光測定器

(Optical Spectrum Analyzer)
光通信やDVDなどに使う光信号の、波長ごとのパワースペクトルを表示する測定器。光通信測定器の代表的な基本測定器。オシロスコープ(時間-電圧グラフを表示)、スペクトラムアナライザ(周波数-パワーのグラフを表示)と同じように、光通信では光スペクトラムアナライザが波長-パワーのグラフを表示する。無線通信では周波数特性(f特)が重要な指標なように、光通信では波長特性が重要になる。単に波長のパワーを測定するだけなら光波長計があるが、波長特性が評価できる光スペクトラムアナライザの方が大変良く使われる(RFなどの無線でも周波数の値を表示するカウンタよりもスペクトラムアナライザが使われることに似ている)。
英語表記(Optical Spectrum Analyzer)を略したOSAという記述も光測定器メーカ(横河計測やソーラボなど)で散見される(光パワーメータをOPMと表記するのと同じ)。

原理(構造)は回折格子(グレーティング)を使ったモデルが多いが、他の方式もある。アドバンテストは2000年頃に共振器を使ったフーリエ分光方式のモデルをつくっていた(※)。このタイプは海外のThorlabs(ソーラボ)がPC接続型のモデルをOSAの略称で販売している(以下の参考記事に各社の一覧がある)。
用途やアプリケーションによって複数の種類がある。通信で使う1300~1600nmの波長にフォーカスしたモデルや、Blu-ray Discなどの300~500nm向けなどがある。計測器メーカは横河計測(旧安藤電気)のAQ6300シリーズが有名(世界トップ)。海外ではEXFO(エクスフォ)などがラインアップしている。以下の入門記事が詳しい。

(※) アドバンテストは1980年代に通信計測器に参入し、移動体通信向けのスペクトラムアナライザ(R3200シリーズなど)や光通信用のQ8340シリーズ 光スペクトラム・アナライザなどを発売した(2010年頃にすべて撤退し、現在は生産中止)。Q8344は短波長(350nm)から通信の波長(1750nm)までカバーし、「マイケルソン干渉計を用いたフーリエ分光方式の採用により、回析格子を使用した分散分光方式(つまり安藤電気の採用している方式)では測定できないコヒーレンス(可干渉性)解析が可能で,DVD用レーザーダイオードなどの評価に威力を発揮する」とPRしていた。従来、日本の光計測器は2社の電電ファミリー(アンリツと安藤電気)が供給したが、アドバンテストが参入し、光の3A(スリーエー、3社の頭がAで始まるため)と呼称された。アンリツはいうまでもなく無線測定器の世界トップメーカで、光測定器はOTDROLTSなどの限定したモデルを続けている。安藤電気は横河電機に吸収されたが光スペクトラムアナライザのラインアップを増やし、OSAでは世界トップである(中古市場で人気があることがそれを裏付けている)。アドバンテストの計測器事業部門は解体されたが、2000年以降にAirLoggerなどの新規事業製品で計測分野に再参入している。特に無線や光通信、ネットワークアナライザなどの高周波の要素技術を生かして、テラヘルツ分野に注力している(2023年11月のMWEなどでPR)。

参考用語:光通信測定器に関する用語

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