高周波除去
(high frequency rejection)
高周波除去はノイズ対策に使われる手法の1つ。
無線通信の電波や、電子機器のデジタル回路の信号は、使用している周波数(キャリアや動作クロック)よりも高い周波数成分を含んでいる。無線通信で受信する電波は受信機器(アンテナなど)の仕様によって周波数範囲を絞ることもできるが、それでも意図しない不要な高周波が混在する。それら高周波は不要なノイズである。電子機器の組込みシステムはマイクロプロセッサを高い周波数(クロック)で動作させ、CPU周辺のデバイスも高速でON/OFFを繰り返し、スイッチングノイズを発生する。このように不要な高周波を除去することが電気の世界では重要で、ノイズ除去の意味で「高周波除去」というワードが良く使われ、その意味する範囲も広範である。
高周波除去に使われる電子部品には、コンデンサやフェライトコア、フェライトビーズ、ノイズカットトランスなどがある。高周波除去は低い周波数だけ通過させるので、フィルタの1種であるLPF(Low Psaa Filter)ともいえる。
オシロスコープのトリガ機能の1つにHF除去がある。トリガカップリングのHF Reject(オシロの表記はHF-REJなどもある)をONにすると高周波がカットされて、波形表示が安定する場合がある。