偏波依存性損失
(polarization dependent loss)
光通信で使われる用語。光デバイス(DUT)は偏波に影響される(依存性がある)ため、光コンポーネントの重要な性能指標の1つ。入射光をすべての偏光状態にわたり変化させたときの、DUTの挿入損失の最大値と最小値の差(単位:dB)。
光導波路などの光デバイス(光コンポーネント)は偏波状態が変わると損失が変化して、出力(光パワー)が変動する。そのため、偏波を考慮した損失を定義して、デバイスの性能を規定する。英語の略記「PDL」も表記としてよく使われる。
技術書籍では「電磁波の特性である偏波は、電波は偏波、光は偏光と呼ばれる」と解説されている。ところが光分野の話である偏波依存性損失は偏光依存性損失とは呼ばれない。PDL測定に使う光測定器の名称も偏波コントローラや偏波スクランブラで、「偏光」とはいわないことが多いので、初心者は電波の測定器と区別がつきにくい(偏波アンテナなど、無線のカテゴリーの偏波関連機器もある)。光の偏波の具合(偏光度)の測定器は偏波計ではなく「偏光計(ポラリメータ、polarimeter)という。光通信測定器の偏波と偏光の使い分けは難しい。