Qメータ
(Quality meter)
リアクタンス(インダクタやキャパシタ)の性能を表す指標にQ値(Q Factor) があり、Q値を計測できるのがQメータ。たとえばキャパシタのQ値は、理論的に純粋なコンデンサとして動作する指標で、誘電正接(誘電体損)の逆数である。つまりQメータはtanδ(タンデルタ)の測定もできる。
測定項目は高機能なLCRメータに似ているが、用途が違う。すでに生産中止だが株式会社目黒電波測器(現株式会社計測技術研究所/電子計測器事業)のQメータ、型式MQ-1601の製品カタログには「高周波ケーブルのインダクタンス、キャパシタンス、特性インピーダンスなど広範囲に測定できる。測定周波数は15.5kHz~50MHzで、6桁の周波数カウンタを採用し正確な周波数設定と読み取りが可能。別売の誘電体損測定台でtanδを測定。」とある。つまり、高周波でケーブルのQ値やtanδを測定する目的で使われたと思われる。Qメータを「無線周波数の測定器(いわゆるRFの測定器)」と説明している文献もある。当サイトではキーサイト・テクノロジーの製品カテゴリがLCRメータなどの回路素子測定器のため、それに倣って分類しているが、目黒電波は無線測定器の会社である。
Qメータによる交流インピーダンス測定手法を共振法やQメータ法と呼ぶ。Qメータの操作は熟練が要することや、LCRメータが普及したことにより、現在ではQメータはほとんど生産中止になっている。
参考記事:LCRメータの基礎と概要 (第1回)の2ページ目・・Qメータの回路図など説明がある。
計測器情報(会員専用):目黒電波測器やHP(キーサイト・テクノロジー)のQメータの製品カタログ