デジタルパワーメータ
低周波の電力計の現在の主力機種の名称。別名:デジタル電力計、パワーアナライザ、パワーハイテスタ(日置電機)、パワーマルチメータ(エヌエフ回路設計ブロック)、または単に「パワーメータ」など。
計測器で電力を測定する機種群(カテゴリー)には3つある。一番代表的な機種がデジタルパワーメータである。1.デジタルパワーメータは商用周波数(50/60Hz)から100kHz程度の低周波の電力をデジタル表示する(たとえば横河計測のWT5000は0.1Hz~1MHzに対応)。センサ直結型とクランプ入力型の2種類があり、前者は横河計測、後者は日置電機が得意だったが、最近は両方が可能なモデルが増え、メーカによる堺がなくなりつつある。従来、デジタルパワーメータは横河電機(現横河計測)の主力機種群で、世界中に輸出している(横河計測のパワーメータは世界に販売することを主眼にマーケティングして製品開発している)。そのため、標準室向けの高精度のフラグシップモデルから可搬型の安価なモデルまでラインアップし、機種更新を続けている同社の看板製品である。日置電機はクランプが得意なため、クランプ電流計やクランプ電力計をラインアップし、現場測定用の低周波の電力計測(デジタルパワーメータ)でシェアが高い。両社は済み分けていたが、最近は競合するモデルが増えている。日置電機はスタンドアロンの高精度モデルに注力しているが横河計測もクランプを他社とジョイントいてクランプ入力式を増やしている。
2.高周波(RF)を測定する高周波電力計。スタンドアロン型でデジタル表示のモデルが主流。レーザーなどの光の電力を測定するものは、光パワーメータと呼び、電力計とはいわれない。3.指針型のアナログ表示のモデル(指示計器)を「電力計」と呼ぶ。ただし1のデジタルパワーメータを単に「電力計」と記載している資料もあるので注意。