計測関連用語集

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詳細説明

シグナルインテグリティアナライザ

読み方:

しぐなるいんてぐりてぃあならいざ

カテゴリー:

#オシロスコープ

(signal integrity analyzer)
Wavecrest(ウェーブクレスト)社の代表的なモデルの品名。SIR-3000シリーズやSIR-4000C/Dがある。オシロスコープ(オシロ)で、ジッタやタイムインターバルの測定を強化した製品。オシロとしては周波数帯域約15GHzと広帯域で、アイパターン測定もできる。モデルによってはBER測の機能もある。
Wavecrestは1986年に米国ミネソタ州で設立し、米国中西部を中心に多くの半導体デバイスメーカに納品して成長した。日本法人のウェーブクレスト株式会社は2001年2月に設立し、SIRは国内大手半導体メーカの開発・製造用の機材として使われた。2000年代は高速デジタル通信が普及した時代で、PCI Express(PCIe)、SATA(サタ)、FibreChanne(ファイバーチャンネル)などの通信規格が開発され、多くの電子機器に採用された。またver(バージョン)やGEN(ジェネレーション、世代)が改良されて通信速度が速くなっていった。そのたびに、より高速(広帯域)、高機能な測定器(評価ツール)が登場した。
SIA-3000シリーズの基本性能は、時間測定分解能200fs(フェムト秒)のタイムインターバル測定、オシロスコープ、アイパターン、BERT(ビット誤り率測定)を備え、ジッタ、スキュー、立ち上がり時間/立ち下り時間の測定が可能。エントリーモデル(SIA-3100)から上位モデル(SIA-3400、SIA-3600など)へのアップグレードはチャンネルカードの差し換えで可能。2005年8月に日本で発売された新製品SIA-3400Dは「PCI Express1.1(2.5Gbps)、SATA I(1.5Gbps)、SATA II(3.0Gbps)、XAUI(3.125Gbps)、3X FibreChannel(3.1875Gbps)などの評価ソフトウェアを装備し、コンプライアンステストに最適」とPRされている。
シグナルインテグリティは「信号の忠実度」、「信号完全性」という意味で、キーサイト・テクノロジーテクトロニクスなどがデジタル信号の品質を示すことばとして、高速デジタル通信の普及と共に使い始めたが、Wavecrestの製品はその走りであった。レクロイ(現テレダイン・レクロイ)にネットワークアナライザの1種で、シグナル・インテグリティ・ネットワークアナライザSPARQというモデルがあったが、シグナルインテグリティを製品名にした製品は他にはあまり聞かない。アンリツの現役BERTであるMP1900Aの品名はシグナルクオリティアナライザである(BERTや誤り率測定器、ビットエラー測定器という名称ではない)。シグナルインテグリティやシグナルクオリティなどの表現は、従来の計測器とは違う、先進のイメージがあるためか、最近の計測器の名称(品名)に使われていると思われる。
広帯域オシロスコープでアイパターンだけでなくBER測定もする手法は、キーサイト・テクノロジーがPAM4信号の評価で提案している(以下のKeysight Worldの記事が詳しい)。反対にアンリツはBERTでアイパターンも測定できるBERTWave(バートウェーブ)というモデルが、MP1900Aと並ぶBERTの現役製品である。

参考用語
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