計測関連用語集

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詳細説明

ジッタ

読み方:

じった

カテゴリー:

#その他

(jitter)
信号の時間的なズレ。パルス信号の時間方向の揺らぎ。「タイミング信号の位相変動が周波数10Hz以上の短期的な位相変動(ITU-Tの勧告G.810より)」。
現在、マイクロプロセッサの普及によって、デジタルの電気回路を内蔵した電気機器はあたりまえになった。デジタル回路は電圧の値の時間推移をタイミング情報として動作するので、ジッタは機器の誤動作を発生させる要因になりやっかいだが、発生原因は簡単ではない。デジタルのハイ/ロー(1/0)を識別する電圧値は技術の進歩によって小さくなり省エネを実現しているが、ノイズによる影響を受けやすくなり、電圧値の変動に対する対策を施している。また周波数を高くして通信速度を速くすると短時間で多くの情報を送れるが、パルスの周期は短くなり、ジッタの度合いを増々厳しくしないと機器の品質を保てなくなる。このように、高速・大容量のデジタル通信によって社会生活を送っている現代では、ジッタを測定、評価することは大変重要である(アナログ通信でもジッタで悪影響があることが知られている)。
ジッタの定義や関連測定器は広範なので、正確な説明は難しい。ジッタの種類やその測定手法、デジタル伝送の重要な指標であるBER(Bit Error Rate、ビット誤り率、バー)との関係など、各計測器メーカがそれぞれの分野で、自社の製品に関連づけて学術的ともいえる解説をしている。断片的ではあるが以下に簡単に説明する。

ジッタの評価はアイパターン測定でわかる。アイの開口の度合いがジッタである。測定器はサンプリングオシロスコープや広帯域オシロスコープ(高速オシロスコープ)である。
2000年代にDVDなどの光デイスクが普及すると、評価にジッタメータが活躍した。DVD再生機器の読み取り精度にはピックアップの位置調整が欠かせない。デイスクのデジタル信号のBER測定をすると生産性向上が難しく、ピックアップから出力されたRF信号のジッタ測定で位置調整を行った。そのためジッタメータや周波数/時間測定器のタイムインターバルアナライザ(機種群はカウンタ)などが製造工程で使われた。
デジタル伝送の品質評価ではビット誤り率測定が最も使われるが、専用の通信計測器であるBERT(バート)が必要になる。DVDのジッタ測定器は専用器だが、アイパターンは一般的なオシロスコープで観測できるので、特別な専用器を用意する必要はなく、簡便である(マスクパターンなどはオプションになっていることが多い)。
ジッタに似た用語で、10Hz未満で変動するゆるやかな揺らぎをwander(ワンダ)と呼び、映像関連機器(測定器の機種群はオーディオ・ビデオ測定器)で使われている。ジッタは10Hz以上の短い時間で変動する揺らぎなので、「wanderは日本語で“さまよう”、jitterは“小刻みに動く”の意味」、と説明している文献がある。また「jitterは“いらいらする”、“いらいらさせる”などの不安感や神経質が由来」ともあるが、これら諸説は定かではない。

参考用語
参考記事
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